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トレーニング後の大量飲酒で筋たんぱく合成が24%低下。プロテインと一緒でも下がった

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
ビールが注がれたジョッキ
SUMMARY|この記事の要約

運動後に体重1kgあたり1.5gのアルコールを摂ると、プロテインを一緒に摂っても筋たんぱく質の合成が24%低くなったとする研究がある。8人を対象にした実験の中身と、飲み会がある日の考え方を整理する。

トレーニング後に大量のアルコールを摂ると、プロテインを一緒に摂っていても、筋肉のたんぱく質合成はプロテインだけの場合より24%低かった。オーストラリアの研究チーム(エブリン・パー氏、ジョン・ホーリー氏、ヴァーノン・コフィー氏ら)が2014年、科学誌『PLOS ONE』に発表した研究である。「トレーニングの後に飲みに行っても、プロテインさえ飲んでおけば大丈夫」という考えが妥当かどうかを考えるうえで、参考になるデータだ。

研究デザイン:8人が3つの条件を順番に体験

対象は日常的に運動している若い男性8人(平均年齢21.4歳)である。参加者は、脚の筋トレ(レッグエクステンション80%1RMで5回×8セット)、30分間の持続的な自転車こぎ、30秒×10本の高強度インターバルを組み合わせた運動を行った。

運動後は次の3条件を、日を変えて全員が順番に体験した(クロスオーバー試験)。

条件 内容
プロテイン 運動直後と4時間後にホエイプロテイン25gずつ
アルコール+プロテイン 体重1kgあたり1.5gのアルコール+同量のプロテイン
アルコール+炭水化物 同量のアルコール+炭水化物(マルトデキストリン)25gずつ

アルコール量は論文の表現で標準的な飲酒単位の12±2杯分に相当し、体重70kgなら純アルコール105gとなる。ビール(アルコール度数5%)に換算すると、中ジョッキ(500mL)で5杯強に当たる量である。筋肉の採取は安静時、運動2時間後、8時間後に行った。

結果:プロテインと一緒でも24%低下

運動後8時間にわたる筋原線維たんぱく質の合成速度は、プロテインだけの条件と比べて、アルコール+プロテインの条件で24%、アルコール+炭水化物の条件で37%低かった。いずれも統計的に意味のある差である。つまり、プロテインを摂ることで低下の幅はある程度抑えられた可能性はあるものの、アルコールによる低下を打ち消すことはできなかった。血中のアルコール濃度は8時間の回復期間を通じて高いままだった。

運動後2〜8時間の筋原線維たんぱく質合成速度を、プロテイン、アルコール+プロテイン、アルコール+炭水化物の3条件で比較したグラフ
図:Parr EBほか「Alcohol Ingestion Impairs Maximal Post-Exercise Rates of Myofibrillar Protein Synthesis following a Single Bout of Concurrent Training」PLOS ONE(2014)Figure 7/出典:PLOS ONE/ライセンス:CC BY 4.0(改変なし)

研究の限界:参加者8人、1回の運動後のみ

参加者は8人と少なく、若い男性に限られている。また、測定したのは1回の運動後8時間の合成速度であり、飲酒を繰り返した場合に長期的な筋肉量や筋力がどう変わるかを調べたものではない。運動も筋トレと持久系運動を組み合わせた内容で、筋トレ単独の場合と同じ結果になるとは限らない。著者らも、回復期間の一時点しか捉えていない点をデータの限界として挙げている。さらに、体重1kgあたり1.5gという量はかなりの大量飲酒であり、少量の飲酒で同じ影響があるかはこの研究からはわからない。

KINNIKU TIMESの視点

この研究が示すのは、「プロテインを飲めば飲酒の影響は帳消しになる」わけではないという点である。トレーニングの成果を重視するなら、トレーニングをした日の大量飲酒は避けるのが無難だろう。飲み会の予定がある日は、その日を休養日に充てる、飲む量をあらかじめ決めておくといった工夫が考えられる。

それでも飲む場合は、プロテインや食事でたんぱく質を摂っておくことで、低下の幅が小さくなる可能性はある。ただし、アルコールそのものが健康に与える影響は筋肉だけの問題ではない。飲酒量は控えめにとどめ、持病のある人や服薬中の人は医師の指示に従ってほしい。


出典:Parr EB, Camera DM, Areta JL, Burke LM, Phillips SM, Hawley JA, Coffey VG. Alcohol Ingestion Impairs Maximal Post-Exercise Rates of Myofibrillar Protein Synthesis following a Single Bout of Concurrent Training. PLOS ONE(2014)