合トレのメリット・デメリット|研究で分かった「仲間と鍛える」効果
結論:合トレには、ジムに行く日が決まりやすい、補助があるので重い重量に挑戦しやすい、フォームを見てもらえる、といったメリットがあります。人に見てもらう・仲間と一緒に取り組むことが重量の伸びや続けやすさにつながる可能性を示した研究もあります。一方で、時間が延びる、日程が相手次第になる、周りに迷惑をかけやすいというデメリットもあり、事前の取り決めで減らすのが大切です。
「合トレって本当に意味があるの?」「一人のほうが効率的では?」と迷っている方に向けて、研究で分かっていることと分かっていないことを分けて整理しました。合トレの基本から知りたい方は合トレの完全ガイドもあわせてご覧ください。
合トレの効果は?3つの研究から分かること
最初にお伝えしておくと、「友人どうしの合トレ」そのものを調べた研究は多くありません。そこで、条件が近い研究を3つ取り上げます。どれも合トレとは条件が違うため、結果をそのまま当てはめず「参考になる手がかり」として読んでください。
| 研究 | 何を調べたか | 結果 | 合トレとの違い |
|---|---|---|---|
| Mazzettiら(2000年) | 筋トレ経験のある男性20名(解析18名)を12週間、監督あり・なしに分けた | 監督ありの群のほうが扱う重量の伸びが大きく、スクワットとベンチプレスの最大挙上重量も12週時点で高かった | 監督したのはパーソナルトレーナー |
| Irwinら(2012年) | 女子大学生58名がエアロバイクを漕ぐ実験 | 自分より少し上の相手と組み、先にやめた方で結果が決まる条件では平均約21.9分、一人の条件は約10.6分続いた | 画面越しのパートナーで、有酸素運動 |
| WingとJeffery(1999年) | 減量プログラムに一人で参加した人と、友人・家族と参加した人を比較 | 友人と参加し支援の工夫を加えた群は95%が最後まで続け、66%が10か月目まで減量を維持。一人・通常の指導の群は76%・24% | 筋トレではなく減量プログラム |
研究1:人に見てもらうと、重量が伸びやすい
Mazzettiらの研究(Medicine & Science in Sports & Exercise)は、筋トレ経験者を対象に、トレーナーが直接そばで監督する群と、監督なしで自分で進める群を比べたものです。監督ありの群は、トレーニングで扱う重量の伸びが大きく、12週時点のスクワットとベンチプレスの1RM(1回だけ持ち上げられる最大の重さ)も高い結果でした(PubMed)。
合トレの相手はトレーナーではないので、同じ結果になるとは言えません。ただ、「そばで誰かが見ている」「補助がいる」状況が、一人のときより重い重量に手を伸ばすきっかけになりうる、という点は合トレにも通じます。
研究2:少し上の相手と組むと、長く粘れることがある
Irwinらの研究(Annals of Behavioral Medicine)では、画面越しに自分より少し能力の高い相手と組み、チームの結果が先にやめた方で決まる条件にすると、一人で漕ぐ場合より長く続きました(PubMed)。「自分のせいでチームの結果を下げたくない」という気持ちで頑張れる現象は、ケーラー効果と呼ばれます。
筋トレでも「相手が見ているから、もう1回」という場面はよくあります。ただし、相手との差が大きすぎると逆に気持ちが折れやすいとも考えられるため、レベル差の扱い方には工夫が要ります(レベル差の合わせ方の記事)。
研究3:仲間と一緒だと、やめにくい
WingとJefferyの研究(Journal of Consulting and Clinical Psychology)は、減量プログラムへの参加の仕方を比べたものです。友人と一緒に参加し、互いに支え合う工夫を加えた群は、最後まで続けた人の割合も、10か月目まで減量を維持した人の割合も、一人で参加した群より高い結果でした(PubMed)。
筋トレの研究ではありませんが、「仲間と約束して取り組むと続けやすい」という点は、合トレの一番分かりやすいメリットと重なります。
3つの研究はどれも、友人どうしの合トレとは条件が違います。「合トレをすれば筋肉が早くつく」とまでは言えないことに注意してください。
合トレのメリット7つ
研究の手がかりと、実際に合トレをするときの場面を合わせて、メリットを7つに整理しました。
- ジムに行く日が決まる:約束があると「今日は休もうかな」が減ります。一人だと続かない人には、これが最大の利点です。
- 重い重量に挑戦しやすい:ベンチプレスやスクワットで、つぶれたときに助けてくれる人がいると、限界に近いセットにも取り組みやすくなります。
- フォームを見てもらえる:自分では見えない背中の丸まりや、左右の差に気づいてもらえます。スマートフォンで撮影してもらうのも有効です。
- メニューの幅が広がる:相手のやっている種目ややり方を知ることで、自分だけでは思いつかない組み立てに出会えます。
- 待ち時間が退屈にならない:セット間の休憩が、相手のセットを見守る時間になります。
- 記録を比べて励みにできる:同じ種目の伸びを2人で確かめると、成長を実感しやすくなります。
- 筋トレの話ができる相手ができる:食事や睡眠の工夫など、ジムの外の悩みも相談しやすくなります(サプリなど商品の勧誘には応じないでください)。
ビーレジェンド チャンネルの動画で、題名のとおりパワーリフターの方が合トレのメリットとデメリットを解説しています。
合トレのデメリット6つと対策
合トレにはデメリットもあります。ただし、多くは事前の取り決めで小さくできます。よくあるデメリットと対策を表にまとめました。
| デメリット | 起きやすい場面 | 対策 |
|---|---|---|
| 時間が延びる | 交代で回すため休憩が長くなる。雑談が増える | 終わりの時間を先に決める。種目を一つ減らす |
| 日程が相手次第になる | 相手の仕事や体調で予定が動く | 一人でやる日も決めておく。合トレは週1回など無理のない頻度に |
| 周りの迷惑になりやすい | 会話の声、器具の長時間の占領 | 会話はセット間に短く。混んだら別々の種目に分かれる |
| 自分の計画どおりに進まない | 相手の部位・種目に合わせてしまう | 鍛える部位をそろえるか、メイン種目だけ一緒にする |
| 重量に無理をする | 相手に良いところを見せようとする | 重量は各自の計画どおりと最初に決める |
| 相性が合わないと気疲れする | 話し方や価値観の違い、頼んでいないアドバイス | 最初は短時間で試す。合わなければ丁寧に終える |
周りへの迷惑については、ジムによって合トレの人数を決めている店舗もあります。通う店舗の掲示やスタッフに確認しましょう(ジムのルールの確認方法)。マナーの具体的なポイントは合トレのマナー10か条にまとめています。
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「合トレは意味ない」と言われる理由と、一人が向いている人
「合トレは意味ない」「ジムに友達はいらない」という声もあります。これは間違いではなく、トレーニングの目的や性格によっては、一人のほうが合う場合があるということです。よく挙がる理由は次のようなものです。
- おしゃべりが中心になり、トレーニングの質が下がった経験がある
- 相手に合わせて、やりたくない種目や時間帯に付き合うことになった
- 相手のドタキャンで予定が崩れた
- 周りの合トレの声がうるさく、悪い印象を持っている
どれも「合トレという形」より「進め方」の問題であることが多いです。とはいえ、一人で集中する時間を大切にしたい人が、無理に合トレをする必要はありません。
- 一人だとジムに行く日がずれ込みやすい
- 重い重量に挑戦したいが、補助がいなくて不安
- フォームを客観的に見てほしい
- ほかの人のメニューを参考にしたい
- 自分のペースで黙々と進めたい
- 行ける時間が日によって大きく変わる
- 短い時間で終わらせたい
- 会話をすると集中が切れやすい
「一人のほうが合う」に当てはまる人でも、月に1〜2回だけ合トレをする、重い種目の日だけ補助をお願いする、といった使い方ができます。合トレか一人かの二択ではなく、自分に合う頻度を探すのがおすすめです。一人で通うことに不安がある方はジムに一人で行くのが不安な人への記事も参考にしてください。
メリットを引き出す合トレの進め方
メリットを生かしてデメリットを抑えるために、始める前と当日に決めておきたいことを手順にしました。
- 目的をそろえる:「続けるための約束がほしい」「補助がほしい」「フォームを見てほしい」など、お互いの目的を伝え合います。
- 頻度と長さを決める:「週1回、木曜の20時から90分」のように具体的に決めます。
- 部位をそろえる:同じ部位の日に合わせると、器具を交代で使いやすくなります。
- 補助の合図を決める:何回やるか、どこで補助に入るかをセット前に伝えます。詳しくはスポッターとは?の記事で解説しています。
- 記録をつける:重量・回数・セット数を残し、月に一度くらい伸びを見比べます。総負荷量は総負荷量計算で計算できます。
- 定期的に見直す:どちらかの予定や目標が変わったら、頻度やメニューを話し合います。続け方のコツは合トレを長く続けるコツの記事にまとめました。
当日に使える声かけの例
- セット前:「8回の予定です。止まったら補助をお願いします」
- セット後:「今の、最後の2回で腰が少し丸まっていました」
- 混んできたとき:「ここからは別々の種目にしましょうか」
- 終わり際:「今日はここまでにしましょう。次回も木曜でいいですか」
安全面で押さえておきたいこと
合トレのメリットは、安全に続けられてこそ生きます。とくに掲示板やSNSで知り合った相手と組むときは、次の点を守ってください。
- 初回は人の多い時間帯のジム内で会う
- ジム以外の場所(自宅・車・個室)では会わない
- 連絡先は急いで交換せず、しばらくは掲示板内でやり取りする
- お金の貸し借り、物品の販売、勧誘は断る
- 違和感があれば中止し、通報やジムのスタッフへの相談を検討する
重い重量に挑戦しやすいことは合トレのメリットですが、補助のタイミングがずれると事故につながります。ベンチプレスやスクワットでは、補助の位置と合図をセット前に確認し、セーフティバーも併用してください。
合トレナビでは、連絡先やトレーニングと関係のない目的の語は募集文・申請・プロフィールに書けず、連絡先はお互いが承認するまで出ません。安全の考え方は安全ガイドと初対面の合トレで気をつけることの記事をご覧ください。ジムのフリーウェイト設備を比べたい方はジムナビも参考になります。
よくある質問
Q. 合トレをすると筋肉は早くつきますか?
友人どうしの合トレで筋肉のつき方を比べた研究は見当たりません。トレーナーの監督で重量が伸びた研究はありますが、合トレで同じ結果になるとは言えません。続けやすさや補助による挑戦のしやすさが、間接的に役立つと考えるのが妥当です。
Q. 合トレは意味ないと言われるのはなぜですか?
雑談が中心になる、相手に合わせて計画が崩れる、といった経験から言われることが多いようです。終わりの時間や会話のルールを先に決めると、こうした問題は減らせます。
Q. 一人でトレーニングするのは良くないですか?
良くないことはありません。自分のペースで集中したい人には一人のほうが合う場合もあります。重い種目の日だけ補助をお願いするなど、部分的に合トレを取り入れる方法もあります。
Q. 合トレの頻度はどのくらいがよいですか?
決まりはありません。2人の予定が無理なく合う頻度にするのが続くコツです。週1回の合トレと、残りの日は一人で、という組み合わせも一般的です。
Q. 合トレは楽しいですか?
筋トレの話ができる相手と過ごす時間を楽しいと感じる人は多いです。ただし、楽しさを優先して会話が増えると周りの迷惑になりやすいので、会話はセット間に短くするのがマナーです。
まとめ
- 友人どうしの合トレそのものの研究は少ないが、人に見てもらう・仲間と取り組むことの効果を示す研究はある(条件の違いに注意)
- メリットは、ジムに行く日が決まる、重い重量に挑戦しやすい、フォームを見てもらえること
- デメリットは、時間が延びる、日程が相手次第、周りへの迷惑。多くは事前の取り決めで減らせる
- 一人のほうが合う人もいる。部分的に取り入れる形でもよい
合トレを試すなら、まずは「目的・頻度・終わりの時間」の3つを書き出してから相手を探してみてください。
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この記事はFITPEAK合トレナビ編集部が公開情報をもとにまとめたものです。ジムのルールは店舗ごとに異なることがあるため、最新の情報は各ジムでご確認ください。
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