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筋トレで筋肉が増えにくい人は4人に1人?高齢女性27人、10RMと15RMで差なし

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 5分
ダンベルを持つ女性
SUMMARY|この記事の要約

高齢女性27人が10RMと15RMの筋トレを8週間ずつ行った試験で、骨格筋量は15RMで平均0.62kg、10RMで平均0.43kg増え、重さによる有意差はなかった。一方、どちらの条件でも測定誤差を超えて増えなかった人が7人(25.9%)おり、反応の個人差は重さを変えてもほとんど変わらなかった。

同じメニューで筋トレをしても、8週間で筋肉量がはっきり増えなかった人が高齢女性27人のうち7人(25.9%)いた。しかも、この傾向は重さを10RMから15RMに変えてもほとんど変わらなかった。ブラジルのロンドリーナ州立大学やポルトガルの研究者らのチームが、老年学の学術誌「Experimental Gerontology」(2026年10月号、8月4日オンライン公開)に発表した。

10RMと15RMの筋トレ後の骨格筋量の変化とレスポンダーの割合を示した図
図:Ribeiro AS ほか「Responsiveness of muscle mass gain to different load intensities of resistance training in older women: A randomized crossover study」Experimental Gerontology(2026)Figure 4/出典:Experimental Gerontology/ライセンス:CC BY 4.0(改変なし)

どんな試験だったのか?

対象は平均67.7歳の女性27人(平均体重65.7kg、平均身長154.5cm)。全員が「15RM(15回が限界の重さ)」と「10RM(10回が限界の重さ)」の2種類の筋トレを、順番を無作為に決めて両方とも行う「クロスオーバー試験」である。1つ目と2つ目の間には、効果をリセットするため12週間の休止期間を設けた。

項目 内容
期間 8週間×2回(間に12週間の休止、全体で36週間)
頻度 週3回(月・水・金)
種目 チェストプレス、レッグプレス、シーテッドロー、レッグエクステンションなど8種目
セット 各種目3セット、限界まで
測定 DXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)で骨格筋量を推定

研究チームは測定誤差(0.29kg)を上回って筋肉量が増えた人を「レスポンダー(反応した人)」、下回った人を「ノンレスポンダー」と分類した。

10RMと15RM、筋肉が増えたのはどっち?

骨格筋量は15RMで平均0.62kg、10RMで平均0.43kg増え、どちらも統計的に有意な増加だった。両者の差は有意ではなく、研究チームは「どちらの重さでも筋肉量を増やせる」と結論づけている。

  • 15RMでのレスポンダー:27人中18人(66.7%)
  • 10RMでのレスポンダー:27人中15人(55.6%)

筋トレ経験者49人を対象にした別の研究でも、軽い重量と高重量で筋肥大は同等だった(軽い重量で20回でも筋肉は育つ)。今回の結果は、高齢女性でも同じ方向の結果が出たことになる。

「筋肉が増えにくい人」は重さを変えれば増える?

注目されるのは個人ごとの反応の分布である。

分類 人数 割合
両方の条件でレスポンダー 13人 48.1%
15RMのときだけレスポンダー 5人 18.5%
10RMのときだけレスポンダー 2人 7.4%
両方の条件でノンレスポンダー 7人 25.9%

反応の区分が条件によって入れ替わったのは7人(25.9%)にとどまり、多くの人はどちらの重さでも同じ区分だった。研究チームは「重さによって反応しやすくなるという明確なパターンは見られなかった」としている。

この研究の限界は?

著者らは、筋トレをしない対照群がないこと、各期間が8週間と短いこと、食事やたんぱく質摂取量、日常の活動量を管理していないことを限界に挙げている。12週間の休止後も筋肉量は開始時より0.34kg多い状態が残っており、前半の効果が後半に影響した可能性も否定できない。また、ノンレスポンダーは「8週間では測定誤差を超える増加が確認できなかった人」であり、「筋トレをしても筋肉が付かない体質」と断定できるものではない。

よくある質問

高齢女性の筋トレは軽い重さでも効果がある?

この試験では15RMと10RMで骨格筋量の増加に有意差はなく、どちらでも平均0.4〜0.6kg増えた。限界近くまで行うことが前提である。

ノンレスポンダーはどのくらいいた?

両方の条件で測定誤差を超える増加がなかった人は27人中7人(25.9%)だった。

筋肉が増えにくい人はどうすればいい?

この研究では重さを変えても反応はほぼ変わらなかった。期間や量、食事など重さ以外の要因は検証されておらず、今後の研究課題とされている。

KINNIKU TIMESの視点

高齢者の筋トレでは「重い方が効く」と考えがちだが、今回の結果は、関節への負担が小さい15RM程度の重さでも、限界近くまで行えば10RMと同等に筋肉量が増えうることを示している。一方で、同じメニューでも反応には大きな個人差があった。数週間で目に見える変化がなくても、それだけで自分を「筋肉が付かない体質」と決めつける必要はない。重さの選択は続けやすさを優先し、期間を区切って体組成や記録を測りながら続けるのが現実的だ。高齢女性の筋トレ効果についてはサルコペニアの高齢女性を対象にしたメタ分析の記事も参考になる。


出典:Ribeiro AS ほか, Experimental Gerontology 223:113261(2026年8月4日オンライン公開)