【立て直しの順番つき】ジム経営の赤字の原因はどこ?|見つけ方と打つ手
ジム経営の赤字は、まず手元資金があと何か月もつかを確かめ、次に「会員数が足りないのか」「1人あたりの売上が低いのか」「費用が重いのか」を切り分けると、打つ手の順番が決まります。立て直しは、退会を止める、単価を見直す、入会を増やす、固定費を交渉する、の順に進めるのが基本です。撤退するかどうかの線も、赤字が続く前に決めておきます。
赤字のジムを立て直す順番
最初にやること:あと何か月もつかを数える
赤字に気づいたら、原因を探す前に「手元資金 ÷ 毎月の赤字額」で、あと何か月店を続けられるかを出します。たとえば手元資金が300万円で毎月の赤字が50万円なら、6か月です(計算のための例)。この月数が、立て直しに使える時間の上限になります。
- 毎月の赤字額は、損益の赤字に借入の元金返済を足した「お金の出入り」で見る
- 年払いの保険料や、マシンの保守費など、毎月ではない支払いの予定も書き出す
- 借入の返済が苦しくなりそうなら、遅れる前に借入先へ相談する
月数が短いほど、効果が出るまで時間がかかる打ち手(新しいプログラムづくりなど)より、すぐに効く打ち手(退会の手続き前の声かけ、費用の交渉)を先にします。経営の相談は、国が各都道府県に置いている「よろず支援拠点」で無料で受けられます(2026年10月23日確認)。
赤字の原因の見つけ方:3つに切り分ける
赤字は「売上 − 費用」がマイナスの状態です。売上は「会員数 × 1人あたりの売上」に分けられるため、原因は会員数・単価・費用の3つのどれかに行き着きます。
| 見えている症状 | 疑う原因 | 確かめる数字 |
|---|---|---|
| 会員数が開業時の計画に届かない | 入会が少ない/退会が多い | 月の新規入会、月の退会率、会員数が落ち着く先(新規 ÷ 退会率) |
| 会員数は計画どおりだが利益が出ない | 1人あたりの売上が低い | 割引・キャンペーン会員の割合、会費の外の売上 |
| 売上は伸びたのに赤字のまま | 費用が膨らんだ | 人件費・広告費・光熱費の前年同月比 |
| 季節で黒字と赤字を行き来する | 入会・退会の季節の波 | 月ごとの入会と退会の動き |
原因を切り分けるときは、24時間ジム30坪の試算モデル(ジム開業ナビ、2026年10月)の月の費用202万円の内訳と、自分の店の実績を並べると、どの費用が想定より重いかが見えやすくなります。
| 費用(試算モデル) | 月額 | 見直しやすさ |
|---|---|---|
| 家賃・共益費 | 42.2万円 | 契約の途中は難しい。更新時に交渉 |
| 人件費 | 40万円 | シフトと時間帯の見直しで調整できる |
| マシンリース | 34.3万円 | 契約期間中は変えにくい |
| 決済手数料など | 20.6万円 | 決済方法・料率の比較で下がることがある |
| 広告 | 20万円 | 効果を測って配分を変えやすい |
| 清掃 | 15万円 | 頻度と範囲の見直し。削りすぎは退会につながる |
| 電気代/水道・ガス | 9.7万円/3万円 | 空調・照明の運転時間で調整 |
| システム・保守・保険・その他 | 5.3万円/5万円/2万円/5万円 | 契約の内容を見直す |
実際の費用は物件・地域・見積もりで変わります。試算モデルは税・借入の返済を含みません。
今の会員数・月会費・新規入会・退会率を入れると、どの数字をどれだけ動かせば赤字が消えるかを試せます。打ち手の効き方を比べてから動くのに使ってください。
収益改善シミュレーションを無料で使う立て直しの順番:退会 → 単価 → 入会 → 固定費
赤字の店ほど広告を増やしたくなりますが、退会が多いままだと入会した会員が抜けていき、広告費だけが増えます。先に退会を止めると、その後の入会がそのまま会員数の積み上げになります。
- 退会を止める:退会の手続きのときに理由を必ず聞き、「混んでいる」「マシンが壊れている」「使い方がわからない」など、店で直せる理由から手を打ちます。
- 単価を見直す:割引が続いている会員の扱い、パーソナル指導や物販など会費の外の売上を見直します。値上げは既存会員への案内を丁寧にします。
- 入会を増やす:見学・体験から入会までの流れ、Webの予約や料金の表示を整えてから広告を増やします。
- 固定費を交渉する:家賃・リース・保守の条件は、相手との交渉や契約の更新が必要です。契約書の解約条件を先に確認します。
立て直しと同時に、撤退の線を決めておきます。「何か月後に、会員数が何人に届かなければ閉店や業態の変更を考える」と期限と数字で決めておくと、手元資金がなくなる前に判断できます。閉店にも原状回復や解約の費用がかかるため、契約書の条件と金額を早めに確かめておきましょう。
よくある質問
開業してしばらく赤字なのは普通ですか?
会員数が損益分岐に届くまでは赤字になるのが一般的です。ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)では、24時間ジム30坪の損益分岐は232人です。問題は赤字そのものより、会員数が損益分岐に向かって増えているかどうかです。
赤字のときに値下げしてもいいですか?
値下げをすると1人あたりの粗利が減り、黒字に必要な会員数が増えます。値下げで増える会員数が、必要な会員数の増加を上回るかを計算してから判断してください。
赤字が続いたら融資を受けられますか?
融資には審査があり、赤字の理由と立て直しの計画を説明できることが大切です。すでに借入がある場合は、返済が遅れる前に借入先へ相談してください。資金繰りの相談先として、よろず支援拠点や税理士もあります。
赤字の店を売ることはできますか?
設備や会員を引き継ぐ形で事業を譲る例もありますが、条件は相手と契約しだいです。物件の賃貸借契約で、借り主の変更ができるかを先に確かめてください。
出典
- ジム開業ナビ「ジム開業の費用」試算モデル(2026年10月)
- 中小企業基盤整備機構「よろず支援拠点」(2026年10月23日確認)
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