【理由5つを数字で】ジム経営が儲からないのはなぜ?|儲かるジムとの違い
ジム経営が儲からない主な理由は、家賃・マシン・人件費などの固定費が大きく、会員が損益分岐の人数に届く前に資金が細ることです。ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)では、24時間ジム30坪で会員232人、総合ジム120坪で634人が損益分岐です。儲かるジムとの違いは、この人数を超える集客と、退会を抑えて会員数を保つ仕組みがあるかどうかにあります。
業態別の損益分岐の会員数(試算モデル)
ジム経営が儲からない5つの理由
「ジムは儲からない」と言われるのは、売上が少ないからというより、売上が損益分岐を超えるまでの道のりが長いからです。よくある理由を、数字で見える形に並べました。
| 理由 | 数字で見ると | 起きること |
|---|---|---|
| 1. 固定費が重い | 24時間ジム30坪の月の費用202万円のうち、家賃・共益費42.2万円、マシンリース34.3万円、人件費40万円で計116.5万円(約58%) | 会員が少ない月も同じ額が出ていく |
| 2. 会員数が損益分岐の手前で止まる | 会員数が落ち着く先 = 月の新規入会 ÷ 月の退会率 | 入会があっても、退会と釣り合って伸びなくなる |
| 3. 値下げで1人あたりの粗利が減る | 損益分岐 = 固定費 ÷ 1人あたりの粗利 | 安くすると、必要な会員数が増える |
| 4. 回収が長く、運転資金が尽きる | 試算モデルの回収はパーソナル15坪で32か月目、ファンクショナル60坪で45か月目 | 黒字になる前に手元資金がなくなる |
| 5. 見落とした費用がある | 24時間ジム30坪では決済手数料などが月20.6万円、清掃15万円 | 計画より毎月の支出が大きくなる |
表の数字はジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)の値で、税・借入の返済は含みません。借入がある場合は、ここにさらに元金の返済が加わります。
数字で比べる:儲からないジムと儲かるジムの違い
理由2と3は、計算するとはっきりします。いずれも計算のための例です。
- 会員数が伸びない例:24時間ジムで損益分岐が232人のとき、毎月の新規入会が10人・退会率5%なら、会員数は 10 ÷ 0.05 = 200人に落ち着きます。広告で入会を増やしても、退会率が変わらなければ232人に届きません。新規入会が月12人に増えるか、退会率が4%に下がると、240〜250人の水準になります。
- 値下げの例:固定費が月200万円で、1人あたりの粗利が8,000円なら損益分岐は250人です。月会費を1,000円下げて粗利が7,000円になると、約286人が必要になります。値下げで36人以上多く集めなければ、前より利益が減ります。
- 損益分岐の会員数を知らない
- 退会率を毎月見ていない
- 集客を値下げに頼る
- 開業資金だけ用意し、運転資金が薄い
- 売上が月会費だけ
- 損益分岐と目標の会員数を決めている
- 退会の理由を集めて手を打つ
- 値段より体験の中身で選ばれる
- 回収までの月数分の運転資金を持つ
- パーソナル・物販など会費の外の売上がある
右の列は結果を約束するものではなく、損益分岐を超えやすくする条件です。同じ立地・同じ設備でも、退会率と単価の管理で結果が分かれます。
今の会員数・月会費・新規入会・退会率を入れると、会員数がどこに落ち着き、利益がどう変わるかを試せます。値下げと退会対策のどちらが効くかを比べるのに使ってください。
収益改善シミュレーションを無料で使う業態ごとに「儲からない形」は違う
同じ「儲からない」でも、業態によって詰まる場所が違います。試算モデルの数字から、どこに注意するべきかを整理しました。
| 業態(試算モデル) | 初期費用/月の費用 | 詰まりやすい所 |
|---|---|---|
| 24時間ジム30坪 | 2,370万円/202万円 | 近くに同じ形の店が増えると、値下げ競争になりやすい |
| パーソナルジム15坪 | 1,305万円/187万円 | 損益分岐は46人と少ないが、トレーナーの人件費が重く、指導枠が埋まらないと赤字 |
| 総合ジム120坪 | 6,237万円/666万円 | 634人を集める商圏が必要。設備が多く保守・光熱費もかさむ |
| ファンクショナル60坪 | 3,035万円/266万円 | 回収が45か月目と長く、運転資金が足りなくなりやすい |
開業前なら、物件の広さと業態を決める段階で「この商圏で損益分岐の人数を集められるか」を確かめるのがいちばん効きます。開業後なら、まず退会率、次に1人あたりの単価、最後に固定費の見直しの順で考えると、打つ手の優先順位がつけやすくなります。
よくある質問
ジム経営は本当に儲からないのですか?
すべてのジムが儲からないわけではありません。固定費が大きいぶん、損益分岐を超えてからは会員1人増えるごとの利益が大きくなります。損益分岐を超えるまでの集客と資金の計画があるかどうかで差が出ます。
小さなジムなら儲かりやすいですか?
小さいほど損益分岐の人数は少なくなりますが、そのぶん1人あたりの単価を高くする必要があります。試算モデルのパーソナルジム15坪は損益分岐46人ですが、割り戻すと1人あたり約4万円の粗利が必要です(月の費用187万円 ÷ 46人)。
儲からないとき、まず何を見ればいいですか?
毎月の新規入会数と退会率です。この2つで会員数が落ち着く先がわかり、損益分岐に届くかどうかが判断できます。次に、1人あたりの売上と、見落としている費用がないかを確かめます。
値上げすると会員が減りませんか?
減る可能性はあります。値上げ後に必要な会員数と、減っても利益が増える範囲を先に計算しておくと判断しやすくなります。値上げは既存会員への案内の仕方も大切です。
出典
- ジム開業ナビ「ジム開業の費用」試算モデル(2026年10月)
- ジム開業ナビ「退会率」ガイド(2026年10月)
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