【計算式つき】ジム経営のダッシュボードの作り方と毎月見る数字
ジム経営のダッシュボードは、毎月見る数字を「会員数・入会・退会」「売上と1人あたりの単価」「費用と損益分岐」「来館の様子」の4つに分け、1画面に並べたものです。まず損益分岐の会員数を決め、いまの会員数との差がひと目でわかる形にすると、何に手を打つべきかが見えます。表計算ソフトでも作れるので、最初は会員管理システムと会計ソフトから数字を月に1回写すところから始めましょう。
業態ごとの損益分岐の会員数(ジム開業ナビの試算モデル)
ダッシュボードに載せる数字:4つのまとまり
数字は多すぎると見なくなります。毎月必ず見る数字を10個前後に絞り、まとまりごとに並べます。それぞれの数字は、どこから取るかも一緒に決めておきます。
| まとまり | 数字 | 計算のしかた | 取る場所 |
|---|---|---|---|
| 会員 | 月末の会員数・新規入会・退会・退会率 | 退会率 = 月の退会数 ÷ 月初の会員数 | 会員管理システム |
| 売上 | 売上・会員1人あたりの売上 | 1人あたり = 売上 ÷ 月末の会員数 | 会員管理システム・会計ソフト |
| 費用 | 固定費・損益分岐の会員数・損益分岐との差 | 損益分岐 = 固定費 ÷(月会費 − 1人あたりの変動費) | 会計ソフト |
| 来館 | 入館数・1人あたりの月の来館回数 | 来館回数 = 入館数 ÷ 会員数 | 入退室管理 |
体験の申し込み数や入会率(体験から入会した割合)も、集客をしているなら加えます。ただし最初から全部をそろえようとせず、「会員数・退会率・売上・損益分岐との差」の4つから始めるのが続けるコツです。
損益分岐を基準にする:ダッシュボードの中心
ダッシュボードの真ん中に置きたいのが、損益分岐の会員数です。今の会員数が損益分岐の上か下か、差は何人かが見えると、集客を増やすのか、退会を減らすのか、費用を見直すのかの判断がしやすくなります。
ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)では、24時間ジム30坪・マシン13台で月の費用202万円、損益分岐は232人です。パーソナルジム15坪・マシン4台では月の費用187万円、損益分岐は46人です。自分の店では、実際の固定費と月会費で計算し直します。
| 項目 | 計算の例(計算のための例) |
|---|---|
| 毎月の固定費 | 150万円 |
| 月会費 − 1人あたりの変動費 | 8,000円 − 500円 = 7,500円 |
| 損益分岐の会員数 | 150万円 ÷ 7,500円 = 200人 |
| 今の会員数との差 | 月末の会員数が180人なら、あと20人 |
| 会員数が落ち着く先 | 月の新規入会15人 ÷ 退会率5% = 300人 |
「会員数が落ち着く先」は、今の入会と退会のペースが続いたときに会員数がどこで止まるかの目安です(会員数が落ち着く先 = 月の新規入会 ÷ 月の退会率)。この数字が損益分岐より下なら、今のやり方を続けても黒字にならないことがわかります。
ダッシュボードやレポート機能がある会員管理システムを、20サービスの公開情報で比べられます。会員数・退会率・売上を自動で集計できるかを確かめられます。
運営システム比較を無料で使う作り方の手順:表計算ソフトから始める
ダッシュボードは、専用のツールがなくても作れます。大事なのは見た目より、毎月同じ日に同じ数字を更新し続けることです。
- 数字を決める:上の4つのまとまりから、毎月見る数字を10個前後選ぶ
- 取る場所を決める:会員管理システム・会計ソフト・入退室管理のどの画面から写すかを書いておく
- シートを作る:1行目に月、縦に数字を並べ、計算式(退会率・損益分岐など)を入れる
- 目標の線を入れる:損益分岐の会員数と、月の新規入会・退会率の目標を並べる
- 毎月同じ日に更新する:月初の数日以内など、締めの日を決めて更新し、変化の理由を1行メモする
会員管理システムにレポート機能があれば、会員数や退会数はそこから出せます。CSVで書き出せるなら、毎月同じ形で取り込むと写しまちがいが減ります。複数の店舗がある場合は、店舗ごとのシートと全体のシートを分けておくと比べやすくなります。
数字が動いたときは、次のように組み合わせて読むと原因を探しやすくなります。
- 会員数が横ばいで、新規入会は増えている:退会も増えている。入会から3か月以内の退会が多くないかを見る
- 来館回数が下がっている:しばらく後に退会が増えることがある。来館が減った会員への声かけを考える
- 1人あたりの売上が下がっている:割引プランの比率が増えていないか、物販やパーソナルの売上が減っていないかを見る
- 損益分岐の会員数が上がっている:固定費が増えたか、変動費が増えた。電気代や外注費の明細を確かめる
よくある質問
ジム経営で一番大事な数字は何ですか?
1つに絞るなら、損益分岐の会員数と今の会員数の差です。そのうえで、差を埋める手段として新規入会と退会率を見ます。どちらを改善すべきかは、会員数が落ち着く先の計算でわかります。
ダッシュボードは毎日見るべきですか?
入館数や体験の申し込みのように毎日動く数字は週に1回、会員数・退会率・売上は月に1回のように、数字ごとに見る頻度を分けると続けやすくなります。
退会率はどう計算しますか?
この記事では、月の退会数を月初の会員数で割る形を使っています。計算のしかたは店ごとに違うことがあるので、一度決めたら毎月同じ式で比べてください。
会員管理システムのレポートだけで足りますか?
会員の数字はレポートで足りることが多いですが、家賃やリースなどの費用は会計ソフト側にあります。損益分岐まで見るには、両方の数字を1か所にまとめる必要があります。
出典
- ジム開業ナビ「ジム開業の費用」試算モデル(2026年10月)
- ジム開業ナビ「損益分岐」(2026年10月)
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