【毎月見る数字7つ】ジムの集客KPIの決め方|損益分岐から目標を逆算
ジムの集客KPIは、毎月「問い合わせ」「体験予約」「体験来店」「入会」の4つの人数と、そのあいだの割合、そして集客にかかった費用を同じ表で見るのが基本です。どこで人が減っているかがわかれば、広告を増やすべきか、体験の案内を直すべきかが決められます。目標は、損益分岐の会員数と退会率から「毎月何人の入会が要るか」を逆算して置きます。会員数が落ち着く先は「月の新規入会 ÷ 月の退会率」で計算できます。
集客の流れで人数が減っていく様子(例)
毎月見る数字は7つで足りる
集客の数字は、たくさん集めるより、毎月同じ定義で数え続けることが大切です。次の7つを1枚の表にまとめ、月末に記入します。
| 数字 | 数え方 | 見る理由 |
|---|---|---|
| 1. 問い合わせ | 電話・LINE・フォーム・来店での問い合わせの合計 | 集客の入口の量 |
| 2. 体験予約 | 体験・見学の予約が入った人数 | 案内文・予約の仕組みの良し悪し |
| 3. 体験来店 | 予約した人のうち実際に来た人数 | 予約後の連絡の良し悪し |
| 4. 入会 | その月に入会した人数 | 体験の中身・説明の良し悪し |
| 5. 集客の費用 | 広告・チラシ・紹介特典・ポータル掲載などの合計 | 入会1人あたりの費用を出すため |
| 6. 退会 | その月に退会した人数 | 入会と同じくらい会員数を動かす |
| 7. 月末の会員数 | 前月の会員数 + 入会 − 退会 | 損益分岐との距離 |
数え方は最初に決めて、途中で変えないようにします。たとえば「問い合わせ」に料金だけを聞いてきた人を入れるかどうかを決めておかないと、月ごとの比較ができません。会員管理システムや予約システムで集計できる数字は、手で数えずにそこから出すと手間が減ります。
割合で見ると、直す場所がわかる
人数だけでは、どこが悪いのかがわかりません。人数を割り算して、段階ごとの割合を出します。
- 体験予約率 = 体験予約 ÷ 問い合わせ
- 来店率 = 体験来店 ÷ 体験予約
- 入会率 = 入会 ÷ 体験来店
- 入会1人あたりの集客費用 = 集客の費用 ÷ 入会
- 月の退会率 = その月の退会 ÷ 月初の会員数
| 下がっている割合 | 考えられる原因 | まず試すこと |
|---|---|---|
| 体験予約率 | 料金がわかりにくい、予約の手順が長い、返信が遅い | 料金表を1枚に、予約フォームの項目を減らす、返信の時間を決める |
| 来店率 | 予約から日が空く、前日の連絡がない | 近い日に予約を取る、前日にLINEで持ち物と場所を送る |
| 入会率 | 体験で目標を聞いていない、料金の説明が最後だけ | 最初に目標を聞く、体験の最後に通い方と料金をまとめて示す |
| 退会率 | 入会後の最初の数か月の来館が少ない | 入会直後の来館の様子を見て声をかける |
割合は、少ない人数だと大きくぶれます。問い合わせが月10人ほどなら、1人の違いで割合が10ポイント動きます。数か月分を合わせて見るか、3か月の平均で判断すると、たまたまの上下に振り回されにくくなります。
目標の置き方:損益分岐から逆算する
「毎月何人入会すればよいか」は、損益分岐の会員数と退会率から逆算できます。会員数は、毎月の入会と退会がつり合うところで落ち着きます。
- 会員数が落ち着く先 = 月の新規入会 ÷ 月の退会率
- 必要な月の新規入会 = 目標の会員数 × 月の退会率
| 前提(ジム開業ナビの試算モデル 2026年10月) | 値 |
|---|---|
| 24時間ジム 30坪・マシン13台の月の費用 | 202万円 |
| 同じモデルの損益分岐 | 232人 |
| 月の退会率が5%のとき、232人を保つのに要る月の新規入会(例) | 約12人 |
| 月の退会率が3%のときの同じ数(例) | 約7人 |
232人 × 5% = 11.6人、232人 × 3% = 6.96人です。退会率の5%・3%は計算のための例で、実際の退会率は業態・料金・立地で変わります。試算モデルはマシンをリースし、税・借入の返済を含まない値で、実際の費用は物件・地域・見積もりで変わります。
月の新規入会の目標が決まれば、上の割合を使って、必要な問い合わせの数まで逆にたどれます。入会率50%・来店率80%・体験予約率50%なら、入会12人のために体験来店24人、体験予約30人、問い合わせ60人が要る計算です(冒頭の図と同じ例)。
会員数・月会費・月の新規入会・退会率を入れると、会員数が落ち着く先と月の利益が出ます。新規を増やす・退会率を下げるの2つで、どちらが利益に効くかを比べてみましょう。
収益改善シミュレーションを無料で使う月末の振り返りの進め方
数字は集めるだけでは意味がありません。月末に30分ほど時間を取り、次の順で決めていきます。
- 7つの数字を記入し、先月・3か月平均と並べる
- いちばん大きく下がった割合を1つ選ぶ
- その原因の仮説を1つ立て、来月試すことを1つだけ決める
- 集客の方法ごと(広告・紹介・チラシなど)に、問い合わせと入会の人数を分けて見る
- 入会1人あたりの費用が高い方法は、予算を減らすか中身を変える
一度に多くを変えると、何が効いたのかがわからなくなります。1か月に1つずつ変え、翌月の数字で確かめるのが遠回りに見えて、結果を確かめやすい進め方です。
よくある質問
ジムの集客KPIは何から始めればよいですか?
まず「問い合わせ」「体験予約」「体験来店」「入会」の4つの人数を毎月数えることから始めます。慣れてきたら、集客の費用・退会・月末の会員数を加えて7つにします。
入会率の目安はどれくらいですか?
業態・料金・体験の形で大きく変わり、公的に示された目安はありません。自店の過去の数字と比べて、上がっているか下がっているかで判断するのが確かな方法です。
集客の数字はどのツールで管理しますか?
表計算ソフトの1枚のシートで十分始められます。予約システムや会員管理システムで集計できる数字はそこから写し、問い合わせの経路は受付で聞いて記録します。
開業前もKPIを見るべきですか?
開業前は、事前登録・説明会の参加・先行入会の人数を数えます。開業後と同じ流れで数えておくと、開業後の目標を立てるときの手がかりになります。
出典
- ジム開業ナビ「ジム開業の費用」試算モデル(2026年10月)
- FITPEAK Business「収益改善シミュレーション」の計算方法(会員数 = 前月の会員 ×(1 − 退会率)+ 新規)(2026年10月23日確認)
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