ウエストの平均、男性は何cmか 2024年調査の分布とメタボ基準
令和6年国民健康・栄養調査の腹囲の分布から、年代別に真ん中の階級と基準超えの割合を整理した。40代以上の男性は85cm以上が多数派。メタボの診断基準、厚生労働省が定める測り方、身長を考慮するウエスト身長比0.5の目安も紹介する。
国は腹囲の平均値を公表していないが、2024年の国の調査の分布では、20歳以上の男性の真ん中は85〜90cmの階級にあり、57.6%がメタボ基準の85cm以上だった。女性は75〜80cmが真ん中で、90cm以上は18.6%である。
2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部
健康診断で必ず測るウエスト(腹囲)。男性85cm、女性90cmという基準は広く知られているが、「日本人の平均は何cmなのか」は意外と知られていない。厚生労働省の国民健康・栄養調査は毎年20歳以上の腹囲を測定しているが、e-Statで公開されている統計表は「何cmの人が何%いるか」という分布の表で、平均値の表は令和6年(2024年)調査では公開されていない。本記事は、その令和6年調査の分布表(第20表)をもとに、年代別に「真ん中の人がどの階級にいるか」と「基準を超える人の割合」を整理した。あわせて、メタボリックシンドロームの診断基準、厚生労働省が定める正しい測り方、身長も考慮できるウエスト身長比を解説する。
ウエストの平均は男性何cm?年代別の分布
令和6年国民健康・栄養調査は2024年10〜11月に行われ、2025年12月に結果の概要が公表された。腹囲を測った20歳以上は11,543人(男性5,243人、女性6,300人、妊婦を除く)。割合は全国の人口構成に合わせて補正した「全国補正値」である。分布表の5cm刻みの階級を下から足し上げ、累積が50%に達する階級を「真ん中(中央値)を含む階級」として示したのが次の表だ。中央値は編集部が分布表から算出したもので、調査が公表した値ではない。
| 年齢(男性) | 人数 | 真ん中を含む階級 | 85cm以上の割合 |
|---|---|---|---|
| 20〜29歳 | 285 | 75〜80cm | 20.6% |
| 30〜39歳 | 433 | 80〜85cm | 48.1% |
| 40〜49歳 | 703 | 85〜90cm | 53.5% |
| 50〜59歳 | 793 | 85〜90cm | 59.2% |
| 60〜69歳 | 1,049 | 85〜90cm | 63.1% |
| 70歳以上 | 1,980 | 85〜90cm | 64.8% |
| 20歳以上 総数 | 5,243 | 85〜90cm | 57.6% |
男性は20代では真ん中が75〜80cmだが、30代で80〜85cm、40代以降は85〜90cmの階級に上がる。85cm以上の人の割合は20代の20.6%から、30代48.1%、40代53.5%と増え、70歳以上では64.8%に達した。40代以上の男性では、基準の85cmを超えている人のほうが多数派ということになる。
| 年齢(女性) | 人数 | 真ん中を含む階級 | 90cm以上の割合 |
|---|---|---|---|
| 20〜29歳 | 383 | 70〜75cm | 4.9% |
| 30〜39歳 | 484 | 70〜75cm | 8.6% |
| 40〜49歳 | 846 | 75〜80cm | 12.2% |
| 50〜59歳 | 1,048 | 75〜80cm | 16.1% |
| 60〜69歳 | 1,197 | 80〜85cm | 19.8% |
| 70歳以上 | 2,342 | 80〜85cm | 27.6% |
| 20歳以上 総数 | 6,300 | 75〜80cm | 18.6% |
女性も年齢とともに腹囲は大きくなる傾向があり、真ん中の階級は20〜30代の70〜75cmから60代以上の80〜85cmへ移る。90cm以上の割合は20代で4.9%、70歳以上で27.6%だった。
20歳以上全体の分布
同じ表から、20歳以上全体の分布をまとめた(全国補正値、四捨五入のため合計は100%にならない)。
| 腹囲 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 70cm未満 | 2.9% | 16.6% |
| 70〜75cm | 7.0% | 15.8% |
| 75〜80cm | 12.7% | 18.3% |
| 80〜85cm | 19.7% | 16.2% |
| 85〜90cm | 21.2% | 14.5% |
| 90〜95cm | 17.3% | 9.1% |
| 95〜100cm | 10.6% | 5.2% |
| 100cm以上 | 8.4% | 4.2% |
男性で最も多いのは85〜90cmの階級(21.2%)、次いで80〜85cm(19.7%)だった。女性は75〜80cm(18.3%)が最も多く、70cm未満も16.6%いる。
メタボの基準「男性85cm・女性90cm」とは何か
腹囲の基準は、2005年に日本内科学会など8つの医学系学会が合同で策定したメタボリックシンドロームの診断基準に由来する。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、腹囲(ウエスト周囲径)が男性85cm以上・女性90cm以上を「内臓脂肪の蓄積」の目安とし、これは男女とも内臓脂肪面積100cm²に相当する値とされている。そのうえで、次の3項目のうち2つ以上に当てはまるとメタボリックシンドロームと診断される。
| 区分 | 項目 | 基準 |
|---|---|---|
| 必須 | 腹囲(内臓脂肪蓄積) | 男性85cm以上、女性90cm以上(内臓脂肪面積100cm²相当) |
| 選択1 | 血清脂質 | 中性脂肪150mg/dL以上 かつ/または HDLコレステロール40mg/dL未満 |
| 選択2 | 血圧 | 収縮期130mmHg以上 かつ/または 拡張期85mmHg以上 |
| 選択3 | 血糖 | 空腹時血糖110mg/dL以上 |
40〜74歳を対象とする特定健診・特定保健指導でも、最初の段階で腹囲を使う。厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」では、腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上の人、または腹囲がそれ未満でもBMIが25以上の人を内臓脂肪蓄積のリスクありとし、血圧・脂質・血糖などの追加リスクの数で保健指導の対象を選ぶ。
令和6年調査で、メタボリックシンドロームが強く疑われる人は20歳以上の男性で26.0%、予備群と考えられる人が25.3%だった。女性はそれぞれ10.0%と7.7%である。なお、腹囲が基準を超えただけではメタボリックシンドロームとは診断されない点には注意したい。
ウエストの正しい測り方は
腹囲はメジャー1本で測れるが、測る位置を間違えると数cm単位でずれる。厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」は、特定健診での腹囲の測り方を次のように定めている。
| 項目 | 方法(標準的な健診・保健指導プログラム) |
|---|---|
| 姿勢 | 立った姿勢(立位) |
| タイミング | 軽く息を吐いたとき(軽呼気時) |
| 位置 | へその高さ |
| 例外 | 脂肪の蓄積が著明でへそが下にずれている場合は、肋骨の下縁と上前腸骨棘(骨盤の前の出っ張り)の中点の高さ |
洋服のサイズでいう「ウエスト」は胴の一番細い部分を指すことが多いが、健診の腹囲はへその高さで測る。測る位置が違うため、洋服のサイズ表記と健診の腹囲を同じものとして比べないほうがよい。厚生労働省は測定方法の動画も公開している。
自宅で測るときは、同じメジャーを使い、朝の起床後・排尿後など条件をそろえ、床と水平になっているか鏡で確かめるとよい。食後やお腹に力を入れた状態では値が変わるため、変化を追う目的なら毎回同じ条件で測ることが大切だ。
身長も考えるならウエスト身長比
腹囲の基準は身長に関係なく一律だが、同じ85cmでも身長160cmの人と185cmの人では意味が違う。そこで研究でよく使われるのが、腹囲を身長で割った「ウエスト身長比」だ。
日本人男性6,141人・女性2,137人を分析したHsieh氏らの研究(International Journal of Obesity、2003年)は、ウエスト身長比0.5を境界値として提案した。普通体重(BMI18.5〜25未満)の人でも、男性の45.5%、女性の28.3%が0.5以上で、こうした人は普通体重のほかの人より複数の代謝リスクを持つ割合が高かった。ウエスト身長比は男女差が小さく、男女で同じ基準を使えることも示された。さらにAshwell氏らのメタ分析(Obesity Reviews、2012年)は、30万人以上を含む研究を統合し、ウエスト身長比が腹囲やBMIよりも心血管・代謝リスクを見分ける力が高いと報告している。
| 身長 | ウエスト身長比0.5にあたる腹囲 |
|---|---|
| 155cm | 77.5cm |
| 160cm | 80.0cm |
| 165cm | 82.5cm |
| 170cm | 85.0cm |
| 175cm | 87.5cm |
| 180cm | 90.0cm |
計算は「腹囲(cm)÷身長(cm)」だけで、身長170cmの人なら腹囲85cmがちょうど0.5になる。小柄な人ほど85cmより手前で0.5を超えるため、腹囲の基準を下回っていても安心はできない。なお、ウエスト身長比は日本の健診の正式な判定基準ではなく、研究で提案されている目安である。
よくある質問
日本人男性のウエストの平均値は何cmですか
令和6年国民健康・栄養調査では腹囲の平均値の表は公開されていない。分布表から見ると、20歳以上の男性の真ん中は85〜90cmの階級にあり、85cm以上の人が57.6%を占めた。20代に限ると真ん中は75〜80cmの階級である。
なぜ女性の基準のほうが大きいのですか
腹囲の基準は、内臓脂肪面積100cm²に相当する腹囲として男女別に定められたものである。同じ内臓脂肪の量に対応する腹囲が男女で異なるため、女性は90cmとされている。
腹囲が85cmを超えたらメタボですか
腹囲だけでは診断されない。腹囲が基準以上で、かつ血清脂質・血圧・血糖のうち2つ以上が基準から外れた場合にメタボリックシンドロームと診断される。
筋トレで腹筋を鍛えると腹囲は減りますか
腹囲はへその高さの周囲径で、皮下脂肪と内臓脂肪の量に大きく左右される。腹囲を減らしたいなら、腹筋運動だけに頼るより、食事と運動で体全体の脂肪を減らすことを目標にするのが現実的だ。減量ペースの目安は腹筋を割る方法で解説している。
KINNIKU TIMESの視点
分布を見て驚くのは、40代以上の男性では腹囲85cm以上が多数派になっていることだ。「平均的だから大丈夫」とは言えない数字である。逆に20代男性では85cm以上は約2割にとどまり、30代で一気に5割近くまで増える。この調査は年代ごとに別の人を測った横断調査なので、同じ人が年をとって腹囲が増えたとは言い切れないが、30代が腹囲の分かれ目になっていることは読み取れる。
筋トレをする人にとって、腹囲は体重やBMIより信頼しやすい指標だ。筋肉が増えればBMIは上がるが、へその高さの腹囲は筋肉量の影響を受けにくい。増量期には体重と一緒に腹囲を記録し、体重が増えても腹囲がほとんど変わらなければ筋肉中心に増えている、腹囲が数cm単位で増え続けていれば脂肪が増えている、と判断の手がかりにできる。BMIと筋肉の関係はBMIは筋肉がある人に当てはまるかで詳しく扱った。
お腹回りを絞りたい人は、腹筋を割るまでの体脂肪率の目安と減量ペースを腹筋を割る方法に、体脂肪率の測り方を体脂肪率の目安と測り方にまとめている。体組成計の内臓脂肪レベルの見方は内臓脂肪レベルの目安、日本人の体重の平均は日本人の平均体重(年齢別)を参照してほしい。
出典
- e-Stat 令和6年国民健康・栄養調査 第20表 腹囲の分布
- e-Stat 令和6年国民健康・栄養調査 第30表 メタボリックシンドロームの状況
- 厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査の結果」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドロームの診断基準」
- 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」
- 厚生労働省「健診や保健指導における正しい腹囲測定法」(YouTube)
- Hsieh SD, et al. Waist-to-height ratio, a simple and practical index for assessing central fat distribution and metabolic risk in Japanese men and women. Int J Obes. 2003
- Ashwell M, et al. Waist-to-height ratio is a better screening tool than waist circumference and BMI for adult cardiometabolic risk factors. Obes Rev. 2012
- 日本肥満学会「肥満と肥満症について」
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