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握力の平均を年齢別・男女別に一覧 スポーツ庁の2025年度調査の最新値

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 11分
スメドレー式握力計で握力を測る手元
SUMMARY|この記事の要約

スポーツ庁が2026年10月に公表した令和7年度体力・運動能力調査の統計数値表から、6歳から79歳までの握力の平均を男女別にまとめた。ピークは男性が30〜34歳の45.80kg、女性が40〜44歳の28.06kg。測り方、得点表、AWGS 2025のサルコペニア基準もあわせて解説する。

スポーツ庁の令和7年度(2025年度)体力・運動能力調査によると、握力の平均が最も高いのは男性が30〜34歳の45.80kg、女性が40〜44歳の28.06kgだ。20代の男性は44〜45kg、女性は27kg台で、75〜79歳では男性35.68kg、女性22.61kgまで下がる。

2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部

握力は、新体力テストの中で6歳から79歳まで全年代が測る数少ない項目だ。全身の筋力の目安として使われ、高齢期にはサルコペニア(加齢による筋肉量と筋力の低下)の診断にも使われる。本記事は、スポーツ庁が2026年10月に公表した「令和7年度体力・運動能力調査」の報告書のうち、統計数値表「年齢別テストの結果」の握力の値をそのまま写して表にした。調査は2025年5月から10月にかけて行われ、標本数74,194人のうち60,213人分(回収率81.2%)が集計されている。

スポーツ庁の調査結果ページを見る

握力の平均は年齢別・男女別でどのくらいか(20〜79歳)

成人と高齢者の握力の平均値と標準偏差は次のとおりだ。標準偏差は記録のばらつきを表し、平均値から標準偏差1つ分の範囲に、おおよそ全体の3分の2の人が入る。

年齢 男性 平均値(kg) 男性 標準偏差 女性 平均値(kg) 女性 標準偏差
20〜24歳 44.04 7.55 27.12 4.77
25〜29歳 45.06 7.42 27.31 4.77
30〜34歳 45.80 7.45 27.55 4.74
35〜39歳 45.73 7.49 27.79 4.68
40〜44歳 45.68 7.28 28.06 4.71
45〜49歳 45.09 7.06 27.65 4.66
50〜54歳 43.73 6.67 26.76 4.71
55〜59歳 43.27 6.60 26.68 4.37
60〜64歳 41.37 6.31 25.75 4.26
65〜69歳 39.56 6.31 25.01 3.95
70〜74歳 37.76 6.29 23.87 4.01
75〜79歳 35.68 6.00 22.61 4.09

出典:スポーツ庁「令和7年度体力・運動能力調査報告書」統計数値表 表1-1。各年齢区分の標本数は男女それぞれ約800〜1,500人。

男性は20代前半から30代前半にかけて少しずつ伸び、30〜34歳の45.80kgが最高だ。その後も40代後半までは45kg台を保ち、50代から下がり方がはっきりしてくる。75〜79歳の35.68kgは、ピークより10.12kg(約22%)低い。女性は40〜44歳の28.06kgが最高で、75〜79歳の22.61kgはピークより5.45kg(約19%)低い。

報告書も、握力はほかのテスト項目に比べてピークに達する年代が遅く、男女とも青少年期以後もゆるやかに伸び続けて30〜40歳代でピークに達すると説明している。走る・跳ぶといった項目の多くが10代でピークを迎えるのと対照的だ。

油圧式の握力計を握る手。目盛り盤の針で握力を読む
画像:Wikimedia Commons(Ashashyou, CC0)より

子ども・10代の握力の平均(6〜19歳)

同じ調査の青少年(6〜19歳)の値は次のとおりだ。小学生の間は男女差が小さく、11歳では男子19.22kg、女子19.12kgとほぼ同じになる。差が広がるのは中学生からで、17歳では男子40.74kg、女子26.39kgと14kg以上の差がつく。

年齢 男子 平均値(kg) 女子 平均値(kg)
6歳 9.11 8.37
7歳 10.52 9.98
8歳 12.67 11.71
9歳 14.21 13.50
10歳 16.66 15.94
11歳 19.22 19.12
12歳 24.40 21.79
13歳 30.52 23.91
14歳 35.26 25.21
15歳 37.01 25.23
16歳 38.92 25.95
17歳 40.74 26.39
18歳 40.01 25.55
19歳 40.28 25.69

男子は12歳から14歳の2年間で約11kg伸びる。成長期に筋肉量が増える時期と重なるためだ。一方、女子は14歳以降は25〜26kg台でほぼ横ばいになり、成人後に27〜28kg台まで少しずつ伸びる。

自分の握力は平均より上か、得点表で見る

新体力テストには、記録を1〜10点に換算する項目別得点表がある。スポーツ庁の「新体力テスト実施要項(20歳〜64歳対象)」の握力の得点は次のとおりだ。

得点 男性 女性
10点 62kg以上 39kg以上
9点 58〜61kg 36〜38kg
8点 54〜57kg 34〜35kg
7点 50〜53kg 31〜33kg
6点 47〜49kg 29〜30kg
5点 44〜46kg 26〜28kg
4点 41〜43kg 24〜25kg
3点 37〜40kg 21〜23kg
2点 32〜36kg 19〜20kg
1点 31kg以下 18kg以下

最新の平均値と照らし合わせると、20〜40代の男性の平均(44〜45kg台)も、女性の平均(27〜28kg台)も5点の範囲に入る。つまり5点が「年代の平均並み」の目安で、男性で50kg、女性で31kgを超えれば7点以上と、平均をはっきり上回る水準といえる。なお得点表は年齢で区別されておらず、年齢を考慮した総合評価は全項目の合計点で行う。

新体力テストの握力の測り方

実施要項によると、握力はスメドレー式握力計で測る。人差し指の第2関節がほぼ直角になるように握りの幅を合わせ、直立して腕を自然に下げ、握力計が体や服に触れないようにして力いっぱい握る。右左交互に2回ずつ行い、左右それぞれのよい方の記録を平均した値が記録になる(キログラム未満は四捨五入)。つまり、新体力テストの握力は「左右の平均」である。利き手だけの最大値と比べると、数字が小さく出る点に注意したい。

握力は何kgを下回ると注意が必要か

握力は、高齢期の筋力低下を見つける目安にも使われる。アジアの専門家グループ(Asian Working Group for Sarcopenia:AWGS)は、2019年の基準で、筋力低下の目安を握力が男性28kg未満、女性18kg未満とした。2025年に公表した改訂版(AWGS 2025)では、65歳以上はこの値を引き継いだうえで、新たに50〜64歳の基準を設けた。

対象 男性 女性 根拠
65歳以上 28kg未満 18kg未満 AWGS 2019(2025年改訂でも同じ)
50〜64歳 34kg未満 20kg未満 AWGS 2025で新設

AWGS 2025の解説論文によると、握力はバネ式または油圧式の握力計で左右それぞれ2〜3回測り、最大値を使う。新体力テストの「左右の平均」とは記録の取り方が違う。また、サルコペニアの診断は握力だけでは決まらず、筋肉量の低下と筋力の低下がそろって初めて診断される。握力が基準を下回っても、それだけで病気というわけではない。気になる場合は医療機関で相談するのが確実だ。

アジア人のサルコペニア診断基準の図。65歳以上と50〜64歳に分けて、筋肉量と握力の基準値が書かれている
画像:インボディ・ジャパン公式サイト「InGrip」より

最新の平均値と比べると、75〜79歳でも男性の平均は35.68kg、女性は22.61kgで、基準値を大きく上回っている。基準値はあくまで「低下」を見つけるための線であり、平均的な人が引っかかる値ではない。握力と健康の関係を追った研究は、握力と死亡リスクの関係(高齢女性5,472人の追跡)やサルコペニアの高齢女性と筋トレのメタ分析で紹介している。

日本人の握力は昔より落ちているのか

報告書は、新体力テストが始まった1998年(平成10年)ごろと2025年度を比べている。成年(20〜64歳)の握力は、男性はいずれの年代でも、女性はほとんどの年代で、2025年度の方が低い。最近10年間で見ても、男女とも過半数の年代で握力は低下傾向だった。青少年(6〜19歳)でも、握力はほとんどの年代で1998年ごろより低い。

一方で、上体起こしや反復横とびは同じ期間に多くの年代で向上しており、体力全体が落ちているわけではない。握力だけが下がっている理由について、報告書は分析していない。日常生活で重い物を握って運ぶ機会が減ったことを挙げる見方もあるが、今回の調査で確かめられたことではない。上体起こしの年齢別の平均は上体起こしの平均(年齢別)にまとめている。

よくある質問

20代男性の握力の平均は何kgか

令和7年度の調査では、20〜24歳の男性が44.04kg、25〜29歳が45.06kgだ。女性は20〜24歳が27.12kg、25〜29歳が27.31kgである。

握力の平均はいつがピークか

男性は30〜34歳の45.80kg、女性は40〜44歳の28.06kgが最高だった。報告書も、握力はほかの項目よりピークが遅く、30〜40歳代でピークに達すると説明している。

家の握力計やジムの数値と比べてよいか

目安にはなるが、そのまま比べるのは注意が必要だ。新体力テストはスメドレー式の握力計を使い、左右それぞれのよい方の平均を記録にする。利き手の1回の最大値は、平均より高く出やすい。

握力を鍛えると全身の筋力も上がるのか

握力は全身の筋力とある程度関係するが、握力だけを鍛えても脚や体幹が強くなるわけではない。全身の筋トレを続けたうえで、前腕の種目を加えるのが効率的だ。

KINNIKU TIMESの視点

握力の平均を知ると、自分の数字が「年代の真ん中」なのかがすぐ分かる。最新のデータで分かるのは、20代から40代までは男性45kg前後、女性27〜28kg前後でほぼ横ばいだということだ。言い換えれば、この年代で握力が平均を下回っているなら、年齢のせいではなく、握る力を使う機会が少ないことを疑ってよい。

筋トレをする人にとって、握力はデッドリフトや懸垂、ローイングの重量を左右する。背中より先に手が負けると、狙った筋肉を追い込めない。前腕を直接鍛える方法は握力の鍛え方で解説している。高重量を扱う日は、握力の消耗を抑える道具としてパワーグリップを使い分けるのも一つの方法だ。ただし道具に頼りすぎると握力の伸びが止まるため、ウォームアップや軽いセットは素手で握るとよい。

50代以降の人は、AWGS 2025で新しく設けられた男性34kg、女性20kgという線を覚えておきたい。平均より十分高い値だが、下回った場合は筋肉量を測る価値がある。ジムのInBodyなどで骨格筋量を確かめる方法はInBodyの見方を参考にしてほしい。自分の筋力が同年代の中でどの位置にあるかは、筋トレ偏差値でも確かめられる。

スポーツ庁の統計数値表(PDF)を見る

出典

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