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InBodyの見方 骨格筋量・InBody点数・部位別の読み方を公式資料で解説

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 13分
体成分分析装置InBody580と身長計・プリンターなどの周辺機器
SUMMARY|この記事の要約

InBodyの結果用紙の見方を、インボディ・ジャパンの公式資料に沿って整理した。「筋肉量」と「骨格筋量」は別の数字であること、InBody点数は80点が基準で医学的根拠はないとメーカー自身が書いていること、食後や運動後は数字が変わることなどを解説する。

InBodyの結果用紙は、まず「筋肉-脂肪」の棒グラフで体型をつかみ、次に部位別筋肉量で左右と上下の差を見て、最後に前回の数字と比べるのが基本だ。注意したいのは、大きく書かれた「筋肉量」は骨格筋量ではないこと、InBody点数はメーカー独自の点数であることの2点である。

2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部

InBody(インボディ)は、ジムや病院、健診の現場で広く使われている体成分分析装置だ。手と足の電極から微弱な電流を流し、その通りにくさ(インピーダンス)から体の水分・タンパク質・ミネラル・脂肪の量を計算する。測ると1枚の結果用紙が出てくるが、項目が多く、どこを見ればよいか分からないという声は多い。本記事は、日本で製品を扱う株式会社インボディ・ジャパンが公開している「結果用紙の見方」(InBody580向け)と、InBody270Sの結果項目の説明資料を10月21日時点で確認し、その記載に沿って各項目を解説する。

インボディ・ジャパンの公式サイトを見る

InBodyの結果用紙には何が書いてあるのか

InBody580の結果用紙には、メーカーの資料で番号が振られた15の項目がある。機種によって載る項目は少しずつ違い、ジムでよく見かけるInBody270Sの用紙には「内臓脂肪レベル」が載る一方、細胞外水分比のグラフは載らない。まずは全体の地図として、主な項目と見るポイントを表にまとめる。

InBody580の体成分結果用紙の見本。左に体成分分析・筋肉-脂肪・肥満指標・部位別筋肉量、右に体重調節や研究項目が並ぶ
画像:インボディ・ジャパン公式サイト「InBody580」より
項目 何が分かるか(メーカーの説明の要旨) 見るポイント
体成分分析 体重を体水分・タンパク質・ミネラル・体脂肪の4つに分けた量 各成分が括弧内の標準範囲に入っているか
筋肉-脂肪 体重・筋肉量・体脂肪量が標準体重から見て適切か(棒グラフ) 3本の棒の先を結んだ形で体型が分かる
肥満指標 BMIと体脂肪率 BMIが標準でも体脂肪率が高い「隠れ肥満」を見分ける
部位別筋肉量 右腕・左腕・体幹・右脚・左脚の筋肉量 左右差、上半身と下半身の差
体水分均衡(細胞外水分比) 体水分に占める細胞外水分の割合 健康な人は0.380前後。0.400を超えると高い
体成分履歴 同じIDの直近8回の推移 筋肉量と体脂肪量の増減の向き
InBody点数 筋肉量と体脂肪量の均衡を点数化(メーカー独自) 80点が基準
体重調節 適正体重と、増減させたい筋肉・脂肪の量 目標の目安として使う
研究項目 骨格筋量・基礎代謝量・除脂肪量・FFMIなど 骨格筋量はここに載る
筋肉・筋力評価 骨格筋指数(SMI)と握力 サルコペニアの診断基準との比較

「筋肉量」と「骨格筋量」はどう違うのか

結果用紙を見て最初に戸惑うのが、筋肉に関する数字が2つあることだ。InBody580の見本用紙では、筋肉量が35.1kgなのに、研究項目の骨格筋量は19.6kgと書かれている。

メーカーの資料によると、「筋肉-脂肪」の欄にある筋肉量は骨格筋量ではない。体重から体脂肪量と骨のミネラル量を除いた部分を英語でSoft Lean Massと呼び、これに最も近い日本語として「筋肉量」と表記している。つまり内臓の筋肉や水分も含んだ数字で、DXA(二重エネルギーX線吸収法)でいう除脂肪軟組織量と定義が一致するという。

一方、骨格筋量は自分の意思で動かせる筋肉の量だ。資料は、四肢の筋肉は骨格筋だけでできているが体幹には内臓筋や心筋が混ざるため、全身の筋肉量から推定される内臓筋・心筋の量を除いた値だと説明している。トレーニングの成果を追うなら、骨格筋量の推移を見る方が目的に合う。年齢別の骨格筋量の目安は筋肉量の平均(年齢別)で扱っている。

除脂肪量とFFMIも載っている

研究項目には除脂肪量(体重から体脂肪量を引いた量)と、除脂肪量を身長(m)の2乗で割った除脂肪指数(FFMI)も出る。身長の違う人どうしで筋肉の付き具合を比べるための指数だ。自分の数字で計算したい場合はFFMI計算が使える。FFMIの平均や目安はFFMIの平均と目安にまとめた。

筋肉-脂肪と肥満指標のグラフはどう読むのか

「筋肉-脂肪」の棒グラフは、その人の身長と性別から求めた標準体重のときの理想値を100%として、体重・筋肉量・体脂肪量がそれぞれ何%にあたるかを示す。3本の棒の先端を線で結ぶと形ができ、メーカーはその形から体型を8つに分けて説明している。

グラフの形の例 メーカーの説明の要旨
体重・脂肪は標準で、筋肉が長い 標準体重・強靭型。運動選手にみられる体型
3本とも標準 標準体重・健康型
体重は標準だが、筋肉が短く脂肪が長い 標準体重・肥満型(いわゆる隠れ肥満)
3本とも短い 低体重・虚弱型。まず体重を増やすことが必要
体重が重く、筋肉が長く、脂肪は標準 過体重・強靭型。ボディビルダーにみられる体型で、減量の必要はないとされる
体重が重く、脂肪が特に長い 過体重・肥満型。筋肉を保ちながら体脂肪を減らす必要がある

肥満指標の欄はBMIと体脂肪率を並べて示す。資料によると、BMIの標準範囲は男女とも18.5〜25.0、体脂肪率の標準範囲は男性10〜20%、女性18〜28%だ(施設の設定で変更できる)。BMIが標準でも体脂肪率が高ければ隠れ肥満、BMIが30でも体脂肪率が標準なら筋肉質な体型と読む。筋肉の多い人のBMIの扱いはBMIは筋肉がある人に当てはまるかで詳しく解説している。体脂肪率そのものの目安は体脂肪率の目安も参考になる。

部位別筋肉量の2本の棒は何が違うのか

部位別筋肉量では、右腕・左腕・体幹・右脚・左脚のそれぞれに上下2本の棒がある。メーカーの説明では、上の棒は「標準体重の人が持つべき筋肉量」と比べた評価で、上の数字は実際の筋肉量(kg)だ。下の棒は「今の体重を支えるのに必要な筋肉量」と比べた評価になる。

基準が違うため、2本の評価は一致しないことがある。やせ型の人は上の棒が標準以下でも、今の体重を支えるには足りていれば下の棒は「標準」になる。逆に体重の重い人は、上の棒が100%を超えていても、下の棒が「低」になることがある。資料はこの仕組みで、過体重の人の筋肉量の過大評価と、低体重の人の過小評価を防ぐとしている。

左右差の判定基準

用紙の右側にある「筋肉均衡」では、左右差を3段階で判定する。基準はメーカーの資料に明記されている。

判定 上半身(両腕の差) 下半身(両脚の差)
均衡 6%未満 3%未満
やや不均衡 6%以上 3%以上
不均衡 10%以上 5%以上

腕と脚の比較(上下均衡)は、両腕と両脚の棒の長さの平均差が1目盛以上で「やや不均衡」、2目盛以上で「不均衡」だ。利き腕がある以上、腕の差がわずかに出るのは珍しくない。数字が「不均衡」まで開いているときは、片側のケガや、種目の偏りがないかを見直すきっかけにするとよい。

InBody点数は何点なら良いのか

InBody点数は、多くの人が最初に目にする数字だ。しかし資料には、一般の人が結果を理解しやすいようにメーカーが独自に点数化したもので、「特に医学的根拠はありません」とはっきり書かれている。

計算の考え方も公開されている。80点を基準に、体重調節で「筋肉を1kg増やすべき」と出るごと、また「脂肪を1kg増減すべき」と出るごとに1点ずつ下がり、筋肉量が標準より1kg多いごとに1点ずつ上がる。InBody270Sの資料には、筋肉量がとても多いと100点を超えることもあると書かれている。細胞外水分比が0.400以上のときは点数が表示されない。

InBody点数 メーカーによる区分
70点未満 虚弱型、肥満型
70〜79点 一般型
80〜89点 健康型
90点以上 筋肉型

この仕組みから分かるのは、点数を上げる方法が「筋肉を増やす」か「体脂肪を標準に近づける」かの2つしかないことだ。点数そのものを目標にするより、内訳である筋肉量と体脂肪量の変化を見る方が、何をすべきかがはっきりする。

体重調節と栄養評価

体重調節の欄にある「適正体重」は、身長だけで決まる標準体重とは別の概念で、その人の筋肉量を減らさずに体脂肪を整えたときの体重だ。筋肉が多い人の適正体重は標準体重より重くなる。栄養評価は、タンパク質量やミネラル量が標準値の90%未満で「不足」、体脂肪量が標準の80%未満で「不足」、160%以上で「過多」と判定する。

内臓脂肪レベル・基礎代謝量・SMIの見方

InBody270Sの結果用紙には内臓脂肪レベルが載る。メーカーの資料は「10を超えると注意が必要」と説明している。タニタやオムロンの家庭用体組成計にも同じ名前の項目があるが、計算方法は機種ごとに異なるため、メーカーの違う機械の数字を直接比べることはできない。内臓脂肪レベルの目安と医学的な基準は内臓脂肪レベルの目安で解説している。

研究項目の基礎代謝量は、実際に代謝を測った値ではなく、InBodyで測った除脂肪量から「370+21.6×除脂肪量」というカニンガムの式で計算した値だ。除脂肪量が1kg増えると約22kcal増える計算になる。腹囲はへそ周りの推定値で、資料は男性85cm、女性90cmを境界値としている。

筋肉・筋力評価の欄には、手足の骨格筋量を身長(m)の2乗で割った骨格筋指数(SMI)と握力が出る。アジアのサルコペニア診断基準(AWGS 2019)では、体成分分析で測ったSMIが男性7.0kg/m²未満・女性5.7kg/m²未満、握力が男性28kg未満・女性18kg未満を基準値としている。2025年の改訂(AWGS 2025)でも65歳以上の値は変わらず、新たに50〜64歳の基準(SMIは男性7.6kg/m²未満・女性5.7kg/m²未満、握力は男性34kg未満・女性20kg未満)が加わった。握力の年齢別の平均は握力の平均(年齢別)にまとめた。

体成分分析装置InBody270Sと、身長計・プリンター・握力計などの周辺機器
画像:インボディ・ジャパン公式サイト「InBody270S」より

InBodyの数字が変わる測定条件は何か

InBodyは体の水分の状態から体成分を計算するため、食事や運動の直後は数字が動く。InBody580の資料は、測定前の注意として次の点を挙げている。

条件 メーカーの注意事項 理由
食事 空腹で測る。食後は2時間ほど空ける 飲食物と消化器官の動きが体幹の測定に誤差を生む
トイレ 済ませてから測る 体内の残余物が体重と体成分に影響する
運動・入浴 運動やお風呂・シャワーの前に測る 汗や血流の変化で体成分が一時的に変わる
姿勢 5分ほど立ってから測る 横になる・座ると体水分が下半身に移る
時間帯 できるだけ午前中 午後は体水分が下半身に移る傾向がある
室温 20〜25℃の安定した環境 気温差で体成分が一時的に変わる
入力 身長と着衣量を正確に入れる 身長と体重は体成分の計算に使われる

資料は、定期的に測って変化を見たいなら、同じ姿勢・空腹・運動前など測定条件をそろえる必要があると強調している。ジムでトレーニング後に測った数字と、朝に測った数字を比べても、変化の理由は判断できない。また、ペースメーカーなど体内に埋め込む医療機器を使っている人は測定してはいけないと明記されている。妊娠中の人は担当医師などに相談するよう求めている。

InBodyのメーカーは、年齢や性別の入力で結果を補正する「統計補正」を使わず、5つの部位を直接測る方式だと説明している。とはいえ、どの体組成計も推定値であることに変わりはない。1回の数字に一喜一憂せず、同じ条件で測った数回分の流れで判断するのが現実的だ。

よくある質問

InBodyの筋肉量が多すぎる気がするのはなぜか

「筋肉-脂肪」欄の筋肉量は、体重から体脂肪とミネラルを除いたSoft Lean Massで、内臓や水分も含む。自分で動かせる筋肉の量は、研究項目の骨格筋量を見る。

InBody点数の平均は何点か

メーカーは平均点を公表していない。公表されているのは、80点を基準とし、70〜79点が一般型、80〜89点が健康型、90点以上が筋肉型という区分だ。点数に医学的根拠はないとメーカー自身が書いている。

家の体組成計とInBodyの体脂肪率が違うのはなぜか

電極の数や位置、計算の方法が機種ごとに違うためだ。InBodyは手と足の両方に電極があり、5部位を分けて測る。メーカーの違う機械の数字を比べるのではなく、同じ機械の推移で判断するとよい。

InBodyはどのくらいの頻度で測ればよいか

メーカーの資料に頻度の指定はない。筋肉量や体脂肪量は数日で大きく変わらないため、同じ時間帯・同じ条件で、数週間から1か月ごとに測ると変化が読み取りやすい。

KINNIKU TIMESの視点

InBodyの結果用紙で一番役に立つのは、1回の点数ではなく「体成分履歴」の欄だ。筋トレを始めたばかりの人は、体重が変わらなくても筋肉量が増えて体脂肪量が減ることがあり、体重計だけでは見えない進歩がここに表れる。逆に、減量中に体重とともに骨格筋量が大きく落ちているなら、減らすペースが速すぎるか、たんぱく質が足りていない可能性を考えたい。食事の配分を見直すならPFC計算が使える。

初心者への助言は3つだ。第一に、ジムでInBodyを測るなら、トレーニングの前、できれば毎回同じ曜日と時間帯にする。第二に、InBody点数よりも骨格筋量と体脂肪量の2つの数字を記録する。第三に、部位別筋肉量の左右差が「不均衡」と出たら、片手・片脚ずつ行う種目を取り入れて差を埋める。腹まわりの変化が気になる人は腹筋を割る方法も合わせて読んでほしい。

体組成計は便利な道具だが、出てくるのは推定値である。メーカー自身が測定条件の影響を細かく注意しているのは、その裏返しだ。条件をそろえて測り、数か月の流れで判断する。この使い方を守れば、InBodyはトレーニングの手応えを数字で確かめる心強い記録になる。

InBody公式「結果用紙の見方」を見る

出典

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