【計算式つき】ジムの電気容量はどう決める?トレッドミル・空調と契約電力
ジムの電気容量は、トレッドミルなどのマシン・空調・照明・シャワーの給湯などの消費電力を機器ごとに足し、同時に使う割合を見込んで「必要な契約電力」を出すところから考えます。電力会社の低圧電力の契約は、たとえば東北電力では契約電力50kW未満が対象とされ、それを超える規模では高圧の受電設備が必要になることがあります。物件の分電盤と契約の種類を内見で確かめ、足りなければ増設の可否と費用負担を契約前に決めましょう。
電気容量の考え方の流れ
ジムで電気を多く使う設備:区分ごとに書き出す
ジムの電気は、マシンと空調が大きな割合を占めます。まず、置く予定の機器をすべて書き出し、メーカーの仕様書から電源の種類と定格消費電力を写します。機器によって必要な電源が違うため、容量だけでなく「どの電源が何口いるか」も同時に整理します。
| 区分 | 主な機器 | 確かめること |
|---|---|---|
| 有酸素マシン | トレッドミル、電動のバイク・クロストレーナー | 電源の種類(100V・200V)、定格消費電力、専用回路の要否 |
| 空調・換気 | 業務用エアコン、換気扇、除湿機 | 三相200Vの動力か単相か、台数と能力 |
| 照明 | 天井照明、看板の照明 | LEDかどうか、点灯する時間 |
| 給湯・水回り | 電気温水器、洗濯乾燥機 | 給湯をガスにするか電気にするか |
| その他 | 入退館のシステム、カメラ、音響、自動販売機、冷蔵庫 | 常に電気を使う機器か |
トレッドミルや業務用エアコンの中には、専用の回路や200Vの電源を求めるものがあります。仕様書の電源の条件を見落とすと、置いてから使えないことがわかる、ということになりかねません。台数と型番が決まったら、電気工事業者に一覧を渡して確かめてもらいましょう。
必要な容量の見積もりと、契約電力の考え方
必要な容量は、区分ごとの合計に「同時に動く割合」をかけて見積もります。すべての機器がいつも最大で動くわけではないため、混む時間にどれだけ同時に使うかを考えます。
- 必要な容量の目安 = Σ(機器の定格消費電力 × 台数)× 同時に動く割合
- 例: 仮に定格2kWのトレッドミル6台、空調の合計12kW、照明など5kWで、同時に動く割合を8割とすると、(12 + 12 + 5)× 0.8 ≒ 23kW(数値はすべて考え方を示すための仮の値)
電力会社との契約には、主に電灯(照明・コンセント)と動力(三相200Vの機器)があり、動力は低圧電力として契約するのが一般的です。東北電力の案内では、低圧電力は契約電力が50kW未満の需要が対象で、契約電力は使う負荷設備にもとづいて決める方法(負荷設備契約)と、主開閉器の定格電流にもとづいて決める方法(主開閉器契約)があるとされています(2026年10月23日確認)。条件や名前は電力会社ごとに違うため、物件のある地域の電力会社の約款で確かめてください。
| 規模の目安 | 受電の形 | 考えること |
|---|---|---|
| 契約電力が低圧の範囲に収まる | 低圧で受電(電灯+低圧電力) | 分電盤・幹線の容量が足りるか、増設の可否 |
| 低圧の範囲を超える | 高圧で受電(受変電設備を置く) | 設置場所・費用、保安規程と電気主任技術者 |
高圧で受電する設備は、電気事業法の事業用電気工作物として扱われ、設置する人は保安規程を定めて届け出ること(第42条)、主任技術者を選任すること(第43条)などが求められます(e-Gov法令検索、2026年10月23日確認)。外部の委託で対応できる場合もあるため、手続きと費用は電気工事業者・電気保安の専門家に確認してください。
マシンの台数と配置を3Dで決めると、どこにどの電源が何口いるかを電気工事業者に伝えやすくなります。トレッドミルを壁ぎわに並べるか中央に置くかで、配線の工事の範囲も変わります。
フロア設計3Dを無料で使う内見と契約で確かめること:増設の可否と費用負担
電気容量が足りないとわかったとき、増やせるかどうかは物件で大きく変わります。ビルの幹線(建物全体の電気の通り道)の余力が少ない場合、テナントだけで増やすことはできません。
| 確かめること | 見る場所・聞く相手 |
|---|---|
| 分電盤のアンペア・回路の数、動力盤の有無 | 内見で分電盤を写真に撮る |
| 現在の契約の種類と契約電力 | 貸し主・管理会社、前のテナント |
| ビルの幹線・受電設備の余力 | 管理会社・ビルの電気主任技術者 |
| 増設の工事の可否と費用の負担 | 貸し主(契約書に書く)、電気工事業者 |
| 退去のときの原状回復の範囲 | 貸し主(増設した設備を残すか撤去するか) |
ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)では、24時間ジム30坪・マシン13台の基本工事(電気・空調・給排水・防音)は452万円、月の電気代は9.7万円です。電気の増設が大きくなると、基本工事の費用は上がります。マシンはリース、税・借入の返済は含まない試算で、実際の費用は物件・地域・見積もりで変わります。
よくある質問
トレッドミルは家庭用のコンセントで動きますか?
業務用のトレッドミルは、200Vや専用回路を求める機種があります。電源の条件は機種ごとに違うため、メーカーの仕様書で確かめ、電気工事業者に配線を相談してください。
電気容量が足りないと何が起きますか?
混む時間にブレーカーが落ちる、空調とマシンを同時に使えない、といったことが起こり得ます。会員の利用中に止まると安全面でも問題になるため、余裕を持った容量で計画しましょう。
電気代を抑えるにはどうすればよいですか?
照明のLED化、空調の温度設定と換気の運用、使わない時間の機器の電源を切るなどが基本です。契約の種類や電力会社の料金プランの見直しも、電力会社の公式の案内で比べてから判断してください。
出典
- 東北電力「低圧電力」(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「電気事業法」第38条・第42条・第43条(2026年10月23日確認)
- ジム開業ナビ「ジム開業の費用」試算モデル(2026年10月)
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