THE MUSCLE NEWSPAPER
KINNIKU TIMES  › 記事

パワーリフティング大会に初心者が出るには 登録・申込・検量・持ち物

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 14分
パワーリフティング大会で次の試技に向けてバーベルにプレートを付ける補助員
SUMMARY|この記事の要約

初めてパワーリフティングの公認大会に出るまでの手順を、JPAの選手登録、大会の探し方と申込、当日の検量・第1試技の申告・試技の進み方、服装と持ち物の順にまとめた。全国大会に必要な標準記録とアンチ・ドーピング講習会にも触れる。

初めてのパワーリフティング大会は、JPAの選手登録をして、住んでいる都道府県などの地方大会に申し込むのが最初の一歩だ。当日は検量で体重を量って3種目の第1試技の重量を申告し、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトを各3回行う。

2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部

パワーリフティングの公認大会は、ジムで重量を伸ばしてきた人なら誰でも挑戦できる。ただ、選手登録の仕組みや検量、試技の申告といった手順は、一度経験しないと分かりにくい。本記事は、公益社団法人日本パワーリフティング協会(JPA)の公式サイトに掲載された登録案内とよくある質問、国内ルールブック(2026年4月14日改訂)、各大会の開催要項、国際パワーリフティング連盟(IPF)の技術ルールブック2026を読み、初出場までの流れを順番にまとめた。

JPA公式の選手登録の案内を見る

初心者がパワーリフティング大会に出るまでの流れ

全体の流れは5段階に分けられる。登録と申込は大会の1〜2カ月以上前に済ませる必要があり、思い立ってすぐ出られるわけではない点に注意したい。

段階 やること 時期の目安
1. 選手登録 JPAの会員システム「シクミネット」で選手登録し、登録料を払う 申込より前(年度ごとに更新)
2. 大会探し 所属する都道府県協会のサイトで、標準記録のいらない地方大会を探す 大会の2〜3カ月前
3. 申込 シクミネットの「イベント情報」などから申し込み、参加費を払う 要項の締切まで(大会の1〜2カ月前に締め切る例が多い)
4. 準備 階級を決め、服装・用具をそろえ、第1試技の重量を考える 申込後〜前日
5. 当日 検量・第1試技の申告、コスチュームチェック、ウォームアップ、試技 競技開始の2時間前に検量が始まる

JPAの選手登録はどうするのか 料金と都道府県の選び方

JPAの公認大会や国際大会に出るには、必ず選手登録が必要である。登録はシクミネット(powerlifting.shikuminet.jp)というオンラインの会員システムで行う。JPAは4月から翌年3月までの年度登録制で、機械の都合で有効期限が「2月末」と表示されても、規定上は3月末まで有効だという。新規登録は、前年度の3月1日から翌年2月の指定日までの間に、その年度の分を登録できる。二重登録はできず、支払った登録費は理由を問わず返金されない。

登録区分 登録料(年額)
個人選手 9,000円
団体選手(所属団体に加入している場合に選択可) 6,000円
大学生(専門学校生を含む) 3,000円
中学生・高校生(満14歳以上) 2,000円

登録時には所属する都道府県協会を選ぶ。JPAの案内によると、住んでいる場所、勤務先・学校、所属ジムのある都道府県から選び、出身地で登録する「ふるさと登録」は採用していない。学生連盟や高校連盟に加盟する学校の学生・生徒は、その連盟を選ぶ。住んでいる地域に協会がない場合は、ブロック長が所属する都道府県の扱いになる。どの都道府県で登録したかによって出られる地方大会が決まるため、通いやすい地域を選ぶとよい。

年齢の条件もある。JPAのルールでは、一般(シニア)のカテゴリーは満14歳以上で、14〜18歳はサブジュニア、19〜23歳はジュニア、40歳以上はマスターズⅠ〜Ⅴに分かれる。年齢はその年の12月31日時点で判断する。協会の仕組みは日本パワーリフティング協会(JPA)とはで詳しく解説している。

初心者が出られる大会はどこで探すのか

JPAが公認する大会は、全国大会、ブロック大会、地方大会(都道府県大会や市区町村の大会)の3段階に分かれる。全国大会には、決められた期間内に公認大会で出場標準記録を突破していることと、アンチ・ドーピング講習会の受講が必要だ。ブロック大会にも標準記録が設けられていることがある。たとえば10月31日に茨城県つくば市で開かれる関東パワーリフティング選手権の要項は、関東ブロック独自の標準記録を参加資格にしている。

このため、初めての人がまず目指すのは、標準記録のいらない都道府県大会や地域の大会になる。JPAのよくある質問は、所属する都道府県の大会情報は加盟協会のホームページで確認するよう案内しており、JPAの「加盟団体情報」から各都道府県協会のサイトに移動できる。全国の主な大会の日程はパワーリフティング大会日程2026にまとめている。

申込は早めに、定員に注意

申込は多くの大会でシクミネットから行う。全日本ベンチプレス選手権の要項はシクミネットの「イベント情報」から申し込むよう定め、郵送では受け付けていない。関東パワーリフティング選手権の要項も、新規参加の人は先にその年度のJPA登録(支払いを含む)を済ませてから申し込むよう求めている。参加費は大会によって異なり、関東選手権は10,000円で、先着100名までとしている。人気の大会は枠がすぐ埋まる。JPAによると、2026年の第5回日本グランプリはパワーリフティングの受付開始から9分で定員に達した(日本グランプリ2026の記事)。要項に書かれた申込開始日時を確認し、登録情報を事前に整えておきたい。

大会当日の流れ 検量から試技までの時間割

大会当日の流れはJPAのルールでおおむね決まっている。関東選手権の第1セッションは検量8:15、競技開始10:15と公表されており、検量が始まってから試技まで約2時間ある。

順番 内容 ルール上のポイント
1 検量(体重測定) 競技開始の2時間前から1時間半。原則1回。第1試技の重量を申告する
2 ラック高などの申請 スクワットとベンチのラックの高さ、足台の有無などを記入する
3 コスチュームチェック 各階級の競技開始30分前までに。検量前でもよい
4 ウォームアップ アップ場で器具を丁寧に扱う
5 スクワット(3ラウンド) コールから1分以内に試技を始める
6 ベンチプレス(3ラウンド) 種目間に休憩(1グループなら20分)
7 デッドリフト(3ラウンド) 第3試技だけ2回まで重量を変更できる
8 表彰 トータル(3種目の最高記録の合計)で順位が決まる

検量で気をつけること

JPAのルールでは、検量は競技開始の2時間前より早く始めてはならず、検量時間は1時間半である。体重は全裸か、体重に影響しない最小限の下着で量る。女性の選手は女性の審判(または女性の役員)が担当する。体重計に乗れるのは原則1回だけで、申し込んだ階級の範囲から外れた人だけが、時間内に再び量ることができる。1時間半の間に体重を合わせられなければ、全国大会とブロック大会では失格となり、地方大会では扱いが主管協会に委ねられるが、その記録は公認されない。

選手は申し込んだ階級に出なければならない。締切後に階級を変えた場合は、大会当日の検量で合格しなかった場合などを除き「オープン参加」扱いとなり、順位の表彰の対象から外れる。階級の一覧はパワーリフティングの階級で確認できる。初出場で減量に無理をすると試技に響くため、普段の体重で余裕を持って収まる階級を選ぶのが無難だ。

第1試技は検量のときに申告する

検量のとき、選手かセコンドは3種目すべての第1試技の重量を申告し、担当の審判が試技票に記入する。重量は2.5kg単位である。第1試技の重量は、各種目で1回だけ変更が認められる。最初のグループの場合は、その種目の開始3分前までに申し出る必要がある。どの重量から始めるかの考え方は第一試技の重量の決め方で詳しく解説した。

大会でスクワットの試技に向けてラックのバーベルの前に立つ選手と、後ろで見守る観客
画像:Wikimedia Commons(U.S. Air Force photo by Senior Airman Haiden Morris, パブリックドメイン)より

試技の進み方と「1分ルール」

試技は「ラウンドシステム」で進む。各ラウンドでは、軽い重量を申告した選手から順に試技を行い、同じ重量の選手が2人以上いれば抽選で決まるロットナンバーの若い順になる。バーの重量はラウンドの中で上がっていくだけで、下がることはない。失敗した重量に同じラウンドで再挑戦することはできず、次のラウンドで挑む。

時間の決まりは厳しい。アナウンスでコールされてから1分以内に試技を始めなければならない。試技が終わったら、次の試技の重量を1分以内に申請する。申請しなかった場合、成功していれば自動的に2.5kg上の重量、失敗していれば同じ重量になる。IPFのルールでは試技の間隔は2.5kg以上でなければならない。第2試技の重量は申請後に変更できず、スクワットとベンチプレスでは第3試技も変更できない。デッドリフトの第3試技だけは2回まで変更が認められる。1つの種目で3回とも失敗すると、トータルの順位から外れる点も覚えておきたい。

試技の成否は3人の審判の白(成功)・赤(失敗)のライトで決まる。合図や深さの基準はパワーリフティングの判定の記事にまとめた。

セコンドはいなくても出られるか

セコンド(コーチ)がいれば、次の試技の申請や体調の管理を任せられるが、ルール上は選手本人が申請してもよい。JPAのルールでは、試技中にコーチングボックスに入れるのは1人だけで、そこでの写真・動画撮影は禁止されている。セコンドはジャージなどのスポーツウエアと運動靴を着用し、帽子や迷彩柄の服は着られない。全国大会ではセコンドの登録料(全日本ベンチプレス選手権は1人1,000円)が必要な場合もある。

大会の服装と持ち物チェックリスト

服装と用具はルールで細かく決まっており、試技前のコスチュームチェックで確認される。JPAの国内ルールをもとに、初出場で必要なものをまとめた。

持ち物 必須か 主なルール
シングレット(つりパン) 原則必須 全国・ブロック大会以外の地方大会では、スパッツの使用を主管協会が判断する。膝上までのショートスパッツは可
Tシャツ 必須 3種目とも着用。伸縮素材のコンプレッションシャツ、襟付き、Vネック、袖が肘より長い・三角筋を覆わないものは不可
靴 必須 スポーツシューズやリフティング用シューズ。かかとの高さ5cm以内、靴紐は確実に結ぶ
靴下 デッドリフトは必須 デッドリフトでは膝下までの長い靴下をはく
ベルト 任意 幅10cm以内、厚さ13mm以内などの寸法規定がある
リストラップ・ニースリーブ 任意 リストラップは幅8cm・長さ1m以内、ニースリーブは長さ30cm以内・厚さ7mm以内。全国・ブロック大会はIPF公認品のみ
その他 あると便利 着替え、軽食と飲み物、タオル、筆記用具、登録・申込の確認画面

チョークは体や服に付けてよいが、松ヤニ入りのものや自作品は使えない。ブロック大会以上の日本記録の対象となる大会では、主催者が用意したチョークを使うことになっており、2025年7月から個人のチョークの持ち込みが禁止された。会場によっては飲食が制限される。関東選手権の要項は会場内を飲食禁止とし、ふた付きのペットボトルのみ可としている。ベルトとリストラップの規定はリストラップは大会で使えるか、用具の違いはノーギアとフルギアの違いで解説している。ギアを選ぶならリストラップの一覧も参考になる。

国際大会の表彰式で、役員が入賞した女子選手にメダルをかける様子
画像:日本パワーリフティング協会 公式サイト「ルール通達・講習会」より

全国大会を目指すなら何が必要か

地方大会で記録を作ったら、次は全国大会が目標になる。全国大会には、決められた期間内に公認大会で出場標準記録を突破していることに加え、アンチ・ドーピング講習会の受講が必要だ。JPAは月1回程度、オンライン(Zoom)で講習会を開いている。2026年10月の回は10月10日(土)14時から1時間で、JPAの2026年度登録選手と審判員が対象だった。今年度から金曜19時開始の回も隔月で予定されている。受講した記録はシクミネットのイベント履歴に残り、それが受講証明になる。

全国大会の要項では、摂取しているサプリメントや医薬品の申告も求められる(摂取していない場合もその旨を申告)。18歳未満の選手は、ドーピング検査に備えて親権者の同意書を携帯する必要がある。JPAは、体調不良のときに飲んでよい薬か迷ったら、医薬品の検索サイト「Global DRO」で確かめるよう呼びかけている。

よくある質問

大会に出るのに標準記録は必要ですか

全国大会には必要で、ブロック大会にも設けられていることがある。都道府県大会など標準記録のない地方大会から始めるのが一般的だ。参加資格は大会ごとに要項で確認してほしい。

JPAの選手登録にはいくらかかりますか

年額で個人選手9,000円、団体選手6,000円、大学生3,000円、中学生・高校生(満14歳以上)2,000円である。これとは別に大会ごとの参加費がかかる。

シングレットを持っていなくても出られますか

全国大会とブロック大会ではシングレットの着用が原則である。それ以外の地方大会では、スパッツの使用を認めるかどうかを主管協会が判断する。出場する大会の要項か主管協会に確認するのが確実だ。

検量で体重が階級を超えたらどうなりますか

1時間半の検量時間内であれば、申し込んだ階級の範囲に収まるまで量り直せる。時間内に合わなければ、全国大会とブロック大会では失格になる。地方大会では主管協会の判断に委ねられるが、記録は公認されない。

ベンチプレスだけの大会もありますか

ある。ベンチプレス単独の大会(シングルベンチプレス)は全国から地方まで開かれている。詳しくはベンチプレス大会に出るにはを読んでほしい。

KINNIKU TIMESの視点

JPAの資料を読むと、初出場の壁は筋力ではなく「段取り」にあることが分かる。年度ごとの選手登録、数分で埋まることもある申込、2時間前に始まる検量、1分以内の試技申請と、どれも事前に知っていれば困らないが、知らなければ当日に慌てる。最初の大会は記録を狙う場というより、手順を体で覚える場と考えると気が楽になる。

初心者への助言は3つある。1つ目は、第1試技を「確実に3回挙げられる重量」にすること。最初の1本を失敗すると、残りの試技すべてに焦りが出る。2つ目は、練習から審判の合図を入れること。スクワットの深さとベンチの胸での静止は、初出場の選手が最も赤ライトを受けやすい項目である。3つ目は、練習仲間や経験者にセコンドを頼むこと。重量の申請と時間の管理を任せられるだけで、試技に集中できる。

自分の記録が全国でどの位置にあるかは筋トレ偏差値で、試技の重量の目安は重量計算機で確かめられる。競技の全体像はパワーリフティングとはにまとめている。

シクミネット(JPA会員システム)を開く

出典

筋トレに使える無料ツール

MY FITPEAK 無料会員 最新の情報を、素早くお届け。 新しい記事、筋トレ最安ナビの価格更新、FITPEAKの新商品の案内を、いちばんはやく受け取れます。 My FITPEAK に登録する

コメント

この記事について思ったことを書けます。誤解を招くのを避けるため、誘導のある宣伝、他者への中傷、個人情報、法令に反する内容は公開しません。体調や治療に関わる判断は、必ず専門家にご相談ください。