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ベンチプレス大会に出るには ルール・階級と全日本の標準記録

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 14分
パワーリフティング大会のベンチプレスで、競技用ラックからバーベルを押し上げる選手
SUMMARY|この記事の要約

ベンチプレス単独の公認大会(シングルベンチプレス)に出る方法を、JPAの選手登録から県大会への申込、試技のルール、階級、全日本ベンチプレス選手権の標準記録と2027年の日程までまとめた。10月下旬以降に開かれる県大会の例も表にした。

ベンチプレスの大会に出るには、JPAの選手登録をして、県大会などベンチプレス単独の公認大会に申し込めばよい。試技は3回で、主審の「スタート」「プレス」「ラック」の合図に従い、お尻を浮かせずに挙げた最高重量で順位が決まる。

2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部

ベンチプレスはジムで最も人気のある種目の一つで、スクワットやデッドリフトをしない人でも出られる「シングルベンチプレス」の大会が全国で開かれている。公益社団法人日本パワーリフティング協会(JPA)の公認大会一覧を見ると、2026年10月下旬から年末までの間だけでも、ベンチプレスを含む各地の県大会や記録会が20以上並ぶ。本記事は、国際パワーリフティング連盟(IPF)の技術ルールブック2026、JPAの国内ルールブック(2026年4月14日改訂)、全日本ベンチプレス選手権の開催要項と標準記録の通達を読み、出場の方法と全日本までの道を整理した。

JPA公式の大会公認状況一覧を見る

ベンチプレス大会に出るには何が必要か

JPAの公認大会に出るには、まずJPAの選手登録が必要だ。登録はオンラインの会員システム「シクミネット」で行い、年額は個人選手9,000円、団体選手6,000円、大学生3,000円、中学生・高校生(満14歳以上)2,000円である。登録時に住んでいる場所や勤務先、所属ジムのある都道府県協会を選ぶ。そのうえで、所属する都道府県の大会の要項を確認し、締切までに申し込んで参加費を払う。

出場できる年齢は、JPAのルールで一般(シニア)が満14歳以上と定められている。大会によって参加資格は異なり、県大会の多くは標準記録を求めないが、ブロック大会や全国大会には標準記録がある。登録から当日の検量までの流れは初めてのパワーリフティング大会ガイドで詳しく解説している。

公認大会と記録会の違い

JPAの公認状況一覧には、「記録挑戦会」や「チャレンジ枠」といった、公認大会とは別扱いの催しも載っている。たとえば12月13日の栃木県ベンチプレス選手権の日には「栃木県ベンチプレス記録挑戦会」が非公認として、11月15日には「第2回群馬県オープンベンチプレス記録挑戦会」がチャレンジとして掲載されている。こうした催しは参加条件が大会ごとに違うため、要項で確認したい。公認大会で出した記録だけが、全国大会の標準記録として認められる点には注意が必要だ。

ベンチプレス大会のルール 尻上げ禁止と3つの合図

ベンチプレス単独の大会のルールは、IPFのルールブックでは3種目の大会とほぼ同じとされる。主な違いは、第3試技の重量を2回まで変更できることと、1グループを20人まで編成できることだ。JPAの国内ルールでは、シングル大会で使う重量申請カードは5枚と定めている。

項目 ルール(IPF 2026・JPA国内)
姿勢 頭・両肩・臀部をベンチの面につけ、足の裏を床に平らにつける。試技中この姿勢を保つ
握り 親指を回すサムアラウンドグリップ。サムレスグリップと逆手は禁止
握り幅 人差し指の間隔は最大81cm(バーの81cmの印が人差し指で隠れる位置まで)
合図 「スタート」で下ろし、胸で静止後の「プレス」で押し、肘を伸ばして静止後の「ラック」で戻す
深さ バーを胸か腹まで下ろす(ベルトに触れない)。両肘の下側が肩関節の上面と同じ高さかそれより下になる
足台 足が床に届かない人は、高さ5・10・20・30cmの台やプレートを使える(国内は一枚板も可)
試技数 3回。第3試技のみ重量を2回まで変更できる

よくある反則

失敗の理由として多いのは、合図を待たずに押し上げる、胸での静止が足りない、お尻が浮く(尻上げ)、胸でバーを弾ませたり沈めたりする、押し上げの途中でバー全体が下がる、肘が伸び切らない、といった動作だ。足がベンチや支柱に触れても失敗になる。JPAの国内ルールは、臀部は一点ではなく、ある程度の面としてベンチに接していなければならないと補足している。試技前のセッティングで足をベンチに乗せた場合は、反則にはならないが、与えられた1分の時計は止めずにやり直しとなる。

ベンチプレスの試技中の選手と、その両側に立って見守る2人の係員
画像:Wikimedia Commons(U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Jordan Gonzalez, パブリックドメイン)より

2026年版のIPFルールでは、バーを下ろしたときの肘の高さの基準と、「プレス」の合図の後に勢いをつけるために胸郭を下げる動作の禁止が明記された。背中を大きく反らせて胸を高くするフォーム自体は禁止されていないが、肘の高さを満たさなければ失敗となる。判定の詳しい基準はパワーリフティングの判定で解説した。IPFの大会データを分析した研究(Darraghら、2026年)では、ベンチプレスは3種目の中で最も成功率が低く、男子の第3試技の成功率は49%だった。

ベンチプレス大会の階級と部門

ベンチプレス大会もパワーリフティングと同じ体重階級で行われる。全日本ベンチプレス選手権の前回要項(2026年1月)に記された階級は次のとおりで、53kg級(男子)と43kg級(女子)はサブジュニア・ジュニアだけに設けられている。

性別 階級
男子 53kg級(サブジュニア・ジュニアのみ)、59kg級、66kg級、74kg級、83kg級、93kg級、105kg級、120kg級、120kg超級
女子 43kg級(サブジュニア・ジュニアのみ)、47kg級、52kg級、57kg級、63kg級、69kg級、76kg級、84kg級、84kg超級

部門は、ベンチシャツを着ない「クラシック(ノーギア)」と、ベンチシャツを着る「エクイップ(フルギア)」に分かれる。年齢区分は一般のほか、サブジュニア(14〜18歳)、ジュニア(19〜23歳)、マスターズⅠ〜Ⅴ(40歳以上、10歳刻み)があり、年齢はその年の12月31日時点で判断する。初心者のほとんどはクラシック部門から始める。使える用具の違いはノーギアとフルギアの違い、階級の詳細はパワーリフティングの階級で確認できる。

初心者が出やすいベンチプレス大会は 10月以降の県大会の例

JPAの「加盟団体競技会公認状況一覧」に掲載された、2026年10月下旬以降のベンチプレス大会の一部を表にまとめた(10月21日時点)。参加資格は所属都道府県などで制限されることが多いため、各大会の要項を確認してほしい。

日付 大会名 開催地 部門
10月25日 第38回茨城県ベンチプレス選手権大会 茨城県 CL・EQ
10月25日 第12回大分県ベンチプレス選手権大会 大分県 CL・EQ
11月1日 第37回千葉県ベンチプレス選手権大会 千葉県 EQ・CL
11月8日 第39回三重県ベンチプレス選手権大会 三重県 EQ・CL
11月15日 第19回ウエストトウキョウベンチプレス選手権大会 東京都 CL・EQ
11月15日 第4回北海道・東北ブロックベンチプレス選手権大会 北海道 EQ・CL
11月21〜22日 広島県パワーリフティング祭(併催:第34回全中国ベンチプレス選手権大会) 広島県 EQ・CL
11月22日 第5回相模國ウィンターベンチプレス選手権大会 神奈川県 CL・EQ
12月13日 第40回栃木県ベンチプレス選手権大会 栃木県 CL・EQ
12月26日 第46回世田谷区ベンチプレス選手権大会 東京都 CL・EQ
12月27日 第2回さいたま市ベンチプレス記録会 埼玉県 CL・EQ

CLはクラシック、EQはエクイップの略である。ブロック大会(北海道・東北ブロック、全中国など)は標準記録や地域の条件が設けられていることがあるため、初出場なら県大会や市区の大会が入りやすい。全国のパワーリフティング大会を含めた日程はパワーリフティング大会日程2026にまとめている。

全日本ベンチプレス選手権までの道 標準記録はどれくらいか

JPAが主催するベンチプレスの全国大会は、全日本ベンチプレス選手権(クラシック部門は「ジャパンクラシックベンチプレス選手権」とも呼ばれる)を中心に、マスターズ、ジュニア、サブジュニアの各大会がある。日本グランプリにもシングルベンチプレスの部があり、実業団連盟が主催する全日本実業団ベンチプレス選手権もある。2027年の全日本ベンチは次の日程が公表されている。

大会 日程 会場 主管
全日本ベンチプレス選手権「第28回クラシック部門」 2027年1月23日〜24日 泉大津総合体育館(大阪府泉大津市) 大阪府パワーリフティング協会
全日本ベンチプレス選手権「第39回エクイップ部門」 2027年2月20日〜21日 ジップアリーナ岡山(岡山県岡山市) 岡山県パワーリフティング協会

10月21日時点で、2027年大会の開催要項はJPAの大会情報ページにまだ掲載されていない。いずれも世界ベンチプレス選手権やアジアベンチプレス選手権の代表選考の対象とされ、IPFの公式カレンダーでは2027年の世界クラシック&エクイップベンチプレス選手権が5月13日〜23日にトルコ・イスタンブールで予定されている。2027年大会の詳細は全日本ベンチプレス選手権2027の記事で追っている。

前回大会の標準記録(クラシック・一般)

全日本ベンチに出るには、決められた期間内(前年度の大会初日から本年度の申込締切日まで)に公認大会で標準記録を突破する必要がある。2027年大会の標準記録は要項の公表を待つ必要があるが、目安として、2026年1月の前回大会要項に記されたクラシック部門・一般カテゴリーの標準記録を示す。

男子の階級 標準記録 B標準 女子の階級 標準記録 B標準
59kg級 160kg 155kg 47kg級 75kg 72.5kg
66kg級 170kg 162.5kg 52kg級 80kg 77.5kg
74kg級 180kg 172.5kg 57kg級 85kg 80kg
83kg級 190kg 182.5kg 63kg級 87.5kg 82.5kg
93kg級 200kg 192.5kg 69kg級 90kg 85kg
105kg級 210kg 202.5kg 76kg級 92.5kg 87.5kg
120kg級 220kg 212.5kg 84kg級 97.5kg 92.5kg
120kg超級 225kg 217.5kg 84kg超級 100kg 95kg

B標準は、ブロック大会の優勝者でブロック長の推薦を受けた選手など、推薦枠で出る場合の条件である。マスターズには別の標準記録があり、前回要項では男子マスターズⅠの74kg級が150kg、女子マスターズⅠの57kg級が70kgだった。マスターズⅣ・Ⅴは標準記録を設けないが、期間内に公認記録を残していることが条件になる。前回大会の参加費は一般・マスターズ10,000円、サブジュニア・ジュニア8,000円だった。

パワーリフティング大会のベンチの記録も使える

JPAの2026年度の標準記録の通達によると、パワーリフティング(3種目)の大会で出したベンチプレスの記録が、シングルベンチプレスの標準記録を突破していれば、それも実績として認められる。ノーギアのクラシック大会でエクイップの全国大会の標準記録を突破した場合も認められるが、逆にエクイップ大会の成績でクラシックの全国大会には出られない。体重より重い階級の標準記録を突破していれば、その重い階級に出場することもできる。

大会で背中を反らせた姿勢でベンチプレスを行う女子選手
画像:Wikimedia Commons(U.S. Air Force photo by Senior Airman Haiden Morris, パブリックドメイン)より

よくある質問

ベンチプレスだけの大会にも選手登録は必要ですか

JPAの公認大会に出るには選手登録が必要である。個人選手の登録料は年額9,000円で、これとは別に大会ごとの参加費がかかる。

お尻が少し浮いただけでも失敗ですか

失敗になる。IPFとJPAのルールは、試技中に頭・肩・臀部がベンチから浮くことを反則としている。JPAは臀部がある程度の面としてベンチに接している必要があると補足している。

足が床に届かない場合はどうすればよいですか

足の下に台やプレートを置ける。IPFのルールでは高さ30cmまで、60cm×40cmの大きさの台を使え、国際大会では5・10・20・30cmの台を用意することになっている。JPAの国内ルールでは一枚板の使用も認めている。

全日本ベンチの標準記録はどれくらいですか

前回大会(2026年1月)のクラシック部門・一般カテゴリーでは、男子74kg級が180kg、83kg級が190kg、女子57kg級が85kg、63kg級が87.5kgだった。2027年大会の標準記録は要項の公表を待つ必要がある。

ベンチシャツがなくても出られますか

出られる。ベンチシャツを着ないクラシック(ノーギア)部門がある。服装はシングレットとTシャツが基本で、ベルトとリストラップは規定の範囲内で使える。

KINNIKU TIMESの視点

ベンチプレス大会は、パワーリフティングの入口として最も敷居が低い。脚の種目に自信がなくても出られ、試技は3回だけで、1日の拘束時間も3種目の大会より短いことが多い。一方で、ルールの面では最も失敗しやすい種目でもある。ジムで見かける「胸でバウンドさせる」「お尻を浮かせて押す」「合図なしに切り返す」フォームは、大会ではすべて赤ライトになる。普段の練習から、胸で一瞬止めて押す、お尻をつけたまま押し切る、という2点を身につけておくことが記録への近道だ。

全日本の標準記録は、男子74kg級で180kgと、一般の愛好家から見れば高い壁に映る。ただ、マスターズやB標準など段階が用意されており、県大会、ブロック大会と記録を積み上げていけば道筋は見える。自分の記録がどの位置にあるかは筋トレ偏差値で、体重に対する倍率の目安はベンチプレスは体重の何倍が目安かで確かめられる。フォームの基本はベンチプレスのやり方とフォーム、試技の重量の組み立ては第一試技の重量の決め方を参考にしてほしい。手首を支えるギアはリストラップの大会規定で確認できる。

JPA公式の大会情報(全日本ベンチ)を見る

出典

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