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パワーリフティング大会の持ち物チェックリスト IPF公認が要るギア一覧

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 14分
パワーリフティングの試技前にトレーニングベルトを締め直す選手
SUMMARY|この記事の要約

パワーリフティング大会の持ち物を、必須の4点と任意のギアに分けて一覧にした。ベルト・リストラップ・ニースリーブの寸法規格、全国・ブロック大会でIPF公認品が必要な用具、2026年末まで有効のIPF公認リストの見方、コスチュームチェックの罰則をJPAとIPFの資料から確認した。

パワーリフティングの大会の持ち物は、シングレット、Tシャツ、膝下までのソックス、室内用の競技靴の4つが必須で、ベルト・リストラップ・ニースリーブは任意である。全国大会とブロック大会では、リストラップとニースリーブはIPF公認品しか使えない。

2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部

初めて大会に出る人がつまずきやすいのが、当日のコスチュームチェック(用具検査)である。規格に合わない用具は使えず、検査を通していない用具を着けて試技をすれば失敗や失格になる。本記事は、日本パワーリフティング協会(JPA)の国内ルールブック(2026年4月14日改訂版)、IPFのテクニカルルールブック(2026年3月1日施行版)、IPF公認用具リスト(Approved List)、JPAの大会要項を10月21日時点で確認し、持ち物をチェックリストの形にまとめた。地方大会の扱いは主管する都道府県協会の判断に任される項目が多いため、最後は必ず出場する大会の要項で確かめてほしい。

JPA公式のルール・通達ページを見る

パワーリフティング大会の持ち物チェックリスト

まず全体像を表にする。「必須」はルール上着用しなければならないもの、「任意」は使ってもよいもの、「公認品」は大会の格によってIPF公認品が求められるものを指す。クラシック(ノーギア)部門を前提にしている。

持ち物 ルール上の扱い IPF公認品が必要か 主な規格・注意点
シングレット(ツリパン) 必須 国際大会のみ必須。国内は規格を満たせば可 一枚の生地、股下3〜25cm、肩ひもは常に肩にかける
Tシャツ 必須(3種目すべて) 不要 丸首、袖は三角筋を覆い肘にかからない長さ、伸縮素材・コンプレッション不可
パンツ(下着) 必須 不要 一般的な市販品1枚。サポート力のある下着は不可
ソックス デッドリフトは膝下までの長さが必須 不要 タイツ・ストッキング不可。足裏に滑り止めの付いた靴下は不可
シューズ 必須 不要 室内用スポーツシューズ等。かかと(靴底)5cm以内、中敷き1cm以内
ベルト 任意 国際大会のみ必須。国内は規格を満たせば可 幅10cm以内、厚さ13mm以内
リストラップ 任意 全国・ブロック大会は必須。地方大会は主管協会の判断 長さ1m以内、幅8cm以内
ニースリーブ 任意 全国・ブロック大会は必須。地方大会は主管協会の判断 厚さ7mm以内、長さ30cm以内
テープ(ばんそうこう) 親指のみ可 不要 親指に2重まで。ほかの部位は陪審員・チーフレフリーの許可が必要
チョーク(滑り止め) 使用可 不要 ブロック以上の日本記録挑戦対象大会は協会が用意したものを使う

このほか、用具ではないが、JPAの選手登録(会員番号)、ドーピング防止講習会の受講、摂取している医薬品・サプリメントの申告書の提出が出場の条件になる大会が多い。たとえば2026年10月24〜25日に開かれる第5回日本グランプリの要項は、これらを申込資格に挙げ、18歳未満の選手には親権者の同意書を大会期間中に携帯するよう求めている。申し込みの流れはパワーリフティング大会の初出場ガイドにまとめた。

必ず着るもの:シングレット・Tシャツ・ソックス・シューズ

シングレット(ツリパン)は国内なら公認品でなくてもよい

JPAのルールブックによると、公認大会ではノーギア・フルギアともにリフティングスーツ(シングレット)を着るのが原則である。シングレットは一枚の均一な生地でできたものに限られ、股の部分だけ12cm×24cm以内の二重の当て布が認められる。股下の長さは3cmから25cm、ゆるすぎるものは禁止だ。パワーリフティング用のほか、陸上競技、レスリング、ウエイトリフティング用のものでもよいとされる。

国際大会ではIPF公認品しか使えないが、国内大会(地方大会を含む)では上の規格を満たせば公認品でなくても使える。全国大会・ブロック大会以外の地方大会では、主管協会の判断で膝上までのショートスパッツを認める場合もある(ロングスパッツは不可、Tシャツはスパッツの中に入れる)。JPAのルールブックは、シングレットが大きすぎて試技ができない場合に備えた「予備のシングレット」にも触れており、予備もコスチュームチェックに合格している必要がある。

Tシャツは3種目すべてで着る

IPFのルールは、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトのすべてでシングレットの下にTシャツを着ることを求めている。JPAの規格では、ゴムなど伸縮素材を含むもの(コンプレッションシャツ)、ポケットやボタン、襟のあるもの、Vネック、ノースリーブは使えない。袖は肘より長くても、三角筋を覆わないほど短くてもいけない。試技中に袖をまくり上げることも禁止されている。デニム地や、迷彩柄の服装・用具も認められない。

デッドリフトは膝下までのソックス

ソックスは色の指定がなく、スクワットとベンチプレスでは履かなくてもよい。ただしデッドリフトでは、すねを覆う膝下までの長いソックスを履かなければならない(ロングシングレットを着る場合を除く)。ニースリーブを使うときは、ソックスがスリーブに触れてはならない。タイツやストッキングは禁止で、足裏にゴムの滑り止めが付いた靴下も使えない。

シューズは室内用のスポーツシューズ

靴は必ず履く。JPAのルールでは、スポーツシューズ、スポーツブーツ、ウエイトリフティング用・パワーリフティング用のシューズに準じたものを使い、ビジネスシューズ、5本指シューズ、トレッキング用の靴は使えない。かかとの高さは5cm以内、中敷きは1cm以内、靴底は平らであることが条件で、プラットフォーム上では靴ひもを結ぶかマジックテープで留めておく。靴底にテープなどの粘着物を貼ることは禁止されている。

IPF公認リストに掲載されているSBDのリストラップ(フレキシブル)
画像:SBD Apparel 公式サイトより。SBDのリストラップはIPF公認リストに「Equipped & Classic」として掲載されている

任意のギア:ベルト・リストラップ・ニースリーブの規定

ベルト、リストラップ、ニースリーブは使わなくても出場できる。使う場合は、規格を満たし、大会の格によってはIPF公認品であることが条件になる。

ギア 主な寸法の上限 国際大会 全国・ブロック大会 地方大会
ベルト 幅10cm、厚さ13mm、バックル内幅11cm・外幅13cm IPF公認品のみ 規格を満たせば可 規格を満たせば可(素材・構造は主管協会の判断)
リストラップ 長さ1m、幅8cm IPF公認品のみ IPF公認品のみ 規格内なら非公認品も可(主管協会の判断)
ニースリーブ 厚さ7mm、長さ30cm IPF公認品のみ IPF公認品のみ 規格内なら非公認品も可(主管協会の判断)
ニーラップ 長さ2m、幅8cm フルギア部門のみ フルギア部門のみ(IPF公認品) フルギア部門のみ

ベルト

ベルトはシングレットの外側に巻く。革、ビニール、ナイロン製で、補強のためのパッドや金属を表面や層の間に入れてはならない。レバーアクション式のバックルも使える。寸法の上限は幅10cm、厚さ13mm、バックルの内側の幅11cm、外側の幅13cm、ループの幅5cm、ベルトの端からループの端まで25cmで、ループは1本だけだ。JPAのルールは、国内大会では公認品でなくてもこの規格を満たせば使用を認めている。数値の詳しい解説はベルト規定(IPF 2026年版)の記事にある。

リストラップ

リストラップは長さ1m以内、幅8cm以内で、ループ付きでもよいが、親指にループをかけたまま試技をすることは禁止されている。巻く範囲は手首関節を基準に合計12cmを超えてはならない。リストバンド(幅10cm以内)との併用は不可で、リストラップの代わりにテーピングを巻くことも禁止だ。全国大会とブロック大会ではIPF公認品だけが使え、地方大会では規格内であれば非公認品も主管協会の判断で認められる。ただし、過去にIPF公認を取り消された製品は地方大会でも使えない。詳しくはリストラップは大会で使えるか(IPF 2026年版)で確認できる。どのブランドが公認品か、長さや硬さで比べたい人はリストラップ特集(36モデル比較)を使ってほしい。

ニースリーブ

ニースリーブはネオプレン一層(表面に支えにならない布一層まで可)の筒で、厚さ7mm以内、長さ30cm以内である。ストラップ、マジックテープ、ひもが付いたものは使えず、折り返しや重ね着もできない。膝の中心に着け、シングレットやソックスに触れてはならない。ニーラップとの併用は禁止だ。着けるときに他人の手を借りることは認められているが、ビニール袋などの道具や潤滑剤を使って装着したものはIPFのルールで不合格となる。

SBDの13mmレバーアクションベルト
画像:SBD Apparel 公式サイトより。厚さ13mmはIPF・JPAのベルト規格の上限

IPF公認品はどこで確かめるのか

IPFは公式サイトで「Approved List(公認用具リスト)」を公開している。現在のリストは2023年1月1日から2026年12月31日まで有効で、10月21日時点の版は2025年4月8日更新のものだ。リストの冒頭には、コスチューム、サポートシャツ、ラップ、ベルト、ニースリーブ、シングレットは、IPF技術委員会に登録・承認されたメーカーの製品に限るとある。品目ごとに「IPF ID」が振られ、「Equipped & Classic」(両部門で使える)か「Equipped」(フルギア部門のみ)かが書かれている。アスタリスク(*)付きの品目は仮承認で、まだ市場に出ていない製品である。

メーカー(リストの表記) 掲載されている主な品目
SBD シングレット、リストラップ、ベルト、ニースリーブ、ニーラップ(Equipped)
ELEIKO シングレット、ニースリーブ7mm、リストラップ、13mmクイックリリースベルト
A7 ニースリーブ、リストラップ(55・77・99)、レバーベルト
Titan Support Systems/Inzer シングレット、ベルト、ラップ類、フルギア用のスーツとベンチシャツ
ONI Ltd.(former Bukiya) シングレット、ニースリーブ、リストラップ、レバーアクションベルトなど

表は一部の抜粋で、リストにはほかにも多くのメーカーが載っている。日本の選手に身近な鬼(ONI)も、シングレット、ニースリーブ、リストラップ、ベルトなどが掲載されている。同じブランドでも全製品が公認とは限らないため、買う前に製品名とIPF IDをリストで照合するのが確実だ。リストの有効期限は2026年12月31日で、2027年以降のリストは10月21日時点で公式ページに掲載されていない。来年の大会に向けて新しく買う人は、新しいリストが公開されたら照合し直したい。

FITPEAKのリストラップなど、IPF公認リストに載っていない製品は、全国大会・ブロック大会では使えない。練習用として使い、地方大会で使う場合は規格内であることと主管協会の判断を事前に確かめる必要がある。

当日のコスチュームチェックで落ちないために

JPAのルールブックによると、コスチュームチェックはノーギア・フルギアを問わず競技前に必ず行われ、原則として各階級の競技開始30分前までに済ませる(検量前でもよい)。最低2名のレフリーが立ち会い、合格した用具には印が押される。破れたもの、破れそうなもの、不衛生なものは不合格になる。ラップが長すぎる場合は使えないが、選手が自分で正しい長さに調整して再検査に合格すれば使える。調整はレフリーではなく選手の責任とされる。

ケース JPAルールブックの扱い
ルール違反の用具を、検査を受けずに着けて試技した 失格
ルール違反の用具が、誤って検査に合格していた その試技は失敗。正しい用具でラウンドの最後にやり直し可
ルールに適合した用具だが、検査を受けていなかった 成功しても失敗(自己責任)
時計、ネックレス、イヤリング、マウスピース、女性の衛生用品 検査不要

規格に合った用具でも、検査を受け忘れれば成功が取り消される点に注意したい。当日は使う予定の用具を、予備も含めてすべて検査に出しておくのが安全である。

チョーク・テープ・帽子の決まり

体や服に塗ってよいのは、ベビーパウダー、チョーク、タルク、炭酸マグネシウムだけで、靴底やラップには使えない。松ヤニ入りのチョークや自作の調合品も禁止である。ブロック大会以上の日本記録挑戦対象大会では、協会が用意したチョークをコーチングボックス付近に置き、選手はそれを使う。第5回日本グランプリの要項も、滑り止めは会場に用意したものを使い、個人の持ち込みはできないとしている。オイルなどの潤滑剤は体にも用具にも塗れない。テープは親指に2重まで巻けるが、ほかの部位には陪審員かチーフレフリーの許可が要る。プラットフォームで帽子をかぶることはできず、ヘアバンドは白か黒の1色、幅12cm以内に限られる。

SBDの7mmニースリーブ
画像:SBD Apparel 公式サイトより。7mmはIPF・JPAのニースリーブ規格の上限の厚さ

IPF公認用具リスト(Approved List)を見る

よくある質問

初めての地方大会でも、IPF公認のリストラップを買う必要がありますか

JPAのルールでは、地方大会では規格内であれば非公認品も主管協会の判断で使える。ただし全国大会・ブロック大会では公認品しか使えないため、上を目指すなら最初から公認品を選ぶと買い直しが要らない。出場する大会の要項でも確かめてほしい。

パワーグリップやリストストラップは使えますか

IPFとJPAのルールブックで使用が認められている個人用具に、パワーグリップやストラップは含まれていない。試技では使えないと考えるべきだ。詳しくはパワーグリップやストラップは競技で使えるかを参照してほしい。

スパッツと普通のTシャツで出場できますか

Tシャツは丸首で規格に合えば一般の製品でよい。スパッツは、全国大会・ブロック大会では使えず、地方大会では主管協会の判断で膝上までのショートスパッツが認められる場合がある。要項を確認するのが確実である。

エルボースリーブは使えますか

IPFのルールでは、スリーブは膝にのみ着けられ、ほかの部位には使えないとされている。エルボースリーブについてはエルボースリーブは大会で使えるかで詳しく扱っている。

検量のときに何を持っていけばよいですか

IPFのルールでは、検量時に身分証明書(ID・パスポート)で本人確認を行う。JPAのルールでは、検量時に各種目の第1試技の重量を申告する。第1試技の決め方は第一試技の重量の決め方を読んでおきたい。国内大会で求められる書類は大会の要項に従う。

KINNIKU TIMESの視点

規定を読み込むと、国内の地方大会は初心者に対してかなり門戸が広いことが分かる。シングレットとベルトは規格内なら公認品でなくてもよく、リストラップとニースリーブも地方大会では主管協会の判断で非公認品が使える。まず必要なのは、シングレット、丸首のTシャツ、膝下までのソックス、平らな靴底の室内靴の4点だけだ。いきなり高価なギアをそろえる必要はない。

一方で、全国大会やブロック大会を目指すなら話は別である。リストラップとニースリーブは公認品が必須になり、買い直しの出費がかかる。編集部としては、最初の1本を買うときから公認リストで製品名を照合することを勧める。公認リストの有効期限が2026年末に切れる点も、来年に向けてギアを買う人には大事な情報だ。

当日の失敗で多いのは、用具そのものより「検査の出し忘れ」である。規格に合った用具でも、検査を通していなければ成功が取り消される。前日の夜に、この記事の表を見ながら持ち物を袋にまとめておくとよい。ギアの選び方はリストラップの選び方とIPF規定の確認ポイント、ノーギアとフルギアの用具の違いはノーギアとフルギアの違い、競技の全体像はパワーリフティングとはで解説している。

出典

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