スクワットの補助のやり方|セーフティバーと2人補助の使い分け
結論:スクワットの補助は、パワーラックのセーフティバーを正しい高さに合わせることが土台です。そのうえで、軽〜中くらいの重量なら補助者が後ろから1人で、高重量ならバーの両端に1人ずつ立つ2人補助が基本になります。高重量を1人で後ろから支えようとするのは補助者も危険なので避け、手を出す合図は必ず事前に決めておきましょう。
合トレの脚の日に「スクワットの補助をお願い」と頼まれたとき、ベンチプレスと同じ感覚で引き受けると危ないことがあります。スクワットは重量が大きく、潰れたときに補助者が受け止められる重さには限りがあるからです。この記事では、セーフティバーと補助者をどう組み合わせるかを中心に、スクワットの補助のやり方を解説します。
スクワットの補助が難しい理由
スクワットの補助は、ベンチプレスの補助より難しいと言われます。理由は次のとおりです。
- 重量が大きい:脚の種目は扱う重さが大きく、補助者1人の腕の力で受け止めるのは難しい
- バーが背中の上にある:補助者がバーに直接手を添えにくく、体全体の動きに合わせる必要がある
- 潰れ方がさまざま:前に倒れる、後ろに崩れる、左右に傾くなど、崩れ方が一定ではない
ほかの脚の種目では
脚の日のほかの種目では、補助の考え方が少しずつ違います。レッグプレスやハックスクワットのようなマシンは、多くの機種にストッパーがあるので、補助者は重量の付け替えと回数の記録を中心に受け持ちます。ダンベルを持ったランジやブルガリアンスクワットは、上がれなくなったらダンベルを床に置けばよいため、補助者が体を支える場面はあまりありません。バランスを崩しやすい人の場合は、近くに立って見守る程度にとどめます。補助が欠かせないのは、主にバーベルを担ぐスクワットだと考えてよいでしょう。
このため、スクワットでは「補助者がすべてを受け止める」のではなく、「セーフティバーで受け止められる環境を作り、補助者はあと少しの後押しと崩れかけたときの支えを受け持つ」と考えるのが現実的です。
まずはセーフティバーの高さを合わせる
セーフティバー(パワーラックの両側にある、落ちたバーを受け止めるための棒)は、補助者がいてもいなくても必ず使いたい装備です。高さの合わせ方は次の手順で行います。
- 空のバーを担ぎ、いつもの深さまでしゃがんでみる
- しゃがみきったときのバーの高さより、少し低い位置にセーフティバーを合わせる
- もう一度しゃがみ、バーがセーフティに当たらないことを確かめる
- 左右のセーフティが同じ高さになっているかを確認する
高すぎると、しゃがんだときにバーが当たって動作の邪魔になります。低すぎると、潰れたときに体が深く沈み込み、受け止める前に姿勢が崩れます。上がれなくなったときは、しゃがんだ姿勢のままバーをセーフティに預け、体をバーの下から前に抜く動きを、軽い重量で一度練習しておくと安心です。
セーフティバーが付いたパワーラックやスクワットラックがあるかどうかは、ジム選びの大切な基準でもあります。設備で比べたいときは ジムナビの設備比較 を参考にしてください。
セーフティバーのない台や、ラックの外でバーを担いで行う場合は、潰れたときに受け止めるものがありません。補助者がいても、余裕のある重量と回数にとどめましょう。
後ろから支える1人補助のやり方
軽〜中くらいの重量で、補助者が実施者の体格や重量に対して十分に余裕があるときは、後ろから1人で補助する方法が使えます。
立ち位置と手の位置
- 実施者のすぐ後ろに立つ。近すぎてしゃがむ動きの邪魔にならないよう、拳1つ分ほど空ける
- 足は肩幅より少し広めに開き、実施者と同じリズムでしゃがめる構えをとる
- 両手は、実施者の脇の下から胸の前、または腰の両側に添えられる位置に構える。補助が必要になるまでは触れない
ラックから外すときと戻すとき
スクワットで崩れやすいのは、しゃがむ場面だけではありません。ラックからバーを外して後ろに下がる最初の数歩と、セットの終わりにラックへ戻る場面も注意が必要です。補助者は、実施者が下がるのに合わせて一緒に下がり、戻るときもフックにバーがかかるまで後ろで構えておきます。疲れ切った最後の1回のあと、ラックのフックを外してバーを落としそうになる例もあるので、「かかりました」と声で知らせるまで気を抜かないようにしましょう。
動きの合わせ方
補助者は、実施者がしゃがむのに合わせて自分も膝と股関節を曲げ、同じ高さを保ちます。腕だけで支えようとせず、補助が必要になったら脚の力で一緒に立ち上がるイメージです。補助では、実施者の上体が前に倒れないよう胸の前を支えながら、立ち上がる方向を助けます。
次の動画は、コンディショニングサロンめんてながスクワットの正しい補助のやり方を解説している動画です。
バーの両端に立つ2人補助のやり方
高重量のスクワットでは、バーの両端に1人ずつ補助者が立つ2人補助が安全です。後ろから1人で支えるのと違い、バーそのものを左右から持ち上げられるので、重い重量でも受け止めやすくなります。
- 補助者2人がバーの両端に立ち、両手をバーの端(プレートの内側か外側の持ちやすい位置)の下に構える
- 実施者がしゃがむのに合わせて、2人も同じ高さまでしゃがむ
- 合図があったら、2人が同時に、同じ速さでバーを持ち上げる。左右の速さがずれるとバーが傾くので、声をかけ合う
- 実施者と一緒にラックのフックまでバーを運び、かかったことを確認してから手を離す
2人補助には、実施者と合わせて3人が必要です。合トレの人数を決めている店舗もあるので、3人で行ってよいかは事前にジムに確認してください。人数を増やせない場合は、セーフティバーを忘れずに使い、重量を下げて行いましょう。
| 方法 | 向いている重量 | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| セーフティバーのみ | すべての重量 | 1人でも使える。補助者の力に頼らない | 高さを毎回合わせる。外での実施はしない |
| 後ろから1人補助+セーフティ | 軽〜中重量 | 2人の合トレで実践しやすい | 補助者が支えきれる重量に限る |
| 両端の2人補助+セーフティ | 高重量 | バーを直接持ち上げられる | 3人必要。人数の決まりを店舗で確認 |
次の動画は、運動健康学習塾によるスクワットの補助方法の解説です。
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始める前に決める合図
スクワットでは、実施者が声を出しにくい場面も多くあります。セットの前に、声と動きの両方で合図を決めておきましょう。
| 場面 | 決めておくこと | 声かけの例 |
|---|---|---|
| ラックから外す | 補助者がそばにいるか、手を添えるか | 実施者「外します」、補助者「OK、後ろにいます」 |
| セット中 | 何回やる予定か | 実施者「6回です」 |
| 補助してほしいとき | 声の合図と、動きの合図 | 「お願い」。声がなくても、立ち上がる途中で止まったら補助 |
| 上がれないとき | 補助で上げるか、セーフティに置くか | 「セーフティ」と言ったら補助者はバーから離れる |
| セット終了 | ラックに戻すまで補助者がそばにいる | 「ラック」、補助者「かかりました」 |
本番の前に、軽い重量で練習セットを
初めて組む相手とは、いきなり本番の重量で補助をしないようにしましょう。ウォームアップの軽い重量で、次のことを一度通しで確かめておくと、本番で慌てずに済みます。
- 補助者が後ろに立つ距離が、しゃがむ動きの邪魔にならないか
- 補助者が実施者と同じリズムでしゃがめるか
- 「お願い」の声で、補助者がすぐに手を添えられるか
- 上がれない想定で、セーフティにバーを預けて前に抜ける動きができるか
練習セットの段階で、補助者が「この重さ以上は自分では支えられない」と感じたら、その場で伝えておきます。本番の重量がそれを超えるなら、補助は「崩れかけたときの支え」にとどめ、上がれないときはセーフティに預ける、と決めておきましょう。
とくに大事なのが「上がれないときにどうするか」です。補助で立ち上がるのか、セーフティバーに預けるのかを決めておかないと、補助者が手を出したのに実施者がバーを下ろそうとする、といった食い違いが起こります。
やってはいけない補助
- セーフティバーを合わせたうえで補助をつける
- 重量に合わせて1人補助と2人補助を使い分ける
- 合図を決め、合図があるまで触らない
- 補助者も脚を使って一緒に立ち上がる
- 高重量を1人で後ろから支えようとする
- セーフティを使わずに補助者だけに頼る
- しゃがみ始めから体を抱えている
- 腕の力だけで引き上げる
このほか、次のような補助も避けましょう。
- バーの片側だけを持つ:2人補助で片方だけが持ち上げると、バーが傾きプレートが落ちるおそれがある
- 膝や腰を押す:関節を外から押すと、姿勢が崩れてけがにつながる
- 補助者が近すぎる:実施者のお尻や背中に当たり、動作の邪魔になる
- カラーをつけずに行う:プレートの留め具(カラー)がないと、バーが傾いたときにプレートが滑り落ちる
後ろから支える補助で体が触れる場面があるため、初めての相手とは、触れる位置をセットの前に確認しておくとお互いに安心です。体に触れずに済むよう、セーフティバーを中心に組み立てるのもひとつの方法です。
合トレで補助をするときの安全面
補助は、相手を信頼できてはじめて成り立つものです。初めて合トレする相手とは、軽い重量から始めて、合図がかみ合うかを確かめてから重量を上げましょう。
- 初めて会うときは、人の多い時間帯にジムの中で会う
- ジム以外の場所(自宅・車・個室)で会わない
- 連絡先は急いで交換しない。慣れるまでは掲示板の中でやり取りする
- お金の貸し借りや、物品の販売・勧誘は断る
- 違和感があれば中止して、ジムのスタッフに相談する
詳しくは 初対面の合トレで気をつけること と 合トレナビの安全ガイド をご覧ください。また、トレーニング中に腰や膝に痛みが出たら中止し、痛みが続くときは医療機関に相談しましょう。
よくある質問
Q. スクワットの補助はどこを持てばいいですか?
後ろから1人で補助するときは、実施者の脇の下から胸の前、または腰の両側に手を添えられる位置に構えます。高重量の2人補助では、補助者がバーの両端を持ちます。どちらも、合図があるまでは触れません。
Q. 補助者がいればセーフティバーはいりませんか?
補助者がいても、セーフティバーは使いましょう。補助者が受け止められる重さには限りがあり、手が間に合わないこともあります。
Q. 2人の合トレで高重量のスクワットをしたいときは?
パワーラックのセーフティバーを忘れずに使い、補助者は後ろで構える形にします。補助者が支えきれない重量なら、上がれないときはセーフティに預けると決めておきましょう。
Q. スミスマシンなら補助はいりませんか?
スミスマシンはバーを途中で止める仕組みがあり、ストッパーを適切な高さに合わせれば1人でも行いやすい器具です。ただし使い方は機種によって違うので、分からないときはスタッフに確認してください。
Q. 補助を頼まれたけれど自信がないときは?
正直に伝えて大丈夫です。「その重さは支えきれないので、セーフティに預ける形でお願いできますか」と提案しましょう。補助の役割そのものは スポッターとは で解説しています。
Q. 補助をつければ限界まで追い込んでもいいですか?
スクワットは潰れたときの負担が大きいため、補助があっても毎セット限界まで追い込む必要はありません。補助を使った追い込みの頻度や注意点は 補助付きで追い込む方法 で解説しています。
まとめ
- スクワットの補助は、セーフティバーの高さ合わせが土台
- 軽〜中重量は後ろから1人補助、高重量はバーの両端の2人補助
- 高重量を1人で後ろから支えるのは避ける
- 「上がれないときは補助かセーフティか」を事前に決める
- 3人で行うときは、ジムの人数ルールを確認する
脚の日を一緒に頑張れる相手がいると、重い日でも気持ちを切らさずに取り組めます。
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- 合トレとは?意味・メリット・やり方・相手の探し方まで完全ガイド
この記事はFITPEAK合トレナビ編集部が公開情報をもとにまとめたものです。ジムのルールは店舗ごとに異なることがあるため、最新の情報は各ジムでご確認ください。
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