【研究と国の指針で確認】ダイエット中の睡眠は何時間?睡眠不足と体重の関係
ダイエット中の睡眠は、国の指針で成人は「おおよそ6〜8時間」、少なくとも6時間以上が目安とされています。眠る時間を確保することは、食事や運動と同じくらい、体重の管理に関わる要素です。
睡眠時間が短い人は肥満が多いという関連は、多くの研究で報告されています。ただし関連があることと、睡眠不足が原因であることは別の話で、睡眠を増やせば必ず体重が減るとは言えません。
いびきが大きい、日中に強い眠気がある、眠れない状態が続くなどの場合は、睡眠を医師に相談してください。
睡眠時間を5.5時間に減らした2週間で、減った除脂肪量(kg)
国の指針が示す睡眠時間の目安
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、睡眠時間について次のように整理しています。
| 項目 | ガイドの内容 |
|---|---|
| 成人の目安 | おおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ、少なくとも6時間以上を確保するよう努めることが推奨されている |
| 個人差 | 適正な睡眠時間には個人差がある。睡眠で休まった感覚(睡眠休養感)が得られる時間を探す |
| 短い睡眠の影響 | 睡眠時間が極端に短いと、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患などの発症リスクが高まることが、近年の研究で明らかになってきたとされている |
| 日本人男性労働者の追跡 | 約4万人を7年間追跡した調査で、睡眠が1日5時間未満の人は5時間以上の人と比べて、肥満になるリスクが1.13倍だった |
| 就寝前の運動 | 就寝前1時間以内の激しい運動は、睡眠の質を下げる可能性がある。寝る直前の運動は控えたほうがよいとされている |
ガイドに載っている日本の調査は男性労働者が対象で、1.13倍という差も大きなものではありません。短い睡眠の人すべてが太るという意味ではない点に注意してください。
睡眠不足と肥満|メタ分析でわかること
Cappuccioら(2008年)は、睡眠時間が短いことと肥満の関連を調べた研究を系統的に集め、メタ分析として報告しました。掲載誌はSleepです。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 対象 | 検索で見つかった696件のうち45件が条件に合い、うち30件(成人18件・子ども12件)を統合した。参加者は合計634,511人 |
| 成人 | 睡眠が短い人の肥満のオッズ比は1.55(95%信頼区間 1.43〜1.68) |
| 子ども | 同じく1.89(1.46〜2.43) |
| BMIの変化(成人) | 睡眠時間が1時間短いほど、BMIが0.35高い関連(−0.35、95%信頼区間 −0.57〜−0.12) |
著者らは、世界各地の横断研究で短い睡眠と肥満の関連が一貫して見られたとしつつ、重要な交絡因子の調整が足りないことや、追跡研究で時間の順序が一貫しないことから、原因と結果の判断は難しいと書いています。
たとえば、太っているから眠りが浅くなる、仕事が忙しくて睡眠も運動も足りない、といった別の事情が両方に影響している可能性があります。
実験で確かめた研究|睡眠を減らす・増やす
関連だけでなく、睡眠時間を実際に変えて調べた小規模なランダム化試験があります。
| 研究 | 対象と方法 | 結果 |
|---|---|---|
| Nedeltcheva 2010(Ann Intern Med) | 過体重の成人10人。14日間のカロリー制限中に、睡眠の機会を8.5時間と5.5時間で比べる交差試験 | 睡眠を短くすると、減った体重に占める脂肪の割合が55%減り、除脂肪量の減少が1.5kgから2.4kgに増えた。空腹感も増えた |
| Tasali 2022(JAMA Intern Med) | BMI 25.0〜29.9で普段の睡眠が6.5時間未満の21〜40歳、80人。睡眠衛生の指導で就床時間を8.5時間に延ばす群と、普段どおりの群を比べた | 延ばした群は睡眠が約1.2時間増え、摂取エネルギーが1日あたり270kcal少なかった(95%信頼区間 −393〜−147kcal)。消費エネルギーには差がなく、体重は減った |
どちらも対象が少人数か、特定の条件の成人です。Nedeltcheva らは、研究の期間と人数に限りがあることを自ら述べています。Tasaliらも、睡眠時間を長く保つことが減量の取り組みの一部になりうる、という控えめな結論にとどめています。
この結果から言えるのは、睡眠が足りない人が睡眠を整えると、食べる量が自然に減る可能性がある、という範囲までです。睡眠を延ばすだけで体重が減ると約束するものではありません。
ダイエット中の睡眠を整える手順
睡眠ガイド2023の内容から、取り入れやすいものを選びました。体調や持病によって合わない場合があります。
| やること | ガイドでの説明 |
|---|---|
| 朝食と朝の光 | 朝の日光浴は体内時計の調整に役立つ。朝食も体内時計の調整に寄与し、欠食を1週間ほど続けると体内時計が後退(遅寝・遅起き化)することが報告されている |
| 運動のタイミング | 運動はどの時間帯に行っても睡眠の質を改善するとされる。夕方や夜の運動でも、就寝の約2〜4時間前までならよい目安 |
| 寝る直前の運動 | 就寝前1時間以内の激しい運動は避ける |
| 夜食 | 就寝直前の夜食は控える |
| 画面を見る時間 | 長時間の座位行動(スクリーンタイムを含む)は、肥満の増加や睡眠時間の減少と関連する |
ダイエットで食事を減らしすぎると、空腹で眠りにくくなることもあります。睡眠時間を先に決めて、その枠の中で食事と運動の時間を組み立てる考え方が現実的です。
睡眠を含む生活面まで見てもらえるかは、指導内容を事前に確かめたいところです。ダイエット向けパーソナルジムのおすすめで、食事や生活の見方の違いを比べています。
よくある質問
ダイエット中は何時間寝ればよいですか?
国の指針では、成人はおおよそ6〜8時間で、少なくとも6時間以上が目安です。必要な時間には個人差があるため、睡眠で休まった感覚が得られる時間を探してください。
睡眠を増やせば痩せますか?
80人のランダム化試験では、睡眠を約1.2時間延ばした群で摂取エネルギーが1日あたり270kcal少なく、体重が減りました。ただし対象は睡眠が短い過体重の若い成人で、誰にでも当てはまるとは言えません。
寝不足だと食欲が増えますか?
10人の小さな試験では、睡眠を5.5時間にすると空腹感が増えたと報告されています。人数が少ないため、個人差も含めて参考程度に考えてください。
昼寝で睡眠不足を取り戻せますか?
睡眠ガイドは、長い昼寝は夜の眠りを妨げると述べています(高齢世代向けの記述)。夜の睡眠時間を確保することが基本です。
いびきや強い眠気があるときは?
肥満は睡眠時無呼吸の最大の発症危険因子とされ、睡眠の病気が隠れていることもあります。ダイエットの工夫だけで抱え込まず、医師に相談してください。
出典
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2026年10月確認)
- Cappuccio FP, et al. Meta-analysis of short sleep duration and obesity in children and adults. Sleep 2008;31:619-626(2026年10月確認)
- Nedeltcheva AV, et al. Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity. Ann Intern Med 2010;153:435-441(2026年10月確認)
- Tasali E, et al. Effect of Sleep Extension on Objectively Assessed Energy Intake Among Adults With Overweight in Real-life Settings: A Randomized Clinical Trial. JAMA Intern Med 2022;182:365-374(2026年10月確認)
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