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【写真つき】ノルディックカールのやり方|太もも裏の肉離れ研究と回数の目安

FITPEAK編集部 読了目安 11分

太ももの裏(ハムストリングス)を、道具なしで鍛えたい人に向けた記事です。

ノルディックカールは、スポーツの研究でよく使われる自重トレです。やり方は簡単に見えますが、実際はかなりきつい種目です。

この記事では、写真と動画で手順を見せ、回数の目安と、できない人の練習法、研究で分かっていること、注意点をまとめました。(2026年10月確認)

ノルディックカールは、膝立ちで上体をゆっくり前に倒す、太もも裏の自重トレです。

  • 足首を人に押さえてもらい、膝から頭まで一直線のまま倒れます。
  • 初めての人は、週1回、2セット×3〜4回から始めます(編集部の目安)。
  • 最後まで倒れない人は、途中で止めて手で受けてかまいません。
  • 競技者の研究では、肉離れの発生率が約半分でした。

3D種目図鑑で脚の種目の動きを見る
FITPEAK内のページに移動します(2026年10月確認)

ノルディックカールの開始姿勢(膝立ち)と終了姿勢(上体を前に倒した姿勢)を並べた写真。足首は後ろの人が押さえている
画像:Whyte ら「The effects of three hamstring programmes…」PLOS ONE 2026より(CC BY 4.0。図2のA・Bを切り出して並べ替え)。左が開始、右が終了

トップ画像:PLOS ONE(Whyteら、2026年)より。CC BY 4.0

ノルディックカールとは?正しいやり方は?

ノルディックカール(ノルディックハムストリングカール)は、膝立ちの姿勢から、上体を前へ倒していく種目です。足首は動かないように押さえます。

倒れるときに、太もも裏の筋肉が「伸ばされながら力を出す」のが特徴です。この動きを、エキセントリック(伸びながら力を出す動き)と呼びます。

項目 内容
種目の型 膝立ちで上体を前に倒す
主に働く筋肉 ハムストリングス
強く働く部位 半腱様筋(はんけんようきん)
必要なもの 足首を押さえる人、マット

※強く働く部位は、ボーンらの研究(2017年、男性24人)の結果です。MRIで、この種目では半腱様筋がほかの太もも裏の筋肉より強く働いていました。

ハムストリングスは、膝を曲げ、脚を後ろに引く筋肉です。走る・止まる動きでよく使われます。脚の筋トレ全体はハムストリングを鍛える種目の選び方でも解説しています。

正しいやり方(5つの手順)

手順は5つです。上の写真と、下の動画を見ながら確かめてください。

  1. 膝立ちになる:マットの上に膝をつき、背すじを伸ばします。腕は胸の前で組みます。
  2. 足首を押さえてもらう:後ろの人が、両足首を床に押しつけます。
  3. 一直線を作る:お尻と太ももに力を入れ、膝から頭までをまっすぐにします。腰は反らしません。
  4. ゆっくり倒れる:膝の角度を開くように、上体を前へ倒します。コントロールできなくなったところで止めます。
  5. 手で受けて戻る:床に手をつき、腕で軽く押して、膝立ちに戻ります。

この手順は、理学療法の運動集「Physitrack」の説明をもとにしています。膝と股関節をそろえ、背骨をまっすぐ保ち、お腹の奥に力を入れる点が共通しています。

上の動画は、理学療法のチャンネル「E3 Rehab」による、英語の解説です。セットの作り方と、やさしくする方法、代わりの種目が紹介されています。

よくある間違い

  • お尻が後ろに引けて、「く」の字になる
  • 腰が反って、お腹が前に出る
  • 最初の数cmで勢いよく倒れてしまう
  • 足首が浮いて、押さえが外れる

足首を押さえる人が不安定だと、ケガにつながります。押さえる人は、体重をかけてしっかり固定してください。

パートナーがいない場合は、足首を固定できる器具やジムのマシンを使う方法もあります。ぐらつく家具は使わないでください。2人で行う種目の見守り方は、腹筋と体幹の合トレが参考になります。

何回・何セット、週何回が目安?

回数に、決まった正解はありません。ここでは、研究で使われた進め方と、編集部の目安を分けて紹介します。

研究で使われた4週間の例

アイルランドの研究(Whyteら、2026年)です。女子フットボール選手35人が、4週間行いました。進め方は次の表のとおりです。

週 頻度 セット 回数
1週目 週2回 2 6回
2週目 週2回 3 6回
3週目 週2回 4 8回
4週目 週2回 4 10回

※1回ごとの休憩は10秒、セット間は3分です。専門家が見守る中で行われました。

ノルウェーの研究(2004年)でも、2セット×6回から始めています。4週間で、3セット×8〜12回へ増やしました。

初めての人の目安(編集部)

この種目は、慣れていない人ほど、翌日以降に強い筋肉痛が出やすいと考えられます。オーストラリアの研究(Behanら、2023年、男性40人)では、少ない量のほうが、筋肉痛と痛みが小さくなりました。

そこで編集部は、研究の例より少ない量から始めることをすすめます。

時期 やり方 頻度
はじめ〜2週 2セット×3〜4回 週1回
3〜4週 2〜3セット×4〜6回 週1〜2回
慣れたら 研究の例を参考に 週1〜2回

※編集部の目安で、研究で確かめた処方ではありません。痛みが強い日は休んでください。

筋トレの頻度は、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が目安になります。筋力トレーニングを、週2〜3日行うことがすすめられています。ノルディックカールは負荷が大きいため、ほかの脚の日と重ねすぎないようにしてください。

回数と頻度の考え方は自重トレーニングの回数・セット・頻度に、休養の取り方は自重トレーニングは毎日やっていい?にまとめています。

なお、少ない量でも効果が出る可能性があります。オーストラリアの研究(Preslandら、2018年、男性20人)でも、同じ傾向でした。

6週間後、多い量と少ない量の両方で、筋束(筋肉の繊維の束)が長くなりました。下ろす動きの筋力も、増えていました。

最後まで倒れない人は、どう練習する?

最後まで倒れられなくても問題ありません。最初は、途中まで倒れて、手で受け止める形で行います。

Physitrackの説明でも、初心者は動く範囲を小さくしたり、支えを使ったりして始めるとされています。

  1. 浅い角度で止まる。手で床を受ける
  2. 少しずつ、倒れる角度を深くする
  3. 手を使う量を、少しずつ減らす

別の種目で太もも裏を鍛える

足首を押さえる人がいないときは、別の種目でも太もも裏を使えます。上の研究(Whyteら)では、ノルディックカール、片脚ハムストリングブリッジ、レイザーカールの3つを4週間行いました。

結果は、3つとも膝を曲げる力と、股関節を伸ばす力が増え、種目による差は見られませんでした。対象は女子フットボール選手35人で、期間は4週間と短い点に注意してください。

片脚ハムストリングブリッジの開始姿勢と終了姿勢の写真。あお向けで片脚を台にのせ、お尻を持ち上げる
画像:Whyte ら PLOS ONE 2026より(CC BY 4.0。図2のC・Dを切り出して並べ替え)。片脚ハムストリングブリッジの開始と終了
種目 必要なもの
ノルディックカール 足首を押さえる人
片脚ハムストリングブリッジ 足をのせる台

道具のいらない代わりの種目には、ヒップリフトがあります。ヒップリフトは、あお向けで膝を曲げ、お尻を持ち上げる種目です。

片脚ヒップリフトの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

やり方はヒップリフトのやり方で解説しています。脚全体のメニューは自重で脚とお尻を鍛える筋トレにあります。

肉離れの予防や筋力アップは、研究で分かっている?

ノルディックカールの研究は多く、肉離れの予防では、次の結果があります。

研究 対象 結果
Petersen 2011 男子サッカー942人 発生率が約0.3倍
van der Horst 2015 アマチュア579人 発生が少なかった
van Dyk 2019 15件・8,459人 リスク比0.49

※Petersenら:1シーズンの急性の肉離れが、100人あたり、実施群3.8、対照群13.1。van Dykら:15件の研究をまとめた分析。van der Horstら:重症度の差はなし。

デンマークのペーターセンらは、プロとアマチュアの男子サッカー50チーム、942人を、実施群と対照群に分けました。実施群は10週間の段階的な運動を行い、その後は週1回続けました。

1シーズンで、急性の肉離れは、対照群52件、実施群15件でした。

2019年のファン・ダイクらの分析は、15件の研究をまとめています。ノルディックカールを含む予防プログラムで、肉離れのリスク比は0.49でした。リスクが最大51%下がる、と報告されています。

ただし、対象の多くはサッカーなどの競技者です。一般の人が同じ結果になるとは言い切れません。また、肉離れが「必ず防げる」わけではありません。

筋力と筋肉の変化

ノルウェーの研究(2004年)では、10週間のノルディックカールで、下ろす筋力が11%増えました。通常のレッグカールのグループには、変化がありませんでした。対象は、男子サッカー選手21人です。

ボーンらの研究(2017年、男性30人)では、10週間のノルディックカールで、太もも裏の筋束が長くなりました。一方、筋肉を大きくする目的では、股関節を伸ばす種目のほうが有利な可能性が示されています。

つまり、ノルディックカールは「肉離れの研究が多い種目」です。見た目の筋肥大が目的なら、ほかの種目も組み合わせてください。

筋肉痛や注意点は?向かない人は?

最も多い悩みは、強い筋肉痛です。前に紹介したBehanらの研究でも、量を増やすほど、筋肉痛が大きくなりました。

膝・太もも裏・腰に痛みがある人、肉離れの治療中の人は、始める前に医師か理学療法士に相談してください。痛みが出たらすぐやめてください。

  • 最初の2週間は、翌日の筋肉痛を見ながら量を決める
  • 膝が痛い床では、厚めのマットを使う
  • 首だけを動かさず、膝から頭を一直線に保つ
  • 足首を押さえる人を、必ず決めておく
  • 同じ日に、ほかの脚の種目をやりすぎない

向かない人

  • 肉離れの直後で、痛みが残っている人
  • 膝をつくと強い痛みが出る人
  • 足首を押さえてくれる人も、固定できる器具もない人

該当する人は、ヒップリフトなど、負荷が小さい種目から始めてください。

よくある質問

ノルディックカールは毎日やってもいいですか?

おすすめしません。研究の例は週2回で、編集部は週1〜2回を目安にしています。筋肉痛が残っている間は休んでください。

1人でもできますか?

足首を確実に固定できれば可能です。固定できる器具やジムのマシンを使う方法があります。ぐらつく家具は使わないでください。

1回も下ろせないのですが、効果はありますか?

途中まで下ろして手で受ける形でも行えます。浅い角度から始めて、少しずつ深くしてください。

筋肉痛がひどいときはどうしますか?

量を減らし、回数を2〜3回に落とします。痛みが強い日は休んでください。痛みが長く続く場合は、医師に相談してください。

レッグカールとどちらがいいですか?

ノルウェーの研究では、10週間後に、下ろす動きの筋力がノルディックカールだけ11%増えました。ただし、対象はサッカー選手21人です。ジムのマシンがあれば、併用もできます。

まとめ

ノルディックカールは、足首を押さえてもらい、上体をゆっくり倒す、太もも裏の自重トレです。

初めての人は、週1回、2セット×3〜4回から始め、途中まで下ろして手で受ける形で十分です。競技者の研究では、肉離れの発生率が約半分でした。ただし、一般の人で同じ結果になるとは限りません。

3D種目図鑑でヒップリフトなどの動きを見る
FITPEAK内のページに移動します(2026年10月確認)

出典

2026年10月に開いて確認しました。

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この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。