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自重トレーニングの回数・セット・頻度|目的別の目安と決め方

FITPEAK編集部 読了目安 10分

自重トレーニングの基本の目安は「8〜20回で限界の近くになる種目を、1種目2〜3セット、週2〜3回」です。自重は重さを変えられないので、回数そのものより「その回数で限界に近づくか」が大切です。20回以上楽にできるなら、回数を増やすより種目を難しくしましょう。

自重トレーニングは何回やればいい?

1セットの回数は8〜20回が目安です。ただし「何回やるか」より「限界の近くまで届くか」が大切です。

シェーンフェルドら(2017年)が21の研究をまとめたメタ解析では、すべてのセットを限界まで行う条件なら、軽い負荷(1回だけ挙げられる重さ=1RMの60%以下)でも重い負荷でも、筋肥大の大きさは同じくらいでした。つまり、回数が多めになりやすい自重トレでも、限界の近くまで行えば筋肉は育ちます。

一方で、回数が30回、40回と増えると、筋肉より先に息が上がったり、集中が切れたりして、限界まで届きにくくなります。そこで実際には、8〜20回のあいだで限界の近くになる難しさの種目を選ぶのが続けやすい方法です。

楽にできる回数 判断 やること
5回未満 難しすぎる 1段階やさしい種目にする
5〜8回 やや難しい 筋力を伸ばしたい人には合う
8〜20回 ちょうどよい このまま回数を伸ばす
20回以上 やさしすぎる 1段階難しい種目にする

たとえば、腕立て伏せが5回もできない人は膝つきか机に手をつく形に、30回以上できる人は足を台に乗せる形や、手幅をせまくした形に変えます。種目の変え方は 自重で負荷を上げる方法 で段階ごとにまとめています。

限界の近くとはどれくらい?

目安は「正しいフォームで、あと1〜3回できるかどうか」のところです。

初心者は、最初の1〜2週間は「あと3回くらいできる」ところで止め、フォームを覚えることを優先してください。慣れてきたら、「あと1〜2回」のところまで近づけます。毎セット完全に動けなくなるまで行う必要はありません。動きが遅くなる、フォームが崩れ始めるといったサインが出たら、そのセットは終わりにします。

セット数は何セットがいい?

1種目あたり2〜3セット、1つの部位あたり週6〜10セットほどが目安です。

シェーンフェルドら(2017年)が15の研究・34のグループをまとめたメタ解析では、1つの部位に行う週あたりのセット数が多いほど、筋肉の増え方が大きくなる関係が見られました。週のセット数が1増えるごとに筋肉の増加率が0.37%ずつ大きくなるという計算で、分析では「週5セット未満」「5〜9セット」「10セット以上」の3段階も比べられています。

週のセット数の数え方

週のセット数は「その部位を主に使う種目のセット数」を合計して数えます。

曜日 胸を使う種目 セット 胸の合計
月 腕立て伏せ 3 3
水 インクライン腕立て伏せ(Incline Push-up) 3 6
金 腕立て伏せ 3 9

この例では、胸は週9セットです。初心者は週6セット前後から始め、回復が追いつくようなら少しずつ増やします。いきなり大きく増やすと、筋肉痛が長引いたり、関節に負担がかかったりします。

週何回やればいい?(頻度の目安)

週2〜3回、同じ部位は1日以上あけるのが基本です。

公的な指針もこの範囲で一致しています。

  • 世界保健機関(WHO)の2020年のガイドライン: 成人は主な筋肉群を使う中等度以上の筋力強化の運動を週2日以上
  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」: 筋トレを週2〜3日
  • アメリカスポーツ医学会(ACSM)の2011年の見解: 主な筋肉群ごとの筋トレを週2〜3日

筋肥大の研究では、シェーンフェルドら(2016年)が10の研究をまとめ、週1回より週2回のほうが筋肥大の効果が大きいと報告しました。その後、同じグループが25の研究をまとめた2019年のメタ解析では、週の合計セット数をそろえると、頻度による差ははっきりしないという結果でした。

ここから言えるのは、週の合計セット数が同じなら、何回に分けるかは自由に選んでよいということです。ただし、1回に何セットも詰め込むと後半の質が落ちやすいので、週2回以上に分けるほうが実践的です。

経験に応じた頻度の目安

ACSMの2009年の見解では、筋トレの頻度は、初心者で週2〜3日、中級者(約6か月の継続経験)で週3〜4日、上級者で週4〜5日が目安とされています。

経験 週の回数 組み方の例
初心者(〜6か月) 2〜3回 毎回全身
中級者(6か月〜) 3〜4回 上半身と下半身を交互
上級者 4〜5回 押す・引く・脚に分ける

毎日行いたい人は、部位を分けて同じ部位が連日にならないように組んでください。詳しくは 自重トレーニングは毎日やってもいい? と 毎日筋トレしてもいい? で解説しています。

目的別に回数・セット・休憩はどう変える?

目的によって、選ぶ種目の難しさと休憩の長さが変わります。ACSMの2009年の見解をもとに、自重向けに置きかえた目安が次の表です。

目的 1セットの回数 セット 休憩 頻度
健康づくり 8〜15回 1〜2 60〜90秒 週2〜3回
筋肥大 8〜20回(限界の近く) 2〜4 1〜2分 部位ごとに週2回
筋力 3〜8回で限界になる難しい種目 3〜5 2〜5分 週2〜3回
筋持久力 15回以上 2〜3 90秒未満 週2〜3回

ACSMの見解では、筋肥大には1〜12回で限界になる負荷のうち6〜12回を中心に、休憩1〜2分が、筋持久力には15回より多い回数を90秒未満の休憩で行うことがすすめられています。自重では1回あたりの負荷が軽めになりやすいので、筋肥大の回数は少し多めの範囲にしています。

筋力を伸ばしたいとき

筋力を伸ばしたいときは、片脚スクワットや片手に体重を寄せる腕立て伏せなど、少ない回数で限界になる難しい種目を使います。ピストルスクワット(Pistol Squat)や懸垂がその例です。

フォワードランジの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

ランジ(Lunge)は片脚に体重が乗りやすく、スクワット(Squat)より少ない回数で限界に近づけます。スクワットが楽になった人の次の一歩に向いています。

プランクなど静止する種目は何秒?

プランク(Plank)やウォールシット(Wall Sit)など、止まって耐える種目は「秒数」で考えます。正しい姿勢で20〜60秒を2〜3セットが目安です。60秒以上楽にできるようになったら、秒数を伸ばすより、片手や片脚を浮かせるなど難しい形に変えます。

プランクの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

プランクの姿勢と時間の決め方は プランクのやり方と時間 に詳しくまとめています。

セット間の休憩は何分とればいい?

基本は60〜90秒、筋肥大を狙うなら1〜2分、難しい種目で筋力を狙うなら2〜5分が目安です(ACSMの見解では、重い負荷で筋力を狙う場合の休憩は3〜5分)。

休憩が短すぎると、次のセットで回数が大きく落ち、週の合計の運動量が減ってしまいます。「前のセットとほぼ同じ回数ができるくらい」まで休むのが一つの目安です。時間を節約したい場合は、腕立て伏せとスクワットのように違う部位の種目を交互に行うと、片方を休ませながら進められます。詳しくは セット間の休憩時間の目安 を参考にしてください。

1回の動きはどれくらいの速さで行う?

ACSMの2009年の見解では、筋肥大と筋力のトレーニングに、上げる動きと下ろす動きをそれぞれ1〜2秒ほどの中くらいの速さで行うことがすすめられています。

自重では、下ろす動きを2〜3秒かけてゆっくり行うと、同じ回数でもきつさが上がります。勢いをつけて反動で回数を稼ぐと、筋肉への刺激が減るうえ、関節に負担がかかります。

痛みが出たらその種目はすぐに中止してください。持病のある人、妊娠中の人、けがをしている人は、始める前に医師に相談してください。運動中に胸の痛み、息苦しさ、めまいを感じたら、すぐに中止して休み、続く場合は医療機関を受診してください。

回数やセットはどう記録すればいい?

記録は「日付・種目・各セットの回数・きつさ」の4つをメモするだけで十分です。きつさは「あと何回できそうだったか」で書くと、次回の調整に使えます。

日付 種目 1セット目 2セット目 3セット目 余裕
1日目 腕立て伏せ 12回 10回 9回 あと2回
3日目 腕立て伏せ 13回 11回 10回 あと2回
5日目 腕立て伏せ 14回 12回 11回 あと1回

このように少しずつ回数が伸びていれば、今の回数・セット・頻度が合っている証拠です。2週間ほど伸びが止まっている場合は、休養が足りないか、種目を変える時期だと考えてください。

具体的にはどう決めればいい?(手順)

次の手順で、自分の回数・セット・頻度を決められます。

  1. 目的を1つ決める(健康づくり・筋肥大・筋力・筋持久力)
  2. 各部位から1種目ずつ選び、正しいフォームで何回できるかを試す
  3. 8〜20回で限界の近くになる種目に調整する(筋力が目的なら3〜8回)
  4. 1種目2セット、週2〜3回から始める
  5. 2週間続けて回復が追いつくなら、1種目3セットに増やす
  6. 全セットで目標回数の上限に届いたら、種目を1段階難しくする

1週間の具体的なメニュー例は 自重トレーニングの初心者メニュー に、筋肉を大きくしたい人向けのメニューは 自重で筋肉は大きくなる? にあります。種目の動きは 3D種目図鑑 で確認できます。

よくある質問

腕立て伏せは1日何回やればいいですか?

決まった回数はありません。限界の近くまで8〜20回のセットを、2〜3セット行うのが目安です。10回もできない人は膝つきに、30回以上楽にできる人は足を台に乗せるなど、種目の難しさで調整してください。基本のフォームは 腕立て伏せの正しいやり方 で解説しています。

1セットだけでも効果はありますか?

運動をしていない状態に比べれば、1セットでも意味があります。ただ、週のセット数が多いほど筋肉の増え方が大きくなる関係が研究で見られているので、慣れてきたら2〜3セットに増やすのがおすすめです。

回数が増えすぎたらどうすればいいですか?

20回以上楽にできるようになったら、回数をさらに増やすより、種目を1段階難しくするほうが時間の節約にもなります。片手・片脚にする、足を高くする、ゆっくり下ろすなどの方法があります。

週1回しか時間がとれません。意味はありますか?

週1回でも、何もしないよりは体への刺激になります。可能なら、10分ほどの短いメニューを週にもう1回加えて、各部位を週2回刺激できるようにすると効率的です。短いメニューは 自宅でできる10分の自重メニュー を参考にしてください。

休養日には何をすればいいですか?

散歩やストレッチなどの軽い運動がおすすめです。休養日の考え方は 筋トレの休養日の目安 にまとめています。ほかの記事は 自重トレ大全のトップ から探せます。

出典

この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。