自宅で10分の自重筋トレ|道具なしでできる全身メニューと組み方
自宅で10分あれば、道具なしでも全身の自重筋トレができます。おすすめは「40秒動いて20秒休む」を10種目くり返す形で、週3回を目安に続けます。短い時間でも、限界に近い強さで行えば筋力や持久力の向上が期待でき、公的な指針も「少しでも多く体を動かすこと」を勧めています。
10分の自重筋トレに意味はある?
意味はあります。短い時間でも、強さと続け方を工夫すれば、体力や筋持久力の向上が報告されています。
McRaeら(2012年)の研究では、運動習慣のある若い女性22人を3つのグループに分け、4週間・週4日のトレーニングを行いました。そのうちの1つのグループは、バーピー、ジャンピングジャック、マウンテンクライマーなどの全身運動を20秒行って10秒休む、を8回(合計4分)くり返しただけでした。それでも、30分の走る運動を行ったグループと同じくらい最大酸素摂取量(持久力の指標)が上がり(約8%)、さらに腕立て伏せやシットアップなどの筋持久力も伸びました(腕立て伏せは+135%)。人数の少ない研究ですが、短い全身運動の可能性を示しています。
また、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、1日あたり10分の身体活動を増やすことで、生活習慣病の発症や死亡のリスクが約3%下がると推測されると紹介しています。同じガイドは、成人に筋力トレーニングを週2〜3日行うことを勧めています。10分のメニューを週3回行えば、この目安を満たせます。
ただし、10分で得られる刺激には限りがあります。筋肉を大きくすることを主な目的にするなら、週に何回かは時間をのばす日をつくるとよいでしょう。詳しくは自重トレーニングの回数・セット・頻度をご覧ください。
10分メニューはどう組めばいい?
「40秒運動+20秒休憩」を1分として、10種目を順番に行うのが基本の形です。 タイマーを1分ごとに鳴るよう設定しておくと、時間を見ずに集中できます。
組み方のポイントは次の3つです。
- 同じ部位を続けない: 脚 → 押す → 体幹 → 引く(背中)のように、部位を入れ替えて並べると、休みながら全身を回せます。
- 心拍が上がる種目を間にはさむ: マウンテンクライマーやジャンピングジャックを入れると、短い時間でも息が弾む運動になります。
- 最初の1分は準備運動にする: いきなり強い運動をすると、関節や筋肉に負担がかかります。
基本の全身10分メニューは?
下の表が、道具なしでできる全身の10分メニューです。 各種目40秒、できるだけよいフォームで、続けられる速さで行います。
| 順番 | 種目 | 時間 | 休憩 | 主に使う部位 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | その場足踏み・腕回し(準備運動) | 40秒 | 20秒 | 全身 |
| 2 | 自重スクワット | 40秒 | 20秒 | 太もも・お尻 |
| 3 | 腕立て伏せ(難しければ膝つき) | 40秒 | 20秒 | 胸・肩・腕 |
| 4 | マウンテンクライマー | 40秒 | 20秒 | 体幹・全身 |
| 5 | バックランジ(左右交互) | 40秒 | 20秒 | 太もも・お尻 |
| 6 | スーパーマン | 40秒 | 20秒 | 背中 |
| 7 | ヒップリフト | 40秒 | 20秒 | お尻・太ももの裏 |
| 8 | プランク | 40秒 | 20秒 | 体幹 |
| 9 | ジャンピングジャック(またはバーピー) | 40秒 | 20秒 | 全身 |
| 10 | デッドバグ | 40秒 | 20秒 | 体幹 |
自重スクワットの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)
スクワットは、太ももが床と平行になるくらいまでしゃがみ、膝がつま先と同じ方向を向くようにします。動きは3D種目図鑑でいろいろな角度から確認できます。
マウンテンクライマーの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)
マウンテンクライマー(Mountain Climber)は、腕立て伏せの姿勢から左右の膝を交互に胸へ引き寄せる種目です。お尻が上がりすぎたり、腰が落ちたりしないよう、体を一直線に保ちましょう。腕立て伏せとプランクの基本のフォームは、KINNIKU TIMESの腕立て伏せのやり方とプランクのやり方で詳しく解説しています。
レベルに合わせて、どう調整する?
同じ10分でも、運動と休憩の比率と、種目の種類で強さを変えられます。
| レベル | 運動/休憩 | 種目の調整 |
|---|---|---|
| はじめて | 30秒/30秒 | 膝つき腕立て、浅めのスクワット、ジャンピングジャックは足を横に出すだけ |
| 慣れてきた | 40秒/20秒 | 表のとおり |
| 物足りない | 45秒/15秒 | ジャンプスクワット、デクラインプッシュアップ、ジャンピングジャックをバーピーに変える |
バーピーの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)
バーピー(Burpee)は、しゃがむ・脚を後ろに伸ばす・戻る・跳ぶを続ける全身運動で、短い時間で心拍を大きく上げられます。きつい場合は、跳ばずに立ち上がるだけにしても構いません。
回数を数えて、少しずつきつくする
40秒の間に何回できたかを記録しておくと、伸びが分かります。同じ種目で回数が増えてきたら、休憩を短くする、難しい種類に変えるなどで負荷を上げましょう。負荷の上げ方の考え方は自重で負荷を上げる方法にまとめています。
部位を絞った10分メニューは?
日によって下半身・上半身に分けると、それぞれをより強く使えます。 1種目を40秒行い、20秒休んで次へ進みます。5種目を2周すると10分です。
下半身の10分(5種目×2周)
| 種目 | 時間 | 休憩 |
|---|---|---|
| 自重スクワット | 40秒 | 20秒 |
| バックランジ(左右交互) | 40秒 | 20秒 |
| ワイドスクワット | 40秒 | 20秒 |
| ヒップリフト | 40秒 | 20秒 |
| カーフレイズ | 40秒 | 20秒 |
脚とお尻の鍛え方は自重で脚とお尻を鍛えるで詳しく紹介しています。
上半身と体幹の10分(5種目×2周)
| 種目 | 時間 | 休憩 |
|---|---|---|
| 腕立て伏せ(難しければ膝つき) | 40秒 | 20秒 |
| スーパーマン | 40秒 | 20秒 |
| パイクプッシュアップ | 40秒 | 20秒 |
| サイドプランク(20秒ずつ左右) | 40秒 | 20秒 |
| ベンチディップス(椅子を使う) | 40秒 | 20秒 |
椅子を使うときは、壁に背もたれをつけるなどして、動かないように固定してください。腹筋をもっと鍛えたい人は自重の腹筋メニューも組み合わせてみてください。
軽い日の10分(毎日行いたい人向け)
疲れが残っている日や、毎日体を動かしたい日は、関節への負担が小さい種目を中心にします。バードドッグ、デッドバグ、ヒップリフト、浅めのスクワット、プランクを各40秒、2周行います。毎日行う場合の考え方は自重トレーニングは毎日やっていい?で解説しています。
痛みが出たら、その場で中止してください。持病のある人、妊娠中の人、けがをしている人は、始める前に医師に相談してください。胸の痛み、息苦しさ、めまいを感じたときは、すぐに運動をやめて安静にしてください。ジャンプする種目は、集合住宅では下の階への音にも配慮し、跳ばない種類に変えてください。
1週間でどう回せばいい?
全身メニューを週3回、間に1日ずつ休むか軽い日をはさむのが基本です。
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月 | 全身の10分 |
| 火 | 休み、または軽い日の10分 |
| 水 | 下半身の10分 |
| 木 | 休み、または軽い日の10分 |
| 金 | 上半身と体幹の10分 |
| 土 | 全身の10分(余裕があれば2周で20分) |
| 日 | 休み、散歩など |
筋力トレーニングに加えて、ふだんの歩く量も大切です。世界保健機関(WHO)の2020年の指針(Bullら、2020年)は、成人に中くらいの強さの身体活動を週150〜300分、主要な筋肉を使う筋力強化の運動を週2日以上行うことを勧めています。10分の筋トレと、日々の歩行を組み合わせて考えましょう。
もう少し時間をとれる人や、1週間のメニューを最初から組み立てたい人は、自重トレーニングの初心者メニューを参考にしてください。
10分メニューの効果を高めるコツは?
休憩を守ること、フォームを崩さないこと、記録をつけることです。
- 休憩を勝手に延ばさない: 決めた時間で次へ進むことで、短い時間でも心拍が上がった状態を保てます。
- フォームを優先する: 疲れてくると、スクワットが浅くなる、腕立て伏せで腰が落ちるなどの崩れが出ます。回数よりフォームを守りましょう。
- 時間帯を決める: 朝起きてすぐ、帰宅後すぐなど、毎回同じ時間に行うと習慣になりやすくなります。
- 食後すぐは避ける: 食べてすぐに強い運動をすると気分が悪くなることがあります。食後は少し時間をあけてください。
- 終わったら1〜2分体を伸ばす: 太ももの前後、お尻、胸、肩をゆっくり伸ばし、呼吸を整えてから終えましょう。心拍が上がったまま急に座り込むより、少し歩きながら落ち着かせるほうが体への負担が小さくなります。
よくある間違い
- 最初から飛ばしすぎる: 前半で全力を出しきると、後半の種目でフォームが崩れます。最初の数種目は、8割くらいの力で入るのが目安です。
- スクワットで膝が内側に入る: 膝とつま先の向きをそろえ、体重を足の裏全体にのせます。かかとが浮く人は、しゃがむ深さを少し浅くしてください。
- 腕立て伏せで腰が落ちる・お尻が上がる: 頭からかかとまでを一直線に保ちます。保てない場合は膝つきに変えたほうが、狙った筋肉を使えます。
- プランクで息を止める: 力を入れながらも、細く長く呼吸を続けます。息を止めると血圧が上がりやすくなります。
- 同じメニューを何か月も続ける: 体が慣れると刺激が足りなくなります。2〜4週間ごとに、種目の種類や運動と休憩の比率を見直しましょう。
自重トレ大全のほかのメニューや種目の解説は、自重トレ大全のトップから探せます。
よくある質問
10分の筋トレは毎日やってもいいですか?
軽い日を交えれば、毎日行っても問題ないことが多いです。全身を強く行う日は週3回程度にし、ほかの日は軽い日のメニューや休みにすると、疲れがたまりにくくなります。
10分の筋トレで筋肉はつきますか?
限界に近い強さで行い、少しずつ負荷を上げていけば、筋力や筋持久力の向上が期待できます。筋肉を大きくすることが主な目的なら、週に何回かは時間をのばし、1種目あたりのセット数を増やしましょう。
朝と夜、どちらにやるのがよいですか?
続けやすい時間帯で構いません。朝は体が冷えていることが多いので、準備運動の時間を少し長めにとってください。寝る直前の強い運動は、寝つきに影響する人もいます。
道具は本当に何もいりませんか?
表の種目は、ほとんどが道具なしでできます。ベンチディップスだけは椅子を使います。床がかたい場合は、ヨガマットやたたんだバスタオルを敷くと、手や膝が痛くなりにくくなります。
10分の筋トレだけでダイエットになりますか?
筋トレは消費するエネルギーを増やし、筋肉を保つことに役立ちますが、体重の変化は食事の内容や日々の活動量の影響を大きく受けます。筋トレと食事、歩く量をあわせて見直すのが現実的です。考え方は女性の自重トレーニングとダイエットでも解説しています。
出典
- McRae G ほか 2012「Extremely low volume, whole-body aerobic-resistance training improves aerobic fitness and muscular endurance in females」Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism
- 厚生労働省 2024「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」成人版
- Bull FC ほか 2020「World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour」British Journal of Sports Medicine
この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。