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マウンテンクライマーのやり方|体幹と心肺を使うコツと時間の目安

FITPEAK編集部 読了目安 7分

マウンテンクライマー(Mountain Climber)は、腕立て伏せの姿勢で両脚を交互に胸へ引き寄せる種目です。ゆっくり行えば体幹の種目に、速く行えば息が上がる全身運動になります。はじめは「体をまっすぐ保てる速さ」で、20〜30秒から始めるのが目安です。

マウンテンクライマーの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

マウンテンクライマーはどこに効く?

マウンテンクライマーでは、体をまっすぐ支えるおなかと背中の筋肉、体重を支える肩と腕、脚を引き寄せる股関節の前の筋肉が同時に働きます。プランクの姿勢を保ったまま脚を動かすので、「止まって支える力」と「動きながら支える力」の両方が求められます。

速さを上げると、心拍数が上がる全身運動にもなります。エバンジェリスタら(2019年)の研究では、運動習慣のある健康な成人25人を2つのグループに分け、一方はジャンピングジャック・マウンテンクライマー・バーピー・ジャンプスクワットを使った高強度インターバルトレーニング(30秒全力・30秒休みを20セット)、もう一方は心拍数の上限の80%の強さで20分間のランニングを、週3日・6週間行いました。体の組成や筋肉の厚みには、どちらのグループもはっきりした変化はありませんでしたが、腕立て伏せの回数の伸びは、インターバルトレーニングのグループの方が大きくなりました。

このように、マウンテンクライマーは筋肉をつけることを主な目的にするより、体幹の安定と心肺への刺激を一度に得たいときに向いた種目です。

マウンテンクライマーの正しいやり方は?

ポイントは「頭からかかとまでを一直線に保ったまま、脚だけを動かす」ことです。

  1. 床に両手をつき、肩の真下に手首がくるようにします。指は前へ向けて開きます。
  2. 両脚を後ろへ伸ばし、つま先を立てて、頭からかかとまでをまっすぐにします(腕立て伏せの上の姿勢)。
  3. おなかに力を入れ、右ひざを胸の方へ引き寄せます。つま先は床から少し浮かせます。
  4. 右脚を元の位置へ戻しながら、左ひざを胸の方へ引き寄せます。
  5. 左右を交互に繰り返します。呼吸は止めず、2歩ごとに吸う・吐くなど、一定のリズムで続けます。

上の3Dアニメーションでは、脚を動かしても腰の高さとお尻の高さがほとんど変わらない点に注目してください。

腰が落ちる・お尻が上がるのはどう直す?

どちらも、おなかの力が抜けているサインです。速さを落として、姿勢を保てる範囲で動きましょう。

  • 腰が落ちる人: おへそを軽く背中側へ引き寄せ、お尻に少し力を入れます。ひざを引き寄せる幅を小さくすると、姿勢を保ちやすくなります。
  • お尻が上がる人: 脚を引き寄せるたびにお尻が上へ逃げると、体幹への負荷が抜けます。肩の真上に体重を乗せたまま、ひざだけを前へ出す意識をもちます。
  • 肩がつらい人: 手首が肩より前に出ていると、肩に負担がかかります。手の位置を肩の真下に戻してください。

ゆっくりと速く、どちらで行えばいい?

目的で選びます。体幹を鍛えたいなら、片脚に2秒ほどかけてゆっくり行い、腰とお尻の高さを保つことに集中します。心拍数を上げたいなら、姿勢を保てる範囲でリズムを速くします。

はじめての人は、ゆっくりのやり方で姿勢を身につけてから、少しずつ速さを上げるのがおすすめです。速さを上げたときに腰が揺れ始めたら、まだその速さに体が慣れていないサインなので、ひとつ前の速さに戻してください。

よくある間違いは?

  • 速さを優先して、腰が上下に大きく揺れている
  • お尻が高く上がり、山のような形になっている
  • 手が肩より前や外にずれている
  • 足先で床をたたくように強く踏みこんでいる
  • 頭が下がり、目線がおへその方を向いている
  • 息を止めて続けている

時間とセットの目安は?

マウンテンクライマーは回数より時間で区切ると続けやすい種目です。

レベル やり方 時間 セット 休憩
初心者 1歩ずつゆっくり(または台に手をつく) 20秒 2〜3セット 40秒
中級者 一定のリズムで続ける 30秒 3〜4セット 30〜40秒
上級者 速いリズムで行う 30〜40秒 4〜6セット 20〜30秒

筋力トレーニングとしては週2〜3日が目安です。アメリカスポーツ医学会(ACSM)の指針(ガーバーら、2011年)は、成人に主な筋群の筋力トレーニングを週2〜3日行うことを勧めています。また、世界保健機関(WHO)の2020年の指針(ブルら、2020年)は、成人に週150〜300分の中強度、または週75〜150分の高強度の有酸素性の身体活動を勧めています。息が上がるほど速く行うマウンテンクライマーは、この高強度の活動の一部としても数えられます。

回数とセットの考え方は自重トレーニングの回数・セット・頻度、休み方はセット間休憩の記事も参考にしてください。

やさしくする・きつくする方法は?

やさしくするバリエーション

  • 台に手をつく: 机やソファなど安定した台に手をつくと、体を支える負荷が軽くなります。腕立て伏せの姿勢がつらい人の出発点です。
  • 1歩ずつ止める: ひざを胸に引き寄せたら、つま先を元に戻し、一度両足をそろえてから反対側を動かします。
  • ゆっくり行う: 片脚に2秒ずつかけて動かすと、体幹の種目として取り組めます。

きつくするバリエーション

  • クロスボディマウンテンクライマー: 右ひざを左ひじの方へ、左ひざを右ひじの方へ斜めに引き寄せます。わき腹の筋肉も使います。
  • リズムを速くする: 姿勢を保てる範囲で速さを上げると、心拍数が上がりやすくなります。
  • ほかの全身種目と組み合わせる: バーピーやジャンプスクワットと交互に行うと、短い時間で全身を使うメニューになります。

短い時間で息を上げたいときの組み方は?

マウンテンクライマーは、短い時間のメニューに組み込みやすい種目です。フィリョら(2022年)の研究では、運動経験のある男性11人が、ジャンピングジャック・バーピー・マウンテンクライマー・ジャンプスクワットを30秒全力・30秒休みで20セット行い、心拍数・血中の乳酸・主観的なきつさが上がることが確かめられました。好きな音楽を聞きながら行った条件では、動作の回数が増え、気分の面でも快い反応が多くみられました。

ただし、こうした全力に近いやり方は運動に慣れた人を対象にした研究です。はじめは中級者の表の強さで、10分の自宅メニューの一部として取り入れるのがおすすめです。ほかの種目の動きは3D種目図鑑で確かめられます。

手首・肩・腰に痛みが出たら、すぐに中止してください。心臓や血圧の持病がある人、妊娠中の人、けがをしている人は、始める前に医師に相談してください。運動中に胸の痛み・息苦しさ・めまいを感じたら、すぐに中止して休んでください。

よくある質問

マウンテンクライマーは有酸素運動ですか?

速さによって性質が変わります。ゆっくり行えば体幹の筋力トレーニング、息が上がるほど速く行えば心肺に刺激が入る運動になります。目的に合わせて速さを決めてください。

マウンテンクライマーでおなかは引き締まりますか?

おなかの筋肉を使う種目ですが、おなかの脂肪だけを狙って減らせるわけではありません。見た目の変化には、全身の運動量と食事を合わせて整えることが大切です。

下の階に響かないようにするには?

足先で床をたたかず、つま先をそっと床に置くようにします。1歩ずつ止めるやり方や、台に手をつくやり方に変えると、音と振動を小さくできます。

手首が痛いときはどうすればいいですか?

手首を反らす角度が大きいほど負担が増えます。台に手をつく、こぶしを握って手首をまっすぐにするなどで角度を小さくし、それでも痛む場合は中止してください。

毎日やってもいいですか?

軽い強さなら続けられますが、強く行った日の翌日は休むか、軽めにするのが目安です。考え方は自重トレーニングは毎日やっていい?で解説しています。ほかの自重トレは自重トレ大全のトップから探せます。

出典

この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。