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デクラインプッシュアップのやり方|台の高さと回数、肩を守るコツ

FITPEAK編集部 読了目安 6分

デクラインプッシュアップ(Decline Push-up)は、足を台に乗せて頭側を低くした腕立て伏せです。床で行う腕立てより腕で支える体重の割合が増えるため、普通の腕立て伏せが15回以上きれいにできるようになった人の「次の一歩」に向いています。まずは30cmほどの低い台から始め、体を一直線に保てる範囲で回数を重ねましょう。

デクラインプッシュアップの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

デクラインプッシュアップとは?どこに効く?

答えから言うと、胸(大胸筋)の上の方、肩の前(三角筋の前部)、二の腕の裏(上腕三頭筋)に効きやすい種目です。足を高くすると体が斜め下向きになり、腕を押し出す向きが頭の方へ寄るため、胸の上部と肩の前の働きが増えます。

通常の腕立て伏せの基本フォームがまだ固まっていない人は、先に腕立て伏せの基本のやり方を確認してください。デクラインは基本の形が崩れないことが前提の発展形です。ほかの腕立ての型との違いは腕立て伏せの種類で一覧にしています。

台の高さで負荷はどれくらい変わる?

エベンら(2011年)は、23人(男性14人・女性9人)を対象に、通常の腕立て、膝つき、足を台に乗せる型、手を台に乗せる型など6種類の腕立てで、床を押す力を測りました。その結果、足を台に乗せた型は、ほかのどの型よりも床を押す力が大きくなりました。

同じ研究グループの学会報告(2010年)では、手で支える力を体重に対する割合で示しています。

腕立ての型 手で支える力(体重に対する割合)
足を約61cmの台に乗せる 約74%
足を約30cmの台に乗せる 約70%
通常の腕立て伏せ 約64%
手を約30cmの台に乗せる 約55%
膝つき腕立て 約49%

つまり、台を高くするほど少しずつ負荷が上がります。いきなり高い台を使うより、低い台から段階的に上げる方が、フォームを保ったまま負荷を増やせます。

デクラインプッシュアップのやり方は?

手順は次のとおりです。動きは上の3Dアニメーションで、横からも確認できます。

  1. 高さ30cm前後の、動かない台(低い段差、しっかりした箱など)を用意し、壁の近くに置きます
  2. 台に背を向けて四つんばいになり、両足のつま先を片方ずつ台に乗せます
  3. 手は肩幅よりこぶし1つ分広く、肩の真下よりやや前に置きます。指は前に向けます
  4. 頭からかかとまでを一直線にし、お腹とお尻に軽く力を入れます
  5. 2〜3秒かけて、胸が床に近づくまで肘を曲げます。肘は体から45度ほどに開きます
  6. 床を押して、1〜2秒で元の位置に戻ります。息は下ろすときに吸い、押すときに吐きます

息を止めずに続けることが大切です。 厚生労働省のガイドでも、筋トレでは血圧が急に上がるのを防ぐため、息をこらえないよう注意が示されています。

よくある間違いは?

よくあるのは、腰が落ちて体が「く」の字や弓なりになることです。次の点を確認してください。

  • 腰が反る・お尻が落ちる: 腰に負担が集まります。お腹に力を入れ、お尻を軽く締めます
  • お尻が高く上がる: パイクプッシュアップに近い形になり、肩ばかりに負担が寄ります。肩の動きを鍛えたいならパイクプッシュアップを別に行います
  • 頭から床に近づく: 首が下がり、胸がほとんど動きません。目線は手の少し前の床に置きます
  • 肘を真横に大きく開く: 肩の前に負担が集まりやすくなります。体から45度ほどに収めます
  • 台が高すぎる: 体を一直線に保てず、可動域が浅くなります。きれいにできる高さまで下げます
  • 台がずれる・柔らかい: 足が滑ると顔から落ちる危険があります。ソファや座布団の上は避けます

手首・肘・肩に痛みが出たら、その日は中止してください。持病のある人、妊娠中の人、けがをしている人は、始める前に医師に相談してください。頭を低くする姿勢になるため、高血圧の人や目の病気のある人も事前に相談をおすすめします。運動中に胸の痛み、息苦しさ、めまいを感じたら、すぐに中止してください。

何回・何セットやればいい?

まずは正しいフォームで8〜15回できる高さを選び、2〜3セットから始めます。アメリカスポーツ医学会(ACSM)の指針(2009年)では、筋トレ初心者は8〜12回で限界がくる程度の負荷、週2〜3日が目安とされています。厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、成人と高齢者に筋トレを週2〜3日行うことがすすめられており、自重トレーニングもこれに含まれます。

レベル 台の高さ 回数 セット 休憩
初級 15〜30cm 6〜10回 2セット 90秒
中級 30〜45cm 10〜15回 3セット 90秒
上級 45〜60cm 12〜20回 3〜4セット 60〜90秒

同じ部位を続けて鍛える日は、間を1〜2日あけましょう。全体の組み立て方は自重トレーニングの回数・セット・頻度で解説しています。

やさしくする・きつくする方法は?

できる回数に合わせて、次のように調整します。

やさしくする

  • 台を低くする: 15cmほどの段差から始めます
  • 通常の腕立て伏せに戻す: 床でのフォームを固めてから再挑戦します
  • 下ろす動きだけ行う: 3〜4秒かけて下ろし、膝をついて戻ります

きつくする

  • 台を少しずつ高くする: 5〜10cmずつ上げます
  • 下ろす時間を長くする: 4秒かけて下ろし、底で1秒止めます
  • 手幅を狭くする: 二の腕の裏への負担が増えます
  • 片足を浮かせる: 体をねじらずに支える力も必要になります

高さや速さで負荷を上げる考え方は、自重で負荷を上げる方法にまとめています。胸を鍛えるメニュー全体は自重の胸トレをご覧ください。

よくある質問

デクラインプッシュアップと普通の腕立て伏せ、どちらをやればいいですか?

普通の腕立て伏せが15回以上きれいにできない場合は、まず普通の腕立て伏せを優先してください。15回以上できるようになり、回数を増やすより負荷を上げたいと感じたら、デクラインを取り入れる時期です。

台は何を使えばいいですか?

動かない、滑らない、硬いものを選んでください。低い段差や、しっかりした箱などが使えます。キャスター付きの椅子、折りたたみ椅子、ソファ、クッションは、足がずれたり台が倒れたりする危険があるため避けてください。

胸の上部だけを鍛えられますか?

一つの部位だけを切り離して鍛えることはできません。デクラインは胸全体と肩の前、二の腕の裏を一緒に使いながら、胸の上の方の働きが増えやすい種目です。普通の腕立て伏せなどと組み合わせると、胸全体をまんべんなく鍛えられます。

頭に血がのぼる感じがします。大丈夫ですか?

頭を低くする姿勢なので、気分が悪くなる人もいます。台を低くし、セット間は立ち上がって休んでください。めまいや強い頭痛が出たときはすぐに中止し、続くようなら医師に相談してください。

毎日やってもいいですか?

同じ部位を強く使う種目なので、1〜2日あけて週2〜3回が目安です。休養の考え方は休養日の取り方をご覧ください。ほかの種目の動きは3D種目図鑑で、記事全体は自重トレ大全のトップから探せます。

出典

この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。