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パイクプッシュアップのやり方|自重で肩を鍛えるフォームと回数の目安

FITPEAK編集部 読了目安 7分

パイクプッシュアップ(Pike Push-up)は、お尻を高く上げて体を「へ」の字にし、頭を両手の前の床へ下ろす腕立て伏せです。押す方向が頭の上に近くなるため、肩(三角筋)が主に働きます。通常の腕立て伏せが15回できるようになってから取り組むのが目安です。

パイクプッシュアップの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

パイクプッシュアップでは、どこが鍛えられる?

主に三角筋(肩)、補助として上腕三頭筋(二の腕の裏側)と、肩甲骨まわりの筋肉が働きます。

通常の腕立て伏せは胸の前へ押す動きですが、パイクプッシュアップは体を折り曲げることで、押す方向が頭の上に近づきます。ダンベルを頭の上へ持ち上げる動きに近い形になるため、器具なしで肩を鍛えたいときの代表的な種目です。

ただし、パイクプッシュアップそのものの筋活動を調べた研究はまだ多くありません。参考になるのは、腕立て伏せの形と手にかかる力の関係です。エベンら(2011年)は23人(男性14人、女性9人)を対象に6種類の腕立て伏せを比べ、足を台にのせた腕立て伏せは、ほかの種類より手にかかる力が大きかったと報告しています。パイクプッシュアップでも、足を高い台にのせるほど体重が手と肩にかかりやすくなり、負荷が上がると考えられます。

腕立て伏せのほかの種類との違いは腕立て伏せの種類で一覧にしています。

パイクプッシュアップは、どんな人に向いている?

器具なしで肩を鍛えたい人、腕立て伏せに慣れて次の段階を探している人に向いています。

  • 通常の腕立て伏せを15回×3セットできるようになった人
  • ダンベルなどの器具がなく、自宅で肩を鍛えたい人
  • 将来、壁を使った逆立ちの腕立て伏せに挑戦したい人
  • 胸の種目に偏りがちなメニューに、肩の種目を加えたい人

反対に、肩や首に痛みがある人、頭が下になる姿勢で気分が悪くなる人には向きません。高血圧などの持病がある人は、始める前に医師に相談してください。

パイクプッシュアップの正しいやり方は?

お尻を高く保ったまま、頭を「両手と三角形をつくる位置」へ下ろすのがポイントです。

  1. 腕立て伏せの姿勢から、手を肩幅よりやや広くつく
  2. 足を手のほうへ数歩近づけ、お尻を高く上げて体を「へ」の字にする。膝は軽く曲げてもよい
  3. 腕と背中が一直線に近くなるよう、胸を太もも側へ軽く押し込む
  4. 息を吸いながら肘を曲げ、2〜3秒かけて頭を両手の少し前の床へ近づける(頭と両手で三角形をつくるイメージ)
  5. 頭が床に触れる直前で止め、息を吐きながら床を押して戻る
  6. 肘を伸ばしきり、肩をすくめずに次の回に入る

腕立て伏せの基本の姿勢や手のつき方は、腕立て伏せの正しいやり方で確認できます。

パイクプッシュアップでよくある間違いは?

  • お尻が下がってしまい、ただの腕立て伏せになっている
  • 頭を両手の真下(または後ろ)へ下ろし、肩の前側に負担をかけている
  • 肘を真横に大きく開いている
  • 首を反らして前を見ようとし、首に力が入っている
  • 頭を床にぶつけるように速く下ろしている

視線は足のほう(へそのあたり)に向けると、首が自然な位置に保たれます。頭の下にたたんだタオルを置くと、下ろす深さの目安になり、安心して練習できます。

パイクプッシュアップは何回・何セットやればいい?

正しいフォームで6〜12回できる段階を選び、3セットが目安です。

レベル やり方 回数 セット 休憩
初級 浅く下ろすパイク(半分の深さ) 6〜10回 2〜3 90秒
中級 通常のパイク 6〜12回 3 90〜120秒
上級 足を台にのせたパイク 5〜10回 3〜4 120秒

アメリカスポーツ医学会(ACSM、2009年)の指針では、筋トレを始めたばかりの人は週2〜3日、決めた回数より1〜2回多くできるようになったら負荷を上げるようすすめています。

また、シェーンフェルドら(2017年)は21本の研究をまとめ、限界まで行う条件では、軽い負荷でも重い負荷でも筋肉の増え方に大きな差はなかったと報告しています(最大筋力の伸びは重い負荷が上回りました)。自重のパイクプッシュアップでも、限界に近い回数まで行えば、肩の筋肉に十分な刺激を与えることが期待できます。回数の考え方は自重トレーニングの回数・セット・頻度も参考にしてください。

1週間のメニューへの組み込み方

パイクプッシュアップは肩の力をたくさん使うため、疲れていない最初のほうに行うのがおすすめです。そのあとに胸や腕の種目を続けると、上半身をまんべんなく使えます。

順番 種目 回数 セット
1 パイクプッシュアップ 6〜10回 3
2 通常の腕立て伏せ 10〜15回 2
3 ベンチディップス 10〜15回 2

これを週2回、間を2〜3日空けて行うのが目安です。肩は回復に時間がかかることもあるため、翌日に強い疲れが残る場合はセット数を減らしましょう。セット間の休み方はセット間の休憩時間の目安も参考にしてください。

パイクプッシュアップをやさしく・きつくするには?

やさしくする方法

  • 膝を床について、お尻を高く上げた形で行う
  • 手を低い台にのせ、頭を下ろす深さを浅くする
  • 下ろす深さを半分にする
  • 足の位置を手から少し遠ざけ、体の角度をゆるくする

きつくする方法

  • 足を椅子や台にのせる(エレベーテッドパイク)。台が高いほど負荷が上がります
  • 下ろす動きに3〜4秒かける
  • いちばん下で1〜2秒止まる
  • 足を手に近づけ、体の角度を深くする

足を台にのせた形に慣れたら、壁を使う逆立ちの腕立て伏せへと進む人もいます。ただし首や肩への負担が大きく、転倒の危険もあるため、十分に段階を踏んでから取り組みましょう。

肩と腕のほかの種目は自重で肩・腕を鍛えるメニュー、負荷の上げ方は自重トレーニングで負荷を上げる方法で解説しています。

肩・首・手首に痛みが出たら、すぐに中止してください。頭が下になる姿勢のため、高血圧・目の病気などの持病がある人、妊娠中の人、けがをしている人は、始める前に医師に相談してください。胸の痛み・息苦しさ・めまいを感じたら、ただちに運動をやめてください。

よくある質問

パイクプッシュアップは肩のどこに効きますか?

主に肩の前側から横にかけての三角筋が働き、二の腕の裏側も使われます。ただし、パイクプッシュアップに限った筋活動の研究は多くないため、「どの部分にどれだけ効くか」は個人差やフォームで変わると考えてください。

頭を床につけてもいいですか?

軽く触れる程度ならかまいませんが、頭に体重をのせるのは避けてください。床に触れる直前で止めるのが安全です。たたんだタオルを置くと、深さの目安になります。

デクラインプッシュアップとの違いは何ですか?

デクラインプッシュアップは体をまっすぐに保ったまま足を高くする種目で、胸の上部と肩の前側が働きます。パイクプッシュアップはお尻を高く上げて体を折り曲げるため、押す方向が頭の上に近くなり、肩がより主役になります。

1回もできないときはどうすればいいですか?

膝をついたパイクや、浅く下ろすパイクから始めてください。下ろす動きだけを3〜4秒かけて行い、戻るときは膝をつく練習も効果的です。並行して通常の腕立て伏せで押す力をつけておくと、次の段階に進みやすくなります。

毎日やってもいいですか?

肩は胸や腕の種目でも使われるため、毎日続けると疲れがたまりやすくなります。週2〜3日、間に休みをはさんでください。動きは3D種目図鑑で、そのほかの記事は自重トレ大全のトップから確認できます。

出典

この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。