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腕立て伏せの種類7つ|やさしい順の段階表と鍛えられる部位の違い

FITPEAK編集部 読了目安 7分

腕立て伏せの種類は、手の高さ・膝・手幅・足の高さを変えることで、やさしくもきつくもなります。やさしい順に「インクライン→膝つき→通常→ワイド→ダイヤモンド→デクライン→パイク」と進めるのが目安です。今の段階で15回×3セットが楽にできたら、次の種類へ進みましょう。

腕立て伏せの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

腕立て伏せの種類で、何が変わる?

変わるのは主に手にかかる体重の割合と、どの筋肉がより強く働くかの2つです。

エベンら(2011年)は、運動習慣のある23人(男性14人、女性9人)を対象に、6種類の腕立て伏せで手にかかる力を床の力計で測りました。その結果、足を台にのせた腕立て伏せは、ほかのどの種類よりも手にかかる力が大きく、手を台にのせた腕立て伏せと膝をついた腕立て伏せは、ほかの種類より小さくなりました。つまり、頭側を高くするほどやさしく、足側を高くするほどきつくなります。

手幅については、コグリーら(2005年)が40人(男性11人、女性29人)で調べ、手幅を狭くした腕立て伏せは、広くした場合よりも大胸筋と上腕三頭筋の筋活動が大きかったと報告しています。

なお、基本の腕立て伏せの正しいフォームは、腕立て伏せの正しいやり方で詳しく解説しています。この記事では、そこから先の「種類の選び方と進め方」を扱います。

腕立て伏せの種類をやさしい順に並べると?

次の表の上から順に、きつくなっていきます。

段階 種類 主に働く部位 次へ進む目安
1 インクライン腕立て伏せ 胸・腕 15回×3セット
2 膝つき腕立て伏せ 胸・腕 15回×3セット
3 通常の腕立て伏せ 胸・腕・肩の前 15回×3セット
4 ワイドプッシュアップ 胸 12回×3セット
5 ダイヤモンドプッシュアップ 腕の裏・胸 12回×3セット
6 デクラインプッシュアップ 胸の上部・肩の前 12回×3セット
7 パイクプッシュアップ 肩 10回×3セット

ワイド・ダイヤモンド・デクライン・パイクは、きつさの順番が人によって入れ替わることもあります。通常の腕立て伏せが15回できるようになったら、目的に合わせて選んでかまいません。

1. インクライン腕立て伏せ(Incline Push-up)

机や壁、ベンチに手をついて行います。手の位置が高いほど体重がかかりにくく、壁なら腕立て伏せが1回もできない人でも始められます。

インクライン腕立て伏せの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

2. 膝つき腕立て伏せ(Knee Push-up)

膝を床について行います。頭から膝までを一直線に保つことがポイントです。お尻が上がると負荷が抜けてしまいます。

膝つき腕立て伏せの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

3. 通常の腕立て伏せ(Push-up)

手を肩幅よりやや広くつき、頭からかかとまでを一直線に保って上下します。ここが基準になる種類です。冒頭の3Dで動きを確認できます。

4. ワイドプッシュアップ(Wide Push-up)

手幅を肩幅の1.5倍ほどに広げます。胸を広げる感覚がつかみやすい種類です。詳しくはワイドプッシュアップのやり方へ。

ワイドプッシュアップの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

5. ダイヤモンドプッシュアップ(Diamond Push-up)

両手の親指と人さし指で、胸の下にひし形をつくって行います。腕の裏側(上腕三頭筋)が強く働きます。詳しくはダイヤモンドプッシュアップのやり方へ。

ダイヤモンドプッシュアップの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

6. デクラインプッシュアップ(Decline Push-up)

足を椅子や台にのせて行います。手にかかる体重が増え、胸の上部と肩の前側の負荷が高まります。詳しくはデクラインプッシュアップのやり方へ。

デクラインプッシュアップの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

7. パイクプッシュアップ(Pike Push-up)

お尻を高く上げて体を「へ」の字にし、頭を床に近づけるように下ろします。押す方向が頭の上に近くなり、肩が主役になります。詳しくはパイクプッシュアップのやり方へ。

パイクプッシュアップの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

自分に合う種類は、どう選べばいい?

正しいフォームで8〜15回できる種類が、今のあなたに合う段階です。

  1. 通常の腕立て伏せを、フォームを崩さずに何回できるか数える
  2. 8回未満なら、インクラインか膝つきから始める
  3. 8〜15回なら、通常の腕立て伏せを続ける
  4. 15回×3セットが楽になったら、表の次の段階へ進む
  5. 新しい段階で8回できないときは、前の段階と半分ずつ組み合わせる

菊池と中里(2017年)は、若い男性18人を2つのグループに分け、ベンチプレス(最大挙上重量の40%)と、膝をつくなどして同じくらいの負荷に調整した腕立て伏せを、週2回・8週間行いました。どちらのグループも、ベンチプレスの最大挙上重量と大胸筋・上腕三頭筋の筋肉の厚みが増えていました。自分の力に合わせて種類を選べば、腕立て伏せでも筋肉をつけることが期待できるということです。

種類を変えるときの、よくある間違いは?

  • 次の種類に早く進みすぎて、腰が落ちたまま回数をこなす
  • 手幅を変えた種類で、肘を真横に張り出して肩を痛める
  • 足を高くした種類で、首だけを前に突き出して胸が下りていない
  • 種類を増やすことばかり考え、同じ種類で回数を伸ばす期間をとらない
  • 毎日すべての種類を行い、疲れが抜けないまま続ける

レベル別に、何回・何セットやればいい?

レベル 種類の例 回数 セット 休憩
初級 インクライン・膝つき 8〜15回 2〜3 60〜90秒
中級 通常・ワイド 10〜15回 3 60〜90秒
上級 ダイヤモンド・デクライン・パイク 8〜12回 3〜4 90〜120秒

アメリカスポーツ医学会(ACSM、2009年)の指針では、筋トレを始めたばかりの人の頻度は週2〜3日とされ、決めた回数より1〜2回多くできるようになったら負荷を上げるようすすめています。腕立て伏せなら「目安の回数を超えたら次の種類へ」と考えると分かりやすくなります。回数・頻度の考え方は自重トレーニングの回数・セット・頻度で解説しています。

さらにやさしく・きつくするには?

同じ種類のままでも、調整の方法はたくさんあります。

  • やさしくする: 手をつく台を高くする。下ろす深さを半分にする。下ろすだけをゆっくり行い、上げるときは膝をつく
  • きつくする: 下ろす動きに3〜4秒かける。いちばん下で1〜2秒止まる。足をのせる台を高くする
  • 組み合わせる: 1セット目はダイヤモンド、2セット目はワイドのように、部位を変えて行う

負荷の上げ方の全体像は自重トレーニングで負荷を上げる方法、胸全体のメニューは自重で胸を鍛えるメニューにまとめています。ほかの種目の3Dは3D種目図鑑で見られます。

手首・肩・肘・腰に痛みが出たら、すぐに中止してください。持病のある人、妊娠中の人、けがをしている人は、始める前に医師に相談してください。胸の痛み・息苦しさ・めまいを感じたら、ただちに運動をやめてください。

よくある質問

腕立て伏せが1回もできません。どの種類から始めればいいですか?

壁に手をつくインクライン腕立て伏せから始めてください。壁で15回×3セットが楽になったら、机、低めの台と、手をつく位置を少しずつ下げていきます。その次が膝つき腕立て伏せです。

種類によって鍛えられる部位は本当に変わりますか?

はたらく割合が変わります。コグリーら(2005年)の研究では、手幅を狭くすると、広くした場合より大胸筋と上腕三頭筋の筋活動が大きくなりました。どの種類でも胸・腕・肩は一緒に働くため、「その部位だけ」が鍛えられるわけではありません。

膝つき腕立て伏せでも筋肉はつきますか?

つくことが期待できます。菊池と中里(2017年)の研究では、膝をつくなどして負荷を調整した腕立て伏せでも、8週間で大胸筋と上腕三頭筋の厚みが増えていました。限界に近い回数まで行うことがポイントです。

毎日いろいろな種類をやってもいいですか?

同じ筋肉を使うため、毎日続けると疲れがたまりやすくなります。週2〜3日を基本にしてください。休養日の考え方は筋トレの休養日の目安を参考にしてください。

片手腕立て伏せなどの、さらに上の種類はありますか?

あります。ただし手首や肩への負担も大きくなるため、まずは表の7段階を正しいフォームで十分にこなせるようになってからにしましょう。そのほかの記事は自重トレ大全のトップから探せます。

出典

この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。