バーピーのやり方と注意点|心肺への負担と回数・時間の目安
バーピー(Burpee)は、しゃがむ・両脚を後ろへ伸ばす・脚を戻して立つ・跳ぶ、を1回で続けて行う全身運動です。短い時間で心拍数が大きく上がるぶん心肺への負担も大きいため、はじめはジャンプなし・ゆっくりのやり方から始め、心臓や血圧の持病がある人は医師に相談してから取り組みましょう。
バーピーの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)
バーピーはどこに効く?
バーピーは、脚とお尻(しゃがむ・立つ・跳ぶ)、胸と腕と肩(体を支える)、体幹(脚を後ろへ伸ばした姿勢を保つ)を一度に使う種目です。全身の大きな筋肉を続けて動かすため、筋力トレーニングと有酸素運動の中間のような性質をもっています。
その強さは研究でも確かめられています。ギストら(2014年)は、運動習慣のある大学生年代の11人(男性8人・女性3人)に、30秒の全力を4分の軽い運動をはさんで4本行ってもらい、自転車の全力こぎとバーピーをくらべました。平均の強さは、バーピーで本人の酸素摂取量のピーク値の77.6%、心拍数のピーク値の84.6%に達し、自転車の全力こぎ(80.4%、86.8%)とはっきりした差はありませんでした。道具を使わない自重の種目でも、心肺に強い刺激が入ることを示す結果です。
バーピーの正しいやり方は?
ポイントは「速さより、毎回同じ形で着地と着手を行う」ことです。
- 足を腰幅に開いてまっすぐ立ちます。
- 股関節とひざを曲げてしゃがみ、両手を肩幅で足の前の床につきます。
- 手で体を支えたまま、両脚を後ろへ伸ばし、頭からかかとまでがまっすぐな腕立て伏せの姿勢になります。
- 両脚を手の近くへ戻し、しゃがんだ姿勢になります。
- 床を押して立ち上がり、そのまま軽く真上に跳びます。頭の上で手をたたいてもかまいません。
- ひざを軽く曲げてやわらかく着地し、次の回へ移ります。
上の3Dアニメーションで、脚を後ろへ伸ばしたときに腰が落ちていないか、着地でひざが内側へ入っていないかを確かめてください。腕立て伏せを1回加えるやり方もありますが、腕立て伏せの形は腕立て伏せの基本のやり方を先に身につけてからにしましょう。
心肺への負担はどのくらい?持病がある人は?
バーピーは、全力に近く行うと心拍数がピーク値の8割を超えるほどの強い運動です(ギストら、2014年)。そのぶん、心臓や血管への負担も大きくなります。
アメリカスポーツ医学会(ACSM)の指針(ガーバーら、2011年)は、多くの成人にとって運動の利点はリスクを上回るとしたうえで、心臓の病気の兆候や症状を知っておくこと、運動の強さと量を少しずつ上げることがリスクを減らしうると述べています。また、慢性の病気がある人には、医療の専門家が評価し助言したうえで、こうした推奨をあてはめるよう示しています。
次のような人は、バーピーを始める前に医師に相談してください。
- 心臓の病気、高血圧、糖尿病などの持病がある人
- 運動中や階段の上り下りで、胸の痛みや強い息切れを感じたことがある人
- 長いあいだ運動をしていなかった人
- 妊娠中・産後の人、ひざ・腰・手首などにけががある人
相談のうえで始める場合も、ジャンプをなくしたゆっくりのバーピーから始め、会話ができる程度の息の上がり方にとどめるのが目安です。
始める前の準備は?
いきなり全力で始めず、3〜5分ほど体を温めてから行います。その場での足踏みや、ゆっくりのスクワット、腕回しなどで、心拍数と関節を少しずつ慣らしていきましょう。
また、終わったあとも急に止まらず、歩いたり足踏みをしたりして、息が落ち着くまで体を動かし続けるのがおすすめです。水分をとり、暑い部屋では無理をしないことも大切です。
よくある間違いは?
- 脚を後ろへ伸ばしたとき、腰が落ちて反っている
- 手を足から遠い位置について、肩に体重がかかりすぎている
- 着地でかかとから強く落ち、ひざが内側へ入っている
- 疲れて背中を丸めたまま立ち上がっている
- 回数を優先して、姿勢がくずれても続けている
- 息を止めて動いている
回数・時間とセットの目安は?
バーピーは回数でも時間でも区切れます。疲れると着地や姿勢がくずれやすいので、フォームを保てる量で止めることが大切です。
| レベル | やり方 | 回数・時間 | セット | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| 初心者 | ジャンプなし・1歩ずつ脚を下げる | 5〜8回 | 2〜3セット | 60〜90秒 |
| 中級者 | 基本のバーピー | 8〜12回 | 3セット | 60秒 |
| 上級者 | 30秒できるだけ丁寧に続ける | 30秒 | 4〜6セット | 60〜90秒 |
ギストら(2015年)は、陸軍の予備役将校訓練課程の学生26人を2つのグループに分け、一方は30秒の全力バーピーを4分の軽い運動をはさんで4〜7本、もう一方は約60分の通常の体力訓練を、週3日・4週間行いました。どちらのグループでも持久力や体力テストの成績に変化はなく、短い時間のバーピーでも体力を保てたと報告されています。ただし対象は日ごろ鍛えている人たちです。一般の人は、上の表の初心者から始めてください。
世界保健機関(WHO)の2020年の指針(ブルら、2020年)は、成人に週150〜300分の中強度、または週75〜150分の高強度の有酸素性の身体活動を勧めています。息が上がるほど行うバーピーは、この高強度の活動の一部として数えられます。回数とセットの考え方は自重トレーニングの回数・セット・頻度、休み方はセット間休憩の記事も参考にしてください。
やさしくする・きつくする方法は?
やさしくするバリエーション
- ジャンプなしバーピー: 立ち上がったら跳ばずに終えます。着地の衝撃がなく、心拍数も上がりにくくなります。
- 1歩ずつ脚を下げる: 両脚を一度に後ろへ跳ばさず、片脚ずつ下げて片脚ずつ戻します。音や振動も小さくできます。
- 台に手をつく: 机やいすなど安定した台に手をつくと、しゃがむ深さが浅くなり、体を支える負荷も軽くなります。
きつくするバリエーション
- 腕立て伏せを加える: 脚を後ろへ伸ばした姿勢で腕立て伏せを1回行います。
- 高く跳ぶ: 立ち上がるときにひざを胸へ引き寄せるように高く跳びます。着地の衝撃が増えるので、ひざに不安がない人に限ります。
- ほかの種目と組み合わせる: マウンテンクライマーやジャンプスクワットと交互に行うと、短い時間の全身メニューになります。
脚の基本の動きは自重スクワットで、ほかの種目の動きは3D種目図鑑で確かめられます。
痛みが出たら、すぐに中止してください。心臓や血圧などの持病がある人、妊娠中の人、けがをしている人は、始める前に医師に相談してください。運動中に胸の痛み・息苦しさ・めまいを感じたら、すぐに中止して休んでください。
よくある質問
バーピーをすると体重は減りますか?
バーピーは短い時間で多くのエネルギーを使う運動ですが、それだけで体重が減るとは言えません。体重の変化には、日常の活動量と食事が大きくかかわります。目的別の組み方は女性のための自重トレーニングとダイエットで解説しています。
1日何回やればいいですか?
決まった回数はありません。初心者はジャンプなしで5〜8回を2〜3セットから始め、フォームを保てる範囲で少しずつ増やしてください。
集合住宅で音が気になります。
ジャンプをなくし、脚を1歩ずつ下げて戻すやり方にすると、音と振動を小さくできます。マットを敷くのも一つの方法です。
毎日やってもいいですか?
強く行った翌日は、休むか軽めにするのが目安です。考え方は自重トレーニングは毎日やっていい?をご覧ください。
40代・50代でも取り組めますか?
体力や健康状態によります。持病がある人や長く運動していなかった人は、まず医師に相談し、ジャンプなしのやり方から始めてください。年代別の考え方は40代・50代の自重トレーニング、ほかの種目は自重トレ大全のトップから探せます。
出典
- Gist NH, Freese EC, Cureton KJ 2014「Comparison of responses to two high-intensity intermittent exercise protocols」J Strength Cond Res
- Gist NH, et al. 2015「Effects of Low-Volume, High-Intensity Whole-Body Calisthenics on Army ROTC Cadets」Mil Med
- Garber CE, et al. 2011「American College of Sports Medicine position stand. Quantity and quality of exercise for developing and maintaining cardiorespiratory, musculoskeletal, and neuromotor fitness in apparently healthy adults」Med Sci Sports Exerc
- Bull FC, et al. 2020「World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour」Br J Sports Med
この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。