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ピストルスクワットのやり方|できない人の段階的な練習法とひざの注意

FITPEAK編集部 読了目安 8分

ピストルスクワット(Pistol Squat)は、片脚で立ち、反対の脚を前に伸ばしたまま深くしゃがんで立ち上がる種目です。脚の筋力に加えて、足首の柔らかさとバランスが要るため、いきなり挑戦せず、椅子や柱を使った練習から段階的に進めるのが近道です。ひざに不安がある人は、無理に深くしゃがまず、浅い範囲から始めてください。

ピストルスクワットの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

ピストルスクワットとは?どこに効くの?

ピストルスクワットは、片脚だけで体重を支えてしゃがみ、立ち上がる種目です。前に伸ばした脚の形がピストルに見えることから、この名前で呼ばれています。

主に働くのは、太ももの前側(大たい四頭筋)、お尻(大殿筋・中殿筋)、太ももの裏側(ハムストリングス)です。片脚で体を支えるため、ひざが内側に倒れないようにお尻の横の中殿筋がよく働き、体幹もバランスを取るために使われます。

片脚で行うスクワットの性質を調べた研究があります。マッカーディら(2010年)は、大学の女子運動選手11人を対象に、両脚のスクワットと片脚で行うスクワットの一種を同じ相対的な強さで比べました。その結果、片脚のスクワットでは中殿筋と太もも裏の筋活動が大きく、両脚のスクワットでは太ももの前側の筋活動が大きかったと報告しています。また、ネトら(2020年)は16本の研究をまとめた系統的レビューで、片脚で行うスクワットの一種を、お尻の筋活動が「とても高い」(最大筋力の60%を超える)種目のひとつに挙げています。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)の2009年の指針でも、筋力を高めるプログラムには両脚の種目だけでなく片脚の種目も取り入れることが勧められています。

まず何ができればいい?始める前の目安

ピストルスクワットに取り組む前に、次の3つができるか確かめてください。

  • 自重スクワットを正しいフォームで20回以上できる: 両脚のスクワットが安定していないと、片脚ではひざや腰に負担が集まります。フォームは自重スクワットのやり方で確認できます
  • ブルガリアンスクワットを左右10回以上できる: 片脚にしっかり体重をのせる練習になります
  • かかとを床につけたまま深くしゃがめる: 足首が硬いと、深くしゃがんだときに後ろに倒れやすくなります

この3つがまだ難しい人は、先にそれぞれの種目で土台をつくりましょう。ブルガリアンスクワットのくわしい手順はブルガリアンスクワットのやり方で解説しています。

ブルガリアンスクワットの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

正しいやり方は?手順を確認しよう

上の3Dアニメーションで、ひざとつま先の向き、上半身の傾きを確かめながら行ってください。

  1. 片脚で立ち、反対の脚を少し前に浮かせます。両腕は前に伸ばしてバランスを取ります。
  2. 立っている脚のつま先はやや外に向け、ひざはつま先と同じ向きにそろえます。
  3. 息をすいながら、お尻を後ろに引くようにしてゆっくりしゃがみます。浮かせた脚は床につかないように前に伸ばしていきます。
  4. かかとを床につけたまま、無理のない深さまでしゃがみます。上半身は自然に前に傾けてかまいません。
  5. 息をはきながら、足の裏全体で床を押して立ち上がります。ひざが内側に倒れないように注意します。

動作中は息を止めないでください。 厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の情報シートでも、筋トレ中は血圧の急な上昇をおさえるため、息をこらえないように注意するよう示されています。

できない・倒れるのはなぜ?よくある間違い

ピストルスクワットがうまくいかない原因は、筋力だけとは限りません。

  • 後ろに倒れてしまう: 足首が硬く、体重が後ろにかかっていることが多い原因です。両腕を前に伸ばし、上半身をやや前に傾けます
  • ひざが内側に倒れる: お尻の横の筋力が足りないサインです。ひざとつま先の向きをそろえることを最優先にします
  • かかとが浮く: 足首の柔らかさが足りません。かかとの下に薄い板や本を置くと、しゃがみやすくなります
  • しゃがみきった位置で力がぬけて落ちる: 深い位置で支える筋力がまだ足りません。椅子を使う練習で、下りる動作をゆっくり行う練習をします
  • 反動で立ち上がる: 勢いをつけるとひざに急な負担がかかります。下りるときも上がるときも一定の速さで動きます

できない人はどう練習する?段階的な練習法

いきなり完成形を目指すより、次の順番で段階を上げていくと安全に近づけます。それぞれの段階で、左右とも目標の回数を正しいフォームでできたら次に進みます。

  1. 椅子に座る片脚スクワット: 椅子の前に片脚で立ち、ゆっくり腰を下ろして座り、片脚で立ち上がります。座面が高いほど楽になります。
  2. 椅子を低くしていく: 座面に座布団や本を重ねて高さを調整し、少しずつ低くしていきます。
  3. 柱やドア枠につかまる: 柱を両手で軽く持ち、手の力を補助にして深くしゃがみ、立ち上がります。手に頼る力を少しずつ減らします。
  4. 下りる動作だけを練習する: 片脚で5秒かけてしゃがみ、下に着いたら両脚で立ち上がります。下りる動作を支える力を集中して練習できます。
  5. かかとを上げて行う: かかとの下に薄い板を置き、足首が硬くても深くしゃがめるようにして行います。
  6. 補助なしのピストルスクワット: 最初は1〜3回からで十分です。

各段階に1〜2週間以上かけるつもりで進めましょう。負荷を少しずつ上げる考え方は自重トレで負荷を上げる方法でくわしく解説しています。

何回やればいい?レベル別の回数とセット

練習の段階に合わせて、次の表を目安にしてください。片脚の種目なので、左右同じ回数を行います。

レベル 種目 回数 セット 休憩
初心者 椅子に座る片脚スクワット 左右5〜8回 2セット 90秒
中級者 柱につかまるピストルスクワット 左右5〜8回 3セット 90秒
中級者 下りる動作だけの練習(5秒) 左右3〜5回 3セット 90秒
上級者 ピストルスクワット 左右3〜8回 3セット 2〜3分

頻度は週2〜3日が目安です。厚生労働省のガイド2023では成人と高齢者に筋トレを週2〜3日行うことを勧めており、ACSMの2009年の指針でも筋トレに慣れていない人は週2〜3日の頻度が勧められています。負荷が大きい種目なので、同じ脚を連日きたえないようにしましょう。

やさしくする・きつくする方法は?

やさしくする方法

  • 椅子や台を使う: 座る位置が高いほど楽になります
  • 柱やタオルを持つ: ドアノブにかけたタオルなどを持ち、手で補助します(しっかり固定されているか確かめてください)
  • しゃがむ深さを浅くする: ひざに不安がある人は、痛みのない範囲にとどめます
  • かかとの下に板を置く: 足首が硬い人もしゃがみやすくなります

きつくする方法

  • 下りる動作を4〜5秒かける: ゆっくり下りるだけで負荷が上がります
  • しゃがみきった位置で2秒止める: 深い位置で支える力をきたえます
  • 台の上で行う: 浮かせた脚を台の外に垂らせるので、より深くしゃがめます
  • リュックを背負う: 本などを入れたリュックで負荷を加えます

ひざに不安がある人はどうすればいい?

ピストルスクワットは、片脚に体重がすべてかかり、ひざを深く曲げる種目です。ひざに痛みや持病がある人、けがをしたことがある人は、取り組む前に医師に相談してください。

ひざに不安がある場合は、次の点を守ると負担をおさえやすくなります。

  • 痛みが出ない深さまでにとどめ、無理に深くしゃがまない
  • ひざとつま先の向きをそろえ、内側に倒れないようにする
  • 椅子に座る片脚スクワットなど、高さを調整できる方法を中心にする
  • 両脚のスクワットやランジなど、負担の小さい種目で脚の筋力をつけておく

ピストルスクワットができなくても、両脚や片脚の種目を組み合わせれば脚はしっかりきたえられます。脚とお尻の種目の選び方は自重で脚とお尻をきたえる方法を参考にしてください。

安全に行うための注意点は?

痛みが出たらすぐに中止してください。ひざ・腰・足首に持病がある人、けがをしている人、妊娠中の人は、始める前に医師に相談してください。運動中に胸の痛み・息苦しさ・めまいを感じたら、すぐに中止して休んでください。

バランスをくずして転ぶことがないよう、周りに物がない場所で、すぐにつかまれる柱や壁のそばで練習しましょう。

よくある質問

ピストルスクワットができるようになるまでどのくらいかかりますか?

もとの筋力や足首の柔らかさによって大きく変わります。自重スクワットやブルガリアンスクワットが安定してできる人でも、段階的な練習に数週間から数か月かかることは珍しくありません。焦らず、各段階のフォームを優先してください。

片脚だけできて、反対の脚ができません。

左右差があるのはよくあることです。できない側を先に行い、できる側も同じ回数にそろえると、差が広がりにくくなります。

足首が硬くてかかとが浮きます。どうすればいいですか?

かかとの下に薄い板や本を置いて行う方法がおすすめです。並行して、ふくらはぎを伸ばすストレッチやカーフレイズで足首まわりを動かしておくと、しゃがみやすくなることがあります。

カリステニクスの技としても練習できますか?

はい。ピストルスクワットは、自分の体重を使って技を身につけていくカリステニクスで、脚の代表的な目標のひとつです。カリステニクスについてはカリステニクスとはで解説しています。

ほかの脚の種目の動きも見られますか?

はい。3D種目図鑑で、スクワットやランジ、ブルガリアンスクワットなどの動きを確認できます。自重トレ全体の情報は自重トレ大全のトップからご覧ください。

出典

この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。