ワイドスクワットのやり方|内ももとお尻を使う足幅と回数の目安
ワイドスクワット(Wide Squat)は、足を肩幅の1.5倍ほどに広げ、つま先を外へ向けて、膝をつま先と同じ方向に開きながらしゃがむスクワットです。研究では、足幅を広げるとお尻(大殿筋)の筋活動が高まる結果が出ています。初心者は10〜15回を2〜3セット、週2〜3日から始めます。
ワイドスクワットの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)
ワイドスクワットとは?普通のスクワットと何が違う?
ワイドスクワットは、スモウスクワット(Sumo Squat)とも呼ばれ、足幅を広くとって行うスクワットです。普通の自重スクワットに比べて上体を立てたまましゃがみやすく、太ももの内側(内転筋群)とお尻を使う割合が変わるのが特徴です。
足幅の違いを調べた研究がいくつかあります。マッコーとメルローズ(1999年、Medicine & Science in Sports & Exercise)は、男性9人がバーベルスクワットを肩幅、狭い足幅(肩幅の75%)、広い足幅(肩幅の140%)で行ったときの筋活動を比べました。その結果、太ももの前(大腿四頭筋)の筋活動は足幅による差が見られず、太ももの内側(長内転筋)とお尻(大殿筋)の筋活動は足幅の影響を受けていました。
また、パオリら(2009年、Journal of Strength and Conditioning Research)は、経験のある6人を対象に、3通りの足幅と3通りの重さ(重りなし、最大挙上重量の30%、70%)で太ももの筋肉8か所を測りました。差が出たのは大殿筋だけで、重りなしと70%の条件で、足幅をいちばん広くしたときに大殿筋の筋活動が高くなりました。
どちらもバーベルを使った研究で、人数も少ないため、自重でそのまま同じ結果になるとは言い切れません。それでも「足幅を広げると、お尻や内ももの使われ方が変わる」という手がかりにはなります。
ワイドスクワットの正しいやり方は?
ポイントは「膝をつま先の方向へ開いたまま、真下にしゃがむ」ことです。上の3Dアニメーションで、膝が外へ向いたまま動く様子を確かめてください。
- 足を肩幅の1.5倍ほどに開いて立ちます。
- つま先を外側に30〜45度ほど向けます。股関節が硬い人は角度を小さめにします。
- 手は胸の前で組むか、腰に当てます。背中をまっすぐにし、上体を立てます。
- 息を吸いながら、膝をつま先と同じ方向へ開くように曲げ、お尻を真下に下ろします。
- 太ももが床と平行になる手前まで下げます。股関節や膝に痛みがない範囲で深さを決めます。
- 息を吐きながら、かかとで床を押して立ち上がり、立った位置で軽くお尻を締めます。
よくある間違いは?
よくあるのは、膝が内側に入ってつま先の向きとずれてしまうことです。
- 膝が内側に入る: 足幅が広いぶん膝が内に倒れやすくなります。膝の向きをつま先と同じに保てない場合は、足幅を少し狭めます。
- 足幅を広げすぎる: 広げすぎると深くしゃがめず、股関節に無理がかかります。しゃがんだときにすねがほぼ垂直になる幅が目安です。
- 上体が前に倒れる: 普通のスクワットのようにお尻を大きく後ろへ引くと、ワイドスクワットの特徴が出にくくなります。上体を立てたまま真下に下ろします。
- つま先が外を向きすぎる・まっすぐすぎる: 膝とつま先の向きが合っていることが大切です。自分の股関節が楽に開く角度を探します。
- 息を止める: 厚生労働省のガイドでは、血圧の急な上昇を抑えるため、息をこらえないように注意を呼びかけています。
何回・何セットやればいい?
最初は10〜15回を2〜3セット、週2〜3日が目安です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、自重トレーニングを含む筋トレを、成人と高齢者に週2〜3日行うよう勧めています。自宅で行う場合の目安として「できなくなるところまで、無理せずに」行う考え方も示されています。
| レベル | 回数 | セット | 休憩 |
|---|---|---|---|
| 初心者 | 10〜15回 | 2セット | 60〜90秒 |
| 中級者 | 15〜20回(下げる動き3秒) | 3セット | 60〜90秒 |
| 上級者 | 20回以上、または下で2秒止める | 3〜4セット | 60〜120秒 |
普通のスクワットと組み合わせる場合は、同じ日に両方を行うより、日によって入れ替えると飽きずに続けやすくなります。1週間の組み方は自重トレーニングの初心者メニューを参考にしてください。
やさしくする方法・きつくする方法は?
足幅、深さ、テンポを変えることで、難しさを調整できます。
やさしくする
- 浅めに下げる: 太ももが床と平行になる手前の、痛みのない深さで止めます。
- 壁や椅子の背に手を添える: バランスを補助し、フォームに集中できます。
- 足幅を少し狭くする: 股関節が硬い人は、肩幅の1.2倍ほどから始めます。
きつくする
- テンポを遅くする: 下げる動きを3〜5秒にします。
- 一番下で止める: 2〜3秒止めてから立ち上がると、反動が使えなくなります。
- かかと上げワイドスクワット: しゃがんだ位置でかかとを上げ下げすると、ふくらはぎにも負荷がかかります。
- ワイドスクワットのまま静止する: 一番下の姿勢で20〜30秒止めます。壁を使った静止の種目はウォールシットで紹介しています。
お尻をさらに使いたい場合は、ヒップリフトと組み合わせるのも一つの方法です。脚とお尻の種目の全体像は自重で脚とお尻を鍛える、それぞれの動きは3D種目図鑑で確かめられます。
股関節や膝、腰に痛みが出たら、すぐに中止してください。持病のある人、妊娠中の人、けがをしている人は、始める前に医師に相談してください。運動中に胸の痛み、息苦しさ、めまいを感じたら、すぐに中止してください。
よくある質問
ワイドスクワットと普通のスクワット、どちらがいいですか?
目的によって選びます。お尻や内ももの使われ方を変えたい場合はワイドスクワット、下半身全体の基本の動きを身につけたい場合は普通のスクワットが向いています。どちらか一方に決める必要はなく、週ごとに入れ替える方法もあります。
内ももは引き締まりますか?
ワイドスクワットで内ももの筋肉を使うことはできますが、特定の部位の脂肪だけが減るとは言えません。体脂肪を減らすには、食事や全身の活動量も関わります。女性のダイエットとの組み合わせ方は自重トレーニングで女性がダイエットするにはを参照してください。
足幅はどれくらいが正解ですか?
決まった正解はありません。研究では肩幅の140%ほどが「広い足幅」とされていました。膝とつま先の向きをそろえたまま、痛みなくしゃがめる幅が自分に合った足幅です。
股関節が硬くて深くしゃがめません。
無理に深くする必要はありません。浅い深さから始め、足幅とつま先の角度を調整してください。痛みが出る場合は中止します。
毎日やってもいいですか?
軽い回数なら可能ですが、限界近くまで行う場合は休養日をはさむのがおすすめです。KINNIKU TIMES の休養日の考え方も参考にしてください。自重トレ全体の入り口は自重トレ大全のトップです。
出典
- McCaw ST, Melrose DR 1999「Stance width and bar load effects on leg muscle activity during the parallel squat」Medicine & Science in Sports & Exercise
- Paoli A, Marcolin G, Petrone N 2009「The effect of stance width on the electromyographical activity of eight superficial thigh muscles during back squat with different bar loads」Journal of Strength and Conditioning Research
- 厚生労働省 2023「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 情報シート 筋力トレーニングについて」
この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。