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自重で脚とお尻を鍛える筋トレ|道具なしの種目とレベル別メニュー

FITPEAK編集部 読了目安 9分

脚とお尻は、道具なしでもしっかり鍛えられる部位です。基本はスクワット、片脚ずつのランジ、お尻を持ち上げるヒップリフトの3系統です。お尻に効かせたいなら「深くしゃがむ」「片脚で行う」「股関節を伸ばしきる」の3点を意識すると、自重でも負荷を高められます。

自重で脚とお尻は鍛えられる?

鍛えられます。脚とお尻には太もも前の筋肉、太もも裏のハムストリングス、お尻の大殿筋・中殿筋といった体の中でも大きな筋肉が集まっており、自分の体重を支えて動くだけでも負荷がかかります。

ただし、両脚のスクワットに慣れると、体重だけでは負荷が軽くなりがちです。そこで大切になるのが、しゃがむ深さと片脚種目です。

東京大学の久保ら(2019年)は、男性17人をフルスクワット(深くしゃがむ)群とハーフスクワット(浅くしゃがむ)群に分け、週2回・10週間のトレーニング後の筋肉量をMRIで比べました。太もも前の筋肉はどちらも同程度(約5%)増えましたが、お尻の大殿筋は深い群で6.7%、浅い群で2.2%、内ももの内転筋群は深い群で6.2%、浅い群で2.7%増え、深くしゃがむ方が増え方は大きい結果でした。研究はバーベルを使ったものですが、「お尻を鍛えたいなら深くしゃがむ」ことの根拠になります。

脚とお尻に効く自重の種目はどれ?

脚とお尻の自重種目は、大きく3つの動きに分けられます。動きは3Dで確認でき、そのほかの種目は3D種目図鑑にあります。

動き 種目 主に効く場所 難しさ
しゃがむ 自重スクワット 太もも前・お尻 やさしい
しゃがむ ワイドスクワット 内もも・お尻 やさしい
片脚で踏む バックランジ お尻・太もも前 ふつう
片脚で踏む ブルガリアンスクワット お尻・太もも前 きつい
股関節を伸ばす ヒップリフト お尻・太もも裏 やさしい
股関節を伸ばす 片脚ヒップリフト お尻・太もも裏 ふつう

1. 自重スクワット(スクワット(Squat))

足を肩幅に開き、椅子に座るようにお尻を後ろに引きながらしゃがみます。膝とつま先は同じ向きにそろえ、かかとを床につけたまま、太ももが床と平行かそれより深くまで下ろします。脚の種目の土台です。詳しくは自重スクワットのやり方へ。

自重スクワットの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

2. ワイドスクワット(スモウスクワット(Sumo Squat))

足幅を肩幅の1.5〜2倍に広げ、つま先を外に向けてしゃがみます。内ももとお尻を使う割合が増えます。膝が内側に入らないよう、膝をつま先の方向へ開いたまま動かします。詳しくはワイドスクワットのやり方へ。

ワイドスクワットの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

3. バックランジ(リバースランジ(Reverse Lunge))

立った姿勢から片脚を大きく後ろに引き、両膝を曲げて体を沈めます。前に踏み出すフォワードランジより膝に負担がかかりにくく、バランスもとりやすいので、片脚種目の入口に向いています。上体を少し前に倒すと、お尻に効きやすくなります。ランジ全体はランジのやり方で解説しています。

バックランジの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

4. ブルガリアンスクワット(Bulgarian Split Squat)

後ろ脚の甲を椅子やベッドにのせ、前脚1本で深くしゃがみます。体重の多くが前脚にかかるため、自重でも負荷の高い種目です。ぐらつく場合は、壁や机に片手を添えて行ってください。フォームの詳細はブルガリアンスクワットのやり方へ。

ブルガリアンスクワットの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

Netoら(2020年)は、お尻の大殿筋の筋活動を調べた16本の研究をまとめ、スプリットスクワットやランジ、ステップアップ(台に片脚で上る動き)などを、最大随意収縮の60%を超える「とても高い」活動の種目に分類しています。対象は主におもりを持った条件ですが、片脚で踏む動きがお尻に効きやすいことが分かります。

5. ヒップリフト(グルートブリッジ(Glute Bridge))

あお向けで膝を立て、かかとで床を押してお尻を持ち上げ、肩から膝までを一直線にします。上げきった所でお尻を1〜2秒締めます。腰を反らせて高く上げるのではなく、お尻の力で持ち上げることが大切です。

Contrerasら(2015年)は、トレーニング経験のある女性13人で、バーベルを使ったスクワットと、ヒップリフトに近い動きのヒップスラストの筋電図を比べました。10回が限界の重さで比べたところ、ヒップスラストはお尻の大殿筋の平均活動がスクワットの2倍前後(大殿筋の上部で69.5%対29.4%、下部で86.8%対45.4%)でした。股関節を伸ばしきる動きはお尻に負荷を集めやすいということです。詳しくはヒップリフトのやり方へ。

ヒップリフトの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

物足りなくなったら、片脚を伸ばして浮かせる片脚ヒップリフトに進んでください。

何回・何セットやればいい?

目安は1セットを「あと1〜3回で限界」まで、2〜4セットです。脚は筋肉が大きく、両脚のスクワットでは20回を超えても限界に届かないことがよくあります。その場合は回数を増やし続けるより、片脚種目に進む方が時間あたりの効果を出しやすくなります。

レベル 種目 回数 セット 休憩
初心者 自重スクワット 10〜15回 2〜3 60秒
初心者 ヒップリフト 12〜15回 2〜3 60秒
中級者 バックランジ 左右各10〜12回 3 60〜90秒
中級者 ワイドスクワット 15〜20回 3 60秒
中級者 片脚ヒップリフト 左右各10〜15回 2〜3 60秒
上級者 ブルガリアンスクワット 左右各8〜12回 3 90〜120秒
上級者 ピストルスクワット 左右各3〜8回 3 120秒

下ろす動きを3秒かけてゆっくり行う、いちばん深い所で2秒止める、といった工夫でも負荷を上げられます。方法は自重で負荷を上げる方法にまとめています。

脚とお尻のメニューはどう組む?

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、筋トレを週2〜3日行い、休息日もとることを勧めています。脚とお尻も、間に1〜2日あけて週2〜3回が目安です。

レベル別メニュー例(1回15〜25分)

レベル 1種目め 2種目め 3種目め
初心者 自重スクワット 12回×3 ヒップリフト 15回×3 カーフレイズ 15回×2
中級者 バックランジ 左右各12回×3 ワイドスクワット 15回×3 片脚ヒップリフト 左右各12回×2
上級者 ブルガリアンスクワット 左右各10回×3 ジャンプスクワット 10回×3 片脚ヒップリフト 左右各15回×3

お尻を重点的に鍛えたい場合は、ヒップリフト系を最初に行い、お尻が疲れていない状態で丁寧に効かせる順番もおすすめです。ふくらはぎはカーフレイズのやり方、上級者向けの片脚種目はピストルスクワットのやり方で解説しています。全身を1週間で組む方法は初心者の1週間メニューを参考にしてください。

膝に不安がある人はどの種目から始めればいい?

膝に痛みや不安がある人は、膝を大きく曲げ伸ばしする種目より、膝の動きが小さい種目から始めると取り組みやすくなります。おすすめの順番は次のとおりです。

  1. ヒップリフト:膝を曲げたまま動かさず、お尻と太もも裏を使えます
  2. ウォールシット(空気椅子):壁に背中をつけ、膝を浅く曲げた所で止まります。痛みの出ない角度を選べます
  3. 浅めのスクワット:椅子に座る直前まで下ろし、座面に軽くお尻が触れたら立ち上がります
  4. バックランジ:前に踏み出すランジより、前の膝に体重が急にかかりにくい種目です

どの段階でも、痛みが出ない範囲で動かすことが前提です。段階を上げるのは、今の種目で2〜3セットを楽に終えられるようになってからにしてください。ジャンプスクワットのように着地の衝撃がある種目は、膝に不安がなくなってから取り入れます。やり方はジャンプスクワットのやり方で解説しています。

また、始める前に、その場での足踏みや軽い屈伸、脚の前後の振り出しなどで体を温めておくと、関節を動かしやすくなります。

お尻に効かない・太もも前ばかり疲れるのはなぜ?

スクワットで太もも前ばかりが疲れる人は多く、次のような原因が考えられます。

  • 膝が先に前へ出て、お尻を後ろに引けていない
  • しゃがむ深さが浅い
  • 上体を立てすぎている(ランジやブルガリアンスクワット)
  • ヒップリフトで腰を反らせて持ち上げている
  • 膝が内側に入っている

しゃがむときは「お尻を後ろの椅子に下ろす」つもりで股関節から曲げ、立ち上がるときは足の裏全体で床を押すと、お尻を使いやすくなります。片脚種目では上体をやや前に倒すとお尻に効きやすくなります。

膝や腰、股関節に痛みが出たら、その場で中止してください。膝の痛みを抱えている人は、深くしゃがむ前に痛みの出ない範囲で浅めから始めてください。持病のある人、妊娠中の人、けがをしている人は、始める前に医師に相談してください。運動中に胸の痛み、息苦しさ、めまいを感じたら、すぐに中止して休んでください。

よくある質問

スクワットは膝がつま先より前に出てはいけませんか?

足首の硬さや脚の長さによっては、膝がつま先より前に出るのは自然なことです。大切なのは、膝とつま先の向きをそろえ、かかとが浮かないことです。膝が痛む場合は、浅めのしゃがみ方やバックランジから始めてください。

お尻だけを鍛えて、脚を太くしないことはできますか?

お尻の種目でも太ももの筋肉は使われるため、お尻だけを切り分けて鍛えることはできません。ただし、ヒップリフト系は太もも前の関わりが比較的小さい種目です。見た目の変化は体脂肪の量にも左右されるので、食事も含めて考えるのが現実的です。女性の自重トレーニングも参考にしてください。

脚の筋トレは毎日やってもいいですか?

限界近くまで行う日は、間を1〜2日あけるのが基本です。筋肉痛が強い日は休むか、軽いヒップリフトなどにとどめてください。詳しくは毎日筋トレしてもいい?にまとめています。

お尻を大きくしたい場合、何を優先すればいいですか?

深くしゃがむ種目と片脚の種目、ヒップリフト系を組み合わせ、それぞれ限界近くまで行うことを優先してください。久保ら(2019年)の研究のように、しゃがむ深さによってお尻の筋肉の増え方に差が出ることもあります。回数が楽にこなせるようになったら、両脚から片脚へ、浅いから深いへと段階を上げていくことが大切です。

空気椅子は脚の筋トレになりますか?

なります。壁に背中をつけて止まるウォールシットは、動かずに太もも前に負荷をかける種目で、膝を動かすと痛い人の入口にもなります。やり方は空気椅子のやり方へ。

自重トレーニングの全体像は自重トレ大全のトップから読めます。

出典

この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。