自宅で全身を鍛える週3メニュー|器具別(自重・ダンベル・ラック)
当ページには、商品の購入リンクを載せていません。研究の情報は、PubMed(米国国立医学図書館)に掲載された論文の要旨を、2026年10月25日に確かめたものです。サイトの表示内容は変わることがあるため、リンク先でもご確認ください。
自宅の全身メニューは、週3回(月・水・金など、間に休みの日を入れる)、毎回「膝を曲げる脚・股関節の脚・押す・引く・肩・体幹」の6つの動きを1種目ずつ入れ、AとBの2つのメニューを交互に回すと組めます。器具が自重だけでも、ダンベルとベンチでも、ラックがあっても、この骨組みは同じで、種目だけを入れ替えます。目安は1種目2〜3セット、8〜12回(自重は10〜20回)、「あと1〜2回」残して終えることです。回数を先に増やし、上限に届いたら重さを上げ、4週目は量を減らす流れで進めます。
「自宅で全身を鍛えたいが、何をどの順番で、週に何回やればよいのか分からない」という相談は多くあります。種目の一覧はすぐ見つかっても、1週間の中でどう並べるか、続けるうちにどう負荷を上げるかまで書かれたものは意外と少ないものです。
この記事は、部位ごとの種目の紹介ではなく、全身を週3回で回す「組み方」に絞っています。種目の細かいやり方や、胸・背中・脚といった部位ごとの一覧は自宅筋トレの部位別メニューにまとめているので、ここでは繰り返しません。器具のレベルを「自重だけ」「ダンベルとベンチ」「ラックあり」の3つに分け、それぞれのメニューと、4週ごとの進め方を示します。
この記事の回数・セット・休憩は、持病や痛みのない健康な成人向けの一般的な目安です。治療中の病気がある人、関節や腰に痛みのある人、運動を長く休んでいた人は、始める前に医師や専門家に相談してください。トレーニング中に胸の痛み、強いめまい、いつもと違う鋭い痛みが出たときは、すぐに中止します。
週3回・全身で回す根拠を、研究で確かめる
回数・セット・頻度・休憩の目安は、感覚ではなく研究から選んでいます。下の表は、PubMedの要旨で内容を確かめた論文とメタ分析(複数の研究をまとめて統計的に分析したもの)です。リンク先で要旨を読めます。要旨に書かれていない数字は、使っていません。
| 研究 | 調べたこと | 主な結果 | メニューへの使い方 |
|---|---|---|---|
| Schoenfeldら(2017, J Sports Sci) | 週あたりのセット数と筋肥大(15研究・34群のメタ回帰) | 1セット増えるごとに、筋肥大の増加率が約0.37%高い関係。セット数が多いほど筋肥大が大きい、段階的な関係 | 部位ごとの週のセット数を数え、少しずつ増やす |
| Schoenfeldら(2016, Sports Med) | 同じ部位を鍛える頻度(10研究) | 量をそろえると、週2回は週1回より効果量が大きい(0.49対0.30)。週3回が週2回より優れるかは未確定 | 同じ部位を週2回以上に分ける |
| Schoenfeldら(2015, J Strength Cond Res) | 週1回の分割法と、週3回の全身法(鍛錬歴のある男性20人) | 前腕の屈筋の筋厚は全身法のほうが大きく増えた。最大筋力に有意な差はなかった | 全身法を週3回で回す根拠のひとつ。ただし小規模な研究 |
| Grgicら(2018, Sports Med) | 筋力と頻度(22研究のメタ分析) | 頻度が高いほど筋力の伸びは大きかったが、量をそろえると有意な差はなかった。量が主な理由と考えられた | 週3回は「魔法」ではなく、量を確保しやすい形 |
| Schoenfeldら(2017, J Strength Cond Res) | 軽い負荷(最大の60%以下)と重い負荷(21研究) | 限界近くまで行えば、筋肥大は同程度。最大筋力は重い負荷のほうが伸びた | 自重や軽いダンベルでも、回数を増やして限界近くまで行う |
| Refaloら(2023, Sports Med) | 限界まで行うか、手前で止めるか(15研究) | 動かなくなる限界まで行うほうが優れるという根拠はなかった | 「あと1〜2回」で終えてよい |
| KikuchiとNakazato(2017, J Exerc Sci Fit) | 最大の約40%に合わせたベンチプレスと腕立て伏せ(男性18人・週2回・8週間) | どちらも胸と上腕三頭筋の筋厚と最大筋力が有意に増え、腕立て伏せは同程度に有効だった | 自重の「押す」は腕立て伏せで十分 |
| Schoenfeldら(2016, J Strength Cond Res) | 休憩1分と3分(鍛錬歴のある男性21人・週3回の全身・8週間) | 3分のほうが、スクワットとベンチプレスの最大筋力と、太ももの筋厚が大きく増えた | 重い種目は長めに休む |
| ACSMの指針(2009, Med Sci Sports Exerc) | 健康な成人の筋力トレーニングの進め方 | 初心者は8〜12回で限界になる負荷、頻度は週2〜3日。目標より1〜2回多くできたら負荷を2〜10%上げる。筋肥大は6〜12回を中心に、セット間1〜2分 | 回数・頻度・重さの上げ方の基準にする |
この記事での目安
研究の条件の範囲から、初心者が自宅で続けやすい形へ置き換えたものです。数字は編集部の目安で、効果を保証するものではありません。
- 頻度: 全身を週3回。同じ動きが週3回入るので、「週2回以上」の条件を満たします。
- 回数: 器具のある種目は8〜12回、自重は10〜20回。限界近くまで行えば、軽い負荷でも筋肥大は重い負荷と同程度でした(Schoenfeldら, 2017)。
- 強さ: 最後の1回のあとに、もう1〜2回できる余力を残す(Refaloら, 2023)。
- セット: 大きな動き(脚・押す・引く)は1回の練習で2〜3セット、肩と体幹は2セット。
- 週の量: 大きな動きで週6〜9セットから始め、慣れたら10セット前後へ(Schoenfeldら, 2017の「多いほど大きい」関係から、少なめに始めて増やす考え方)。
Grgicら(2018)のメタ分析では、量をそろえると頻度による筋力の差はありませんでした。つまり、週1回で9セットを一度にやっても、週3回に3セットずつ分けても、計算上は同じ量です。それでも週3回に分けるのは、1回あたりの疲れが小さく、フォームが崩れにくく、続けやすいからです。時間が取れない週は、2回に減らしても失敗ではありません。
1週間の組み方と、A・Bの骨組み
まず1週間の形です。月・水・金のように、練習日の間に1日以上の休みを入れるのが基本です。強い筋肉痛が残る部位を、連日で強く鍛えないためです。練習日はAとBを交互に行い、1週目がA・B・Aなら、2週目はB・A・Bになります。
AとBは、どちらも6つの動きを1種目ずつ含みます。動きは同じで、種目を入れ替えるのがコツです。たとえば「膝を曲げる脚」は、Aではスクワット、Bではランジにします。同じ動きを週3回行いながら、関節や筋肉への刺激に変化がつき、飽きにくくなります。
| 動き | 主に使う部位 | Aの例 | Bの例 | 1回のセット |
|---|---|---|---|---|
| 膝を曲げる脚 | 太もも前・お尻 | スクワット系 | ランジ系 | 2〜3 |
| 股関節の脚 | 太もも裏・お尻 | ヒップリフト系 | ルーマニアンデッドリフト系 | 2〜3 |
| 押す | 胸・肩・二の腕 | 水平に押す(腕立て、ベンチプレス) | 斜めに押す(インクライン) | 2〜3 |
| 引く | 背中・力こぶ | ロウ系(水平に引く) | ロウ系、懸垂(上から引く) | 2〜3 |
| 肩 | 三角筋 | 頭上へのプレス | サイドレイズ | 2 |
| 体幹 | 腹・背骨まわり | プランク | デッドバグ、レッグレイズ | 2 |
この骨組みで、6種目×2〜3セット=1回あたり約14〜16セットになります。セット間の休憩を含めても、1回40分前後で収まるのが目安です(詳しくは「休憩時間とセット数の考え方」で計算します)。最初の1種目の前に、本番の半分ほどの重さや、膝つきなどやさしい形で1セット行い、体を温めてから始めてください。
床で行う種目が多いので、膝や肘の下にトレーニングマットを敷くと快適です。集合住宅では、重りを床へ落とさない下ろし方と、音の出にくい種目選びが大切です。対策はホームジムの防音対策で確認できます。
器具レベル別の3パターン
全身の6つの動きは、どの器具のレベルでも組めます。違いは、どの動きで重さを足しやすいかです。下の図は、器具の段階ごとに、6つの動きの組みやすさを比べたものです。
| パターン | 必要な器具 | 向く人 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| 1 自重のみ | マット、椅子、中身を詰めたリュック | まず習慣をつくりたい人、器具を買う前の人 | 引く動きと肩の負荷が足りなくなりやすい |
| 2 ダンベル+ベンチ | 可変式などのダンベル、ベンチ | 全身の種目をそろえて、長く続けたい人 | 脚の負荷がダンベルの最大重量で頭打ちになりやすい |
| 3 ラックあり | ラック、バーベルとプレート、ベンチ | ダンベルでは脚と背中の負荷が足りなくなった人 | 設置スペースと天井高が必要。安全の設定が大切 |
器具をそろえる順番や、部屋の広さと予算の考え方はホームジムに必要なものとホームジムの始め方にまとめています。ここでは、すでに持っている器具に合わせて、パターンを選んでください。
パターン1:自重だけのメニュー
必要なのは、マットと、椅子またはソファ、そして本や水のペットボトルを詰めたリュックだけです。自重は重さを細かく変えにくいため、「回数を増やす」「やさしい形から難しい形へ進む」「テンポをゆっくりにする」の3つで負荷を上げます。
| 日 | 動き | 種目 | 回数×セット | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| A | 膝を曲げる脚 | スクワット(つらければ椅子に座って立つ) | 12〜20回×3 | 1分 |
| A | 押す | 腕立て伏せ(膝つき→通常→足を台に乗せる) | 8〜15回×3 | 1〜2分 |
| A | 引く | リュックロウ(前かがみでリュックを引き上げる) | 10〜15回×3 | 1分 |
| A | 肩 | パイクプッシュアップ(腰を高く上げた腕立て) | 6〜12回×2 | 1〜2分 |
| A | 体幹 | プランク | 20〜40秒×2 | 1分 |
| B | 股関節の脚 | 片脚ヒップリフト(つらければ両脚) | 片側10〜15回×3 | 1分 |
| B | 膝を曲げる脚 | リバースランジ(後ろへ足を引く) | 片側8〜12回×3 | 1分 |
| B | 押す | 手幅を広げた腕立て伏せ | 8〜15回×3 | 1〜2分 |
| B | 引く | 片腕リュックロウ、スーパーマン(うつ伏せで背中を反らす) | 片側10〜15回×2、10〜15回×2 | 1分 |
| B | 体幹 | デッドバグ(仰向けで対角の手足を伸ばす) | 片側8〜12回×2 | 1分 |
自重の押す動き:腕立て伏せで十分に伸ばせる
腕立て伏せは、ベンチプレスの代わりにならないと思われがちです。ところがKikuchiとNakazato(2017)では、最大の約40%の負荷に合わせた膝つきなどの腕立て伏せと、同じ負荷のベンチプレスで、8週間後の胸と上腕三頭筋の筋厚、最大筋力の増え方が同程度でした(男性18人の小規模な研究です)。ふつうの腕立て伏せが10回できない人は、膝をつく、手を高い台に置く、といった形で、「あと1〜2回」残る形を選びます。逆に20回以上できるようになったら、足を椅子に乗せる、下ろす動きを3秒かけるなどで難しくします。
自重で弱くなりやすい「引く」動き
自宅の自重では、背中を鍛える種目がもっとも少なくなります。中身を詰めたリュックを両手で持ち、膝を軽く曲げて前かがみになり、おなかへ引き上げるリュックロウなら、固定する場所がなくても行えます。腰を丸めないこと、リュックを体に近い軌道で動かすことがポイントです。ドアの上やぐらつく机にぶら下がる方法は、器具や建具が外れる危険があるので、勧めません。懸垂バーを設置できる環境なら、パターン3の考え方に移ります。
軽い負荷でも、限界近くまで行えば筋肥大は重い負荷と同程度(Schoenfeldら, 2017)でした。自重の種目は、回数が増えても「あと1〜2回」の余力が残っているなら、まだ負荷が足りていません。回数を増やすか、種目をやや難しい形へ替えてください。
パターン2:ダンベルとベンチのメニュー
ダンベルとベンチがあれば、6つの動きのすべてで重さを足せます。ダンベルの重さの選び方は自宅用ダンベルは何キロがいい?、刻みの細かい可変式は可変式ダンベルのおすすめ、ベンチはトレーニングベンチのおすすめで紹介しています。種目のやり方は部位別メニューを参照してください。
| 日 | 動き | 種目 | 回数×セット | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| A | 膝を曲げる脚 | ゴブレットスクワット(ダンベル1個を胸の前で持つ) | 8〜12回×3 | 1.5〜2分 |
| A | 押す | ダンベルベンチプレス | 8〜12回×3 | 2分 |
| A | 引く | ワンハンドロウ(ベンチに片手と片膝をつく) | 片側8〜12回×3 | 1.5〜2分 |
| A | 肩 | ダンベルショルダープレス(ベンチに座って) | 8〜12回×2 | 1.5〜2分 |
| A | 体幹 | プランク | 30〜45秒×2 | 1分 |
| B | 股関節の脚 | ダンベルルーマニアンデッドリフト | 8〜12回×3 | 2分 |
| B | 膝を曲げる脚 | ブルガリアンスクワット(後ろ足をベンチに乗せる) | 片側8〜12回×2 | 1.5〜2分 |
| B | 押す | インクラインダンベルプレス | 8〜12回×3 | 2分 |
| B | 引く | ダンベルベントオーバーロウ | 8〜12回×3 | 1.5〜2分 |
| B | 肩 | サイドレイズ(軽めで反動を使わない) | 10〜15回×2 | 1分 |
Aは脚の前側と水平の押す・引く、Bは脚の裏側と斜めの押す・引くに少し寄せています。そのため、同じ動きを3回行いながらも、毎回まったく同じ刺激にはなりません。腕だけの種目(カール、エクステンション)は、胸と背中の種目で使われるので、余裕のある日の最後に1種目2セットを足す程度で十分です。
ダンベルの最大重量が先に足りなくなるのは、多くの場合、脚です。そのときは、(1)片脚で行うブルガリアンスクワットを増やす、(2)下ろす動作を3秒かける、(3)回数を15〜20回まで増やす、の順に試します。それでも足りなくなったら、パターン3に移る合図です。
パターン3:ラックありのメニュー
ラックとバーベルが入ると、スクワットやベンチプレスなどで、重い負荷を両手で扱えるようになります。バーベル種目は、必ずラックのセーフティ(安全バー)を設定して行います。ラックがない場合は、バーベルではなくパターン2のダンベル種目を続けてください。ラックの選び方はパワーラックのおすすめ、ハーフラックのおすすめ、違いはパワーラックとハーフラックの違いにあります。
| 日 | 動き | 種目 | 回数×セット | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| A | 膝を曲げる脚 | バーベルスクワット(ラック内でセーフティを設定) | 6〜10回×3 | 2〜3分 |
| A | 押す | ベンチプレス(セーフティを設定) | 6〜10回×3 | 2〜3分 |
| A | 引く | バーベルベントオーバーロウ | 8〜10回×3 | 2分 |
| A | 肩 | ダンベルショルダープレス(座って) | 8〜12回×2 | 1.5〜2分 |
| A | 体幹 | ハンギングレッグレイズ(懸垂バーにぶら下がる)またはプランク | 8〜12回×2 | 1分 |
| B | 股関節の脚 | バーベルルーマニアンデッドリフト(ラックのピンの高さから) | 8〜10回×3 | 2〜3分 |
| B | 引く | 懸垂(できなければ足を床に着けた斜め懸垂) | できる回数×3 | 2分 |
| B | 押す | インクラインダンベルプレス | 8〜12回×3 | 2分 |
| B | 膝を曲げる脚 | ブルガリアンスクワット | 片側8〜12回×2 | 1.5〜2分 |
| B | 肩 | サイドレイズ | 10〜15回×2 | 1分 |
ラックでの安全の設定は、自宅でベンチプレスは危険?に手順をまとめています。セーフティの高さ、カラーの使い方、つぶれたときの抜け方を、軽い重さで練習してから重さを上げてください。頭上へ押す種目や懸垂は天井に当たることがあるため、ホームジムの天井高で必要な高さを測ります。
補助者のいない自宅では、限界まで行う必要はありません。限界まで行うことが優れるという根拠はなく(Refaloら, 2023)、バーベルが上がらなくなる危険だけが大きくなります。最後のセットでも、もう1〜2回できる余力を残して終えてください。
休憩時間とセット数の考え方
休憩は短すぎると、次のセットの回数が落ちます。Schoenfeldら(2016)では、鍛錬歴のある男性21人が週3回の全身メニュー(7種目×3セット、8〜12回)を8週間行い、休憩を3分にしたグループが、1分のグループより、スクワットとベンチプレスの最大筋力と太ももの筋厚が大きく増えました。ACSMの指針(2009)は、筋肥大では6〜12回を中心に、セット間は1〜2分としています。
両者を合わせた、この記事の目安は次のとおりです。鍛錬歴の長い人を対象にした研究なので、初心者には「少し長めに休んでも、時間が許す範囲でよい」と読み替えています。
| 種目の種類 | 例 | 休憩 |
|---|---|---|
| 重い複合種目 | バーベルスクワット、ベンチプレス、ルーマニアンデッドリフト | 2〜3分 |
| ふつうの複合種目 | ダンベルベンチプレス、ロウ、ランジ、腕立て伏せ | 1.5〜2分 |
| 軽い・小さな種目 | サイドレイズ、プランク、デッドバグ | 1分 |
時間の計算も確かめておきます。1セットを約45秒、休憩を平均1分45秒とすると、1セット約2.5分です。16セットなら約40分で、準備運動とダンベルの持ち替えを足して45〜50分です。時間が足りないときは、休憩を削るより、2セットの種目を1セットに減らすほうが、フォームを保てます。
| 動き | 1回のセット | 週のセット | メモ |
|---|---|---|---|
| 膝を曲げる脚 | 2〜3 | 6〜9 | A・Bで種目を替えても合計して数える |
| 股関節の脚 | 3 | 9 | A・Bのどちらか、または両方に入れてよい |
| 押す | 3 | 9 | 胸・肩・二の腕を同時に使う |
| 引く | 3 | 9 | 背中・力こぶを同時に使う |
| 肩 | 2 | 6 | 押す動きでも使われるため、少なめ |
| 体幹 | 2 | 6 | 毎回行う必要はなく、1週間で合計を数える |
表の数字は、Schoenfeldら(2017)の「週あたりのセット数が多いほど筋肥大が大きい」関係を踏まえた目安です。最初の1〜2か月は少なめの側から始め、疲れが残らず、回数や重さが伸びているなら、各動きに1セットずつ足します。
4週ごとの進め方(漸進性過負荷)
漸進性過負荷とは、体が慣れた負荷に少しずつ上乗せしていく考え方です。同じ重さ・回数を続けると、体はその負荷に慣れて、変化が止まります。ACSMの指針(2009)は、決めた回数より1〜2回多くできるようになったら、負荷を2〜10%上げることを勧めています。この記事では、これを回数を先に増やし、上限に届いたら重さを上げる形に当てはめました(ダブルプログレッションと呼ばれる方法です)。
| 週 | セット | 回数と余力 | やること |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 各種目2〜3セット | 8回前後、余力2〜3回 | フォームを覚える。軽めの重さで、動作を丁寧に行う |
| 2週目 | 各種目3セット | 8→10回、余力1〜2回 | 同じ重さで回数を増やす。記録を見て、前回を超える |
| 3週目 | 各種目3セット | 10→12回、余力1〜2回 | 12回で余力が残ったら、次の練習から重さを上げる |
| 4週目 | セットを減らす(例:各種目2セット) | 前週と同じ重さで、余力2〜3回 | 疲れを抜く週。睡眠、食事、関節の違和感を見直す |
重さを上げる幅の決め方
重さを上げるのは、そのセットで決めた回数の上限(たとえば12回)に届き、さらに1〜2回できそうなときです。上げたあとは、回数が8〜10回に戻るのが普通です。可変式ダンベルは製品によって刻みが違い、軽い重さほど1段の上げ幅が割合として大きくなります。上げ幅が大きすぎるときは、回数の上限を14回程度まで伸ばしてから上げると無理がありません。
自重とバーベルでは、上げ方が変わる
- 自重: 重さを足せないため、回数を20回前後まで増やしたら、膝つき→通常→足上げ、両脚→片脚のように、種目の形を難しくします。リュックの中身を増やす方法もあります。
- バーベル: プレートの最小の刻み(多くは片側1.25〜2.5kg)が、上げ幅の下限になります。刻みが大きいときは、回数の上限に届いてから上げます。
記録のつけ方
種目・重さ・回数・「あと何回できたか」をメモします。スマートフォンのメモ帳で十分です。2週間続けても回数が増えない種目は、(1)セット数を1つ減らす、(2)休憩を30秒延ばす、(3)別の形の種目に替える、の順に試します。睡眠が足りない週や、仕事が忙しい週は、重さが伸びなくても失敗ではありません。維持できていれば十分です。
つまずきやすい点と直し方
| つまずき | 考えられる理由 | 直し方 |
|---|---|---|
| 翌日の筋肉痛が強く、次の練習が遅れる | 最初から量が多い、または重さが重い | 最初の1〜2週間は各種目のセットを1つ減らし、余力を3回ほど残す |
| 回数が伸びず、毎回同じ | 負荷が軽すぎる、または毎回限界の手前で止まりすぎている | 「あと1〜2回」残るところまで行う。軽すぎる場合は重さか難度を上げる |
| フォームが崩れる | 休憩が短い、重すぎる、疲れが残っている | 休憩を延ばし、重さを下げる。鏡や動画で、腰が丸まっていないか確かめる |
| 1回の練習が1時間を超える | 種目が多い、休憩が長い | 6種目を守り、肩や体幹を2セットに絞る。腕だけの種目は省く |
| 続かず、週1〜2回になる | 予定が固定されていない | 曜日と時間を決める。2回でも続ければ、ゼロよりよい |
- 種目を毎回すべて変えない: 種目が毎回変わると、前回との比較ができません。少なくとも4週間は同じ種目で、記録を伸ばします。
- 休みの日にも体を動かしてよい: 散歩や軽いストレッチは構いません。強い筋肉痛が残る部位への強い負荷は避けます。
- 痛みを無視しない: 筋肉がきついのと、関節や腰が痛いのは別です。痛みがあるときは中止し、続くようなら医師や専門家に相談してください。
- 食事と睡眠も練習の一部: 体づくりの進み方は、食事や睡眠にも左右されます。急に量を増やすより、まず睡眠時間を確保してください。
よくある質問
自重だけで、全身を鍛えられますか。
鍛えられますが、引く動きと肩、股関節の脚は負荷が足りなくなりやすい点に注意が必要です。腕立て伏せは、最大の約40%の負荷のベンチプレスと同程度に、胸と上腕三頭筋の筋厚が増えたという研究があります(KikuchiとNakazato, 2017)。リュックに物を詰めたロウ、片脚のヒップリフトなどで補いながら、回数を増やす、難しい形へ進む、で負荷を上げます。
週3回は多すぎませんか。毎日やってもよいですか。
週3回は、ACSMの指針(2009)が初心者に勧める週2〜3日の範囲です。毎日の全身トレーニングは、疲れが抜けにくく、フォームが崩れやすいため勧めません。練習日の間に1日以上の休みを入れてください。忙しい週は、週2回に減らしても構いません。
週2回でも効果はありますか。
あります。同じ部位を週2回鍛えると、量をそろえた比較で週1回より筋肥大の効果量が大きいと報告されています(Schoenfeldら, 2016)。週2回なら、AとBを1回ずつ行うより、各回を全身メニューにして、各動きを週2回入れる形にします。
1回のセット数は、何セットが目安ですか。
大きな動き(脚・押す・引く)は2〜3セット、肩と体幹は2セットが目安です。週のセット数が多いほど筋肥大が大きいという関係が報告されていますが(Schoenfeldら, 2017)、初心者は少なめから始め、疲れが残らなければ1セットずつ足します。
毎回、限界まで追い込むべきですか。
その必要はありません。15件の研究をまとめたRefaloら(2023)では、動かなくなる限界まで行うことが、手前で止めるより筋肥大に優れるという根拠はありませんでした。自宅では特に、「あと1〜2回」残して終えるほうが安全です。
軽いダンベルしかありません。意味はありますか。
あります。21件の研究をまとめたSchoenfeldら(2017)では、限界近くまで行えば、最大の60%以下の軽い負荷でも筋肥大は重い負荷と同程度でした。回数を15〜20回に増やす、下ろす動作をゆっくりにする、片脚・片腕で行うなどで、負荷を上げられます。ただし、最大筋力は重い負荷のほうが伸びます。
休憩は何分取ればよいですか。
重い複合種目は2〜3分、ふつうの種目は1.5〜2分、軽い種目は1分が目安です。鍛錬歴のある男性の研究では、休憩3分が1分より、最大筋力と太ももの筋厚が大きく増えました(Schoenfeldら, 2016)。ACSMの指針(2009)は筋肥大でセット間1〜2分としています。時間が足りないときは、休憩を削る前にセット数を減らします。
重さや回数は、どのタイミングで上げればよいですか。
決めた回数の上限(たとえば12回)に届き、さらに1〜2回できそうなときが目安です。ACSMの指針(2009)は、1〜2回多くできたら負荷を2〜10%上げることを勧めています。上げたあとは回数が8〜10回に戻るので、再び回数を伸ばしていきます。
この記事は、FITPEAK NAVI編集部が、PubMedに掲載された論文の要旨(2026年10月25日に確認)とACSMの指針をもとに作成しました。回数・セット・休憩の目安は健康な成人向けの一般的なもので、効果を保証するものではありません。持病や痛みがある場合は、医師や専門家に相談してください。配置の目安や数値は一般的な基準で、建物の構造・契約・安全を保証するものではありません。賃貸の場合は、管理規約・契約をご確認ください。
コメント
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