脚の筋トレ ハムストリングを鍛える種目の選び方、大腿四頭筋とあわせて研究で解説
ハムストリングは、股関節を伸ばす種目(ヒップエクステンションなど)と膝を曲げる種目(ノルディックハムストリングカールなど)で、外側(大腿二頭筋)と内側の筋電図の比率が変わることが2017年の研究で示された。大腿四頭筋もスクワット系とレッグエクステンションで鍛えられる部位の比率が異なるとされる。
ハムストリングは、股関節を伸ばす動きと膝を曲げる動きのどちらを使うかで、大腿二頭筋とそれ以外の筋肉への負荷の比率が大きく変わることが研究で示されている。大腿四頭筋の種目選びとあわせて、脚全体の鍛え分けを整理する。

ハムストリングと大腿四頭筋はどんな筋肉か
ハムストリング(もも裏)は、外側の大腿二頭筋(長頭・短頭)と、内側の半腱様筋・半膜様筋の3つ(4頭)からなり、股関節を伸ばす動きと膝を曲げる動きの両方に関わる。大腿四頭筋(もも前)は、大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋の4つからなり、膝を伸ばす動きで働くほか、大腿直筋は股関節を曲げる動きにも関わる。
ヒップエクステンションとノルディックハムストリング、どちらが効くか
ボーン(Bourne)氏らが2017年に学術誌「British Journal of Sports Medicine」で発表した研究は、運動習慣のある男性24人を対象に、代表的な下半身種目10種目で、ハムストリング外側(大腿二頭筋)と内側(半腱様筋・半膜様筋)の筋電図の比率を、下ろす局面(エキセントリック)と上げる局面(コンセントリック)に分けて比較した。エキセントリックでは45度に体を倒すヒップエクステンション(股関節を伸ばす種目)で外側の比率が最も高く、ノルディックハムストリングカールと膝を曲げた姿勢のブリッジで最も低かった。コンセントリックではランジと同じヒップエクステンションで外側の比率が最も高く、レッグカールと膝を曲げたブリッジで最も低かった。続くMRIの測定では、ヒップエクステンションの方がノルディックハムストリングカールより大腿二頭筋長頭と半腱様筋の活動比が高いことも確認された。股関節を使う種目と膝を使う種目を組み合わせることで、ハムストリング全体をバランスよく鍛えられると考えられる。
大腿四頭筋はスクワット・レッグプレス・レッグエクステンションで何が違うか
大腿四頭筋についても、種目によって鍛えられる部位の比率が異なることが、立命館大学の研究などで示されている(詳しくはレッグプレスとニーエクステンションの違いを解説した記事を参照)。股関節も同時に使うスクワットやレッグプレスは、大腿四頭筋に加えて臀筋・ハムストリングも動員するのに対し、レッグエクステンション(ニーエクステンション)は膝を伸ばす動きだけに負荷を集中させやすい。
何回・何セット・週何回が目安か
1種目8〜15回を2〜4セット、下半身全体で週10〜15セット前後を週2回に分けるのが目安になる。セット数と筋肥大の関係は大胸筋の筋トレガイドで紹介したメタ分析でも示されている。
| レベル | 種目 | 回数 | セット | 休憩 |
|---|---|---|---|---|
| 初心者(自宅) | スクワット(自重・ダンベル) | 12〜15回 | 2〜3 | 90秒 |
| 初心者(ジム) | レッグプレス | 10〜12回 | 3 | 90秒 |
| 中級者 | バーベルスクワット | 6〜10回 | 3〜4 | 2〜3分 |
| 中級者 | ヒップエクステンション/ランジ | 10〜15回 | 3 | 60〜90秒 |
よくある間違いとチェックポイントは?
- 膝が内側に入る:膝や靭帯への負担が増える。膝とつま先を同じ方向に向ける。
- ハムストリングの種目を省く:スクワット中心だとハムストリングが育ちにくい。ヒップエクステンションやレッグカールを組み合わせる。
- 反動で膝を伸ばし切る:レッグエクステンションで膝への負担が増える。コントロールして下ろす。
脚のトレーニングで注意することは?
スクワットやデッドリフト系の種目は腰や膝への負担が大きい。腰を反らせたり丸めたりせず、体幹を固めて行う。膝や腰に痛みや違和感がある人、既往がある人は、始める前に医師や理学療法士に相談してほしい。
よくある質問
ハムストリングを鍛えるにはどの種目がいい?
股関節を伸ばす種目(ヒップエクステンション、ランジ、デッドリフト系)と、膝を曲げる種目(レッグカール、ノルディックハムストリングカール)を組み合わせると、ハムストリング全体をバランスよく使えると研究で示されている。
スクワットだけで脚全体を鍛えられる?
スクワットは大腿四頭筋や臀筋には効果的だが、ハムストリングへの負荷は股関節を伸ばす種目より小さい傾向がある。ヒップエクステンションやレッグカールを組み合わせるとよい。
脚のトレーニングは週何回がいい?
週2回に分けるのが組みやすい。週10〜15セット前後を目安に、初心者は少なめから始める。
KINNIKU TIMESの視点
ハムストリングは股関節を伸ばす種目と膝を曲げる種目で、外側(大腿二頭筋)と内側の負荷比率が変わることが研究で示されている。大腿四頭筋もスクワット系とレッグエクステンションで鍛えられる部位の比率が異なるとされ、1種目に頼らず組み合わせることが脚全体をバランスよく育てる近道と考えられる。
出典:Bourne MN, Williams MD, Opar DA, et al. British Journal of Sports Medicine. 2017;51(14):1021-1028
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