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レッグカールのやり方 座る・うつ伏せの違いと重さ・回数の目安を研究で解説

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 9分
ウエイトトレーニング機材
SUMMARY|この記事の要約

レッグカールの正しい手順、シートとパッドの合わせ方、座って行う・うつ伏せで行う方法の違い、重さと回数・セット数の目安、腰が浮く・反動で上げるといった間違い、肉離れを防ぐ考え方を、研究をもとに整理しました。

レッグカールは、マシンのパッドを足首の後ろに当て、膝を曲げてパッドを引き寄せることで、太ももの裏のハムストリングスを鍛える種目である。重さの目安は10〜15回で限界の1〜3回手前になる重さで、2〜3秒かけて戻す。座って行うシーテッドレッグカールと、うつ伏せで行うライイングレッグカールがあり、12週間の研究では、座って行うほうが太もも裏の筋肉の増え方が大きかった。

レッグカールで鍛えられる筋肉は?

主に鍛えられるのは、太ももの裏のハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)で、ふくらはぎの腓腹筋も補助として働く。レッグカール(Leg Curl)は膝を曲げる動きだけを取り出した種目で、スクワットやデッドリフトでは鍛えにくい「膝を曲げる働き」を直接鍛えられる。

ハムストリングスの多くは、股関節と膝の二つの関節をまたぐ「二関節筋」である。股関節を伸ばす働きはデッドリフトやヒップスラストで、膝を曲げる働きはレッグカールで鍛えられるため、両方を組み合わせると太もも裏全体を鍛えやすい。太もも裏の鍛え方の全体像はハムストリングスの鍛え方にまとめている。

レッグカールの正しいやり方は?

膝の位置をマシンの回転軸に合わせ、パッドを足首の後ろに当て、膝を曲げて引き寄せたら2〜3秒かけて戻すのが基本の手順である。

  1. シートを合わせる:膝の関節がマシンの回転軸(多くは赤い印やネジの位置)と同じ高さになるように、背もたれやシートを調整する。
  2. パッドを当てる:足首の少し上、アキレス腱のあたりに下のパッドを当てる。シーテッドでは太ももの上のパッドで脚を固定する。
  3. 体を固定する:グリップを握り、腰や骨盤がシートから浮かないようにする。うつ伏せの場合は、お尻を突き出さずに骨盤をパッドに押しつける。
  4. 曲げる:息を吐きながら、かかとをお尻に近づけるように膝を曲げる。つま先はすねの方向に軽く引いておく。
  5. 止める:膝が十分に曲がったところで一瞬止め、太もも裏が縮んでいることを感じる。
  6. ゆっくり戻す:息を吸いながら、2〜3秒かけて膝を伸ばす。伸びきる直前で止め、重りを下で休ませずに次の回に入る。

座る・うつ伏せ、どちらがいい?

太もも裏の筋肉を大きくしたいなら、座って行うシーテッドレッグカールを優先するとよい。

立命館大学の前大純朗らの2021年の研究(Medicine & Science in Sports & Exercise誌)では、健康な成人20人が、片脚はシーテッド、反対の脚はライイング(うつ伏せ)でレッグカールを行った。どちらも1RMの70%で10回5セット、週2回を12週間続け、MRIで筋肉の体積を測った。ハムストリングス全体の増え方は、シーテッドが14%、ライイングが9%で、シーテッドのほうが大きかった。二関節筋(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)ではシーテッドが8〜24%、ライイングが4〜19%で、膝だけをまたぐ大腿二頭筋短頭では10%と9%で差はなかった。

座ると股関節が曲がるため、二関節筋は引き伸ばされた状態で力を出すことになる。著者らは、筋肉を長く伸ばした状態で鍛えることが筋肥大を促すと考察している。一方で、同じ研究の後半では、強い下ろす動きによる筋肉の損傷の受けにくさは、両方の方法で同じように高まった。うつ伏せのマシンしかない場合でも、十分に効果は期待できる。

重さと回数・セット数の目安は?

レッグカールは10〜15回で限界の1〜3回手前になる重さで、2〜4セットが目安である。

前大らの研究では、1RMの70%で10回5セットという設定が使われた。シェーンフェルドらの2017年のメタ分析(Journal of Sports Sciences誌、15研究)では、週あたりのセット数が多いほど筋肉の増え方が大きくなる関係が示されている。米国スポーツ医学会(ACSM)の2026年の公式見解(Currierら、137本の系統的レビューのまとめ)は、筋肥大には週10セット以上の量が有利と整理している。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」も、筋力トレーニングを週2〜3日行うことを勧めている。デッドリフトなど股関節を使う種目と合わせて、太もも裏の週のセット数を考えるとよい。

レベル 種目 回数 セット 休憩
初心者(週2回) シーテッドレッグカール 12〜15回(余力2〜3回) 2〜3 90秒
初心者(週2回) ヒップスラスト(軽め) 12〜15回 2 90秒
中級者(週2回) シーテッドレッグカール 8〜12回(余力1〜2回) 3〜4 90秒〜2分
中級者(週2回) ライイングレッグカール 10〜15回 2〜3 90秒

上限の回数を全セットこなせたら、次回は1段階(2.5〜5kg)重くする。股関節を伸ばす種目はデッドリフトのやり方で解説している。

片脚ずつ行うべき?足首の向きは?

多くのマシンは両脚でも片脚でも行え、左右差が気になる人は片脚ずつ行うと弱い側を確かめやすい。足首はすね側に軽く引いた角度を保つのが基本である。

片脚で行う場合は、両脚で使う重さの半分よりやや軽めから始め、骨盤がねじれてシートから浮かないことを確かめる。弱い側の回数に合わせて、強い側も同じ回数で止めると、左右差を広げずに済む。前大らの研究も、片脚ずつ別の方法で鍛える設計で、片脚のレッグカールでも十分な刺激が得られることを示している。

足首は、つま先をすね側に引いた状態(背屈)で行うと、ふくらはぎに力が逃げにくい。つま先を強く伸ばすと、ふくらはぎの腓腹筋が膝を曲げる動きを手伝うため、太もも裏への負荷が分散しやすい。マシンの種類によっては、足首の位置でパッドの当たり方が変わるため、痛みのない位置を探すこと。

よくある間違いとチェックポイントは?

多いのは「膝と回転軸がずれている」「腰やお尻が浮く」「反動で上げて速く戻す」の3つである。

  • 回転軸がずれている:膝と軸の位置がずれると、パッドが足首からずれて膝に余計な負担がかかる。始める前に必ず合わせる。
  • 腰やお尻が浮く:うつ伏せで重すぎると、お尻が浮いて腰が反る。骨盤をパッドに押しつけたまま動かせる重さにする。
  • 反動で上げる:勢いで上げると、太もも裏への負荷が抜ける。上で一瞬止められる速さで上げる。
  • 戻すのが速い:重りを落とすように戻すと、下ろす局面の刺激が失われる。2〜3秒かけて戻す。
  • 可動域が狭い:重すぎて少ししか曲がらないなら、重さを下げて大きく動かす。
  • ふくらはぎで引く:つま先を強く伸ばすと、ふくらはぎに力が逃げやすい。つま先はすね側に軽く引く。

肉離れの予防にも役立つ?

膝を曲げる力を鍛えることは、太もも裏の肉離れ対策の一つと考えられている。ただし、予防の研究が多いのはレッグカールではなく、ノルディックハムストリングという自重種目である。

ファン・ダイクらの2019年のメタ分析(British Journal of Sports Medicine誌、15研究・8,459人)では、ノルディックハムストリングを含む予防プログラムで、太もも裏のけがの発生リスクが最大51%減った。ノルディックハムストリングは、ひざ立ちで足首を固定し、上体をゆっくり前に倒していく種目で、太もも裏に強い下ろす負荷がかかる。負荷が大きいため、レッグカールで基礎の筋力をつけてから取り入れるとよい。

安全に行うための注意点は?

レッグカールは、太もも裏が強く縮む種目のため、足がつるような痛みや鋭い痛みが出たら、すぐに中止することが大切である。

太もも裏の肉離れや膝のけがの経験がある人、腰に痛みがある人、持病がある人は、始める前に医師に相談してほしい。運動中に胸の痛みや息苦しさ、めまいを感じたら、ただちに中止すること。脚の日の最初に行う場合は、軽い重さで1〜2セットのウォームアップをはさむと、太もも裏を温めてから本番のセットに入れる。

よくある質問

シーテッドとライイングはどちらがいいですか?

筋肉を大きくしたい場合は、シーテッド(座って行う)を優先するとよいでしょう。12週間の研究では、ハムストリングス全体の増え方がシーテッドで14%、うつ伏せで9%でした。うつ伏せのマシンしかない場合でも効果は期待できます。

何kgから始めればいいですか?

決まった重さはありません。正しいフォームで12〜15回行い、あと2〜3回の余力が残る重さから始めましょう。マシンによって負荷のかかり方が違うため、同じマシンで記録を伸ばすことが大切です。

デッドリフトをしていればレッグカールは不要ですか?

デッドリフトは主に股関節を伸ばす働きで太もも裏を使い、レッグカールは膝を曲げる働きで使います。働きが違うため、両方を組み合わせると太もも裏全体を鍛えやすくなります。

足がつりそうになるのはなぜですか?

太もも裏やふくらはぎが強く縮むためです。重さを下げる、つま先をすね側に軽く引く、水分をとる、といった対策を試し、痛みが続く場合は中止しましょう。

自宅でできる代わりの種目はありますか?

ノルディックハムストリングや、あお向けでお尻を上げたままかかとを引き寄せる種目が使えます。ノルディックハムストリングは負荷が大きいため、浅い角度から始めましょう。

KINNIKU TIMESの視点

レッグカールは、スクワットやデッドリフトでは鍛えにくい「膝を曲げる働き」を直接鍛えられる、太もも裏に欠かせない種目である。選べるならシーテッドを優先し、膝とマシンの回転軸を合わせ、2〜3秒かけて戻すことを守りたい。股関節を伸ばす種目と組み合わせれば、太もも裏をバランスよく鍛えられる。太ももの前を鍛えるレッグエクステンションや、脚全体を使うランジ、レッグプレスと組み合わせて、脚の日のメニューを組むとよい。


出典:Maeo S, et al. Med Sci Sports Exerc. 2021;53(4):825-837/Schoenfeld BJ, et al. J Sports Sci. 2017;35(11):1073-1082/van Dyk N, et al. Br J Sports Med. 2019;53(21):1362-1370/Currier BS, et al. ACSM Position Stand. Med Sci Sports Exerc. 2026;58(4):851-872/厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

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