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レッグプレスのやり方と重量の目安 足の位置・回数・よくある間違いを研究で解説

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 9分
レッグプレスマシンでトレーニングする様子
SUMMARY|この記事の要約

レッグプレスの正しい手順、足を置く位置と幅による違い、重量の決め方と回数・セット数の目安、腰が浮く・膝を伸ばしきるといった間違い、血圧の上がり方への注意を、研究とACSMの指針をもとに整理しました。

レッグプレスは、腰と背中をシートにつけたまま、膝が90度前後に曲がるところまでプレートを下ろし、足裏全体で押し返す脚の種目である。重量の目安は、10回前後で限界の1〜3回手前になる重さで、最初は軽めから2〜3セット行う。足を高く広く置くとお尻と太ももの裏が、低く狭く置くと太ももの前が使われやすい。

レッグプレスで鍛えられる筋肉は?

主に鍛えられるのは、太ももの前の大腿四頭筋(特に外側広筋・内側広筋・中間広筋)、お尻の大臀筋、太ももの内側の大内転筋である。レッグプレス(Leg Press)は、マシンに座るか寝た姿勢で、足でプレートを押し出す種目で、バランスを取る必要が少なく、初心者でも重さを扱いやすい。

立命館大学の研究チームによる2026年の研究(Medicine & Science in Sports & Exercise誌)では、トレーニング未経験の17人が、片脚でレッグエクステンション、反対の脚でレッグプレスを12週間行い、MRIで17の筋肉の体積を調べた。レッグプレスは大臀筋(15.4%増)と大内転筋(6.2%増)を増やし、大腿四頭筋全体の増え方はレッグエクステンションと同程度だった。一方、太ももの前の中央にある大腿直筋は、レッグプレスでは有意に増えなかった。研究の詳細はレッグプレスとニーエクステンションを比べた立命館大学の研究で紹介している。

レッグプレスの正しいやり方は?

シートと足の位置を合わせ、腰を浮かせない深さまで下ろし、膝を伸ばしきる手前で止めて押し返すのが正しいやり方である。

  1. シートを調整する:深く座り、腰と背中をシートにつける。膝を曲げたときに腰が浮かない背もたれの角度・位置にする。
  2. 足を置く:足は腰幅から肩幅程度に開き、プレートの中央あたりに足裏全体を置く。つま先はやや外向きにする。
  3. ストッパーを外す:プレートを少し押し上げ、安全ストッパーを外す。グリップを握って上体を固定する。
  4. 下ろす:息を吸い、2〜3秒かけて膝を曲げ、膝が90度前後になるところまで下ろす。腰がシートから浮き始める手前が下限だ。
  5. 押し返す:足裏全体、特にかかと寄りで押し、息を吐きながらプレートを押し上げる。膝はつま先と同じ向きに保つ。
  6. 伸ばしきらない:膝をロック(完全に伸ばしきる)する手前で止め、次の回に入る。
  7. 終えたらストッパーを戻す:最後の回の後、プレートを押し上げた位置でストッパーを確実にかけてから足を外す。

足の位置で効く場所は変わる?

足をプレートの高い位置・広めに置くと太ももの裏とお尻が、低い位置・狭めに置くと太ももの前が使われやすいとされる。

エスカミーリャらの2001年の研究(Medicine & Science in Sports & Exercise誌)では、経験のある男性10人が、足を高く置く・低く置くレッグプレスを、広い足幅と狭い足幅、つま先の向き2通りで行い、膝にかかる力と筋活動を調べた。高い位置で広い足幅にすると、狭い足幅より太ももの裏(ハムストリングス)の活動が高くなった。一方、つま先の向きでは筋活動も膝への力も変わらなかった。また、膝への力は膝を深く曲げるほど大きくなり、膝への負担を抑えたい場合は浅めの範囲で行う選択肢もあると著者らは述べている。

足を低い位置に置くと膝が大きく前に出るため、太ももの前を使いやすい一方で、膝に違和感が出る人もいる。最初はプレートの中央に足を置き、慣れてから目的に応じて上下に動かすとよい。スクワットでの足幅の違いはスクワットのスタンス幅の研究も参考になる。

重量は何kgが目安?

決まった「何kg」はなく、正しいフォームで決めた回数を行い、余力が1〜3回残る重さが目安になる。

レッグプレスはマシンによって角度や滑車の仕組みが違い、表示の重さがそのまま足にかかる重さとは限らない。そのため、他人の数字やほかのマシンとの比較より、同じマシンで自分の記録を伸ばすことが大切だ。米国スポーツ医学会(ACSM)の2026年の公式見解(Currierら、137本の系統的レビューのまとめ)は、筋力向上には1RMの80%以上の重さ、全可動域、2〜3セット、週2回以上が有利で、筋肥大には週10セット以上の量が有利と整理している。最大挙上重量(1RM)を測らずに推定する方法は1RM推定式の解説を、余力の見積もり方はRPEとRIRの解説を参考にしてほしい。

レベル 種目 回数 セット 休憩
初心者(週2回) レッグプレス(足はプレート中央) 12〜15回(余力2〜3回) 2〜3 90秒〜2分
初心者(週2回) ヒップスラスト(軽め) 12〜15回 2 90秒
中級者(週2回) レッグプレス 6〜10回(余力1〜2回) 3〜4 2〜3分
中級者(週2回) ブルガリアンスクワット 片脚8〜10回 3 2分

決めた回数を全セットこなせたら、次回は5〜10kg重くするのが目安だ。大腿直筋はレッグプレスだけでは増えにくいという結果もあるため、太ももの前全体を鍛えたい人はレッグエクステンションを加えるとよい。

片脚で行うレッグプレスは効果的?

片脚ずつ行うレッグプレスは、左右差を確かめたいときや、両脚では重さが足りないときに役立つ方法である。

やり方は両脚と同じで、片足をプレートの中央に置き、もう一方の足は床やフレームに置いて休ませる。片脚では骨盤がねじれやすいため、重さは両脚の半分よりさらに軽めから始め、腰がシートから浮かないことを確かめながら行う。片脚トレーニングと両脚トレーニングの効果の比較は24研究のメタ分析の解説にまとめている。筋肥大では大きな差はないと報告されており、両脚を基本にしつつ、補助として片脚を取り入れるのが使いやすい。

よくある間違いとチェックポイントは?

多いのは「深く下ろしすぎて腰が浮く」「膝を伸ばしきる」「重すぎて可動域が狭くなる」の3つである。

  • 腰やお尻が浮く:深く下ろしすぎると骨盤が後ろに傾き、腰が丸まってシートから離れる。浮く手前を下限にする。
  • 膝を伸ばしきる:上で膝を完全に伸ばしきると、重さが関節に乗りやすい。わずかに曲がった位置で止める。
  • 可動域が狭い:重すぎて数センチしか動かせないなら、重さを下げて膝が90度前後まで曲がる範囲で行う。
  • 膝が内側に入る:押すときに膝が内側に倒れていないか確かめ、つま先と同じ向きに押す。
  • かかとが浮く:つま先だけで押すと膝に負担が集まりやすい。足裏全体で押す。
  • 息を強く止め続ける:重い重さで息をこらえ続けると血圧が大きく上がる(次の項を参照)。

安全に行うための注意点は?

レッグプレスは大きな筋肉を一度に使うため、重い重さでは血圧が大きく上がることを知っておくことが大切である。

マクドゥーガルらの1985年の研究(Journal of Applied Physiology誌)では、経験のあるボディビルダー5人の動脈内の血圧を直接測ったところ、限界まで行う両脚のレッグプレスで最も高く、平均で320/250mmHgに達した。レンティーニらの1993年の研究(同誌)でも、健康な若い男性が1RMの95%で限界まで行うと、収縮期血圧は平均160から270mmHgに上がった。いずれも健康な人での数字だが、高血圧や心臓の病気がある人は、事前に医師に相談してほしい。

運動中に胸の痛みや息苦しさ、めまい、強い頭痛を感じたらすぐに中止する。重い重さでの呼吸法はバルサルバ法の解説で詳しく紹介している。膝や腰に痛みやけがの経験がある人も、無理に深く下ろさず、医師に相談のうえで痛みの出ない範囲で行いたい。

よくある質問

レッグプレスは何kgから始めればいいですか?

決まった重さはありません。正しいフォームで12〜15回行い、あと2〜3回できる余力が残る重さから始めましょう。マシンによって表示の重さと実際の負荷が違うため、同じマシンで記録を伸ばすことが大切です。

どこまで深く下ろせばいいですか?

膝が90度前後に曲がり、腰がシートから浮く手前までが目安です。膝への力は深く曲げるほど大きくなるため、膝に違和感がある人は浅めの範囲で行う選択肢もあります。

スクワットの代わりになりますか?

レッグプレスは太ももの前やお尻を鍛えられ、バランスを取る必要が少ないぶん重さを扱いやすい種目です。経験者10人の研究では、スクワットのほうが太ももの前と裏の筋活動は大きかったため、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

膝を伸ばしきってはいけないのはなぜですか?

上で膝を完全に伸ばしきると、重さが筋肉ではなく関節に乗りやすくなります。わずかに曲がった位置で止めると、筋肉に負荷をかけ続けられます。

お尻に効かせるにはどうすればいいですか?

足をプレートのやや高い位置に、少し広めに置くと、太ももの裏やお尻が使われやすいとされます。12週間の研究でも、レッグプレスで大臀筋の体積が15.4%増えました。

KINNIKU TIMESの視点

レッグプレスは、バランスに気を取られずに脚とお尻に大きな負荷をかけられる、初心者から上級者まで使いやすい種目である。成果を左右するのは表示の重さではなく、腰を浮かせない深さまで下ろす可動域と、膝を伸ばしきらない動きの丁寧さだ。足の位置で効く場所を調整しつつ、記録は同じマシンで少しずつ伸ばしていきたい。重い重さでは血圧が大きく上がることも忘れず、体調に応じて重さを選ぶこと。お尻をさらに鍛えたい人はヒップスラスト、片脚の安定性を高めたい人はブルガリアンスクワットと組み合わせるとよい。


出典:Kinoshita M, et al. Med Sci Sports Exerc. 2026;58(7):1566-1580/Escamilla RF, et al. Med Sci Sports Exerc. 2001;33(9):1552-66/MacDougall JD, et al. J Appl Physiol. 1985;58(3):785-90/Lentini AC, et al. J Appl Physiol. 1993;75(6):2703-10/Currier BS, et al. ACSM Position Stand. Med Sci Sports Exerc. 2026;58(4):851-872

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