レッグプレスとニーエクステンション、鍛えられる筋肉に違い 立命館大学の研究で判明
レッグプレスとニーエクステンション(レッグエクステンション)は、どちらも大腿四頭筋を鍛える代表的な種目だが、増える筋肉の場所は異なることが、立命館大学の研究で確認された。大腿直筋はニーエクステンションで、大殿筋や内転筋はレッグプレスで、それぞれより大きく増加したという。
レッグプレスとニーエクステンション(レッグエクステンション)は、同じ大腿四頭筋を鍛える種目でも、実際に増える筋肉の部位が異なることが、立命館大学の研究で確認された。同大学スポーツ健康科学部の木下百花氏(研究当時・同学部卒業生)、前大純朗助教、伊坂忠夫教授らの研究グループが、米国スポーツ医学会(ACSM)発行の学術誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」に発表し、同大学が2026年2月6日に公式サイトで研究内容を紹介した。
トップ画像:Unsplashより
どんな研究だったのか
研究グループは、筋力トレーニングの経験がない成人17人(男性11人、女性6人)を対象に、同じ人の左右の脚を使って比較する「被験者内比較」の手法を採用した。片方の脚はニーエクステンション(単関節運動)、もう片方の脚はレッグプレス(多関節運動)で、週2回・12週間のトレーニングを行わせた。トレーニングの前後で、大腿四頭筋を構成する4つの筋(大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋)に加えて、殿筋群や内転筋群など下半身全体の筋量の変化を画像で比較している。

大腿四頭筋全体の増え方は同程度、ただし大腿直筋だけは違う
大腿四頭筋全体の筋量は、ニーエクステンションを行った脚とレッグプレスを行った脚で、統計的に差がないほど同程度に増加した。ところが筋ごとに見ると様子が異なる。大腿四頭筋の中でも股関節をまたぐ「大腿直筋」は、ニーエクステンションを行った脚では明確に増加した一方、レッグプレスを行った脚ではほとんど増加しなかった。研究グループは、股関節が深く曲がらないレッグプレスでは大腿直筋が十分に引き伸ばされないことが一因とみられるとしている。
レッグプレスは殿筋・内転筋にも効き、下半身全体の筋量は増えやすい
一方、お尻の大きな筋肉である大殿筋や、内ももの大内転筋は、レッグプレスを行った脚でのみ有意に増加し、ニーエクステンションを行った脚ではほとんど変化がなかった。研究グループは、大腿四頭筋だけを見ればどちらの種目でも同程度に鍛えられるが、殿筋群や内転筋群も合わせた下半身全体の筋量としては、レッグプレスの方が効率よく増やせると説明している。
筋力の伸びは「実際に行った種目」で決まる
筋力については、ニーエクステンションの1RM(1回だけ挙げられる最大重量)はニーエクステンションを行った脚の方が大きく伸び、レッグプレスの1RMはレッグプレスを行った脚の方が大きく伸びた。どちらの種目で測るかによって伸び幅が変わるという、トレーニングの「特異性」を示す結果だと研究グループは述べている。なお今回の対象はトレーニング未経験者であり、研究グループ自身も、経験者に同じ結果がそのまま当てはまるかは不確かだと述べている。
よくある質問
結局、レッグプレスとニーエクステンションどちらをやればいい?
大腿四頭筋全体を増やす効果は同程度だが、大腿直筋(もも前の上部)を重点的に鍛えたいならニーエクステンション、殿筋や内転筋も含めて下半身全体を効率よく鍛えたいならレッグプレスが向くといえる。両方を組み合わせるのも一つの考え方である。
この研究はどのくらい信頼できるのか
学術誌に掲載された研究で、同じ人の左右の脚を比較する設計のため個人差の影響を抑えられている。ただし対象はトレーニング未経験の成人17人と規模は大きくなく、トレーニング経験者や男女別の詳細な結果は、今回確認できた発表内容からは分からない。
KINNIKU TIMESの視点
「どちらが優れているか」で終わらせず、鍛えたい部位に応じて種目を選ぶ視点が実践的である。もも前の張りを出したいならニーエクステンションを、下半身をまとめて鍛えたいならレッグプレスを軸にする、といった使い分けが考えられる。持病や関節に不安がある場合のトレーニング内容は、自己判断で無理をせず医師や専門家に相談してから進めてほしい。
出典
- 立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科「ニーエクステンションとレッグプレスの比較に関する研究成果」(2026年2月6日)
- Kinoshita M, Maeo S, et al. "Hypertrophic Effects of Single- versus Multi-Joint Exercise: A Direct Comparison Between Knee Extension and Leg Press." Medicine & Science in Sports & Exercise. DOI: 10.1249/MSS.0000000000003957
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