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筋トレは重量を上げないと伸びない?43人の8週試験、回数を増やしても筋肥大は同等

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
バーベルを運ぶ男性
SUMMARY|この記事の要約

筋肥大のために重量を上げ続ける必要はない可能性がある。筋トレ経験者43人の8週間の試験では、同じ重量で回数を増やす方法でも筋肉の厚みの増え方は重量を増やす方法とほぼ同等で、スクワットの最大挙上重量は重量を増やす群が約2kg上回った。

筋トレで筋肉を大きくするには、扱う重量を上げ続けなくてもよい可能性がある。研究チームが2022年に学術誌PeerJで発表したランダム化比較試験では、筋トレ経験者43人を「重量を増やす群」と「同じ重量で回数を増やす群」に分けて8週間の下半身トレーニングを行ったところ、筋肉の厚みの増え方はほぼ同じだった。スクワットの最大挙上重量は両群とも平均約20kg伸び、重量を増やす群がわずかに上回った。

ジムでウエイトを持ち上げる男性
写真はイメージです(Unsplash)

どんな試験だった?

ダニエル・プロトキン(Daniel L. Plotkin)氏らは、1年以上継続して下半身を鍛え、週3回以上トレーニングしている男女43人(男性27人、女性16人、平均23.1歳、平均トレーニング歴3.8年)を2群に無作為に分けた。8週間を最後までやり遂げたのは38人である。

項目 重量を増やす群(LOAD) 回数を増やす群(REPS)
割り付け人数 22人 21人
進め方 1セット8〜12回の範囲を保ち、重量を上げる 最初の重量のまま、回数を増やす
共通の条件 週2回、スクワット・レッグエクステンション・カーフレイズ(膝を伸ばした立位と座位)を各4セット。毎セット限界まで行い、セット間の休息は2分

超音波で太もも前面(大腿直筋、外側広筋)とふくらはぎ(腓腹筋の内側・外側、ヒラメ筋)の筋肉の厚みを測り、スミスマシンを使ったスクワットの最大挙上重量(1RM)、レッグエクステンションの反復回数、垂直跳びの高さも比べた。

筋肥大と筋力はどう変わった?

筋肉の厚みは、ふくらはぎ(腓腹筋、ヒラメ筋)と外側広筋(3か所)で両群がほぼ同じように増えた。大腿直筋だけは回数を増やす群がやや上回り、測定部位の合計で2.8mm多かった(90%信頼区間はマイナス0.5〜5.8mm)。

結果 両群の差(調整後) 読み取り方
大腿直筋の厚み(部位の合計) 回数群が2.8mm多い 回数群がやや有利だが不確実
外側広筋・ふくらはぎの厚み ほぼ差なし 同等
スクワット1RM 重量群が2.0kg多い(約10%上回る) 重量群がやや有利だが不確実
レッグエクステンションの反復回数 ほぼ差なし 同等
垂直跳び 両群とも変化なし 同等

論文は、スクワット1RMの伸びについて「平均約20kgで、重量を増やす群が約10%上回った」としつつ、差の実用的な意味ははっきりしないと述べている。結論は「回数の漸進も重量の漸進も、8週間の筋力・筋肥大向上に有効な戦略といえる」である。

この研究の限界は?

期間は8週間と短く、対象は下半身の種目に限られる。参加者は平均23歳の筋トレ経験者で、初心者や高齢者に同じ結果が当てはまるかは分からない。また、両群とも毎セット限界まで行っており、限界の手前で止める場合に同じ結果になるかは検証されていない。人数も各群20人前後で、小さな差を見分けるには十分とはいえない。

よくある質問

筋肥大のために重量を毎回上げる必要はある?

この試験の範囲では必要ない。同じ重量で回数を増やす方法でも、8週間の筋肥大は重量を上げる方法とほぼ同等だった。

最大筋力を伸ばしたい場合は?

重量を上げる方法がわずかに有利だったが、差は約2kgで不確実性が大きい。1RMを伸ばす目的なら、重い重量を扱う練習を組み込むのが無難である。

筋トレ初心者にも当てはまる?

この試験だけでは分からない。対象は1年以上下半身を鍛えてきた経験者だった。

KINNIKU TIMESの視点

「前回より1kgでも重く」にこだわると、フォームが崩れたり、関節に不安を感じたりすることがある。この試験は、同じ重量で1回でも多く挙げることも立派な漸進性過負荷になりうることを示した。自宅の限られたダンベルや、重量の刻みが大きいマシンでも筋肥大を狙える点は実用的だ。ただし筋力の伸びでは重量を上げる方法がわずかに勝っており、目的に応じて使い分けるのがよい。限界まで追い込むかどうかの議論は2回残しの試験の記事、軽い重量でも筋肥大するかは高重量と低重量の比較記事で紹介している。


出典:Plotkin DL, et al. Progressive overload without progressing load? The effects of load or repetition progression on muscular adaptations. PeerJ 10:e14142(2022年)/DOI: 10.7717/peerj.14142

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