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細切れ筋トレでも筋力は伸びる?スクワットを1日3回に分けた8週間試験、通常法と有意差なし

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 5分
バーベルでスクワットをする男性
SUMMARY|この記事の要約

1回分の筋トレを1日3回の「細切れ」に分けても、8週間後のスクワット1RMは通常のまとめて行う方法と統計的な差がなかった(細切れ+32.7kg、通常+41.1kg)。筋トレ経験のある男子学生45人のランダム化試験で、楽しさの評価は細切れの方が高かった。

1回分の筋トレを1日3回の「細切れ」に分けても、8週間後の筋力の伸びは、まとめて行う通常の方法と統計的な差がなかった。中国・上海の同済大学などの研究チームが、筋トレ経験のある男子学生45人を対象にしたランダム化比較試験の結果を、学術誌「Journal of Exercise Science and Fitness」で2026年9月1日にオンライン発表した。運動の楽しさの評価は、細切れの方が高かった。

ジムでバーベルを持ち上げる男性
写真はイメージです(Unsplash)

「細切れ筋トレ」とはどんな方法?

研究チームが「フラグメンテッド・レジスタンストレーニング(細切れの筋トレ)」と呼ぶ方法で、短い運動を1日に何度か挟む「エクササイズ・スナック(運動のおやつ)」の考え方から生まれた。長いまとまった時間を取りにくい人向けの選択肢として注目されているが、通常の筋トレと直接比べた研究は少なかった。

項目 内容
対象者 18〜25歳の男子学生45人(筋トレ歴6カ月以上)、15人ずつ3群
細切れ群 スミスマシンのスクワット20回×1セットを、午前(9〜12時)・午後(13〜17時)・夜(18〜21時)に1回ずつ、1時間以上空けて実施
通常群 同じスクワット20回×3セットを1回で実施(セット間の休憩3分)
対照群 普段どおりの生活を継続(それまでの自主的なトレーニングの継続も可)
頻度・期間 週3回・8週間。重量は最大挙上重量(1RM)の40%から55%へ段階的に増加。総回数は両群で同じ

スクワットの最大重量はどれだけ伸びた?

開始時の1RMは各群とも平均75〜81kg前後だった。8週間の変化は次のとおりである。

指標(8週間の変化) 細切れ群 通常群 対照群
スクワット1RM +32.7kg +41.1kg +12.2kg
等尺性スクワットの力 +40.2kgf +47.5kgf +12.3kgf
1RMの40%での反復回数 +6.2回 +10.4回 −3.8回

細切れ群も通常群も、3つの指標すべてで対照群を上回った(なお対照群には、それまでの自主的なトレーニングの継続が認められていた)。統計モデルで推定した対照群との差は、1RMで細切れ群が20.6kg、通常群が28.9kgである。一方、細切れ群と通常群の差は統計的に有意ではなかった(1RMでp=0.164)。ただし数値の上では通常群の伸びが大きく、少人数の試験で「差が検出されなかった」ことは「効果がまったく同じ」ことの証明ではない点に注意が要る。

楽しさは細切れの方が上

運動の楽しさを測る質問票(PACES)の中央値は、細切れ群が5.94、通常群が5.50で、細切れ群が有意に高かった(p=0.034)。出席率は細切れ群92.8%、通常群91.5%で、8週間の脱落者は3群ともゼロだった。

この研究の限界は?

  • 45人と小規模で、対象は若い男性のみ
  • 種目はスクワット1つだけで、重量も1RMの40〜55%と軽め
  • 筋肉の太さ(筋肥大)や筋電図は測定していない
  • 期間は8週間で、長く続けられるかは今後の検証課題

よくある質問

細切れの筋トレで筋肉は大きくなる?

今回の研究では筋肉の太さを測っておらず、筋肥大への効果は分からない。確認されたのは、8週間で筋力と筋持久力が伸びたことである。

1回あたり何回行った?

本試験ではスクワット20回×1セットを1回分とし、1時間以上空けて1日3回行った。1日の合計は通常群と同じ60回である。

重い重量でも同じ結果になる?

検証されたのは1RMの40〜55%という比較的軽い重量だけである。高重量で同じ結果になるかは分かっていない。

KINNIKU TIMESの視点

ジムに行く時間が取れない日でも、20回程度のスクワットを朝・昼・夜に分けて積み重ねれば、何もしないより筋力は伸びる可能性がある。ただし、しっかり伸ばしたいなら、まとまった時間で行う通常の筋トレを基本に据え、忙しい日の「代わりの手段」として細切れを使うのが現実的だろう。短時間の筋トレについては、1日4分の筋トレを高齢者で試した研究や、週の頻度と総量の関係を調べたメタ分析も参考になる。


出典:Zhai R, et al. Fragmented versus traditional resistance training: a randomized controlled trial on muscular strength, endurance, and enjoyment in recreationally trained young adults. Journal of Exercise Science and Fitness(2026年9月1日オンライン公開)/DOI: 10.1016/j.jesf.2026.200521