同じ部位は週1回か3回か。25研究のメタ分析「総量が同じなら頻度は好みでよい」
同じ筋肉を週に何回鍛えればよいかを25件の研究から検証したメタ分析は、週の総ボリュームが同じであれば頻度による筋肥大の差はみられないと結論づけた。頻度は生活に合わせて選べる、ということだ。
胸は月曜、背中は火曜――部位ごとに週1回ずつ鍛える「分割法」と、同じ部位を週に何度も鍛える高頻度法のどちらが筋肉を大きくするのか。2019年に発表されたメタ分析は、週あたりの総トレーニング量をそろえれば、頻度の違いは筋肥大を意味のある形では左右しないという結論を出した。
研究デザイン:25件の介入研究を統合
分析したのは、筋肥大研究で知られるブラッド・シェーンフェルド(Brad J. Schoenfeld)氏、Jozo Grgic氏、ジェームズ・クリーガー(James Krieger)氏の3人である。PubMed/MEDLINE、Scopus、SPORTDiscusの各データベースを体系的に検索し、週あたりのトレーニング頻度が筋肥大に与える影響を調べた実験研究のうち、基準を満たす計25件を分析対象とした。
分析では、週の総ボリューム(セット数や負荷量)をそろえた研究と、そろえていない研究を分けて検討している。この区別が、結果を読み解く鍵になる。
結果:総量をそろえると差は消える
週の総ボリュームをそろえた条件では、頻度が高い場合と低い場合の間に有意な差はみられなかった。さらに、筋肥大を直接測定した研究に限った場合、筋トレ経験者に限った場合、上半身と下半身に分けた場合のいずれでも、頻度による有意な差は確認されなかった。
一方、総ボリュームをそろえていない研究を対象にしたメタ回帰分析では、頻度が高いほうが有利という有意な結果が出た。ただし週1回と週3回以上の差は小さなものにとどまった。頻度を上げるとその分週の総量も増えやすく、その影響が表れた可能性がある。
| 分析の条件 | 頻度による差 |
|---|---|
| 週の総ボリュームをそろえた研究 | 有意差なし |
| 筋肥大を直接測定した研究・経験者・上半身/下半身別 | いずれも有意差なし |
| 週の総ボリュームをそろえていない研究 | 高頻度が有意に有利(ただし差は小さい) |
著者らは「総量をそろえた場合、トレーニング頻度が筋肥大を有意に、あるいは意味のある形で左右することはないという強い根拠がある」と述べ、週の頻度は個人の好みで選んでよいと結論づけている。
研究の限界
統合された研究の多くは数週間から数か月の短期間のものであり、年単位で続けた場合に同じ結論になるかは分からない。また、週の総量が非常に多い場合には、1回の練習に詰め込むと後半のセットの質が落ちるといった実務上の問題もあり、この分析だけでは捉えきれない。頻度そのものよりも、「週にどれだけの質の高いセットを積めるか」が本質だと読むのが妥当である。
KINNIKU TIMESの視点
分割法派も全身法派も、この結果に安心してよい。大切なのは、選んだ頻度で週の必要なセット数を確実にこなせるかどうかだ。たとえば胸で週に10セット行うなら、1日で10セットを一気に行うより、5セットずつ週2回に分けたほうが、後半のセットまで集中力と重量を保ちやすい。
逆に、仕事が忙しくジムに行けるのが週に2日だけという人は、全身を週に2回鍛える構成が現実的である。「正解の頻度」を探すより、長く続けられるスケジュールを選び、総量と強度を積み上げることが近道になる。