筋トレの分割法、PPL・上下・全身どれが正解か 研究で判明した基準
週の頻度ではなく総トレーニングボリュームが同じなら、分割法の違いによる筋肥大効果に明確な差はないと2019年発表のレビュー論文で示されている。
筋トレ初心者から中級者まで、自分の生活リズムに合わせてPPL(プッシュ・プル・レッグス)、上下分割、全身法から選んでよいことが分かる。
週あたりの総トレーニングボリュームが同じであれば、全身法か部位分割かという分割法の違いによる筋肥大効果の差は小さいことが、複数の研究をまとめたレビュー論文で示されている。PPL(プッシュ・プル・レッグス)、上下分割、全身法という代表的な3つの分割法の特徴と、研究で分かっている「頻度より重要な条件」、そして自分に合った選び方を整理する。
代表的な3つの分割法とは
筋トレの「分割法」とは、1週間の中でどの部位をどの日に鍛えるかを決める組み方である。代表的なものは次の3つである。
| 分割法 | 組み方の例 | 1部位あたりの頻度 |
|---|---|---|
| 全身法(フルボディ) | 1回のセッションで全身の主要部位を満遍なく行う | 週2〜3回 |
| 上下分割 | 上半身の日と下半身の日に分ける | 週2回前後 |
| PPL(プッシュ・プル・レッグス) | 押す種目の日・引く種目の日・脚の日に分ける | 週1〜2回(6日構成なら週2回) |
頻度そのものより「週の総ボリューム」が重要
豪州エディス・コーワン大学などの研究者らが2019年に学術誌「Journal of Science and Medicine in Sport」に発表したレビュー論文では、筋肥大を部位ごとに直接測定した10件の研究を検討し、「週1回のトレーニングでも、週2〜3回と同程度の筋肥大が得られた」との報告が多いとまとめている。また、体組成など別の指標を用いた21件の研究の多くも、頻度による有意差を報告していない。論文は「週あたりの総ボリュームが揃っていれば、トレーニング頻度そのものが筋肉量の増加に大きな影響を与えるとは考えにくい」と結論づけている。
つまり、同じ部位を週1回集中的に追い込む全身法でも、週2〜3回に分けて行うPPLや上下分割でも、1週間あたりのセット数の合計(総ボリューム)がそろっていれば、得られる筋肥大効果に大きな差は出にくいということになる。
それぞれの分割法が向いている人
研究で分かっている範囲では優劣がつけにくい以上、選び方は「続けやすさ」で決めてよい。
- 全身法:ジムに通える回数が週2〜3回に限られる人、筋トレ初心者でフォーム習得を優先したい人に向く。
- 上下分割:週3〜4回通える人、上半身と下半身で疲労感を分けて回復させたい人に向く。
- PPL:週5〜6回通える時間がある人、部位ごとにセット数を積み上げたい中級者以上に向く。
いずれの場合も、1週間の中で同じ部位を最低1回は追い込み、翌週も同じか、それ以上のボリュームを積み上げていく「漸進的過負荷」の考え方と組み合わせることが前提になる。
分割法を選ぶ・変える際の注意点
頻度の少ない全身法や上下分割では、1回あたりに扱う部位数が多くなる分、1種目あたりのセット数が少なくなりやすい。一方でPPLのように頻度を増やす場合は、1部位あたりの休養日が短くなりやすいため、筋肉痛(DOMS)が抜けきらないまま次のセッションを迎えないよう、フォームの質を優先して重量や本数を調整する必要がある。分割法を変える場合も、総ボリュームを急に増やしすぎないことが、オーバートレーニングを避けるうえで重要である。
よくある質問
分割法を変えると効果が落ちますか
週の総ボリュームを維持できれば、分割法を変えたこと自体で筋肥大効果が大きく落ちるとは考えにくいとレビュー論文は示している。
初心者は全身法とPPL、どちらから始めるべきですか
フォーム習得を優先できる全身法から始め、通える頻度が増えてきた段階で上下分割やPPLへ移行するのが無理のない進め方である。
KINNIKU TIMESの視点
「どの分割法が一番効くか」という問いよりも、「無理なく通い続けられ、週を通じてボリュームを積み上げられる分割法はどれか」という問いのほうが実践的である。分割法選びで迷っている読者は、まず自分が週に何回ジムに通えるかを基準に選び、慣れてきたら頻度や種目構成を見直していく進め方をおすすめしたい。トレーニング計画の立て方に不安がある場合は、ジムのトレーナーなど専門家に相談することも有効である。
出典:Grgic J, Schoenfeld BJ, Latella C. "Resistance training frequency and skeletal muscle hypertrophy: A review of available evidence." Journal of Science and Medicine in Sport, 22(3), 2019/関連記事:筋トレの週セット数、増やすほど効果は頭打ちに/筋トレの伸び悩みを防ぐ「プログレッシブオーバーロード」の実践法
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