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ヒップスラストとスクワット、お尻に効くのは?34人の9週試験、臀筋の筋肥大は同等

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
ジムでバーベルを持ち上げようとする人
SUMMARY|この記事の要約

ヒップスラストとバックスクワットを9週間比べた試験では、お尻の筋肉(大臀筋)の増え方に明確な差はなかった。太もも前側と内側の筋肉はスクワットの方が大きく増え、筋力は練習した種目がそれぞれ伸びた。

お尻の筋肉を大きくする効果は、ヒップスラストとバックスクワットで明確な差がなかった。米オーバーン大学などの研究チームが、筋トレ未経験の若い男女34人を2群に分けて9週間トレーニングし、MRIで筋肉の断面積を比べた。結果は2023年に学術誌「Frontiers in Physiology」で発表された。お尻に「効く感覚」が強いヒップスラストが、筋肥大でも上回るとは限らないことを示した研究である。

ジムでバーベルを担いでスクワットをする男性
写真はイメージです(Unsplash)

誰を対象に、どんな方法で比べた?

対象は過去5年間の筋トレが週1回以下だった大学生年代の男女で、分析に含まれたのはヒップスラスト群18人(男性5人・女性13人、平均22歳)とバックスクワット群16人(男性6人・女性10人、平均24歳)である。

項目 内容
期間・頻度 9週間、週2回(中1日以上あける)
セット数 1週目3セット→2週目4セット→3〜6週目5セット→7〜9週目6セット(両群で同じ)
回数 1セット8〜12回、限界まで
測定 MRIによる大臀筋(上部・中部・下部)、中殿筋・小殿筋、太ももの筋肉の断面積、3回挙げられる最大重量(3RM)など

お尻の筋肉はどちらが増えた?

大臀筋の上部・中部・下部、中殿筋と小殿筋のいずれも、数値はわずかにヒップスラスト寄りだったが、群の差の95%信頼区間はすべてゼロをまたいでおり、明確な差とは言えなかった。論文は「臀筋の断面積の増加は両群で同程度」と結論づけている。

一方、太ももではスクワット群が上回った。群の差は大腿四頭筋(太もも前側)で3.6平方センチ、内転筋群(太もも内側)で2.5平方センチ、スクワット群の方が大きく増えた。ハムストリングス(太もも裏)はどちらもほとんど増えなかった。

筋力はどう変わった?

種目(3RM) ヒップスラスト群 スクワット群
スクワット 17%増 44%増
ヒップスラスト 63%増 34%増
デッドリフト 16%増 15%増

筋力は練習した種目が大きく伸びる「特異性」の通りで、練習していないデッドリフトの伸びは両群でほぼ同じだった。また、初回の練習で測った表面筋電図(筋肉の電気的な活動)はヒップスラストの方が高かったが、その大きさから筋肉の増え方を予測することはできなかった。

この研究の限界は?

対象は筋トレ未経験の若者で、経験者や高齢者に当てはまるかは分からない。期間は9週間と短く、週2回・同じセット数という1つの条件しか調べていない。筋力テストは研究者が群を知った状態で行われ、MRIの撮影器具が太ももの測定に影響した可能性も論文中で指摘されている。なお、著者のうち2人はトレーニング関連の商品やサービスを販売しており、研究デザインへの助言と費用の一部負担に関わったと開示している。

よくある質問

お尻を大きくしたいならヒップスラストとスクワットのどちらがよい?

この試験では大臀筋の増え方に明確な差はなかった。太もも前側と内側も同時に鍛えたいならスクワット、太ももをあまり太くしたくないならヒップスラストが選択肢になる。

「効いている感じ」が強い種目ほど筋肉は増える?

この研究では、筋電図の大きさから筋肥大を予測できなかった。効いている感覚だけで種目の優劣は決められない。

KINNIKU TIMESの視点

お尻の筋肥大だけを見れば、ヒップスラストとスクワットは「どちらか一方が正解」という関係ではない。違いが出たのは太ももで、スクワットは大腿四頭筋と内転筋群も一緒に育てる。脚全体を太くしたい人はスクワットを軸に、お尻の形を優先して太ももの張りを抑えたい人はヒップスラストを多めに、と目的で選ぶのが合理的だ。しゃがむ深さでお尻への効果が変わることを示した東京大学の研究もあわせて参考にしたい。重要なのは種目の選択より、限界近くまで行う十分なセット数を積み重ねることである。


出典:Plotkin DL, et al. Hip thrust and back squat training elicit similar gluteus muscle hypertrophy and transfer similarly to the deadlift. Frontiers in Physiology 14:1279170(2023年10月9日)

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