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脚トレを足すと腕の筋肉は育ちにくい?105人の6週試験、上腕の筋肥大に差なし

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
トレーニングマシンを使う人
SUMMARY|この記事の要約

腕の筋トレに脚の種目を加えても、腕の筋肉の伸びは0.19cmで腕だけの0.18cmと差がなかった。筋トレ未経験者105人を6週間比較した米国の研究で、筋肉どうしが成長を奪い合う証拠は確認されなかった。

腕の筋トレに脚の筋トレを追加しても、腕の筋肉の育ち方は変わらなかった。米ミシシッピ大学のジェレミー・ローネキ(Jeremy P. Loenneke)氏らの研究チームが、筋トレ未経験者105人を6週間比較した結果を、米国ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)の学術誌『Journal of Strength and Conditioning Research』2026年9月号(40巻9号)で発表した。「一度に多くの筋肉を鍛えると、筋肉どうしが成長の材料を奪い合う」という考えを検証した研究である。

ジムでダンベルを使ってトレーニングする男性
写真はイメージです(Unsplash)

筋肉は成長を「奪い合う」のか?

筋肉を大きくするにはエネルギーやたんぱく質などの材料が必要になる。そのため、1回のトレーニングで動かす筋肉の量が増えるほど、個々の筋肉に回る資源が減り、成長が鈍るのではないかという仮説がある。全身を一度に鍛えるか、部位を分けて鍛えるかを考えるうえでも関心の高いテーマである。

どんな実験だった?対象者と方法

筋トレ未経験の105人を次の3群にランダムに分け、トレーニング群は6週間で計18回の指導付きセッションを行った。

群 人数 内容
腕のみ 36人 片腕のアームカール(最大挙上重量の30%)を限界まで2セット
腕+脚 33人 上記に加え、レッグエクステンション(20〜30回で限界になる重さ)を左右各4セット
対照 36人 運動なし(時間は同じ)

鍛えた腕の上腕前面の筋厚(上腕の長さの60%と70%の2カ所)と、肘を曲げる動作の最大挙上重量(1RM)を実験前後で測定し、ベイズ統計で群間を比較した。

結果:脚トレを足しても腕の筋肥大は同等

項目 腕のみ 腕+脚
上腕前面の筋厚の増加 0.18cm 0.19cm
1RMの増加 0.32kg 0.25kg

6週間のトレーニングで筋肉の大きさと筋力はともに向上した。脚の種目を追加した群でも腕の筋厚の伸びは腕だけの群と変わらず、1RMの伸びにも差はみられなかった。著者らは「食事を管理していない条件では、筋肉の大きさや筋力の適応に競合が起きる証拠はなかった」と結論づけている。

研究の限界は?

対象は筋トレ未経験者で、負荷は最大挙上重量の30%という軽い重さだった。追加したのは脚の1種目のみで、全身を高ボリュームで鍛える場合とは条件が異なる。食事も管理していない。著者ら自身も「より多いトレーニング量や、栄養摂取が限られた状況で競合が起きるかは今後の検証が必要」としている。

よくある質問

全身を1日で鍛えると筋肉は育ちにくい?

今回の研究では、腕の種目に脚の種目を加えても腕の筋肥大は変わらなかった。少なくとも初心者が通常の食事で行う範囲では、心配する必要は小さいといえる。

軽い重量でも筋肉は大きくなる?

なる。この研究でも最大挙上重量の30%で限界まで行うトレーニングで、6週間後に筋厚が増えた。

KINNIKU TIMESの視点

「脚の日と腕の日を同じ日にすると、どちらかの成長が落ちる」と心配する必要は、少なくとも初心者にはあまりなさそうだ。スケジュールの都合で全身を一度に鍛える日があっても、各部位を限界近くまで追い込めていれば成長は期待できる。軽い重量でも追い込めば筋肉が育つ点は、高重量と低重量を比べた研究とも一致する。一方、減量中など栄養が限られる時期には別の結果になる可能性があり、その時期は種目数を絞るなどの工夫も検討したい。


出典:Kataoka R, Yamada Y, Hammert WB, et al. Journal of Strength and Conditioning Research 40(9):1043-1049(2026年9月)