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上腕三頭筋の筋トレ 長頭・外側頭・内側頭を鍛え分ける種目を研究で解説

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 5分
ケーブルマシンでトライセプスプッシュダウンを行う男性
SUMMARY|この記事の要約

上腕三頭筋は長頭・外側頭・内側頭の3つに分かれ、腕を頭上に上げた姿勢で肘を伸ばす種目は、体側で行うより筋肥大が大きいことがMRIを使った左右比較研究で示されている。米国の筋電図研究では、ダイヤモンド型の腕立て伏せが8種目中もっとも活動が高かった。

上腕三頭筋を大きくしたいなら、プッシュダウンだけでなく、腕を頭上に上げて肘を伸ばす種目を取り入れる価値が大きい。2023年の左右比較試験と米国の筋電図研究を手がかりに種目選びを整理する。

ケーブルでトライセプスエクステンションを行う男性
写真はイメージです(Unsplash)

上腕三頭筋の長頭・外側頭・内側頭とは?

上腕三頭筋は、肩関節と肘関節の両方をまたぐ長頭、肘関節だけをまたぐ外側頭・内側頭の3つからなる。長頭は腕を頭上に上げると肩側でも引き伸ばされるため、頭上で肘を伸ばす種目では強く働きやすいとされる。外側頭・内側頭は、肘を伸ばす動きならどの姿勢でも働く。

腕を頭上に上げると肥大が大きくなる?

2023年に学術誌「European Journal of Sport Science」で発表された研究は、成人21人の片腕を頭上位、もう片腕を体側の中立位に割り当てる左右比較の設計で、ケーブルを使った肘伸展を12週間・週2回行わせた。MRIで測定した結果、扱う重量は頭上位の腕のほうが34〜39%軽かったにもかかわらず、三頭筋全体の筋体積の増加は頭上位のほうが大きかった(頭上位+19.9%、中立位+13.9%)。長頭をまたがない外側頭・内側頭でも頭上位のほうが大きく肥大した。詳しい数値はこちらの記事で紹介している。

種目によって活動の高さはどう変わる?

米ウィスコンシン大学ラクロス校のポーカリ(Porcari)氏らの研究チームが、筋力トレーニング経験のある女性15人を対象に、ダイヤモンド型腕立て伏せ、キックバック、ディップス、オーバーヘッドエクステンション、ロープ・バーのプッシュダウン、ライイングバーベルエクステンション、クローズグリップベンチプレスの8種目を筋電図で比べた。もっとも活動が高かったのはダイヤモンド型腕立て伏せで、もっとも低かったのはライイングバーベルエクステンションとクローズグリップベンチプレスだった。対象が女性に限られる点には注意が必要だが、自重でも高い活動が得られる種目があることを示す結果である。

プッシュダウンの正しいやり方は?

ケーブルプッシュダウンは代表的な種目である。ケーブルの高い位置にバーまたはロープを取り付け、肘を体の横に固定したまま、肘を伸ばして腕を体の前まで押し下げ、2秒前後かけて戻す。肘が体から離れたり反動を使うと負荷が逃げやすい。ロープなら下ろしきったところで手首を外側にひねるとより深く収縮させられる。

自宅ではどう鍛える?

自宅では、ダイヤモンド型腕立て伏せ(手を体の中心で逆三角形に組む)や、椅子を使ったベンチディップスが候補になる。手の幅が狭いぶん負荷が増すため、きつい場合は膝をついて行う。頭上に腕を上げる種目は、ペットボトルや軽いダンベルを使ったオーバーヘッドエクステンションで代用できる。

何回・何セット・週何回が目安?

1種目8〜15回を2〜4セット、週8〜12セット前後を週2回に分けるのが目安になる。胸の筋トレガイドでも触れたとおり、セット数が多いほど筋肥大が大きくなる関係がメタ分析で示されている。プレスダウン系と頭上に上げる種目を組み合わせるとバランスよく使いやすい。

レベル 種目 回数 セット 休憩
初心者(自宅) 膝つきダイヤモンド腕立て伏せ 8〜12回 2〜3 60秒
初心者(ジム) ケーブルプッシュダウン 10〜15回 3 60秒
中級者 オーバーヘッドケーブルエクステンション 10〜12回 3 90秒
中級者 ディップス(前傾を抑えて三頭筋を意識) 8〜12回 2〜3 90秒

よくある間違いとチェックポイントは?

  • プッシュダウンで肘が動く:負荷が減る。肘を体の横に固定する。
  • 頭上エクステンションで腰を反らせる:腰に負担がかかる。体幹を固める。
  • 毎回プレスダウン系だけを行う:頭上での伸長刺激が不足しやすい。種目を分けて取り入れる。

腕のトレーニングで注意することは?

肘や肩に痛みがある人、腱鞘炎やテニス肘などの既往がある人は、始める前に医師に相談してほしい。種目の最中に鋭い痛みが出た場合は中止し、長引く痛みがあれば医療機関を受診する。

よくある質問

プッシュダウンだけで十分?

プッシュダウンは体側で肘を伸ばす種目のため、長頭への伸長刺激は限られる。頭上に腕を上げる種目を1つ加えると、三頭筋全体をより効率よく使えると考えられる。

自宅でも三頭筋は育てられる?

育てられる。筋電図の研究では、自重のダイヤモンド型腕立て伏せが8種目中もっとも活動が高かった。きつくなったら足を台に乗せるなどして負荷を上げるとよい。

上腕三頭筋のトレーニングは週何回がいい?

週2回に分けるのが組みやすい。週8〜12セット前後を目安に、初心者は少なめから始める。

KINNIKU TIMESの視点

上腕三頭筋を効率よく鍛えるなら、プッシュダウン系の種目に、頭上に腕を上げる種目を1つ加えるのが合理的である。自重しかない環境でも、ダイヤモンド型腕立て伏せのように高い筋活動が得られる種目があり、器具がないことを言い訳にする必要はない。大胸筋との疲労の兼ね合いも考えて予定を組みたい。


出典:Maeo S, Wu Y, Huang M, Sakurai H, Kusagawa Y, Sugiyama T, Kanehisa H, Isaka T. European Journal of Sport Science. 2023/Boehler B, Porcari JP, Kline D, Hendrix CR, Foster C. ACE-sponsored Research, University of Wisconsin-La Crosse

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