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上腕二頭筋の筋トレ EZバーカールと角度で分かる鍛え分けを研究で解説

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 5分
ダンベルを使って上腕二頭筋を鍛えるトレーニングのイメージ写真
SUMMARY|この記事の要約

上腕二頭筋は、EZバーのバーベルカールがダンベルの交互カールより筋電図活動が高く、プリーチャーカールは9週間で肘に近い部位の筋厚を有意に増加させることが研究で示された。インクラインカールでは同じ期間に有意な増加は見られなかった。

上腕二頭筋はカールの種目によって負荷のかかる角度が変わり、長期的な筋肥大の起こり方にも差が出ることが研究で示されている。バーベルの握り方と、インクラインカール・プリーチャーカールという2つの定番種目を手がかりに、効果的な鍛え方を整理する。

バーベルカールで上腕二頭筋を鍛える様子のイメージ写真
写真はイメージです(Unsplash)

上腕二頭筋はどんな筋肉か

上腕二頭筋は長頭と短頭の2つに分かれ、肘を曲げる動きと前腕を外側にひねる動き(回外)で働く。上腕の内側には、肘を曲げる力の大部分を担う上腕筋、外側には前腕屈筋群の上腕橈骨筋があり、カール系種目ではこれらも一緒に活動する。

バーベルカールはストレートバーとEZバー、どちらがいいか

マルコリン(Marcolin)氏らが2018年に学術誌「PeerJ」で発表した研究は、週3回以上のトレーニング経験がある男性12人を対象に、ストレートバーのバーベルカール、EZバーのバーベルカール、ダンベルを交互に上げるカールの3種目で、上腕二頭筋と上腕橈骨筋の表面筋電図を比較した。全可動域でみると、EZバーはダンベルの交互カールより両筋とも活動が高く、挙上する局面(コンセントリック)でも同様の傾向が見られた。一方、ストレートバーとEZバーの間には統計的な差はほとんど確認されなかった。筆者らはEZバーが肘や手首への負担を抑えつつ高い筋活動を得やすいと結論づけているが、これは1回きりの筋電図測定であり、数カ月単位の筋肥大量を直接測った結果ではない点には注意が必要である。

プリーチャーカールとインクラインカール、筋肥大に差は出るか

ザバレタ-コルタ(Zabaleta-Korta)氏らが2023年に学術誌「Journal of Human Kinetics」で発表した研究は、筋トレ経験のある女性31人を対象に、関節可動域の前半(肘が伸びた位置付近)で負荷が最大になるプリーチャーカール群と、後半(肘が90〜100度付近)で負荷が最大になるインクラインダンベルカール群に分け、週3回・9週間トレーニングさせた。超音波で上腕の3カ所(上腕の50・60・70%の位置)の筋厚を測定した結果、プリーチャーカール群は肘に近い70%の部位で筋厚が有意に増加した(2.70cmから2.94cmへ)が、インクラインカール群はどの部位でも有意な増加は見られなかった。ただし著者らは、本来必要なサンプル数より少なく、差を検出しにくい(検出力不足の)可能性があると自ら注記しており、結論は慎重に受け止める必要がある。

何回・何セット・週何回が目安か

1種目8〜15回を2〜4セット、上腕二頭筋全体で週8〜14セット前後を週2回に分けるのが目安になる。セット数と筋肥大の関係は大胸筋の筋トレガイドで紹介したメタ分析でも示されている。初心者はまず週6セット程度から始めるとよい。

レベル 種目 回数 セット 休憩
初心者(自宅) ダンベル交互カール 10〜12回 2〜3 60秒
初心者(ジム) EZバーカール 10〜12回 3 60秒
中級者 プリーチャーカール 10〜15回 3 60〜90秒
中級者 インクラインダンベルカール 10〜12回 2〜3 60秒

よくある間違いとチェックポイントは?

  • 反動を使って持ち上げる:体幹や肩の力で挙げてしまい上腕二頭筋への負荷が逃げる。肘を固定してゆっくり動かす。
  • 手首を反らせたまま行う:手首や前腕への負担が増える。手首はまっすぐ保つ。
  • 可動域を最後まで使わない:肘を伸ばし切らないと、ストレッチ局面の刺激が小さくなる。

上腕二頭筋のトレーニングで注意することは?

重いバーベルカールやプリーチャーカールは、肘や上腕二頭筋の腱に負担がかかりやすい。肘の痛みや腱の張りを感じる場合は無理に続けず、重量を落とすか中止し、長引く場合は医師や理学療法士に相談してほしい。

よくある質問

太い上腕二頭筋を作るにはどの種目を優先すべき?

単一の研究だけで結論づけるのは難しいが、プリーチャーカールのように肘が伸びた位置で負荷が最大になる種目は、肘に近い部位の筋肥大を後押しする可能性が示されている。ただしサンプル数が少ない研究のため、ほかの種目と組み合わせるのが無難である。

ストレートバーとEZバー、どちらを使うべき?

筋電図の比較では両者に大きな差はなかった。手首や肘に負担を感じる場合はEZバーを選ぶとよい。

上腕二頭筋は週何回鍛えればいい?

週2回に分けるのが組みやすい。週8〜14セット前後を目安に、初心者は少なめから始める。

KINNIKU TIMESの視点

上腕二頭筋はバーベルの握り方や可動域の使い方次第で、筋電図の反応も部位ごとの筋肥大の出方も変わる可能性がある。ただしいずれの研究も対象人数が少なく、1種目に絶対的な優位性があるとまでは言えない。プリーチャーカール・インクラインカール・バーベルカールを組み合わせ、可動域全体をまんべんなく使うことを優先したい。上腕三頭筋の筋トレガイドと合わせて、腕全体のメニューを組む参考にしてほしい。


出典:Marcolin G, Panizzolo FA, Petrone N, et al. PeerJ. 2018;6:e5165/Zabaleta-Korta A, Fernández-Peña E, Torres-Unda J, et al. Journal of Human Kinetics. 2023;88:259-270

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