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クランチのやり方|腰を痛めない腹筋運動のコツと回数の目安

FITPEAK編集部 読了目安 8分

クランチ(Crunch)は、あお向けでひざを立て、おへそをのぞき込むように肩甲骨が床から浮くところまで上体を丸める腹筋運動です。上体を起こしきらず、首や反動に頼らないことで、腰への負担をおさえながらおなかの前側をきたえられます。初めての人は10〜15回×2セットから始めると無理がありません。

クランチの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

クランチとは?どこに効くの?

クランチは、おなかの前側にある腹直筋を主にきたえる種目です。背骨を丸める動きで腹直筋が縮み、わき腹の腹斜筋も補助として働きます。

上体を床から完全に起こす「上体起こし(シットアップ)」との大きな違いは、動く範囲を小さくしている点です。肩甲骨が浮くところまでしか上げないため、太ももの付け根の筋肉(腸腰筋など)が働きにくいとされ、おなかの筋肉に負荷を集めやすくなります。

腹筋運動と腰への負担については研究があります。アクスラーとマクギル(1997年)は、9人に12種類の腹筋運動を行ってもらい、おなかの筋活動と腰の骨にかかる圧迫の大きさを比べました。その結果、上体を少しだけ起こす腹筋運動(クランチに近い動き)が、腰への負担に対しておなかの筋肉への刺激が大きい傾向にあったと報告しています。一方で、すべての腹筋を一つの種目で十分にきたえられるものはなく、いくつかの種目を組み合わせる必要があるとも述べています。

おなかまわり全体のメニューの組み方は、自重で腹筋をきたえるメニューにまとめています。

正しいやり方は?手順を確認しよう

上の3Dアニメーションで、上体を丸める範囲と首の位置を確かめながら行ってください。

  1. あお向けに寝て、ひざを90度ほどに曲げ、足の裏を床につけます。足は腰幅に開きます。
  2. 両手は胸の前で組むか、指先を耳の横に軽くそえます。頭の後ろで手を強く組むのはさけます。
  3. あごを軽く引き、腰と床のすき間を少しせばめるようにおなかに力を入れます。
  4. 息をはきながら、おへそをのぞき込むように背中を丸め、肩甲骨が床から浮くところまで上体を上げます。
  5. 上で1秒止まり、おなかが縮んでいるのを感じます。
  6. 息をすいながら、2〜3秒かけてゆっくり戻ります。頭は床につけきらず、軽く浮かせたままにすると負荷がぬけにくくなります。

動作中は息を止めないでください。 厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の情報シートでも、筋トレ中は血圧の急な上昇をおさえるため、息をこらえないように注意するよう示されています。上げるときにはき、下ろすときにすうと覚えておきましょう。

首や腰が痛くなるのはなぜ?よくある間違い

クランチで首や腰に痛みが出る場合は、次のような原因が考えられます。

  • 頭を手で引っぱっている: 手で頭を持ち上げると、首に大きな負担がかかります。手は耳の横にそえるだけにして、あごと胸の間にこぶし1個分のすき間を保ちます
  • 上体を起こしすぎている: 背中が床から完全に離れるまで起こすと、太ももの付け根の筋肉が主に働き、腰に負担がかかりやすくなります
  • 反動をつけている: 勢いよく起き上がると、おなかの筋肉が働く時間が短くなり、腰や首を痛める原因にもなります
  • 腰が反っている: 腰と床のすき間が大きいまま行うと、腰に負担がかかります。おなかに力を入れ、すき間をせばめてから動き始めます
  • 足を何かに引っかけている: 足を固定すると太ももの付け根の筋肉が使われやすくなります。足は床に置くだけにします

何回やればいい?レベル別の回数とセット

初めての人は10〜15回×2セットが目安です。正しいフォームで最後の数回がきつく感じる回数を選びましょう。

レベル 種目 回数 セット 休憩
初心者 クランチ(手は胸の前) 10〜15回 2セット 45〜60秒
中級者 クランチ(手は耳の横・上で2秒止める) 15〜20回 3セット 45〜60秒
中級者 バイシクルクランチ 左右10回ずつ 2〜3セット 60秒
上級者 クランチ(脚を浮かせて行う) 15〜20回 3セット 60秒

頻度は週2〜3日が目安です。厚生労働省のガイド2023では、成人と高齢者に筋トレを週2〜3日行うことを勧めており、筋トレには自重で行う運動も含まれるとしています。回数・セット・頻度の考え方は自重トレーニングの回数・セット・頻度でくわしく解説しています。

クランチでおなかの脂肪は落ちる?

結論からいうと、クランチだけでおなかの脂肪が減るとは考えにくいです。

ビスピュートら(2011年)は、運動習慣のない成人24人を、腹筋運動を行うグループと何もしないグループに分けて比べました。腹筋運動のグループは、7種類の腹筋運動を2セット×10回、週5日、6週間行いました。その結果、体重・体脂肪率・おなかまわりの脂肪・腹囲のいずれにも、腹筋運動による意味のある変化は見られませんでした。一方で、腹筋の持久力のテスト(上体を少し起こす腹筋運動の回数)は、腹筋運動のグループが47回、何もしないグループが32回と、腹筋運動のグループで大きく伸びていました。

つまり、クランチはおなかの筋肉の力や持久力を高めるための種目であり、おなかまわりの脂肪を減らしたい場合は、食事の見直しや有酸素運動、全身の筋トレを組み合わせることが大切です。体重管理の考え方は女性のための自重トレーニングとダイエットを参考にしてください。

やさしくする・きつくする方法は?

やさしくする方法

  • 手を太ももの上にすべらせる: 手のひらを太ももにのせ、ひざに向かってすべらせるように上体を丸めます。動く目安が分かりやすくなります
  • 上げる高さを小さくする: 頭と肩が少し浮く程度から始めます
  • 回数を減らし、1回ずつ止める: 5〜8回でも、上で2秒止めれば十分な刺激になります

きつくする方法

  • 上で2〜3秒止める: おなかが縮んだ状態を長く保ちます
  • 下ろす動作を4秒かける: ゆっくり戻るだけで負荷が上がります
  • 脚を浮かせて行う: ひざと股関節を90度に曲げたまま脚を浮かせて行います
  • ひねりを加える: 上体を丸めながら左右にひねると、わき腹も使えます。動きのくわしい方法はバイシクルクランチのやり方で解説しています

腰に不安がある人はどうすればいい?

腰痛がある人、腰に持病がある人は、クランチを始める前に医師に相談してください。 背骨を丸める動きをくり返すため、症状によっては合わない場合があります。

エスカミーリャら(2006年)は、健康な男女21人を対象に、さまざまな腹筋運動での筋活動を調べ、上体を起こしきる腹筋運動(ひざを曲げたシットアップ)などでは、股関節を曲げる働きを持つ太もも前側の筋肉(大たい直筋)の活動が比較的大きく、腰に不安のある人には問題になる可能性があると述べています。

腰に不安がある場合は、次の点を心がけると負担をおさえやすくなります。

  • 上体を起こしきらず、肩甲骨が浮く程度にとどめる
  • 腰を反らさず、おなかに力を入れてから動き始める
  • 回数を少なめにし、痛みが出たらすぐにやめる
  • 背骨を丸めずにおなかをきたえるデッドバグや、プランクなどの種目も組み合わせる

デッドバグの3Dアニメーション(3D種目図鑑で見る)

安全に行うための注意点は?

痛みが出たらすぐに中止してください。腰や首に持病がある人、けがをしている人、妊娠中の人は、始める前に医師に相談してください。運動中に胸の痛み・息苦しさ・めまいを感じたら、すぐに中止して休んでください。

出産後の人は、おなかの筋肉の状態によってはクランチが合わないことがあります。再開の時期や方法は医師に確認しましょう。

よくある質問

クランチは毎日やってもいいですか?

軽い回数であれば毎日行う人もいますが、おなかに筋肉痛や疲れが残っているときは休みましょう。基本は週2〜3日で十分です。毎日行う場合の考え方は自重トレーニングは毎日やってもいい?で解説しています。

クランチとシットアップはどちらがいいですか?

おなかの筋肉に負荷を集めたい人や、腰への負担をおさえたい人には、動く範囲が小さいクランチが取り組みやすいでしょう。上体を起こしきるシットアップは、太ももの付け根の筋肉も大きく使います。目的や体の状態に合わせて選んでください。

首が疲れてしまいます。

頭を手で引っぱっていないか、あごを引きすぎていないかを確認してください。手を胸の前で組み、あごと胸の間にこぶし1個分のすき間を保つと、首の負担を減らせます。

おなかを割るには何回やればいいですか?

おなかの筋肉の形が見えるかどうかは、筋肉の大きさだけでなく、おなかまわりの体脂肪の量に大きく左右されます。クランチの回数を増やすだけでなく、食事や全身の運動を組み合わせましょう。結果には個人差があります。

ほかの腹筋種目の動きも見られますか?

はい。3D種目図鑑で、レッグレイズやバイシクルクランチ、デッドバグなどの動きを確認できます。自重トレ全体の情報は自重トレ大全のトップからご覧ください。

出典

この記事は一般的な情報です。痛みが出たら中止し、持病・けががある人や妊娠中の人は、医師に相談してから行ってください。