ピラティスは腰痛・姿勢に効果ある?研究でわかっていることと注意点
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慢性の腰痛では、ピラティスで痛みや生活の不自由さが軽くなったという研究があります。ただし、ほかの運動より優れているという決定的な証拠はありません。姿勢は良くなった研究と差がなかった研究の両方があります。腰痛がある人は、始める前に必ず医師に相談してください。
ピラティスは腰痛に効果がある?
慢性の腰痛では、ピラティスで痛みや生活の不自由さが軽くなったという研究があります。ただし「ほかの運動より優れている」とまでは言い切れません。
ここでいう腰痛は、原因がはっきりしない「非特異的腰痛」のことです。ヘルニアや骨折、感染などの病気が原因の腰痛は、まず医師の診断と治療が必要です。この記事は治療の代わりではありません。腰痛がある人は、ピラティスを始める前に必ず医師に相談してください。
研究でわかっていること(腰痛)
コクランのレビュー(2015年)
10の研究(510人)をまとめたコクランのレビューでは、ピラティスは「ほとんど何もしない場合」と比べて、痛みと生活の不自由さを軽くするという、質が低い〜中くらいの証拠がありました。一方で、ほかの運動と比べてピラティスが優れているという決定的な証拠はなく、どの運動にするかは本人や医療者の好み、費用で決めてよいとしています(Yamatoら, Cochrane Database Syst Rev, 2015)。
ネットワークメタ分析(2022年)
118の研究(9,710人)をまとめた分析では、ストレッチなど一部を除き、ほとんどの運動が慢性腰痛の痛みと不自由さを改善しました。その中でピラティスは、痛みと不自由さを減らす可能性がいちばん高い運動として順位づけられました。効果が大きかったのは、週1〜2回以上のピラティスや筋力トレーニング、3〜9週間のプログラムなどでした(Fernández-Rodríguezら, 2022)。
なお、この分析の対象は18〜65歳の慢性腰痛の大人です。高齢の人や、病気が原因の腰痛がある人に同じことが言えるかは、この分析からはわかりません。また、コクランのレビューで副作用を調べた研究は2つだけで、1つは副作用なし、もう1つは軽いものの報告でした。安全性についても、まだわかっていないことがあります。
2つの結果をまとめると「ピラティスは慢性腰痛に役立つ運動の1つ。ただし、ほかの運動でも効果は出る」と言えます。
マシンとマット、腰痛にはどちら?
慢性腰痛の人を対象にした研究では、どちらも効果があり、マシンのほうが一部で良い、または早い結果でした。
- 86人を6週間で12回のレッスンに分けた研究:6か月後、マシンのほうが生活の不自由さと「動くのが怖い気持ち」で良い結果でした。痛みの強さには差がありませんでした(da Luzら, 2014)。
- 98人を12週間比べた研究:マットもマシンも、痛み・機能・動くことへの怖さが良くなり、マシンのほうが早く良くなりました(Cruz-Díazら, 2017)。
どちらも人数が少ない研究です。マシンかマットかよりも、自分に合った強さで続けられるかを大事にしましょう。
姿勢は良くなる?猫背・反り腰の研究
姿勢については、良くなったという研究と、差が出なかった研究の両方があります。
9つの研究(643人)をまとめた2024年の系統的レビューは、ピラティスが背骨のゆがみや姿勢の改善に良い影響があるとまとめています。ただし、対象には側弯症の人などが含まれ、研究の質にもばらつきがあり、さらに研究が必要だとしています(Liら, 2024)。
一方、健康な中年の男女が週2回・60分のマットピラティスを12週間続けた研究では、腹筋の持久力や柔軟性は上がりましたが、姿勢は運動しないグループと差がありませんでした(Kloubec, 2010)。
運動と姿勢の研究をまとめた別のレビューでは、弱い筋肉を鍛え、硬い筋肉をのばす運動が姿勢の改善に役立つようだとしつつ、運動の強さや量、期間、ずれている部分に合った運動を考える必要があるとしています(Portoら, 2024)。「ピラティスをすれば姿勢が必ず良くなる」とは言えず、何回で良くなるかもはっきりしていません。
腰痛の人が気をつけること
いちばん大事なのは、危ないサインがある腰痛を自己判断で運動して治そうとしないことです。
日本整形外科学会は、安静にしていても痛みが軽くならない、だんだん悪くなる、熱がある、脚がしびれる・力が入らない、尿もれがある、といった症状があるときは、放置したり自分で管理したりせず、すぐに整形外科を受診するよう呼びかけています(日本整形外科学会「腰痛」)。
- 始める前に医師に相談し、運動してよいか、避ける動きがあるかを聞く。
- レッスンの前に、腰痛があることをインストラクターに伝える。
- 痛みが強くなる動きはやめ、無理に続けない。
- レッスン後に痛みやしびれが強くなったら、通うのを止めて医師に相談する。
世界保健機関(WHO)の考え方
WHOは2023年、慢性の腰痛について初めてのガイドラインを出しました。すすめられているのは、自分でケアするための教育、運動プログラム、一部の手技療法、心理療法、一部の薬などです。2020年には、およそ13人に1人、6億1,900万人が腰痛を経験していたとしています(WHO, 2023)。
WHOは、1つの方法だけに頼るのではなく、医療者と相談しながら、その人に合った方法を組み合わせることを大事にしています。ピラティスも、その中の「運動」の選択肢の1つと考えるとよいでしょう。
腰痛や姿勢が気になる人のスタジオの選び方
腰痛がある人は、まずマンツーマンで体の状態を見てもらえるスタジオを選ぶと安心です。
マンツーマンのマシンピラティスの月4回は、FITPEAKが各社の公式サイトで確かめた通常料金(2026年10月時点)で月22,000〜44,000円、真ん中の値は月37,300円です。理学療法士がかかわっていると公式に書いているスタジオもあります。
- ピラティススタジオDEP(デップ):全インストラクターが理学療法士・作業療法士。恵比寿東口店の月4回は月37,200円(50分)
- ピラティススタジオ ルルト:理学療法士監修。月4回は月38,400円(50分)
- ヘルスケアスタジオ イレ:理学療法士監修(名古屋の1店舗)。月4回は月44,000円(60分)
理学療法士がいても、スタジオは医療機関ではありません。診断や治療は病院で受けてください。この記事の下に、マンツーマンのマシンピラティスを1回あたりが安い順に並べた表があります。全体の料金はマシンピラティス料金比較で確かめられます。
マンツーマンのマシンピラティス 1回あたりが安い順
各社の公式サイトの通常料金だけで、月4回に近いプランの1回あたりが安い順に並べています(確認日 2026-10-18)。広告の有無で順位は変えていません。




| 順位 | ブランド | 1回あたり | 月額 |
|---|---|---|---|
| 1 | パーソナルピラティス ELEMENT | 5,500円 | 22,000円 |
| 2 | Dr.ピラティス | 7,425円 | 29,700円 |
| 3 | fis.pilates | 7,500円 | 30,000円 |
| 4 | ピラティススタジオDEP | 9,300円 | 37,200円 |
| 5 | ピラティススタジオ ルルト | 9,600円 | 38,400円 |
| 6 | La pilates | 10,208円 | 40,833円 |
| 7 | ヘルスケアスタジオ イレ | 11,000円 | 44,000円 |
よくある質問
ピラティスで腰痛は治りますか?
治るとは言えません。慢性の腰痛では痛みや不自由さが軽くなった研究がありますが、ほかの運動より優れるという決定的な証拠はありません。始める前に医師に相談してください。
マシンピラティスで腰痛が悪化することはありますか?
動き方や強さが合わないと、痛みが強くなることはあり得ます。痛みが強くなる動きはやめ、レッスン後に痛みやしびれが増したら通うのを止めて医師に相談しましょう。
ピラティスで姿勢は良くなりますか?
良くなったという研究と、差が出なかった研究の両方があります。何回で良くなるかもはっきりしていないので、期待しすぎずに続けることが大事です。
どんな腰痛ならすぐ病院に行くべきですか?
日本整形外科学会は、安静でも痛みが軽くならない、悪化する、発熱、脚のしびれや力が入らない、尿もれがある場合は、すぐ整形外科を受診するよう呼びかけています。
腰痛がある人はグループとマンツーマンどちらがいいですか?
まずはマンツーマンで体の状態を見てもらうと安心です。マンツーマンの月4回は月22,000〜44,000円です。理学療法士がかかわるスタジオでも、診断や治療は病院で受けてください。
出典
- Yamato TP, et al. Pilates for low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2015
- Fernández-Rodríguez R, et al. Best Exercise Options for Reducing Pain and Disability in Adults With Chronic Low Back Pain: Pilates, Strength, Core-Based, and Mind-Body. A Network Meta-analysis. J Orthop Sports Phys Ther. 2022
- da Luz MA Jr, et al. Effectiveness of mat Pilates or equipment-based Pilates exercises in patients with chronic nonspecific low back pain. Phys Ther. 2014
- Cruz-Díaz D, et al. Comparative effects of 12 weeks of equipment based and mat Pilates in patients with Chronic Low Back Pain. Complement Ther Med. 2017
- Kloubec JA. Pilates for improvement of muscle endurance, flexibility, balance, and posture. J Strength Cond Res. 2010
- Li F, et al. Effects of Pilates exercises on spine deformities and posture: a systematic review. BMC Sports Sci Med Rehabil. 2024
- Porto AB, et al. The effect of exercise on postural alignment: A systematic review. J Bodyw Mov Ther. 2024
- WHO「WHO releases guidelines on chronic low back pain」(2023年12月7日)
- 日本整形外科学会「腰痛」症状・病気をしらべる
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