【13地域の早見表】ジムを開ける用途地域は?建築基準法の別表と確認方法
ジムを開ける用途地域は、建築基準法の別表第二で決まる「その地域に建ててよい建物・建ててはいけない建物」の決まりから考えます。別表第二では、ボーリング場・スケート場・水泳場などの運動施設は、低層住居専用地域や第一種・第二種中高層住居専用地域などでは建てられず、第一種住居地域では床面積3,000㎡以下に限られます。ただし、フィットネスジムがこの「運動施設」として扱われるか、店舗やサービス業として扱われるかは自治体(特定行政庁)の判断になるため、必ず物件のある自治体の建築指導課で確認してください。
用途地域の確認の流れ
用途地域とは:13種類と、ジムに関わる決まり
用途地域は、都市計画法に基づいて自治体が決める地域の区分で、住宅地・商業地・工業地などの性格に合わせて建てられる建物の種類が変わります。都市計画法第9条には、第一種低層住居専用地域から工業専用地域までの13種類が定められています(e-Gov法令検索、2026年10月23日確認)。
それぞれの地域に建ててよい建物・建ててはいけない建物は、建築基準法第48条と別表第二で決まっています。別表第二の中でジムに関係しやすいのは、次の2つの書き方です。
- 「ボーリング場、スケート場、水泳場その他これらに類する政令で定める運動施設」(政令では、スキー場・ゴルフ練習場・バッティング練習場を定めている。建築基準法施行令第130条の6の2)
- 「店舗、飲食店その他これらに類する用途に供するもの」や「学習塾、華道教室、囲碁教室その他これらに類する施設」など、店舗・サービス業・教室の扱い(施行令第130条の5の2・第130条の5の3)
フィットネスジムやスタジオがどちらに近いものとして扱われるかは、法律の条文だけでは決まらず、建物のある自治体(特定行政庁)が業態や規模を見て判断します。同じ「ジム」でも、マシンを並べる大型店と、小さな教室型のスタジオでは扱いが変わることがあります。
用途地域ごとの考え方:運動施設として見た場合
下の表は、ジムを別表第二の「ボーリング場・スケート場・水泳場などの運動施設」と同じように扱った場合の目安です(建築基準法 別表第二、2026年10月23日確認)。実際の扱いは自治体の判断になるため、確認の入口として使ってください。
| 用途地域 | 運動施設として見た場合 | 別表第二の該当 |
|---|---|---|
| 第一種低層住居専用地域 | × 建てられる建物に入っていない | (い)項 |
| 第二種低層住居専用地域 | × 小さな店舗等(150㎡以内)だけ | (ろ)項 |
| 第一種中高層住居専用地域 | × 店舗等は500㎡以内・2階以下など | (は)項 |
| 第二種中高層住居専用地域 | × 運動施設は建ててはならない | (に)項第三号 |
| 第一種住居地域 | 条件 3,000㎡を超えるものは不可 | (ほ)項第四号 |
| 第二種住居地域・準住居地域 | ○ 運動施設の制限は書かれていない | (へ)項・(と)項 |
| 田園住居地域 | × 建てられる建物に入っていない | (ち)項 |
| 近隣商業・商業・準工業・工業地域 | ○ 運動施設の制限は書かれていない | (り)〜(を)項 |
| 工業専用地域 | × 運動施設は建ててはならない | (わ)項第七号 |
「○」の地域でも、大きな建物には別の制限があります。たとえば第二種住居地域では、店舗・飲食店・展示場・遊技場などの用途で床面積の合計が1万㎡を超えるものは建ててはならないとされています(別表第二(へ)項第六号)。
「×」の地域でも、特定行政庁が良好な住居の環境を害するおそれがないと認めるなどして許可した場合は、この限りでないとする「ただし書」があります(建築基準法第48条)。ただし許可には審査や手続きが必要で、開業の計画に組み込むのは簡単ではありません。また、第二種低層・第一種中高層住居専用地域では、学習塾・華道教室などに類する小さな教室として扱われる余地があるかどうかも、自治体に確かめる点になります。
用途地域の確認で「床面積の上限」や「階数」の条件がついたときは、その範囲でどこまでマシンを置けるかを3Dで確かめられます。区画を分ける・階を限るなどの配置の工夫も、契約前に試せます。
フロア設計3Dを無料で使う用途地域の調べ方と、あわせて確かめること
物件の用途地域は、多くの自治体がWebで公開している都市計画図(都市計画情報の地図)で調べられます。Webで見つからない場合は、自治体の都市計画課の窓口で確かめられます。境目にある物件は、地図だけで判断せず窓口で確認しましょう。
| あわせて確かめること | 理由 | 確認先 |
|---|---|---|
| 地区計画・特別用途地区 | 用途地域より細かい制限が上乗せされていることがある | 自治体の都市計画課 |
| 用途変更の確認申請 | 特殊建築物の用途で200㎡を超える場合は確認申請が必要(ジムは施行令第115条の3の「スポーツの練習場」に当たる) | 建築士・建築指導課 |
| 防火・消防の扱い | 防火対象物使用開始届は各市町村の火災予防条例による(例: 仙台市は使用開始の7日前まで) | 所轄の消防署 |
| 建物の検査済証 | 用途変更や増築の手続きの前提になることがある | 貸し主・建築士 |
用途地域の判断を誤ると、内装工事を終えたあとで営業できないことがわかる、といった大きな損失につながります。物件の申し込みの前に、建築士か自治体の窓口で「この業態・この広さで使えるか」を確かめてください。
よくある質問
住宅街でジムを開くことはできますか?
住宅街でも、第一種住居地域や第二種住居地域などではジムを開ける可能性があります。低層住居専用地域などでは難しいことが多いため、物件の用途地域と、ジムがどの用途として扱われるかを自治体で確かめてください。
パーソナルジムやヨガスタジオでも用途地域の制限はかかりますか?
かかります。小さな教室型の施設が、自治体によって店舗やサービス業、教室に近いものとして扱われることもあれば、運動施設として扱われることもあります。業態と広さを具体的に伝えて相談しましょう。
用途地域はどこで調べられますか?
物件のある自治体の都市計画図で調べられます。多くの自治体がWebの地図で公開しており、わからなければ都市計画課の窓口で住所を伝えて確かめられます。
出典
- e-Gov法令検索「建築基準法」第48条・別表第二(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「建築基準法施行令」第115条の3・第130条の5の2・第130条の5の3・第130条の6の2(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「都市計画法」第9条(2026年10月23日確認)
- 仙台市「防火対象物使用開始届出書」(2026年10月23日確認)
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