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TDEEの計算方法 基礎代謝×身体活動レベル1.50・1.75・2.00の表と例

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 12分
マスクを着けて座り、携帯型の装置で呼気を分析してエネルギー消費量を測る女性
SUMMARY|この記事の要約

TDEE(1日の総エネルギー消費量)の計算方法を、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の基礎代謝基準値と身体活動レベル(低い1.50・ふつう1.75・高い2.00)で解説。年齢別の推定エネルギー必要量の表、6人の計算例、推定の誤差と体重で確かめる方法をまとめた。

TDEE(1日の総エネルギー消費量)は「基礎代謝量×身体活動レベル」で概算できる。厚生労働省の食事摂取基準2025年版の身体活動レベルは、18〜64歳で低い1.50・ふつう1.75・高い2.00。30〜49歳男性のふつうの目安は2,750kcal/日だ。

2026年10月21日 公開|KINNIKU TIMES 編集部

減量でも増量でも、最初に知りたいのは「自分は1日に何kcal使っているのか」だ。英語圏ではこれをTDEE(Total Daily Energy Expenditure)と呼び、日本の食事摂取基準では「総エネルギー消費量」や「推定エネルギー必要量」という言葉で扱われる。本記事は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書のエネルギーの章(原文PDF)と関連論文を確認し、計算方法、身体活動レベルの選び方、計算例を表にまとめた。

PFC計算で目標カロリーと栄養素を出す

TDEE(1日の消費カロリー)とは何か

報告書は、エネルギー消費量(総エネルギー消費量、TEE)を、基礎代謝、食後の熱産生、身体活動の3つに分類している。身体活動はさらに、運動(体力向上を目的に意図的に行うもの)、日常の生活活動、自発的活動(姿勢の保持や筋肉の緊張の維持など)の3つに分けられる。

TDEEの内訳 中身
基礎代謝 目覚めた状態で生きるために必要な最小限のエネルギー
食後の熱産生 食べたものの消化・吸収などで使うエネルギー
身体活動:運動 筋トレやランニングなど、体力向上を目的に意図的に行う活動
身体活動:日常の生活活動 通勤・家事・仕事中の移動など
身体活動:自発的活動 姿勢の保持や筋肉の緊張の維持など

運動以外の日常の活動で使うエネルギーは、研究の世界ではNEAT(非運動性活動熱産生)と呼ばれ、人による差が大きい。詳しくはNEATとはの記事で扱う。

体重が大きく変わっていない大人では、「エネルギー消費量=エネルギー摂取量=エネルギー必要量」が成り立つと報告書は説明する。つまり、体重が安定しているなら、いま食べている量がほぼTDEEである。

TDEEの計算式と身体活動レベルの選び方

食事摂取基準は推定エネルギー必要量を次の式で求めている。

推定エネルギー必要量(kcal/日)=体重1kg当たりの基礎代謝量基準値×参照体重×身体活動レベル基準値

自分のTDEEを出すには、参照体重の代わりに自分の体重を入れればよい。身体活動レベル(PAL)とは、1日のエネルギー消費量を基礎代謝量で割った値で、単位のない数字だ。

ベッドに横になった女性の頭部にフードをかぶせ、携帯型の装置で安静時のエネルギー消費量を測っている様子
画像:Wikimedia Commons(Cosmed, CC BY-SA 3.0)より。フード型の間接熱量計による安静時代謝量の測定

身体活動レベルは3段階

2025年版は身体活動レベルを「低い」「ふつう」「高い」の3つのカテゴリーで示す。18〜64歳の値は、健康な日本人150人(20〜59歳)を二重標識水法で測った研究がもとになっている。全体の身体活動レベルは1.72±0.26、「ふつう」に当たる63人では1.74±0.26だった。これをもとに、低い1.50(およそ1.40〜1.60)、ふつう1.75(1.60〜1.90)、高い2.00(1.90〜2.20)と定めた(報告書 表5)。

項目 低い ふつう 高い
身体活動レベル(代表値) 1.50(1.40〜1.60) 1.75(1.60〜1.90) 2.00(1.90〜2.20)
日常生活の内容 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを含む 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいはスポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている
中程度の強度(3.0〜5.9メッツ)の身体活動の1日の合計時間 1.65時間 2.06時間 2.53時間
仕事での1日の合計歩行時間 0.25時間 0.54時間 1.00時間

年齢によって値は少し変わる。報告書の表4では、15〜17歳が1.55・1.75・1.95、18〜64歳が1.50・1.75・2.00、65〜74歳が1.50・1.70・1.90、75歳以上は「高い」がなく1.40・1.70である。

選ぶときの注意点もある。報告書は、「高い」人をそれ以外から分けることはできても、「ふつう」と「低い」を見分けるのは難しいという報告を紹介している。先の150人の研究(Ishikawa-Takataら、European Journal of Clinical Nutrition、2008年)でも、質問票で「低い」と「ふつう」に分けた人たちの身体活動レベルに有意な差はなかった。迷ったら「ふつう」で計算し、体重の変化を見て修正するのが実用的だ。

年齢・性別のTDEEの目安はどれくらいか

報告書の参考表2は、参照体重の人の推定エネルギー必要量を一覧にしている。日本人の平均的な体格の人のTDEEの目安として使える。

年齢(歳) 男性 低い 男性 ふつう 男性 高い 女性 低い 女性 ふつう 女性 高い
15〜17 2,500 2,850 3,150 2,050 2,300 2,550
18〜29 2,250 2,600 3,000 1,700 1,950 2,250
30〜49 2,350 2,750 3,150 1,750 2,050 2,350
50〜64 2,250 2,650 3,000 1,700 1,950 2,250
65〜74 2,100 2,350 2,650 1,650 1,850 2,050
75以上 1,850 2,250 - 1,450 1,750 -

単位はkcal/日。参照体重は18〜29歳男性63.0kg・女性51.0kg、30〜49歳男性70.0kg・女性53.3kgなどで、体重が違えば値も変わる。報告書は体重1kg当たりの値も参考表1で示しており、たとえば30〜49歳のふつうは男性39.4、女性38.3kcal/kg/日、18〜29歳のふつうは男性41.5、女性38.7kcal/kg/日だ。基礎代謝の年齢別の表は基礎代謝の平均の記事にまとめている。

自分のTDEEを計算する手順と計算例

計算は3段階でできる。

  1. 基礎代謝量を出す:体重×体重1kg当たりの基礎代謝量基準値(18〜29歳男性23.7、30〜49歳男性22.5、50〜64歳男性21.8、18〜29歳女性22.1、30〜49歳女性21.9、50歳以上の女性20.7など)
  2. 身体活動レベルを選ぶ:上の表5の生活内容から、低い・ふつう・高いを決める
  3. 掛け算する:基礎代謝量×身体活動レベル=TDEEの目安
例 基礎代謝量 身体活動レベル TDEEの目安
25歳男性・70kg・デスクワーク中心 23.7×70=1,659kcal 低い 1.50 約2,490kcal
25歳男性・70kg・通勤で歩く 1,659kcal ふつう 1.75 約2,900kcal
35歳女性・55kg・家事と通勤 21.9×55=約1,205kcal ふつう 1.75 約2,110kcal
40歳男性・85kg・立ち仕事+筋トレ習慣 22.5×85=約1,913kcal 高い 2.00 約3,830kcal
55歳女性・50kg・在宅で座位中心 20.7×50=1,035kcal 低い 1.50 約1,550kcal
70歳男性・60kg・自立して外出 21.6×60=1,296kcal ふつう 1.70 約2,200kcal

計算例の数字は、食事摂取基準の係数を使って編集部が計算したものだ。注意したいのは体重が重い人である。報告書は、一般に体重が大きいと体重当たりのエネルギー消費量は小さくなると述べており、参照体重から離れた85kgの例のような計算は高めに出やすい。また、同じ体重でも体組成が違えば基礎代謝はある程度異なるとしている。筋肉量の多いトレーニーと、体脂肪の多い人では、同じ体重でも実際の消費量がずれる可能性がある。

マスクを着けてトレッドミルの上を歩く女性と、呼気を分析する装置とモニター
画像:Wikimedia Commons(Cosmed, CC BY-SA 3.0)より。運動中の呼気を分析してエネルギー消費量を測る検査室

計算したTDEEはどれくらい正確なのか

報告書は、どの推定方法を使っても真の値を正しく推定できるものではないと明記している。成人の推定エネルギー必要量を、食事摂取基準の方法、国立健康・栄養研究所の式、アメリカ・カナダの食事摂取基準で紹介された式の3つで比べると、100〜200kcal程度の差があった。報告書は「推定式には100〜200kcal程度の誤差があり得る」と理解すべきだとしている。

さらに個人差もある。アメリカ・カナダの基準が紹介した推定式では、年齢・身長・体重・身体活動レベルが同じでも、必要量の標準偏差は成人男性で±199kcal/日、女性で±164kcal/日と推定されている。この範囲に入る人は全体の約68%にすぎない。報告書はこれを、推定エネルギー必要量を食べても体重が減る人も増える人も出ることを示すものだと説明する。

誤差の種類 報告書の記載
推定方法による差 3つの方法で100〜200kcal程度
同じ条件の人どうしの個人差(標準偏差) 男性 ±199kcal/日、女性 ±164kcal/日
身体活動記録法の見積もり誤差(幼児・小児の34研究) 二重標識水法より-12±9%(過小)

だから報告書は、エネルギーの過不足の判定や管理には推定エネルギー必要量を使わず、体重の変化を使うことが望ましいとまとめている。計算したTDEEは出発点であり、答えではない。

減量・増量のときTDEEからどれだけ増減するか

計算したTDEEを基準に、減量なら少なく、増量なら多く食べる。ただし、差を付けた分だけ体重が一直線に変わるわけではない。報告書は理論モデルとして、体重76.6kg、エネルギー消費量2,662kcal/日の人が摂取量を1日100kcal減らした場合を計算している。脂肪細胞1gが7kcalを持つと仮定した単純計算では1年で5.21kg減るが、実際には体重の減少に伴ってエネルギー消費量も減るため、最終的な減少は約2.01kgで落ち着くという。この点は1kg=7200kcalは本当かで詳しく解説した。

報告書は、一定期間ごとに体重を測り、その都度、減らすエネルギー量を設定し直すことを勧めている。1週間に落とすペースの目安は減量ペースの記事、増量期の上乗せ量はリーンバルクの記事を参照してほしい。目標カロリーが決まったら、たんぱく質・脂質・炭水化物の配分を決める。

PFC計算で栄養素の配分を計算する

よくある質問

TDEEと推定エネルギー必要量は同じものですか

考え方は同じで、どちらも1日に使うエネルギーの目安だ。食事摂取基準の推定エネルギー必要量は、参照体重の人を想定した値で、自分の体重で計算し直したものが個人のTDEEの目安になる。

筋トレをしている人は「高い」を選ぶべきですか

報告書の「高い」は、移動や立位の多い仕事か、余暇に活発な運動習慣がある人を想定している。週2〜3回の筋トレだけで仕事は座位中心なら、まず「ふつう」で計算し、2〜4週間の体重の変化を見て調整するのが無難だ。

スマートウォッチの消費カロリーとどちらが正しいですか

どちらも推定値である。食事摂取基準の方法にも100〜200kcal程度の誤差があり得る。最も確かな手がかりは体重の変化で、体重が安定している期間の平均摂取量が、その人の実際のTDEEに近い。

基礎代謝だけ食べていれば痩せますか

基礎代謝はTDEEの一部で、活動の分だけ実際の消費は多い。基礎代謝ちょうどの食事は、身体活動レベル1.75の人なら必要量の約57%にしかならず、減量幅が大きすぎて筋肉や栄養が不足しやすい。

KINNIKU TIMESの視点

TDEEの計算は、基礎代謝×1.50・1.75・2.00という単純な掛け算だ。それでも、日本人の実測データに基づく食事摂取基準の係数を使える点で、海外の計算サイトの数字をうのみにするより日本の読者には合っている。30〜49歳男性ならふつうで2,750kcal/日、女性なら2,050kcal/日という参照値は、まず覚えておいて損はない。

一方で、報告書自身が「推定エネルギー必要量は用いず、体重の変化を用いることが望ましい」と書いている点は重い。計算の精度を上げるより、毎朝同じ条件で体重を測り、2〜4週間の平均で判断するほうが確実だ。初心者は、計算したTDEEで2週間食べてみて、体重が変わらなければそれが自分の維持カロリー、と考えるとよい。たんぱく質を確保したうえで脂質・炭水化物を振り分けるにはPFC計算が使える。筋トレが減量にどう効くかは筋トレのダイエット効果、食事記録のずれはAIカロリー計算アプリの研究も参考になる。

出典

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