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DHAサプリで持久力は上がる?女子サッカー選手の4か月試験、オメガ3指数は9.1%に

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
芝生の上のサッカーボール
SUMMARY|この記事の要約

藻類由来のDHAを1日1,000mg・4か月とった女子サッカー選手は、HSオメガ3インデックスが5.28%から9.14%に上がったが、スプリント・ジャンプ・持久力の指標は補給しない選手と差がなかった。ドイツのセミプロ選手27人を分析した非ランダム化試験の結果である。

藻類由来のDHAを1日1,000mg、4か月間とり続けた女子サッカー選手は、赤血球中のオメガ3脂肪酸の割合を示す「HSオメガ3インデックス」が5.28%から9.14%に上がったが、スプリントやジャンプの成績は補給しなかった選手と差がなかった。ドイツのユストゥス・リービッヒ大学ギーセンの研究チームが、学術誌『Frontiers in Nutrition』に2026年9月14日付で発表した。

補給群と対照群のHSオメガ3インデックスと親油性指数の推移
図:Svenja Nolteほか「Four months of DHA and whey protein supplementation in semi-professional female soccer players」Frontiers in Nutrition(2026)Figure 3(HSオメガ3インデックス〔A〕と親油性指数〔B〕の推移)/出典:Frontiers in Nutrition/ライセンス:CC BY 4.0(改変なし)

どんな試験だった?

対象はドイツの地域クラブ2チームに所属するセミプロの女子サッカー選手38人。補給群20人と対照群18人に分け、最終的に27人(補給群14人、対照群13人)を分析した。群分けは本人の希望に基づく非ランダム化で、プラセボは使っていない。

項目 補給群 対照群
分析人数 14人(平均25.3歳) 13人(平均27.8歳)
内容 藻類由来DHA 1,000mg+ホエイプロテイン・アイソレート12gを毎日 補給なし
期間・測定 4か月(開始時・2か月後・4か月後に測定、月経周期も記録)

オメガ3インデックスはどれだけ上がった?

HSオメガ3インデックス 開始時 2か月後 4か月後
補給群 5.28% 8.05% 9.14%
対照群 4.86% 4.94% 4.93%

補給群だけが大きく上昇し、群と時間の交互作用は統計的に有意だった(p<0.001)。膜の性質を反映する「親油性指数」も途中で変化しており、著者らは赤血球膜の組成が変わった可能性を指摘している。

持久力やスプリントは向上した?

30mスプリントとカウンタームーブメントジャンプは、群と時間の交互作用がなく、補給による差は見られなかった。持久力の指標である個人無酸素性作業閾値にも、群や時間による効果はなかった。ヘモグロビンやヘマトクリットなどの血液指標も変わらず、性ホルモンや月経前症状にも差はなかった。

一方、4か月後の時点では、オメガ3インデックスが高い選手ほど無酸素性作業閾値が高いという関連があり、インデックスが1ポイント高いごとに約0.33km/h高かった。ただしこれは一時点での関連を見たもので、DHAが持久力を高めたという因果関係を示すものではない。

この研究の限界は?

  • DHAとホエイプロテインを同時に与えており、それぞれの効果を切り分けられない
  • EPAを含まないDHA単独の製品で、一般的な魚油サプリとは組成が異なる
  • 非ランダム化でプラセボもなく、脱落率は全体で29%
  • 副次評価項目が多いのに多重比較の補正をしていない
  • 乳業大手フリースランド・カンピーナが資金と製品を提供(著者らは、同社は研究の設計や解析に関与していないと記載)

よくある質問

DHAサプリで持久力は上がる?

この試験では、4か月の補給でスプリント・ジャンプ・持久力の指標が向上したとは確認されなかった。体内のオメガ3の割合は確実に上がった。

オメガ3インデックスとは?

赤血球膜の脂肪酸に占めるEPAとDHAの割合(%)で、体内のオメガ3の状態を示す指標である。本試験ではDHA 1,000mg/日で4か月後に5.28%から9.14%へ上がった。

KINNIKU TIMESの視点

DHAサプリは体内のオメガ3の割合を上げる点では効果がはっきりしている一方、スポーツの成績を直接押し上げるかどうかは、少なくとも今回のデータでは示されなかった。オメガ3と筋トレの関係は14週間の試験でも検証されている。パフォーマンス目的でサプリに頼る前に、まず魚を食べる頻度を見直し、トレーニングとたんぱく質・エネルギー摂取という土台を整えるのが現実的である。


出典:Nolte S, et al. Frontiers in Nutrition(2026年9月14日)/NutraIngredients(2026年9月21日)