【研究で確認】早食いは太る?食べる速さと体重の関係、ゆっくり食べる方法
早食いと太ることには関係があるとする研究がありますが、早食いが原因で太ると言い切れる段階ではありません。23件の研究をまとめたメタ分析(Ohkumaら、2015年)では、速く食べる人は、ゆっくり食べる人よりBMIが平均1.78高く、肥満の人が多い傾向でした。
一方、食べる速さを実験で変えた22件の研究(Robinsonら、2014年)では、ゆっくり食べた条件のほうが、食べた量が少ないという結果でした。ただし体重が実際に減るかどうかは、まだ確かめる研究が必要とされています。
食べ物がのどにつかえる、飲み込みにくいなどの症状がある人は、早食いの対策より先に医療機関に相談してください。
早食いと体重|研究でわかったことの区別
- 速く食べる人は、BMIが高い傾向
- 肥満の人が多い傾向(オッズ比2.15)
- 原因かどうかは、これだけでは言えない
- ゆっくり食べると、その食事で食べた量が少ない
- 食後の空腹感の差は、はっきりしなかった
- 体重が減るかは、長期の研究が必要
早食いと肥満の関係|観察研究のまとめ
早食いの人に太っている人が多いかどうかを調べた研究を、まとめた論文があります。
| 論文 | 対象 | 結果 | 著者が書いている限界 |
|---|---|---|---|
| Ohkumaら 2015年 Int J Obes | 23件の研究(子どもと介入研究は除く)のメタ分析 | 速く食べる人とゆっくり食べる人のBMIの平均の差は1.78(95%信頼区間 1.53〜2.04)。速く食べることの肥満のオッズ比は2.15(1.84〜2.51) | 研究どうしのばらつきが大きい。速く食べることを改善すれば体重が管理できるかは、今後の研究が必要 |
| Kolayら 2021年 Healthcare | 縦断研究6件と横断研究15件の系統的レビュー、うち8件のメタ分析 | ほとんどの研究で食べる速さはBMIと関連していた。速く食べない人は、速く食べる人よりBMIが有意に低かった。腹囲とも関連があった | 食べる速さの測り方に、標準的で確かな方法がない |
オッズ比2.15とは、速く食べる人は、そうでない人より肥満である確率が約2倍という意味です。ただし、速く食べるから太るのか、太っている人に速く食べる習慣が多いのか、あるいは別の要因が両方に関わっているのかは、観察研究では区別できません。
ゆっくり食べるとどうなる?実験でわかること
Robinsonら(2014年)は、食べる速さを意図的に変えて、その食事で食べた量を測った研究22件をまとめました。ゆっくり食べた条件のほうが、速く食べた条件より食べた量が少なく、標準化した平均の差は0.45(95%信頼区間 0.25〜0.65)でした。速さを変える方法がどれでも、結果は同じ向きでした。
食後の空腹感は、食事の終わりから3.5時間後までの範囲で、食べる速さとの関連ははっきりしませんでした。研究どうしのばらつきも大きく、著者は、日常で食べる速さを下げる効果的な方法を見つける研究が必要としています。
Kropら(2018年)の系統的レビューでは、噛むことに関わる要素を変えた研究をまとめると、食べた量が少ない結果でした(標準化した効果量−0.28、95%信頼区間 −0.36〜−0.19)。こうした実験の多くは、1回の食事の量を測った短い研究で、ダイエットの長期の結果を示すものではありません。
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食べる速さを落とす工夫と、根拠の確かさ
食べる速さをゆっくりにする方法を、根拠のある範囲で整理しました。「こうすれば何kg痩せる」と決めた研究は、今回は確認できませんでした。
| 工夫 | ねらい | 根拠の確かさ |
|---|---|---|
| ひと口ごとに箸やスプーンを置く | ひと口の間隔を作る | 食べる速さを変えた実験の総合では、方法によらず食べる量が少なかった。この方法だけを比べた公的な資料は確認できない |
| よく噛む | 噛む回数を増やして食べ終わるまでの時間をのばす | 噛むことに関わる要素を変えた実験の総合で、食べた量は少なかった(Krop 2018) |
| 食事の時間を決めて、食べ終わる時刻の目標を作る | 急ぐ習慣を見直す | 「20分かける」という言い方もあるが、根拠となる論文は今回確認できなかった |
| ひと口の量を少なくする | 一度に口に入れる量を減らす | 具体的な数値の基準は確認できない |
ダイエットで大切なのは、1日にとるエネルギーの合計です。食べる速さは、そのための工夫のひとつと考えましょう。食べすぎを防ぐには、食べる量を先にお皿に出す、ご飯の量を決めるといった方法もあります。
早食いが気になるときの考え方と注意
- 食べる速さの公的な基準(何分以上)は、今回確かめた範囲では見つからなかった
- 食べ始める前に量を決め、お皿に出してから食べる
- 食べる速さを変えても、1日の食事全体の量やバランスが崩れないようにする
食べるのを止められない状態が続く、食後に吐いてしまうなどの場合は、食べ方の工夫ではなく、医療機関への相談が必要なことがあります。食事の指示がある糖尿病などの持病がある人は、主治医や管理栄養士の指示を優先してください。
よくある質問
早食いは、何分以内の食事をいうのですか?
公的な基準は確認できませんでした。研究では、本人の申告で「速い・ふつう・遅い」に分けることが多く、基準は研究ごとに違います。Kolayら(2021年)も、食べる速さの標準的な測り方がまだないと述べています。
ゆっくり食べると痩せますか?
その食事で食べる量が少なくなるという実験の結果はあります。ただし、ゆっくり食べ続けて体重が減るかは、今後の研究が必要とされています。
食事は何分かけて食べればよいですか?
「20分以上」とよく言われますが、根拠となる論文は今回確認できませんでした。時間よりも、ひと口ごとに間を作ることを意識しましょう。
早食いだと満腹感が遅れるのですか?
Robinsonら(2014年)の総合では、食べる速さと、食事の終わりから3.5時間後までの空腹感との関連ははっきりしませんでした。満腹感が遅れると言い切れる根拠は、今回確認できませんでした。
早食いを直すにはどうしたらよいですか?
ひと口ごとに箸を置く、よく噛む、食べる量を先にお皿に出す、といった方法があります。無理のない範囲で、ひとつずつ試してみましょう。
出典
- Ohkuma T, et al. Association between eating rate and obesity: a systematic review and meta-analysis. Int J Obes (Lond) 2015;39:1589-1596(2026年10月確認)
- Robinson E, et al. A systematic review and meta-analysis examining the effect of eating rate on energy intake and hunger. Am J Clin Nutr 2014;100:123-151(2026年10月確認)
- Kolay E, et al. Self-Reported Eating Speed Is Associated with Indicators of Obesity in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Healthcare (Basel) 2021;9:1559(2026年10月確認)
- Krop EM, et al. Influence of oral processing on appetite and food intake - A systematic review and meta-analysis. Appetite 2018;125:253-269(2026年10月確認)
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