【研究で確認】人工甘味料はダイエットに役立つ?砂糖との差とレビューの結果
人工甘味料は、砂糖の代わりに使えばそのぶんのエネルギーは減りますが、「使えば痩せる」と言える確かな根拠はありません。成分表では上白糖は可食部100gあたり391kcal(10gで約39kcal)です。研究では、短期の試験で体重が少なく済んだという系統的レビューと、試験では差が明確でなく観察研究では体重増加との関連が見られたというレビューに分かれています。WHOは2023年に、体重管理のための甘味料の利用を勧めない指針を出しています。
砂糖類10gあたりのエネルギー(成分表の値からFITPEAKが計算)
砂糖のエネルギーと、置き換えで減る量
人工甘味料を使う目的は、砂糖のエネルギーを減らすことです。まず、砂糖のエネルギーを確かめましょう(食品成分データベース「車糖 上白糖」)。
| 砂糖類 | エネルギー(100g) | 炭水化物(100g) | 10gあたり |
|---|---|---|---|
| 上白糖 | 391kcal | 99.3g | 39.1kcal |
| 三温糖 | 390kcal | 99.0g | 39.0kcal |
| グラニュー糖 | 394kcal | 100.0g | 39.4kcal |
| 黒砂糖 | 352kcal | 90.3g | 35.2kcal |
| 和三盆糖 | 393kcal | 99.0g | 39.3kcal |
砂糖10gを使わなければ、約39kcal減ります(FITPEAKによる計算)。一方で、砂糖が入っていた飲み物や食べ物を甘味料に替えても、ほかの食べ物でエネルギーを足してしまえば、全体は減りません。成分表には人工甘味料そのものの項目がないため、数字は書けません。商品の栄養成分表示で確認してください。
人工甘味料で痩せるかを調べた研究と指針
人工甘味料(非栄養甘味料、低エネルギー甘味料とも呼ばれます)が体重にどう関わるかは、まとめた研究どうしでも結論が分かれています。
| 研究・指針 | 内容 | 結果 | 限界 |
|---|---|---|---|
| Rogers 2016(Int J Obes) | 人とほかの動物の試験を系統的にまとめたレビュー。無作為化比較試験のメタ分析を含む | 期間4週間〜40か月の試験では、砂糖入りと比べて体重が1.35kg少なく、水と比べて1.24kg少なかった | 動物の試験は人の使い方に合わないものが多い。観察研究は逆の因果が混ざる可能性がある |
| Azad 2017(CMAJ) | 無作為化比較試験7件(1003人、中央値6か月)と、コホート研究30件(約41万人、中央値10年) | 試験では、BMIに有意な差はなかった。コホート研究では、体重・肥満・糖尿病などとの関連が見られた | 観察研究では、もともと体重が気になる人が使う影響を除けない。糖尿病は報告の偏りが示された |
| WHO 2023年の指針 | 非糖質甘味料(アスパルテーム、スクラロース、ステビアなど)を対象とした系統的レビューにもとづく | 体重管理や生活習慣病のリスク低下に、甘味料を使うことを勧めない(条件つきの推奨)。糖尿病がある人は対象外 | 甘味料と病気の関連は、使う人の背景や使い方の影響を受けている可能性があり、条件つきの推奨とされた |
2つのレビューは、見ている研究の範囲が違います。Rogersらは短期の試験で、砂糖と置き換えた場合の体重と摂取エネルギーを比べました。Azadらは、より長い期間の観察研究を多く含め、試験では差がはっきりしないと評価しました。どちらの研究も、人工甘味料が体重を減らすとも増やすとも、言い切れてはいません。
WHOは、砂糖の代わりに甘味料を使っても長期的な体重管理には役立たないとして、果物のように自然に糖分を含む食品や、甘くない食品・飲み物を選ぶことを勧めています(WHO「WHO advises not to use non-sugar sweeteners for weight control」)。この指針は、すでに糖尿病がある人には当てはまらないとされています。
人工甘味料の上手な考え方
人工甘味料を使う・使わないは、体質や好み、食事全体で決めるものです。研究の結果をふまえた考え方を整理します。
- 「置き換え」でエネルギーが減る量を知る:砂糖10gは約39kcalです。コーヒーや紅茶に加える砂糖の量を、一度量ってみましょう。
- ほかの食べ物で穴埋めしない:甘味料入りの飲み物を飲んだぶん、お菓子を足すと、減らした量が戻ってしまいます。
- 天然由来でも同じ扱い:WHOの指針は、ステビアなど植物由来のものも対象にしています。名前に「天然」とあっても、研究上は別扱いにしません。
- 甘さそのものを少しずつ減らす:WHOは、食事全体の甘さを減らすことも勧めています。
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| コーヒーや紅茶の砂糖 | 量を決める。甘味料を使う場合も、使う量は商品の表示で確認 |
| カロリーゼロの飲み物 | 飲み方は個人の好み。飲んだぶん、ほかの食べ物を増やさない |
| お菓子や菓子パン | 「砂糖不使用」でも、油や小麦粉でエネルギーがある。栄養成分表示を見る |
| 手作りのお菓子 | 甘味料に替えても、バターや粉の量は変わらない。全体のエネルギーを見る |
妊娠中・授乳中の人、糖尿病などで治療中の人、薬を使っている人は、甘味料の使い方を医師や管理栄養士に相談してください。
「甘いものがやめられない」といった食習慣の悩みは、一人で続けにくいものです。食事指導まで受けたい場合は、パーソナルジムも選択肢です。比較はダイエット向けパーソナルジムのおすすめにまとめています。
よくある質問
人工甘味料を使うと太りますか?
太る、と言い切れる確かな根拠はありません。無作為化比較試験のレビューでは差がはっきりしない結果や、砂糖と比べて体重が少なく済んだ結果があります。一方、観察研究では体重増加との関連が見られました。研究の種類で結論が分かれています。
カロリーゼロなら、たくさん飲んでもよいですか?
エネルギーが少なくても、WHOは体重管理のために甘味料を使うことを勧めていません。量を増やす理由にはなりません。水やお茶など、甘くない飲み物も組み合わせましょう。
ステビアなど天然由来の甘味料ならよいですか?
WHOの指針は、ステビアとその誘導体も、非糖質甘味料の対象としています。天然由来かどうかで、体重管理への考え方は変わりません。
砂糖と人工甘味料では、どれくらいエネルギーが違いますか?
成分表の上白糖は100gあたり391kcalで、10gでは約39kcalです。この量を甘味料に替えた分だけ、砂糖のエネルギーは減ります。ただし、甘味料のエネルギーは成分表に項目がなく、商品ごとの表示で確認が必要です。
糖尿病でも使えますか?
WHOの指針は、すでに糖尿病がある人には当てはまらないとされています。使い方は、医師や管理栄養士の指示に従ってください。
出典
- 文部科学省「食品成分データベース」(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)。上白糖、三温糖、グラニュー糖、黒砂糖、和三盆糖、はちみつの可食部100gあたりの値
- Rogers PJ, et al. Does low-energy sweetener consumption affect energy intake and body weight? A systematic review, including meta-analyses, of the evidence from human and animal studies. Int J Obes (Lond). 2016;40(3):381-394.
- Azad MB, et al. Nonnutritive sweeteners and cardiometabolic health: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials and prospective cohort studies. CMAJ. 2017;189(28):E929-E939.
- WHO「WHO advises not to use non-sugar sweeteners for weight control in newly released guideline」(2023年5月15日)
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