【始める前の確認つき】70代でもパーソナルジムに通える?研究と注意点
パーソナルジムは70代からでも利用できますが、始める前にかかりつけの医師に相談し、体験やカウンセリングで持病・服薬・痛みをトレーナーにしっかり伝えることが大切です。研究では、高齢の人の筋力トレーニングで筋力や立ち上がる動作が改善したという結果や、バランスなどの運動で転倒の起こる回数が減ったという結果があります。一方でトレーニング中の事故も報告されているので、低めの負荷から始め、違和感があればすぐ止めましょう。
運動で転倒の起こる回数がどれだけ減ったか(60歳以上・地域で暮らす人)
70代の運動について、研究と国の目安でわかっていること
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、高齢者に次のような目安を示しています(ただし個人差が大きく、年齢で一律に区切るものではないとしています)。
| 項目 | 高齢者の目安(厚生労働省) |
|---|---|
| 身体活動 | 歩行と同じくらい以上の強さで1日40分以上(1日約6,000歩以上) |
| 運動 | 有酸素運動・筋力トレーニング・バランス運動・柔軟運動など、多要素な運動を週3日以上 |
| 筋力トレーニング | 週2〜3日(多要素な運動に含めてもよい) |
| 座りっぱなし | 長くなりすぎないように注意する |
同じガイドでは、多要素な運動を中心としたプログラムによって、転倒のリスクが12〜32%、転倒・骨折のリスクが15〜66%低くなったという研究が紹介されています。
- 筋力トレーニング:高齢者を対象にした121件の試験(6,700人)をまとめた分析では、負荷を少しずつ上げる筋力トレーニングで、筋力が大きく改善し、いすから立ち上がる動作も改善しました。一方で、関節の痛みや筋肉痛などの有害事象が報告された研究も多く、記録が十分でない点に注意が必要とされています(Liu・Latham, 2009)。
- 転倒:地域で暮らす60歳以上を対象にした59件の研究をまとめた分析では、運動によって転倒の起こる回数が23%減りました(Sherringtonら, 2020)。
70代がパーソナルジムを選ぶよい点と注意点
パーソナルジムは、トレーナーが一人ひとりの健康状態や体力に合わせて運動プログラムを作り、その指導のもとで運動するサービスです。70代にとっては、次のような点が考えられます。
| よい点 | 注意点 |
|---|---|
| 体の状態に合わせて種目や負荷を調整してもらえる | トレーナーに体調が正しく伝わらないと、合わない負荷になることがある |
| 正しいフォームを近くで確かめてもらえる | 料金が高めで、長期契約のトラブルもある |
| 筋力・バランスなどを組み合わせたメニューを作りやすい | トレーナーの経験や資格はジムによって違う |
| 予約制で、運動の習慣をつくりやすい | 通う道のりや予約の取りやすさも続けやすさに影響する |
消費者庁によると、消費者安全調査委員会の報告書で、2019年1月から2025年12月までに事故情報データバンクに登録されたパーソナルトレーニングの事故は196件あり、20歳代から80歳以上まで幅広い年代で起きていました。治療に1か月以上かかったものが約4割でした。事例には、70歳代の人が指導のもとでひもを使ったトレーニングを行い、腕の腱鞘炎などの重いけがをしたものも含まれています。
パーソナルジムの比べ方はパーソナルジムのおすすめで紹介しています。
始める前に確認したいこと
- かかりつけの医師に相談する:心臓の病気、高血圧、糖尿病、骨粗しょう症、関節の痛みなどがある人や、薬を飲んでいる人は、運動を始めてよいか、避けたほうがよい動きはあるかを確かめましょう。厚生労働省のガイドも、運動で悪化するおそれのある病気や痛みがある場合は、事前に医師などに相談するよう書いています。
- 体験・カウンセリングで伝える:持病、服薬、手術歴、痛む場所、最近の転倒の有無などを伝えます。
- 体力の確認があるか:運動習慣や体力を確かめたうえでプランを作るかを確認します。国民生活センターも、事前に運動習慣や体力などを調べたうえでプランが作られることを確認するよう呼びかけています。
- 痛みや疲れの伝え方を決める:声を出しにくいときの合図などを、あらかじめトレーナーと決めておきます。
- 契約の条件を確かめる:途中でやめたときの精算、休会できるか、予約の取りやすさを確かめ、その場で決めずに家族と相談するのもよい方法です。
| 体験で聞きたいこと | 確認のポイント |
|---|---|
| 高齢の人の指導経験 | 70代の人や持病のある人を担当したことがあるか |
| メニューの中身 | 筋力だけでなく、バランスや柔軟性の運動も入るか |
| 負荷の上げ方 | 低めの負荷から始め、少しずつ上げる計画か |
| 体調の確認 | 毎回、血圧や体調を確かめる仕組みがあるか |
| 施設の環境 | 段差や床のすべりやすさ、更衣室の使いやすさ |
続け方と、やめたときのこと
筋トレをやめたときの影響を調べた研究のまとめでは、やめると筋力が下がり、その影響は65歳を超える人で大きかったと報告されています(Bosquetら, 2013)。パーソナルジムで覚えた運動を、自宅や地域の運動教室などで続けられるようにしておくことが大切です。
- 自宅でもできる種目(いすからの立ち上がりなど)を教えてもらう
- 歩く時間を少しずつ増やし、1日の活動量を確保する
- 体調の悪い日は無理をせず休む
- 痛みや違和感が出たら運動を中止し、続く場合は医師に相談する
国民生活センターには、パーソナルトレーニングの契約について、長時間の勧誘や高額な契約、解約時の精算などの相談が寄せられています。不安なことやトラブルがあれば、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターに相談できます。
よくある質問
70代から筋トレを始めても意味はありますか?
高齢者を対象にした研究のまとめでは、負荷を少しずつ上げる筋力トレーニングで筋力が改善したと報告されています。ただし体の状態は人によって大きく違うので、始める前に医師に相談しましょう。
持病があってもパーソナルジムに通えますか?
持病の種類や状態によります。かかりつけの医師に運動してよいか、避けるべき動きはあるかを確かめ、その内容をトレーナーに伝えてください。
週に何回通えばいいですか?
厚生労働省は高齢者に、筋力トレーニングを週2〜3日、多要素な運動を週3日以上すすめています。ジムに通う日と、自宅で運動する日を組み合わせて考えるとよいでしょう。
家族が付き添っても大丈夫ですか?
付き添いや見学ができるかはジムによって違います。体験の申し込み時に確かめておくと安心です。
出典
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
- Liu CJ, Latham NK. Progressive resistance strength training for improving physical function in older adults. Cochrane Database Syst Rev. 2009
- Sherrington C, et al. Exercise for preventing falls in older people living in the community: an abridged Cochrane systematic review. Br J Sports Med. 2020
- Bosquet L, et al. Effect of training cessation on muscular performance: a meta-analysis. Scand J Med Sci Sports. 2013
- 消費者庁「パーソナルトレーニングでの事故に注意」
- 国民生活センター「パーソナル筋力トレーニング」でのけがや体調不良に注意!(2022年)
- 国民生活センター「パーソナルトレーニングに関する契約トラブル」(2026年)
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