【総支払額・審査・税務で比較】ジムのマシンはリースと融資どっち?
ジムのマシンをリースにするか融資で買うかは、どっちが得と決まっているものではなく、「総支払額」「審査と資金繰り」「税務」の3つで比べて決めます。リースは初期の手元資金を残しやすく、固定資産税などの事務をリース会社が担う一方、途中で解約できず、期間が終わってもマシンは自分の物になりません。融資で買うと自分の資産になり、中小企業者等なら40万円未満の器具を一定額まで一度に経費にできる特例があります(国税庁、令和8年4月1日以後の取得、2026年10月23日確認)。
リースと融資(購入)の比べどころ
- 頭金なしで始めやすい
- 月額は定額でコストが見えやすい
- 固定資産税・保険はリース会社が手続き
- 中途解約できない
- 期間満了でも自分の物にならない
- 自分の資産になる
- 利息のほかに保証料がかかることも
- 固定資産税・保険は自分で手続き
- 売却・入れ替えを自分で決められる
- 少額の特例などを使える場合がある
総支払額で比べる:見積もりを同じ物差しに直す
リースのリース料は、リース会社がマシン代金と費用のおおむね全部を回収できるように決めるため(リース事業協会)、本体価格に、リース会社が負担する固定資産税・保険などの費用や金利に当たる分を含めた形になります。融資で買う場合は、本体価格に利息(保証付きなら保証料)を足し、自分で払う固定資産税・保険も加えます。比べるときは、次の式で同じ物差しに直します。
- リースの総支払額 = 月額リース料 × 月数 + 再リース料(使い続ける場合)
- 購入の総支払額 = 本体価格 + 利息・保証料 + 期間中の固定資産税・保険 − 期間後の売却額(売る場合)
例として、本体価格300万円のマシン群を5年使う場合を、仮の条件で計算します。リースは月額5.6万円の見積もりだったとすると、5.6万円 × 60か月 = 336万円です。融資は300万円を5年・年2%・元金均等で借りたとすると、利息は約15.3万円(300万円 × 2% × 平均残高の割合(61/120)× 5年)で、合計は約315万円に固定資産税・保険を足した額です(いずれも計算のための例で、実際の料率・金利は見積もりと審査で決まります)。
| 比べる項目(例) | リース | 融資で購入 |
|---|---|---|
| 最初に払うお金 | 0円 | 0円(全額借りた場合) |
| 5年間の支払い | 336万円 | 約315万円+税・保険 |
| 固定資産税・保険の手続き | リース会社 | 自分 |
| 5年後のマシン | 返すか再リース | 自分の物(使い続ける・売る) |
金額の差だけでなく、5年後にマシンをどうしたいかで答えが変わります。使い続けたい機種は買う方が向き、数年で入れ替えたい機種はリースが向く、という考え方もできます。
審査と資金繰りで比べる
リースはリース会社、融資は金融機関(日本政策金融公庫や銀行)がそれぞれ審査します。どちらも「最後まで払えるか」を見ますが、資金の残り方が違います。
| 比べること | リース | 融資で購入 |
|---|---|---|
| 審査する人 | リース会社(販売会社が提携先を紹介することが多い) | 日本政策金融公庫・銀行・信用金庫など |
| 借入枠への影響 | 融資の枠を内装・運転資金に回しやすい | マシン分も含めた額を借りる |
| 返済期間 | 税務上は耐用年数の70%以上が目安(リース事業協会) | 公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は設備資金20年以内(2026年10月23日確認) |
| 途中でやめるとき | 中途解約できず、残りのリース料相当を払う | 売却できるが、借入の返済は残る |
ジム開業ナビの試算モデル(2026年10月)は、マシンをリースにした前提で作っています。24時間ジム30坪・マシン13台では、初期費用2,370万円・月の費用202万円のうち、マシンリースが月34.3万円です(実際の費用は物件・地域・見積もりで変わります)。購入に切り替えると初期費用が増え、その分を融資で賄うなら月の返済が加わります。
マシンの台数と、リースか購入かの条件を変えて、初期費用と月の費用を比べられます。損益分岐の会員数がどれだけ動くかを見てから決めましょう。
開業費用・収支シミュレーションを無料で使う税務で比べる:経費になる時期が違う
税の扱いは、事業の形(個人か法人か)、青色申告かどうか、契約の中身で変わります。国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等、2026年10月23日確認)で確かめた主な点は次のとおりです。
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| 購入:10万円未満の器具 | 使い始めた年に全額を経費にできる |
| 購入:10万円以上20万円未満 | 一括償却資産として3年で均等に経費にできる |
| 購入:中小企業者等の少額減価償却資産の特例 | 青色申告の中小企業者等が取得価額40万円未満(令和8年3月31日までの取得は30万円未満)の資産を取得した場合、年300万円までを取得した年に経費にできる。期限は令和11年3月31日まで |
| 購入:それ以上の資産 | 耐用年数にわたって減価償却する |
| リース:所有権移転外リース取引 | 税務上は売買として扱われ、リース期間定額法で償却する。特別償却や、法人税法施行令の少額減価償却資産・一括償却資産の損金算入は使えない |
| リース:中小企業が賃貸借として処理した場合 | 支払ったリース料は償却費として扱われる。毎月定額で、リース期間定額法の償却限度額と同じ額になる契約なら申告調整は不要(リース事業協会) |
少額減価償却資産の特例は、国税庁の説明では所有権移転外リース取引で取得したとされる資産も対象になるとされています。どの方法が有利かは、その年の利益の見込みで変わります。開業1年目は赤字になりやすく、早く経費にしても税の負担が減らないこともあるため、税理士と相談して決めてください。
ジムのマシン別の考え方
1つのジムの中でも、リースと購入を組み合わせるのが現実的です。マシンの性質ごとの考え方の例をまとめました。
| マシンの種類 | 考え方の例 |
|---|---|
| 高額なマシン(ケーブル・プレート系・有酸素の上位機種) | 初期資金を残したいならリース。長く使う予定で融資枠に余裕があれば購入 |
| ダンベル・プレート・ベンチ | 壊れにくく長く使うため、購入が向きやすい。単価が低ければ少額の特例の対象になりうる |
| 電子機器が多い有酸素マシン | 故障・入れ替えの可能性を考え、保守の条件とあわせて比べる |
| 集客のための新しい機種 | 流行り廃りがあるなら、契約期間と入れ替えの条件を確かめる |
どちらを選んでも、マシンの代金は会員の月会費で払っていくことに変わりはありません。台数を増やす前に、損益分岐の会員数が無理のない数字かを確かめましょう。
よくある質問
ジムのマシンはリースと購入、どっちが安いですか?
見積もりのリース料と、融資の金利・保証料・固定資産税・保険を同じ期間で足して比べないと決められません。期間後にマシンを使い続けるか、入れ替えるかでも答えが変わります。
リースのマシンも減価償却するのですか?
所有権移転外リース取引は、税務上は売買として扱われ、リース期間定額法で償却します。中小企業が賃貸借として処理した場合でも、支払ったリース料は償却費として扱われます(国税庁・リース事業協会、2026年10月23日確認)。
中古のマシンを買うのはどうですか?
初期費用を抑えられる一方、保守の受け先や部品の有無を確かめる必要があります。中古資産も少額減価償却資産の特例の対象になりうるとされていますが、適用は税理士に確認してください。
リースと融資は組み合わせられますか?
組み合わせられます。ただし、融資の返済とリース料の合計が毎月の固定費になるため、合計で損益分岐の会員数を計算しておきましょう。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.5408「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(2026年10月23日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.2100「減価償却のあらまし」(2026年10月23日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.5704「所有権移転外リース取引」(2026年10月23日確認)
- 公益社団法人リース事業協会「中小企業のリース会計税制」(2026年10月23日確認)
- 公益社団法人リース事業協会「リースのメリット」(2026年10月23日確認)
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(2026年10月23日確認)
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