【令和8年度から実行期間】ジムと部活動の連携|3つの形と準備
ジムと部活動の連携は、学校の運動部やスポーツチームに「場所」「指導」「体の手入れの知識」のどれかを提供し、生徒・保護者・指導者とのつながりを作る取り組みです。国は令和8年度から「改革実行期間」に入り、部活動の地域展開を進めています(スポーツ庁、2026年10月23日確認)。ジムが関わる道は、トレーニング指導の受託、施設の貸し出し、地域クラブの運営団体との協力の3つが中心です。生徒を相手にするため、安全・保険・不適切行為の防止の仕組みを先に整えることが条件になります。
ジムが部活動・チームと組む3つの形
- 筋力トレーニング・けが予防の講習
- 学校やグラウンドへ出張
- 依頼元は学校・チーム・運営団体
- 空いている時間帯にチームへ貸す
- 雨の日・冬場の練習場所
- 料金と利用規約を先に決める
- 市区町村や運営団体の募集に応じる
- 指導者の登録・研修が前提になることも
- 参加費は低く抑える方針
- 保護者・指導者への認知
- 卒業後・引退後の入会の入口
- 平日昼など空き時間の売上
いま部活動との連携を考える理由:国の方針と時期
スポーツ庁は公立中学校等を主な対象に、部活動の地域展開を進めています。令和7年12月に「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」が出され、期間と進め方が示されました。ジムにとっては、これまで学校の中で完結していた活動に、地域の事業者が関わる余地が広がる流れです。
| 期間 | 呼び方 | 主な中身 |
|---|---|---|
| 令和5〜7年度 | 改革推進期間 | 休日の地域移行などの取り組みを進めた期間 |
| 令和8〜10年度 | 改革実行期間(前期) | まだ着手していない自治体も、前期のうちに休日の地域展開等に着手 |
| 令和11〜13年度 | 改革実行期間(後期) | 実行期間内に、原則すべての学校部活動で地域展開の実現をめざす |
| 平日 | (別に検討) | 課題を解決しながら改革を進める。まず国が実現できる形を検証 |
上の表はガイドラインの概要(スポーツ庁、2026年10月23日確認)をまとめたものです。進み方は市区町村ごとに違い、中山間地域や離島などでは当面、部活動指導員の配置などで対応するとされています。自分の地域で何が始まっているかは、市区町村の教育委員会やスポーツ担当の窓口で確かめるのが近道です。
ガイドラインには、関係団体・大学・民間企業との連携や、指導者の確保・育成、活動場所の確保が課題として並んでいます。ジムが持っている「指導できる人」「設備のある場所」は、そのまま地域の課題に当てはまります。
ジムができる連携の形と、それぞれの決めごと
連携の形によって、相手・お金の流れ・必要な準備が変わります。最初から大きな契約を狙うより、単発の講習から始めて信頼を作るほうが進めやすいでしょう。
| 形 | 相手と流れ | 先に決めること |
|---|---|---|
| トレーニング講習(単発) | 顧問・チーム代表から依頼。1回ごとに講師料 | 内容・時間・人数・講師料・けがのときの対応 |
| 定期のトレーニング指導 | 運営団体や市区町村と業務の契約 | 指導者の資格や登録の要否・報告の方法・契約期間 |
| 施設の時間貸し | チームが空き時間に利用。時間料金 | 利用規約・同時に使える人数・監督者の立ち会い |
| 保護者・指導者向け講座 | ジムが主催。参加費または無料 | テーマ・告知の方法・個人情報の扱い |
| 引退した生徒・卒業生向けの入会案内 | 本人(未成年なら親権者)と契約 | 学生料金の条件・親権者の同意の取り方 |
市区町村が地域クラブ活動を認定する仕組みも作られています。ガイドラインの概要(2026年10月23日確認)では、認定の主な要件として次のような項目が挙げられています。
- 活動時間:平日は1日2時間程度以内、休日は1日3時間程度以内
- 休養日:週2日以上
- 参加費:活動の維持・運営に必要な範囲で、できるだけ低く
- 指導体制:不適切行為の防止の徹底(日本版DBSの活用を含む)、研修を受けて登録された指導者による指導
- 安全確保:けがを補償する保険と個人賠償責任保険への加入(参加者・指導者等)
- 運営体制:規約の作成・公表、適切な会計、営利を主な目的にしない運営
「営利を主な目的にしない運営」が要件にあるため、ジムが自社の事業として運営するクラブがそのまま認定を受ける形には合わないことがあります。ジムは運営団体に指導者や場所を提供する側に回る、という整理が現実的です。認定の細かな要件・手続きは市区町村が定めるので、必ず担当の窓口に確認してください。
収益への効き方:講師料より「その後」の入会
部活動との連携は、講師料や施設利用料そのものより、生徒・保護者・指導者にジムを知ってもらえることに価値があります。参加費を低く抑える方針がある以上、連携だけで大きな利益を出す計画は立てないほうが安全です。
| 見る数字 | 計算 | 意味 |
|---|---|---|
| 空き時間の売上 | 時間料金 × 貸した時間 | 平日昼など空きやすい時間を埋めた分 |
| 連携から来た入会 | 入会時のアンケートで「部活動・チーム」と答えた人数 | 連携がどれだけ会員につながったか |
| 1人あたりの準備時間 | 講習の準備・移動・実施の時間 ÷ その講習から来た入会 | 手間に見合っているか |
例として、平日の14時〜16時が毎週空いているジムが、そこを1時間3,000円で週2時間チームに貸すと、月4週で24,000円の売上です(計算のための例)。売上としては小さくても、保護者や指導者が来店するきっかけになります。入会につながった人数を毎月記録しておくと、続けるかどうかを数字で判断できます。
会員数・月会費・月の新規入会・退会率を入れると、新規入会が月に数人増えたときの利益の変化を試算できます。連携から来る入会がどれくらい効くか、先に確かめておきましょう。
収益改善シミュレーションを無料で使う未成年を受け入れるときの安全と契約の準備
部活動の相手は多くが未成年です。民法第4条は18歳を成年と定め、第5条は未成年者が契約などをするには法定代理人の同意が必要で、同意のない契約は取り消せるとしています(e-Gov法令検索、2026年10月23日確認)。講習の参加や入会の契約は、親権者の同意を取る形で設計しましょう。
| 準備 | 中身 | 確認先 |
|---|---|---|
| 保険 | 施設賠償責任保険の補償範囲が出張講習や貸し出しを含むか | 保険会社・代理店 |
| 同意書 | 親権者の同意、健康状態の申告、緊急連絡先 | 弁護士 |
| 指導の安全 | 熱中症・けがの対応手順、指導者の人数 | スポーツ庁の通知・運営団体 |
| 不適切行為の防止 | 指導者の行動ルール、二人きりにならない配置、相談窓口 | 運営団体・市区町村 |
| 写真・動画 | SNSに載せる前に本人と親権者の同意を取る | 個人情報保護委員会の案内 |
スポーツ庁の部活動改革ポータルサイトには、熱中症事故の防止や遠征時の安全確保、こども性暴力防止法への対応などの通知がまとめられています(2026年10月23日確認)。連携の相談に行く前に目を通しておくと、学校や運営団体と同じ言葉で話せます。契約書や同意書の文面は弁護士に、保険の内容は保険会社に確認してください。
よくある質問
部活動の地域展開に、民間のジムは参加できますか?
ガイドラインでは、関係団体・大学・民間企業との連携が推進の項目に入っています(2026年10月23日確認)。ただし、どの団体に何を任せるかは市区町村が決めます。地域の教育委員会やスポーツ担当の窓口に、募集や相談の方法を問い合わせてください。
部活動の指導を引き受けるのに資格は必要ですか?
認定地域クラブ活動では、市区町村が定める研修を受けて登録された指導者による指導が要件とされています。学校の部活動指導員は自治体ごとに任用の条件があります。依頼元に、必要な研修・登録・資格を確認しましょう。
部活動の生徒向けに料金を安くしてもよいですか?
学生向けの料金を作ること自体は事業者が決められます。対象・期間・確認の方法(学生証など)を料金表に書き、通常の料金との違いが誤解されないように表示しましょう。地域クラブとして参加費を決める場合は、運営団体や市区町村の方針に合わせます。
部活動との連携はどこから声をかければよいですか?
単発の講習なら、近くの学校の顧問やスポーツ少年団・クラブチームの代表に、講習の内容と安全の準備をまとめた1枚の案内を持っていくのが始めやすい方法です。地域クラブの運営に関わりたい場合は、市区町村の窓口が入口になります。
出典
- スポーツ庁「部活動改革ポータルサイト」(2026年10月23日確認)
- スポーツ庁「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン(令和7年12月)」(概要PDF、2026年10月23日確認)
- スポーツ庁「各種制度・通知等」(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「民法」第4条・第5条(2026年10月23日確認)
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